抱卵の季節・・・サシバの里 2019 Part12&Part13

5月11日 土曜日。

朝は3時30分起床。

荷物を積み込んで4時出立。

上々の天気。

先週はゴールデンウィークでもあり、1週間パスしました。

Part11から2週間経っていますので、大分状況は進んでいると思います。

時期的に殆どの番が抱卵に入っていることでしょう。

そうなると、静かなものです。

メスが抱卵するのが基本のようですが、オスも交代します。

あまり交代に来ないとオスメス関係無く鳴きだしたりします。

その時、営巣場所の近くにいれば特定も可能ですが、案外機会が少ないですね。

補食の頻度がどれくらいか正確に分かりませんが、交代で餌取りをするのですが、必ずその後巣に帰ると言うことでもないようです。

管理人が以前SYで巣を発見出来たのは、口に餌を咥えて飛んでいる個体を見たからです。

それを目線で追いかけたらその先に、巣がありました。

その時は雛が生まれてた訳でもなく、おそらく抱卵しているメスのために餌を運んでいたのでしょう。

その逆はまず見たことがありません。

オスは鳥か人かを問わず、メスに奉仕するモノのようですね(笑

さて、今回は場所毎にまとめて記録しておこうと思います。

5月11日と12日をまとめて記載します。

OY
5月11日
 6時47分 OYの入り口付近でオスの電柱サシバを確認。1分くらいしてから飛び出して行った。

 7時00分~ 7時25分 朝食を摂りながら観察。個体の姿は見えず。

12時52分~13時07分 2回目の巡回。個体の姿は見えず。

5月12日
 9時22分~9時26分 正面の林から鳴き声が聞こえる。姿は見えないが抱卵している可能性はある。巣の特定は出来ず。

TN
5月11日
 7時37分 通過する時には個体の姿は見えず。
14時30分 通過する時には個体の姿は見えず。

5月12日
 8時42分 オスの電柱サシバを確認。 巣の方に飛んで行く。

 オスの動きを見る限り、抱卵はしていると思われる。

KO
5月11日
 7時50分~8時7分 個体の姿は見えず。

11時20分~12時25分 昼食をとりながら観察。個体の姿は見えず。

5月12日
 9時00分 個体の姿は見えず。

 2日間で一度も個体を見ることは無かった。営巣している場所の特定は困難の模様。

UG
5月11日
 8時10分 UGKでオスの電柱サシバ確認。直ぐにいなくなる。

 8時14分 UGNでオスの電線サシバ確認。糞をするところを撮る。20分ほど観察するが巣には戻らなかった。

 8時56分~10時58分 UGSでメスのサシバを確認。電柱から飛び出して餌を獲りに行くも失敗した模様。

 その後2時間にわたって餌取りをするも失敗が続いた模様。

巣に戻るかと期待したが見当違いの方に飛んで行った見失う。

14時40分 個体は見えず。
14時56分 オスの電柱サシバを確認。

餌取りは成功したようで管理人達の頭の上を飛翔の大サービス。

こちらに目線を向けているオスのサシバ。

巣に帰るかと期待したが高く上がって巣があると思われる方向に向かって滑翔する。その後見失う。

午前中メスが狩りにあまりにモタついているので営巣を放棄したのではないかと心配したが、午後になってオスの個体を確認出来たのでまあまあ抱卵はしていると考えても良さそう。今年はここで若の巣立ちを観察したいと考えている。

以上、基本の4場所の状況です。

追加情報があります。

SY
13時20~14時14分 以前の営巣場所の近くでメスの電柱サシバを確認。

暫く観察していたのですが、裏山の方に飛んで行きました。営巣しているかは微妙な所ですね。ここも以前から実績があり、一昨年はここで若の巣立ちを観察しました。

昨年長年巣が架かっていた赤松が枯れてしまい営巣は確認出来なくなったのですが、近くで再び営巣が始まっている可能性もあります。

渡ってくる個体も時期の早い遅いもある程度あると思われますので、経過観察はここも続けたいと思います。

と簡単に状況を書きましたが、予想通り抱卵に入ったと思われるので全体的に動きが大人しくなりました。しばらくはこんな状態が続くと思います。

田圃に水が入りオタマジャクシも生まれて来ました。

植えられた稲も順調に生育しているようです。

管理人達が次にサシバの里に来るのは6月の後半になる予定です。5月の後半から6月の前半は長野や新潟に遠征を予定していますので、サシバの里での観察は一旦休止となります。まあ、新潟あたりに行けばサシバを見ることはあるので、サシバ自体の観察は続くと思いますが、天候が良いことを祈りつつ、日曜日の朝の撤収と相成りました。

