繁殖の地 GW in Fukushima part2

 この時期の福島行きの主たる目的は、キビタキの繁殖地入りをして、それを観察することにあります。キビタキの繁殖地はそれ以外の鳥達も豊富で、横浜ではお目にかかれないものや、囀りを聴くことが出来ないものなどもいますので、それらにめぐり合えるかどうかも楽しみになります。

結論から先に書きますが、近年にない五月の大雨で予定を前倒しどころか、キャンセルさぜる得なくなりました。本当に天気に恵まれて、良いコンディションでは一日のみの観察となり、相当厳しい結果となりました。

そうは言いながら、まずは実家の近くに雉が出てきました。ここ数年は、ホロ打ちを見たことがなかったのですが、今回は頻繁に観察することが出来ました。

2012-04-30_051611_img_9033.JPG

そっぽを向いています。実はホロ打ちをビデオで撮りたかったので、あまり写真の方に手が回らなかったのですが、なんとかホロ打ちをビデオに収めることは出来ました。朝起きると、実家からほんの十数メートルのところにいたりするので、朝はまず実家周の観察から始まりました。

子供の頃、田舎に帰ると叔父さんが(母の兄)が猟銃で雉を撃ってきて、それを使って雉鍋を作って、それをだし汁にして手打ち蕎麦を振舞ってくれたことがよくありました。今時はそんなことをする人は田舎にもいませんが、懐かしい思い出ではあります。まあ、雉にしてみればとんだ話なんでしょうが。

キビタキの繁殖の森ですが、初日は天気もよく、活性が高いのか、森に入って一分とたたないうちにキビタキを観察することが出来ました。まあ、あれだけ囀っていたら、いやでも分かりますけどね。初日は様子見ということでビデオは持っていきませんでしたが、これは失敗でした。初日はあっさりだったので、次も楽勝だろうと楽観したのですが・・・

2012-04-30_075620_img_9068.JPG

翌日、翌々日と全く囀らなくなりました。雨も降って肌寒くなり、観察にもあまりいいコンディションではなく、観察三日目は大雨と言うよりは嵐に近くなり、予定を前倒して撤収となったくらいですから、天候には恵まれませんでした。

そんな中、ちょっと嬉しいこともありました。それは、いつもの遊歩道で警戒心の強いミソザザイの囀るところを撮れたことです。

2012-04-30_102616_img_9129.JPG

声はすれども姿は見えずの典型みたいな野鳥ですからね。何箇所かで囀りは随分と聞こえたのですが、まともに囀っている姿を見たのは今回が初めてです。

2012-04-30_102552_img_9127.JPG

実は神奈川県内で越冬しているミソサザイを撮ったことがありました。当時はあまり気にしていなかったのですが、要するに写真を撮りたい人が餌をまいて寄せていたんですね。厳密に言わなくてもこれで野鳥を撮ったとはちょっと言い難いかなと内心は思っていたので、あれはあくまでも知見を広げるための参考写真程度に考えていました。そんな訳で、これでやっとミソサザイが撮れたと思っています。

2012-04-30_102552_img_9125.JPG

翌日には別の場所で目を瞑っているところを撮りました。これは連れ合いが「かわいい」を連発していましたが、確かにかわいいですね。

2012-05-02_082235_img_9138.JPG

囀る季節と相俟って天気が悪くて人が居なかったのが何より良かったのではないでしょうか。写真には撮れませんでしたが、沢沿いに飛び跳ねて移動していくミソサザイの後姿を見ることが出来たことも良かったですね。

あとビデオではオオルリの囀りが撮れましたが、その他はこれといったものは撮れませんでした。

今回は先にも書きましたが、天候には恵まれず、その点では厳しかったです。まあ、天候に恵まれればもっと良く撮れたのかと言われれば、何とも言えませんが確率の問題として時間があった方が多少は有利でしょうね。これに懲りずに来年もゴールデンウィークは福島に行きたいと思います。

2012-05-01_143101_img_2793.JPG

春の足音・・・早咲き桜

 天気も良い日曜日の朝。遅い春の訪れを感じます。花粉が翔ぶにも絶好の日和。少々悩みましたが、出かけることにしました。

早咲きの桜でも見に行こうかと言うことになり、とりあえず駅まで。道中、鶴見川の欄干にいつものユリカモメ群れ。

2012-03-25_082249_img_8835.JPG

若が少ないような気がしました。原発事故の影響なのでしょうか。

2012-03-25_082229_img_8833.JPG

元気に飛び回っていますが、今年はいつまでいるのやら。

2012-03-25_082254_img_8837.JPG

さて、時間もやや遅いので新宿御苑に行くことにしました。新宿まで1時間程度のなので開園時間は回っています。あまり早く行くと開いていない場合がありますから要注意です。

