葛西臨海公園・・・繁殖の夏 Part2

 先日の台風四号はこの時期にしては珍しく関東圏を直撃しまた。その後が気になり葛西臨海公園に出張ったのは先週の二十三日。この日はビデオしかもって行かなかったので写真は撮らずでしたが、生き残りの雛を三羽確認出来ました。親鳥達も数は少し減ったような感じでしたが、何箇所かでは抱卵をしているようでとりあえず一安心。

そして本日はビデオと一眼を両方持って出張りました。話が横道にそれますが、これらの機材を椅子代わりのアルミケースに入れるととっても重いのです。正直言って担いで歩き回る重量ではありません。それに三脚が加わり、さらに飲料水やよ食料やらと、重量は嵩むばかり。まあ、考えようによってはいいトレーニングではありますが、夏の暑い時期の移動はかなりシンドイですね(苦笑

さい、そんな愚痴は置いて、あれから雛達はどれくらい育ったかが楽しみです。まずは現地に到着すると数は先週と変わらない感じか、少し増えたのか、親鳥達が所々で抱卵をしていました。

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そして雛達はすぐに確認出来ました。なんとか今週も無事に育っているようです。

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先週は三羽確認できたですが、どうやら生き残ったのは四羽いました。そう言えば、六月十七日に来た時は四羽いたのです。どうやらその時にいた連中がなんとかあの台風にもめげず生き残ったのでしょう。何とも頼もしい連中です。

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(上空が気になる年頃になったようです。)

観察していると親鳥の餌遣の頻度は随分と少なくなっているような感じです。そろそろ自前でなんとかしろとのことなんでしょうか。ビデオでは撮れましたが、僅かですが飛翔もしていますから、自前で餌取りが出来る日もすぐでしょう。

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そう言えば観察中カラスが寄ってきました。この辺りは比較的カラスは来ないのですが、コアジサシが猛烈にモビングをしかけてあっと言う間に追い払いました。いや、すごい迫力でしたね。

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そうやって守られている雛達も最初に見た頃は親鳥の腹の下に潜り込んでいたのに随分と成長したなと思います。旅立ちの日も近いでしょう。

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親鳥たちも台風にめげずにまだまだ繁殖を続けています。去年は八月の中旬くらいまで雛が孵っていましたから、コアジサシの繁殖の夏はまだ当分終らないのでしょう。

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葛西臨海公園・・・繁殖の夏

 葛西臨海公園は現在、コアジサシの繁殖地になっています。そしていよいよ昨年に続き雛が孵りました。そなん訳で最近は野暮用で鳥見も殆ど出来ない管理人が、なんとか時間を工面して初夏の葛西臨海公園に出張ることと相成りました。

西渚は開場が9時からなのでゆっくりと出かけることになりました。ゆっくりしすぎたためか、現地に到着したらすでに11時になってしまいました。

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場所は迷うようなところではないのですが、駅からは結構歩きます。しかも現場は日陰が皆無です。本日は曇天模様の空の下、日が照ってるよりはいくらかは楽でしたが、暑さ対策は必須ですね。

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現場はコアジサシがやたらと飛んでいます。昨年より随分と増えた感じです。昨年ここで孵化したコアジサシも戻ってきて繁殖に加わっているとしたら、ボランティアの人たちの努力もかなり報われたと言う事でしょうか。コアジサシ自体は海浜回りをしているバーダーなら特に珍しいということもないのでしょうが、それでも絶滅危惧Ⅱ類だとか。あまりうれしくない話ではありますね。そんな訳で昨年、22年ぶりに葛西臨海公園で繁殖が確認されて、今年も続いての繁殖の朗報です。

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しかし考えてみれば、人為的な繁殖地を用意しなければならないと言うのも如何なものなのかと思います。22年ぶりの繁殖と言うのは、かつてはこの地で自然繁殖していたのかどうかを調べてみたいですね。もしこの地で自然繁殖をしていなのなら場所の適性があったのかもしれません。そしてなんらかの理由で繁殖しなくなったと言う事なのですから、その辺りの問題がクリアされなければこの繁殖は続かないようにも思えます。