追記:
確認した個体数は
 オス 4 メス 2
でした。

追記:
管理人達は最初の頃は写真が目当てで観察は二の次三の次でした。

それが何年かサシバと向き合っていく内に、写真もいいけど、より観察に力が入って来ています。

それは壮大なワタリと若の巣立ちなどを目の当たりにしたからだと思います。

サシバが長躯何千キロも往復する本当の理由は分かりませんが、大きなリスクを冒して日本で繁殖し、日本の里山に溶け込んでいる姿に何故か惹かれている管理人です。

恋の季節の次は・・・サシバの里 2019 Part11

4月27日。 土曜日。

雨模様の中、朝4時30分頃出立。

現着した頃には雨は止む予定ですが、どうでしょうか。

早朝、雨ではありますが、ゴールデンウィーク初日と言うこともありまして、湾岸回りは混む可能性が高いので羽田線から箱崎回りをすることにしました。

東北道も少し混みましたが、思った程ではありませんでした。雨の所為と連休が長いので混雑は分散しているようです。

OYに7時55分頃到着。

雨は上がっています。

そこで軽くお握りを朝飯がわりに頬張りながらの観察でしたが、個体は確認出来ず。

KUに8時53分に到着。

こちらでは高く空を回って滑翔して行く個体を1つ確認。ここで生息している個体かどうかは判別がつきません。気温が低いので活性も低いようですが、ワタリの途中の可能性もあります。

UGSに向かう途中ですが、TNは車窓からみる限り個体の確認は出来ず。

UGSには9時22分到着。

写真に撮れたのはメスの枝止まりですが、ここはオスメスともに確認。40分位の観察中に営巣の場所も出入りらしきものを確認。おそらく抱卵中だと思われます。

ここでは田植えが終わった田圃もいくつか見られました。サシバの餌となるカエルの繁殖もこれから本格化するものと思われます。

UGSから移動する際の隣のエリアのUGKで番を発見。先ほどとは別個体と思われますが、ワタリ途中の可能性も高いようです。

再びKUに10時7分到着。

先ほど見た個体とは別と思われるオスの個体を発見。杉の木の天辺に止まっていたのですが、直ぐに視界から消えました。ここらに居着いている個体と思われます。

どうも、このKUは営巣場所と言うよりは狩り場になっている気がしてきました。それも2つ以上のエリアから狩り場として個体が色々と飛来しているのではないかと感じます。ワタリの途中と思える個体も見かけるし、抱卵場所が近くにある気配を感じません。出現頻度は高いので引き続き要観察場所ですが、営巣の期待は薄くなって来ました。

OYに向かう途中SD付近で電柱サシバを発見。

下をのぞき込んで餌を物色中ですね。ここはKUからそれほど離れていません。そして回りの木の生え具合からすると営巣場所としてはこちらの方が適しているような気がします。

再びOYに11時3分到着。

本日はついにここでは個体を見ることはありませんでした。この辺りで交尾も確認していますし、回りに営巣場所として良い枝振りの赤松が結構自生しているので期待は大きいのですが、活性が低いのかもしれません。

早々に切り上げ、UGSに向かう途中のTNで電線に止まる個体を発見。ここは何度も書いていますが実績のある場所なので比較的安定した観察が出来る所です。

オスのようでが、メスが抱卵中だと思われます。

程なく飛び出して行きました。

薄曇りで背景の緑もイマイチですが、低い飛翔で中々良い表情が見られた気がします。

枝止まりしてこちらを見ているサシバ。今でこそ絶滅危惧種に指定されていますが、サシバは比較的身近な猛禽なんですね。

最後にUGSに12時24分到着。

今回は個体は発見出来ず。30分程観察した後、本日の観察は終了としました。本日はこの後実家の福島まで移動するためです。

さて、午前中のみの観察となりましたが、発見個体数は6個体となりました。番は2組。

活性の低さが気になりますが、恋の季節の次の段階に入りつつあるようです。抱卵に入ると動きが悪くなるのは例年通りなのであまり気にしても致し方ありません。

今回の観察行の後は、しばらくはこちらに回る予定がありません。6月の後半くらいに又観察を開始するかと思いますが、その時は雛が孵っていることを念じつつ撤収と相成りました。

追伸:
サシバの里から福島の移動する途中、国道でサシバの個体を発見しました。電柱サシバでしたが、カラスとのモビングを始めました。営巣場所が近いのではないかと思います。

