オオワシが飛んだ・・・涸沼 Part2

朝は濃い靄が湖面にかかっていました。

「これじゃ、餌取りは出来ないよな」なんて諦めムード。

まあ、あわててもしょうがないのでゆっくりと朝食。

そう言えば昨日、オオワシが飛んだ後、午後時間があったので対岸にある親沢公園に行ってみました。

景色を撮るためにミラーレスを持ってプラプラと湖岸を散歩していたら大きなレンズを向けている人達が・・・

その向けられている方向には宿り木があり、ちょこんと枝に止まっている鳥がいます。申し訳程度の望遠しかないミラーレスで思わずシャッターを切ってしまいました。

ヒレンジャクでした。思わず車に戻り望遠を持ち出しました。

尾羽の黄色いのはいないかなと眼をこらしたのですが、残念ながらそれはいませんでした。

枝に止まって実を啄んだりしていた時間は20分くらいでしょうか。気がついたらあっという間に居なくなっていました。

そんな昨日のことを思い出しながら8時30分過ぎに網掛公園に到着。靄は少し残っています。

昨日あれだけ居たカメラマンも今日は管理人達以外には1人だけ。「あれ、これってこんな天気の時は飛ばないのかな」と疑心暗鬼。

今日は外れなのかなと油断した頃・・・

突然背後から現れたオオワシ。

9時17分のことでした。

連れ合いが「オオワシだ」と叫ぶと、連れ合い越しにオオワシの姿が。真一文字に湖面に突っ込んで行きました。

慌ててレンズを向けます。最初の一枚はピントが合いません。夢中でシャッターを切ります。

昨日よりは大分近いです。しかも一発で餌を獲ってしまいました。何せファインダー越しにも獲った餌が見えます。

こりゃ、やばい、と直感的に思いました。

なにせ飛んでいる速度が速いこと。それなりに距離はあっても昨日より近いので大きさと速さを感じます。

カモ達の頭の上を通過しましたがカモ達は慌てる風情もありません。それにしてもカモ達の方が手前にいるのですがオオワシはやはり大きいですね。

後ろからウミネコが追走(追飛?)します。餌を落とすのを待っているのか、餌の方に眼が向いています。

そして昨日よりもっと「あっという間」に対岸に飛んで行きました。出現から見えなくなるまで1分とかかっていないと思います。

なんと突然に、慌ただしい朝の一瞬の出来事でした。

後から常連さんに聞いた話ですが、公園の裏方の塒(ねぐら)にいたそうで、カメラマンはそちらの方に待機していたようです。

飛んでから程なく、追っかけてきたカメラマン達の車で公園の駐車場はあっという間に一杯になりました。

ただし、昨日もそうですが、餌取りに成功するととりあえず今回のオオワシのミッションは終了となりました。

ちなみにレンズをターゲットに向けられたのは管理人達だけだったようです。

(ミッション終了後に)常連さんに「餌獲ったよね」と聞かれたので、証拠写真を見せるとその情報は直ぐに後から来た人に伝わり皆さんあっという間に撤収です。早いなぁ(笑

ただし、朝一で餌取りをした場合は、午後から再び餌取りをすることもあるとか。それはそれで狙ってみるのもいいかもしれません。

後、靄が晴れた後は積極的に餌取りにいく場合があるとか。

通常は塒から湖畔に飛んできてすぐには餌取りになることはないらしいのですが、今回は脇目も振らずダイレクトに餌取りとなったようです。

思えば、昨日は延々と3時間ほど湖畔の森の木の上で回りを睥睨していた訳ですから、今日のような天気の場合は要注意かもしれません。

まあ、大型猛禽の考えることは分かりません(笑

さて、さて、お陰様で朝一の狩りが終わったので管理人達はとりあえず網掛公園から撤収することが出来ます。昨日みたいに何時間も待たされたらどうしようかと心配していたのですが、まあ、良かったです。