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それにしても雛と言うのはなんとも可愛いものですね。歳を食ってくると、生きとし生けるものが妙に愛しくなってくるものですが、生まれたての生命と言うのは、理屈を超えた愛しさを持ち合わせているようですね。

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さて来週はビデオを持ち込んでみたいと思っています。来週はおそらく出産ラッシュになっていると思われますので、多くの雛があちこちで見られると思います。囲われた中での繁殖ではありますが、これでも無いよりははるかにましと思わなければならないご時勢ですが、まあ、致し方なしと言ったところでしょうか。

おまけと言ってなんですが、最後にカルガモもしっかりと繁殖しているようです。

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夏の終わり・・・

 八月最後の日曜日。渡りのシーズンが始まってます。そんな訳で取り合えず葛西臨海公園に暑い最中またまた出張ることにしました。本日はドックから退院してきた456で久しぶりの撮影です。ビデオは暑いし移動が大変になるので本日は割愛。実はそれが少々裏目に出るのですが・・・

いつものようにチャリンコを借りて取り合えずセンターに向かっていると、「オオタカの若が上の池の杭に止まっているよ」と教えてくれる人がいました。そのままセンターに向かうと結構な数のウォッチャーや撮影者達の懲りない面々がいました。見るとあら珍しや、いつもはカワウやサギ達のお決まりの場所にオオタカの若が鎮座ましましているではありませんか。

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管理人も随分とここに来ましたがこれは初めて見ました。恐らく成鳥ならまずこんなところにとまることはないと思いますが。それにしてもいくら若とは言えオオタカです。まさかこんなところでこんなツーショットを撮れるとは思いませんでした。

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どうなんでしょうか。オオタカもオオタカならアオサギもアオサギです。アオサギが若のオオタカを完全に舐めているのか、オオタカがまるで無関心なのか。いずれにしてもあまり見かけることのない光景ではないでしょうか。そして程なくオオタカは飛び去ります。まるでアオサギなんかには無関心のように。

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飛び立つ前にオオタカの目の前をセイタカシギが四羽ほどの群れで通り過ぎ行きました。その時も無反応でしたね。

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後で常連さんに聞いたのですが、この杭に止まる前にあまり大きくはないけど何かを捕食したようです。スズメかヒヨドリか何かは分かりませんが。まあ、ある程度腹は満たしていたと思われますが、それでもこんなことってあるんですね。それでもこのオオタカが成鳥になればこんなシーンは見ることは出来なくなるんでしょうけど。まあ、そうしたらいくら阿呆なアオサギでも近寄らないんでしょうけど。

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そんなひと悶着の後、今度はセンターの上で少し人だかりが出来ています。スロープを上がっていくとオグロシギが遠くに見えます。

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夏羽のようです。オグロシギは秋の渡りでないと見れないと誰かが言っていた記憶があります。春と秋では渡りのルートが違うからといっていました。秋は若が渡ってくるので確率的にも出会える機会が増えるようです。確かに管理人も春にはここいらで見たことはないですね。三番瀬はオオソリハシシギが大挙して渡って来ますがオグロシギはあまり見かけません。葛西では逆にオオソリハシシギは殆ど見かけることはないのですが秋はオグロシギに運が良ければ出会えます。

擬岩にはコチドリの若もいました。 現場で見た感じでは黄色いアイリングが白く見えたのですが、写真で見るとちゃんと黄色になっていました。

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ソリハシシギもいました。いつぞやは谷津干潟で遥か彼方でみたのですが、ここに居てくれればあっさりと近くで撮れます。

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ムクドリの若もいます。そういえばコムクドリが水浴びをしていたのですが撮りはぐれてしまいました。

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ついでにカマキリがセミを仕留めたシーンを皆さん結構撮っていしまた。連れ合いはカマキリやセミの類は大嫌いなのでシカトしていましたが(笑

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風がいくらかあって最盛期の暑さほどではありませんがそれでも汗は滴り落ちます。そろそろ撤収しようかと思い最後の一回りの後、カマキリを嫌って違う場所にいる連れ合いに「カエルぞ」と電話をしたら、「アカガシラが出ているよ」とのこと。とりあえずすぐに現場に急行しました。