栃木県内ではありますが、福島との県境まで10キロ程度の所でした。

福島の実家からはここまでは40分程度で来るので、足を延ばして観察に来てみる予定です。

サシバは集団性が高いのでもし1つでも営巣が確認出来れば、回りのエリアには複数の営巣場所があることが期待出来ますからね。

残念ながら福島の実家付近では散々回ってみたのですが、数年来一度もサシバを見ることが無かったことを思えば、通りすがりの短い時間で個体を確認出来たことはかなり繁殖地としては有望な気がします。

又々恋の季節・・・サシバの里 2019 Part10

13時40分頃、TNを通過するときにサシバの鳴き声が聞こえました。車窓から飛んでいる姿を確認。

ここは実績のある場所なので先に進みます。

再びKOに戻ると、3個体を確認。ここは結構入り乱れる場所です。

飛んでいる時は確認出来ませんでしたが、今見るとメスも飛んでいたようです。

ここはワタリの通過点のような気がしてなりません。良く個体を見かけるのですが、高く上がって滑翔していく個体をよく見るからです。それとは別にここに居着いて繁殖している個体もいるようで、時々とてもに賑やかになります。

そうそう、サシバだけで無くツバメも同じように恋の季節ですね。

そして最後にUGに回ります。ここでも一個体を確認。番の片割れのようです。

その後は那珂川ステーションへ。

4月21日 日曜日

今週末の那珂川ステーションは満杯でした。

やはりキャンプのシーズンなんでしょうね。ゴールデンウィークは管理人達は福島の実家に行くのでキャンプ場は行きません。まあ、予約も取れないですけどね(苦笑

さて、UGからまわりましたが、ここでは個体は1つ確認。暫く巣に戻るかと張っていましたが、目星を付けていたあたりに戻って行きました。

これで鳴き声でも聞こえて、餌でも咥えて入っていけば確定なのですが、まだその時期ではないようです。

続いてはTNへ。

ここは何回も書いていますが実績のあるところなのですが、番の確認が出来ていませんでした。

丁度桜の木を背景に電柱サシバが居たのですが、ここで交尾を確認。やっと番の確認が取れました。

その後、営巣場所と思われる所へ片割のオスが帰還。

場所は昨年と変わっていないようです。今交尾している位ですから、抱卵はまだ少し先のようです。ここは散々観察もしたし、写真も撮ったので経過観察は続けますが、他場所に時間と労力をより割くようになるでしょう。

最後にOYに回ってみました。

ここでも2個体、番を確認出来ましたが、営巣場所の特定はやはり出来ませんでした。どうも管理人達の観察場所が少しピントがずれているのか、今ひとつです。

観察するも初めての場所なので情報が少ないのもありますが、焦る必要はないのでノンビリと行きます。

さて、土日2日間で10個体ほど確認しました。4場所、4番ですから、その他は通りすがりで確認した単独の個体です。

エリアを拡げればそれなりに対象となるサシバは増えますが、あまり広すぎても手が回りません。若の巣立ちまで確認出来れば一応繁殖は成功だと思っています。その後のワタリまではフォローは出来ないし、生存率がどれくらいかも分かりませんが、巣立ちが確認出来れば次に繋がる可能性があると言うことで、繁殖の成功と見ている訳です。

金御岳のワタリ数が2万を少し超えるくらいですから、国内に生息するサシバはもう少し多いと思われます。でも、考えてみると大概は一番から3羽程度の若が巣立ちますから、秋のワタリの半数以上は若と言うことになるのではないでしょうか。

春のワタリのデータが少ないので何とも言えないところですが、今年の宮崎、牧内山の観察によれば、限定的な期間ながら、6616羽がカウントされています。

管理人の推測ですが、この辺りではあまりサシバがばらけることは少ないように思いますが、秋の三分の一程度と言うことになります。期間も限定されているし秋と違って通年の観測データもないので一概には言えませんが、秋に2万羽を超えると言うことは国内に渡ってくるサシバはもう少し多いとは思われます。それでもなんとか春のデータがここ最近ようやく出て来たので、良かったなと思います。

サシバは集団性の強いタカのようで、いることにはいるが、いないとこには全くいない、みたいな感じですね。まるでコンビニみたいですけど、そうで無いとこれだけの数を維持するのは難しいのでしょう。

サシバは本来は特に珍しいタカではなかったはずなのです。日本の里山にはかなりの数がいたように記録されていますが、現在は絶滅危惧II類に指定されています。

数からみれば、直ぐに絶滅するとは思えませんが、油断しているといつの間にかいなくなったなんてことになるかもしれません。

まあ、そんな小難しいことを考えつつも、昼の撤収と相成りました。