里山に行こう Part9 いろいろありました

里山はシンプルな場所です。景色は似たり寄ったりで、生き物が豊富で、空気が綺麗で、緑が多いです。

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サシバは里山の生態系の頂点に立ちます。潤沢な自然の恵みがなければサシバは生きていけません。それを支えているのが里山の環境です。

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今回、観察・撮影したサシバは里山で暮らしてます。実に人と近い距離です。近い距離と言っても自ずと限界はありますが、カラスやトビよりも身近に感じました。なにせサシバと目と目が合うんですから、思わず笑ってしまいます。

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思いがけない体験でした。秋のワタリの時期だけ観察していたサシバがこれほど人と近しい関係にあるとは新鮮な驚きでした。通常の農作業をしている人を警戒する様子は見えません。

今回はゴールデンウィークにかかり、農繁期であることがサシバの動きに多少は影響したかもしれません。管理人が子供の頃は田植えは六月、刈り取りは十月と教わった記憶がありますが、現在は兼業農家が多いため、ゴールデンウィークに田植え、シルバーウィークに刈り取りといったスケジュールが多いそうです。そうすると、この時期は農作業とあまり縁のない人達も手伝いに大挙して田んぼに出たりします。それに対していくらかの警戒心が働くのかもしれないと感じました。特に三日の日曜日は人出が多かったせいか、サシバの出現も少なかったように思います。

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稲が生育すると蛙が発見しずらくなります。ある時期に田んぼ以外の餌場が確保出来る環境が必要なようです。そうは言っても蛙が主たる餌らしいのでカエルの声の多い少ないが気になります。土地改良を大規模にした農地は声が少ないということは、カエルが少ないのでしょう。谷戸田で冬も完全に干上がらない田んぼはカエルの声が多いように思います。

実祭、冬場に田んぼがどんな状態か見に行くことも必要かなと思います。実は昨年の秋に一度見て回ったのですが、完全に干上がっていない棚田があったように記憶します。

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人とサシバが共存する里山があることを嬉しく思います。年々歳々、サシバの数は減少の一途をたどっています。秋のワタリの観察によるカウントがそれを物語っています。ちなみに、管理人の住む神奈川県の繁殖はゼロだそうです。なんとも残念な話です。ただ、小田原でボランティアの人達(サシバプロジェクトチーム)が休耕している田んぼを復活させて繁殖も復活させる活動を何年か行っているようですが、未だサシバは通過していくだけのようです。なんとか営巣が復活することを望みます。

さて、次回の里山行きですが、営巣の邪魔にならないように細心の注意を払いつつ、雛が孵る頃に観察に行ってみたいですね。

(終わり)

里山へ行こう Part8 キビタキの森再び その2

通年この時期はキビタキの森の遠征がメインなのですが、これからはサシバと二股になりそうですね。どちらかというとサシバの方が期間が長くなりそうです。逆に言うとキビタキは写真を撮れる時期が限定されていると言えます。六月に入ると葉の茂りも一段と深くなりますし、ハルゼミの声で観察や撮影には不向きになりましす。ですから、小さい個体なのでさらに発見が難しくなります。しかし営巣するキビタキにとってはむしろその方が環境としては良いのでしょう。そんな訳でこの森にはまずカラスとか猛禽類とは入ってきません。外敵からキビタキを守る役目をこの森は果たしているのです。

さて到着するとオオルリの声が耳にはいりました。写真もシルエットの証拠のみでしたが、先日とは大分様相が違ってきています。そして肝心のキビタキのさえずりも先日と比較にならないくらい活発です。どうやら激しい縄張り争いが始まっているようです。

ちょっと暗いですがなんとかゲット。

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サシバと比較するとなんとも愛らしい感じです。まあ、比較する方がどうかと思いますが(笑

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やはり緑の中が色が映える感じですね。

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それにしても綺麗な個体ですね。オレンジ色がかなり鮮やかに出ているので、かなりしっかりとした成鳥なんでしょうか。

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先日のリベンジまでとは言いませんが、まあ、そこそこには楽しませてくれました。何せ個体が小さいですから、暗い森であれこれ撮るのは容易ではありません。それでも愚直に鳥たちと向き合うことによって、ささやかな幸せを感じる管理人はこれはこれでいいもんだと思うばかりであります・・・(続く)