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長い首を伸ばして、久しぶりにその姿を見ることが出来ました。どうやら冬羽にかなり換羽している模様です。六月頃から確認情報がありましたが、確認したのは初めてです。と言っても震災以来先々週に来ただけですけど。

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連れ合いは上手い具合に飛び出しを撮れたようですが、まあそれにしても相変わらず動きが無いです。近くにアオサギとホシゴイがいました。

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実はこの三羽を眼下に見下ろしている奴がいたのです。

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どうやら先ほど杭に止まっていたオオタカの若です。あれから大分時間が経っていますので腹も減って来たのかもしれません。これをウォッチしているギャラリーにも幾ばくかの緊張が走ります。

アカガシラサギは結構キョロキョロしています。

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それとは対照的にアオサギとホシゴイはあまり反応がありません。ホシゴイに至ってはオオタカに背を向けた状態です。二年ほど前に後ろから襲われたホシゴイの写真がセンターに展示されていましたが、これは稀有のシャッターチャンスを物に出来るのかなとほんの少しだけホシゴイの不幸を(多分ギャラリーの殆どが)願ってしまいました。そしてついに・・・

アカガシラサギはオオタカに向かってあきらかに警戒のポーズをとりました。

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そしてその瞬間オオタカは・・・・

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眼下に三羽も獲物がいたにも関わらずあっと言う間に飛び去ってしまいしまた。経験の少ない若だからなんでしょうか、ひびってしまったのでしょうか。それともまだ腹が満たされた状態だったのでしょうか。先ほどの杭から何もせずに飛び去った様子からして成鳥のようには未だ狩が出来ないのでしょうか。ただ、いずれかは成鳥になって獲物を狙うときがくるのでしょう。その時にアカガシラサギたちが無事で居られるかは保証の限りではありません。

秋のシーズンは三番瀬がいまだ立ち入り禁止なので海浜回りは葛西臨海公園が主になるでしょう。そんな人は結構多いのかもしれません。また冬羽になったアカガシラサギがこのまま越冬してくれれば、二年半前にハイビジョンで撮れなかったビデオに収めることが出来るかもしれません。カモ類やシギ類と猛禽達のスリリングなやり取りもここでは結構ありますので出来ればそんなシーンも収めてみたいですね。そうそう、出来ればミサゴの捕獲のシーンももう一度もう少し近くで撮りたいですね。あれはあれで結構凄いものがあります。

暑かったですが、それなりに色々なことがあった夏の終わりの葛西臨海公園でした。

暑い子育て・・・2011 夏 コアジサシ雛かえる 

葛西臨海公園でコアジサシの雛が孵っているとスタッフブログで知りました。

2月27日に三番瀬から葛西臨海公園を回って以来、つまり震災後初めて葛西臨海公園に来ました。未だに三番瀬は立ち入り禁止です。三番瀬が中心の海浜回りがこれで随分と減ってしまいました。谷津干潟、三番瀬、葛西臨海公園と千葉、東京をまたぐ海浜回りは、みなと横浜の市民としては中々そう簡単には行けません。本来は(海鳥の)海浜回りならみなと横浜あたりにあって欲しいところなんですが、この三つの総合力を越える場所は残念ながら知りません。

まあ、そんなちょっとした愚痴は置いといて、今年はサンコウチョウの雛を見ることは出来ませんでした。それで営巣場所と言うのはやたら近づくものではないし、これと言った場所も近場に見当たらないので、今年は繁殖を見ることは出来ないかなと半ば諦めていました。ましてやこの暑さ。出歩いて熱中症になっても仕方がないし、456もフードの不具合でドック入り。(追記:この撮影の帰りに目出度く退院しました)

まあ、おとなしくしていようと思っていました。そんな中連れ合いが先のブログで観察会を知り、管理人を差し置いて単独でそれに参加して来ました。寝た子を起こすような連れ合いの挑発的な行為に乗せられて、この暑いさなか久しぶりの葛西臨海公園行きとなった次第です。