追記:
帰り道昨日行った親沢公園に寄ってみました。今日もヒレンジャクがいました。

涸沼のオオワシは待ち時間が長くなりがちのようです。だからその飛んでいる姿は貴重なのかもしれません。

本音を言えば待ち時間は辛いですよね。でもね、それを承知しても待つだけの価値はあるんじゃないかと思います。人それぞれですが。

もし来年も(越冬に)来るようでしたらこちらに訪れる回数を増やしたいですね。そんなことを考えながら撤収と相成りました。

オオワシが飛んだ・・・涸沼 Part1

大型猛禽を観察したり撮影したりする機会は首都圏に住んでいると希少と言っていいでしょう。

そして大型猛禽の中でも「ワシ」とされるモノになるとおそらく皆無だと思います。

しかし少し足を伸ばせば会える場所が首都圏の近くにあります。

それが涸沼です。

涸沼のオオワシと言えばかなり有名です。管理人もいつ知ったか定かで無いほど以前から知っていました。
知ってはいても行ったことがない場所と言うのが結構ありますが、猛禽大好きならここは避けては通れない場所とようやく出張ることにしました。

涸沼自体野鳥の豊富な所です。
涸沼に住む(越冬ですが)野鳥の中にオオワシがいます。

撮影に関してはこちらを最初に参考にしました。

追記:
リンク先の写真のですが「ハジロカイツムリ」ではなく「ハジロカイツブリ」ですね。

オオワシは神出鬼没でここが絶対と言うポイントは無いように思いますが、とりあえず観察から始めるなら網掛公園(あがけこうえん)に出張ることになりました。

出発は4時25分。
到着は7時5分。

公園の駐車場は管理人以外は一台しか止まっていません。もしかすると抜けた可能性も無い訳ではないのでちょっと心配しました。

沼と言いながらかなり大きな湖沼です。厳密と言うと涸沼川の一部と言うことらしいのですが海水が混じる汽水湖でもあります。

網掛の通り地元の漁師さんが網を掛けています。

まずはハジロカイツブリのお出迎え。

お次はちょっと遠いけどカンムリカイツブリ。

餌を探しているらしく下を向いて飛んでいるユリカモメ。

このちょっとした表情が後から見られるのは撮影ならではの楽しさでしょうか。

さて初めての場所で回りには先着の地元の人がいません。まあ、適当に場所を選んで脚を出しました。

9時ころ来た地元の人に対岸の森の木にオオワシが止まっているから見てご覧と言われ、持参したフィールドスコープで言われた場所辺りを観察。

初めてオオワシの姿を確認しました。

大雑把にみて1キロちょっと離れていますが、なんとか黄色い嘴と白い羽が確認出来ると思います。

これが鎮座ましますって感じで動きません。そして突然に飛び出して餌獲りに成功すると本日は終了・・・それがここの基本的なパターンのようです。

常連さんはオオワシはあまり朝早くから飛ばないことを承知なので三々五々出張ってきました。

皆さんが出張ってきてオオワシがいるとこんな感じで土手の上に脚が並びます。

オオワシの姿が見えているので皆さん当然のように待ちます。

そして待つこと約3時間。

いやーとんでもなく遠いですがなんとかその飛ぶ姿を初めて見ることが出来ました。一応証拠ですがカメラにも収めました。

飛んでいるとその大きさが分かりませんが羽を広げると約2メートル40センチだとか。畳より大きいというのが謳い文句になっていました。

湖面に向かってハンティングです。もともと主食が魚系なのであまりカモ達を襲うことはないようです。まあ、魚が比較的豊富で狩りが容易なんでしょう。

それでもここでは一二度失敗してタッチアンドゴーを繰り返しましたが獲物をゲット。

その後はあっという間に湖面からその姿を消し去りました。

時間にすれば2分くらいでしょうか。3時間待って2分ですがそれでも見られただけましなようです。

ワタリも近いしかなり高齢な個体のため来年また会えないかもしれないと、その存在に関してはかなり不確定要素があるようですから、少ないチャンスをモノにしたいところですね。

さて、先ほども書きましたが狩りが成功したので本日のオオワシはこれにて終了とのこと。成功が確認できると皆さん撤収開始です。

本日はいこいの村涸沼に宿をとってありますので明日も続けて観察をする予定です。