里山に行こう Part7 あいらぶサシバ その5

ここらでは電柱留まりは特に珍しくありませんが、電線留まりもあります。

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それにしても表情が結構豊かですね。まあ、近くで見ているからそう感じるかもしれません。それでこの電線留まりも近づいてみました。

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こちらの存在など無視しているかのような表情ですね。どこか遠くを見ているような感じでもあります。それでお約束の飛び出しですが、ちょっとタイミングがずれてしまいました。さらに近づきすぎて画面入り切りません。

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ぎりぎり画面に入ったのはこんな感じでした。

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電柱にしろ電線にしろサシバにとって極めて身近なものなんですね。特に田んぼの周りにある電柱はこんな感じで餌を狙っている場合もあります。

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ところがこれが中々狙いに行かない。結構気を持たせるんですよね。そしてちょっと油断した隙に飛び出す。まあ、こんなことを繰り返していくうちにベストショットが撮れるかもしれないと言う淡い期待を抱くわけです。でも、下手な鉄砲なんとやらで、撮影機会が多ければ腕の善し悪し、機材の優劣があってもそれなりにチャンスはあると思います。

あと、ワタリの途中らしきサシバも見ました。

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この尾羽が割れている個体は上昇気流に乗って行ってさらに北に飛んでいきました。おそらくワタリの途中だったのでしょう。春は秋と違って単独でワタルらしいと聞いたことがありますが、そうなのかなと思いました。

さて、さて、サシバも良いけど、キビタキの森も気になる管理人でした・・・(続く)

里山に行こう Part6 あいらぶサシバ再び その4

連れあいと合流するのに九時頃駅に迎えにいけばいいので、その前に朝練です。

とりあえず枝留まりサシバです。

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その後さらに高い枝に留まった後、飛び去りました。

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この時遠くて飛び出しを狙ったのですが、あまりうまく撮れませんでした。朝方、やや光量も足りなかったので被写体ブレが止まりませんでした。

さて、連れあいと合流後、二カ所ほど電信柱留まりのポイントを回りました。最初の場所では観察のみ。撮影は遠くて諦めました。そして次のポイントでは中々よさげに留まってくれました。

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撮影・観察はおろか周りには誰もいなかったので、飛ばしてしまっても誰にも文句を言われる心配がありませんから思い切り電柱の近くまで寄ってみました。

すると・・・

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おお、いいぞ、いいぞ、そのまま飛び出せ、飛び出せ、管理人の心の中は殆ど絶叫状態です。

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行ったぁぁぁぁーーー。今シリーズ最高の飛び出しではないかと思いました。そしてそれに続く飛翔・・・

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何せ電柱の下で撮ってますから、かなり近いです。

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電柱に留まる鷹は横浜では見かけませんがこの辺りでは当たり前の光景になっているようです・・・(続く)

里山に行こう Part5 キビタキの森 その1

やはりこの時期はキビタキにも会いたいですね。そんな訳で本日はいつものキビタキの森に遠征しました。

さてさて、来てはみたものの・・・さえずりは聞こえるのですが、いまひとつ活気がない。オスが広い森の中を単独で回っている、そんな感じです。姿を見つけるのも容易ではない感じです。

森の中を回ってみます。カケスが元気よく飛び回っているのですが、キビタキのさえずりはいまひとつな感じ。オオルリの声も聞こえません。まだちょっと早かったかなと思いつつ、ようやく何とか撮れたキビタキの姿がこれでした。

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中々綺麗な個体だと思います。

後はシルエットになったりしてどうにもなりません。まあ、自分的にはこれでもよく撮れたなと感心しています。森の木々はかなり葉を付けていますし、観察・撮影にはかなり厳しい状態です。

メジロを撮るのもやっとといった感じでした。

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ちょっとしたおまけはコジュウカラ。

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うしろでコツコツと木を叩く(突く)音がしたので振り返ったらいました。

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色違いですが、これはこれで結構かわいいものだと思いました。

一日そこそこ粘ってはみましたが、どうも本日は不発のようでした。明日はまたサシバを追っかける予定です。それで連れあいは休みが取れなかったのでいままでは管理人の単独行動でしたが、明日合流する予定です。

・・・(続く)