それにしても暑いの一言。スポーツ飲料を凍らせて準備万端のつもりでしたが、吹き出る汗は止まりません。日陰のまったく無い渚ですからいたし方ありませんが、それでも懲りない面々が何人かいました。どうやら最盛期は過ぎたようですが、まだまだ雛達は走り回っています。そんな元気な雛達の姿をビデオに収められたので暑さもどうにか我慢できたようです。

現場はスタッフブログの観察会の案内がある位ですから、来る人は拒まずの状態ではあります。パイロンで囲った場所が一応立ち入り禁止にはなっていますが、その外でも雛がいます。また近くでカイトで遊ぶ人、海で遊ぶ人達がいます。繁殖の場所としてはかなり騒がしいと思います。野鳥の繁殖なんかには無関心な人も回りに沢山いるので意味がないかもしれませんが、極力雛にはある一定上は近づかないように撮影する人は配慮するべきでしょう。

ギンムクドリ

 昨年末から一月にかけて鳥見や鳥撮りが出来なかったことは前回のブログに書きました。それでようやく最近少しずつ回りだしのですが・・・、行く先々で知り合いに合うと

「・・・のあれ行きましたか?」と聞かれることが大変多いですね。まあ、二ヶ月近くも回っていないと色々と出てくるようですが、それにしても、なんか今回の冬は当たり年なのかと思ってしまいます。まあ、なんとも皮肉な話です(苦笑

 よく聞かれたひとつに葛西臨海公園のギンムクドリがいます。そんな訳で今年初の海浜回りとなりました。いつものように三番瀬から葛西臨海公園に回ります。

 三番瀬の方は動きのない時期なのでしょうね。ダイシャクシギやビロキンはいましたが、その他はあまりこれと言ったものは見かけませんでした。ダイシャクシギやビロキンは遠いのでなんとかビデオには収めましたが、写真をアップするほどのことはないと思います。そのうちビデオで上げたいと思います。

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ミヤコドリとセグロカモメの群れ。右端に見えるのはダイシャクシギ

 さて、お目当てのギンムクドリですが、これはあっさりと撮れました。結構長い間居るようなので需要は満たしているのでは思っていましたが、さすがは日曜日。結構な人だかりでした。もっとも常連組は見かけませんでしたから、其の辺りの需要は満たしているのでしょう(笑

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桜の木に止まっている。これで花が咲いていたら相当にいい絵になると思うが、花が咲いていると撮影がとても難しくなるのが悩みの種。桜の咲く頃までいたら嬉しいけどね

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比較的近くに寄ってきた。ムクドリだから元来、極端に警戒心が強いということはないのかもしれない。撮影するには有り難いところ。

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葉が生い茂っているところを抜いて撮った。写真としてはこれが一番好みかも。背景のボケが中々綺麗だと自画自賛

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なんといっても飛び出しを撮るのが鳥撮りの醍醐味の一つ。腕だけでなく運も必要だが、運があればまぐれでもこんなのも撮れるという見本。

 ビデオの方は当初、ちょっとしたトラブルで何本か撮ったつもりが撮れていませんでした。それでも少しは撮れたのでこれも後日アップしたいですね。

 それにしてもムクドリとそれほどの違いはないようにも思いますが、バーダーの関心と反応が天と地ほどの差があるのを見ていると自分のことは棚に上げて、これはこれで面白いですね。数の希少性に人々は惹かれるところがあるわけで、ムクドリとギンムクドリの数が逆転すればムクドリに関心が行くわけですよね。栓の無い話ではあります。

 ムクドリと比べると贔屓の引き倒しになるかもしれませんが、聊か上品な感じがします。色合も綺麗ですね。ついでにその表情もなんとはなしに可愛いのかな。ムクドリよりはかなり女性受けしているなと、回りの女性バーダーを見て感じました。

 ギンムクドリがあちこち回るのでバーダー達の集団も大きく二つに分かれていたようです。夕刻に近くなると、管理人のいた場所は殆ど人がいなくなりました。それでもなんとか本日は撮れたので胸を撫で下して、撤収と相成りました。