福山レールエクスプレス 東京貨物ターミナル編

東京貨物ターミナルです。いままで撮ってきた福山レールエクスプレスやSRCの上り列車はここを目的地としています。

旅客列車なら旅客の乗降にそれほど手間はかかりません。しかし、貨物列車はそうはいきません。しかも、この荷物を扱う荷役作業も含めて輸送なのです。どう言うことかと言うと、運送会社の事情を鑑みればモーダルシフトを実現するためには、走行時間の短縮だけではすまない、つまり荷役作業の効率化も考慮しなければモーダルシフトは実現しないと言うことです。

かつてのトラック輸送は国鉄のストライキで輸送量を劇的に伸ばした歴史的な事情があります。つまり輸送業者として先鋭的に対立していたのです。しかし、日本の物流事情を鑑みたとき、トラックと鉄道を複合的に効率よく運用するのが国益に適うのは説明を要しないでしょう。その具体的な事例一つが東京貨物ターミナルで実践されているのでしょう。

PS:08.08

福山レールエクスプレス 走行編 改訂版その2をアップロードしました。走行編の続きが東京貨物ターミナル編ということになります。

スーパーレールカーゴ VS 福山レールエクスプレス

スーパーレールカーゴと福山レールエクスプレスはともに東海道線を往復します。専用列車としてはスーパーレールカーゴの方が大分先輩になります。だからといって福山通運も負けている訳ではないのですが、撮影に当たって、スーパーレールカーゴの方が条件が厳しいのです。例えば大船あたりの通過時刻はスーパーレールカーゴは4時47分(列車番号50レ)、福山レールエクスプレス(列車番号52レ)は5時00分。通過する場所によってその差は若干開きがありますが、大方10分から15分くらい違います。

実際のダイヤは

スーパーレールカーゴ  安治川口発 23時09分 東京貨物着 5時20分
福山レールエクスプレス 吹田貨物発 22時55分 東京貨物着 5時38分

安治川口と吹田貨物ターミナルの位置関係で言えば吹田の方が東京に近い。しかし梅田からは両方とも似たような距離ですが、阪神地区としての交通事情を考えれば安治川口の方が集荷の場所としては有利ではないかと思うのです。

運送業者としてはより遅い時間まで集荷できれば顧客サービスは向上するでしょう。しかしそうすると翌日の朝の到着が遅くなる。それは困るわけでスーパーレールカーゴは大阪・東京間を6時間11分、福山レールエクスプレスは6時間43分で結びます。トラック便に比べるとかなり早いです。ちなみに一回の輸送量は福山レールエクスプレスが多いです。

同業として競争もあるでしょうから、このあたりのしのぎは結構厳しいものがあると思います。より遅い時刻まで集めて、より早く届ける。モーダルシフトによるCO2削減と言う目的もありますが、輸送時間の短縮も不可欠ですから、双方とも専用列車を仕立てていると思われます。

さて、未明時の10分から15分の時間差は撮影可能であるかないかを左右します。しかも早朝ですから切羽詰まって現場に到着することもあります。従って撮影条件はスーパーレールカーゴの方がシビアにならざる得ないのです。

実際、写真などはスーパーレールカーゴは随分と下手を打ちました。ビデオの方はいくらかましですが、それでもセットアップに手間取ってスーパーレールカーゴを撮り逃したこともあります。

何が言いたいかと言うと、依怙贔屓なく一生懸命撮影しようとしているのですが、福山レールエクスプレスの方が撮影に関しては有利にならざる得ないのです。つまり同一の編集は出来ません。そこでよく言えば工夫をして、悪く言えばうまく誤魔化して、編集することになります。

どちらも管理人にとっては撮影素材としては甲乙付けがたいですが、その仕上がりが違うのはそんな事情も影響しているとご理解ください。