まず、梅が丁度いい頃合でした。随分と遅い感じもしますが、今年はこんなものなんでしょうか。

2012-03-25_095517_img_8844.JPG

この時間ですとあまり人は多くありません。

2012-03-25_095112_img_8839.JPG

カイツブリもいました。

2012-03-25_095710_img_8846.JPG

オシドリもいたのでとりあえず撮ってみたのですが、遠くて暗いのです。ちなみに、本日は 70~200に1.4倍のエクステンダーを装着。PLフィルターもしているので、よけい遠くて暗くなってしまいました。

2012-03-25_100132_img_8851.JPG

さて、肝心の桜の方ですが、結構咲いていました。人もこの頃になると随分と出てきました。

2012-03-25_100408_img_8852.JPG

こうなると花だけ撮ってもつまらないですから、色々と小細工を弄してしまいます。そしたらこんな感じになりました。

2012-03-25_112518_img_8895.JPG

桜を撮るのに連射をかましている人が管理人を含めて結構いました。連れ合いもこれが撮りたくてここに来ているのですが、二人して結構な枚数を撮りましたが、中々これだというものは難しいですね。違う場所にあるもっと見事な桜の木にはヒヨドリが集っていましたが、どうもこれは絵になりません。ヒヨドリの色があまり映えないからでしょうか。体も目白より大きいので花びらとのバランスもイマイチ悪いような気がします。

2012-03-25_100949_img_8884.JPG

まあ、ヒヨドリが悪いのではなく、管理人の腕が悪いからなんでしょうけど(苦笑

それにしても、大砲を持ち出している人も結構いました。

2012-03-25_100855_img_8879.JPG

普段は大して関心を持たない野鳥でもこの時期、桜と絡めて撮るなるとこれはこれで中々難しいですね。まあ、花鳥風月とは良く言ったもので、いずれか二つ以上を絡めるとより様になるような気がします。鳥だけ、花だけ、よりも、組み合わせの妙と言う奴を狙ってみるというのもこの時期ならですね。

さて、新宿御苑にもこじんまりとして河津桜が植わっていましたが、来年当たりは本場の本物を見に行きたいですね。

2012-03-25_122009_img_8911.JPG

タカのワタリ

 タカのワタリのシーズンがやってきました。恒例行事となりつつあるワタリの観察は曇天模様の空の下、秋風がひと際肌寒く感じます。

思い起こせば県内初観察とされた「アカアシチョウゲンボウ」を観察したのも丁度一年前の10月2日でした。いくらなんでも同じようなことが起こるとは思いませんが、それでも開いては野鳥ですから期待をこめての観察開始です。

本日はビデオの方はテレコンを持参しませんでした。昨年の撮影では、テレコン装着のためケラレが発生し後の編集が大変だったためです。また、テレコン装着によるオートフォーカスの劣化を心配してのことです。飛んでいる猛禽を撮影するのに超どアップは無理だったという経験によるものです。ですが、これが少し裏目に出る結果にもなりました。

さて、管理人達は6時15分くらいに到着しました。すでに狭い駐車場は一杯のようです。観察場所にはすでに幾つかの三脚が立っていました。昨年同日は撮影組では一番乗りだったことを考えると随分と皆さんの出足は早いようです。

さて観察自体は去年に比べると随分と静かです。それでも本日はサシバが30羽程度観察できましたのでここ数日では良い成績のようです。

ビデオの方はハチクマ幼鳥がカラスにモビングされているところが撮れました。タカ柱の方はこれが問題でした。考えてみればいくらハイエンド用のビデオでも撮像素子はたかだか200万画素程度です。これで広角に撮ると空の上のタカは点にもなりません。ましてや背景が雲ですから、白なのでよけい解像しないようです。タカ柱の全景を撮ろうとすると背景に融けてしまっている、そんな感じでした。

それとテレコンを装着しなくてもあまりオートフォーカスの追随性能は変わらない感じです。明るさを落とさない前付けのテレコンなので影響はあまり考えなくても良いようです。拡大フォーカスの画像を外付けのレコーダーに録画出来るので、テレコン無しでもなんとかなると思っていましたが、拡大フォーカスにすると露出などがいじれなくなるのでこれはこれで困ったことになりました。当然、飛翔しているところを撮るのですから、露出オートは使えません。そこで露出はマニュアルで操作するのですが、拡大フォーカスの状態だとこれが出来ない。つまり飛翔シーンは拡大フォーカスは使えないと言うことです。

去年の経験も踏まえると、この場所でタカを撮るなら、テレコンを装着して拡大フォーカスを使わない、それがベストなような気がします。サンデーバーダーなので次回は9日を予定していますが、その時はテレコン装着をするつもりです。それで飛んでいるとろことを撮れて何ぼでなので、一眼レフは諦めます。両刀遣いできるほどのんびりと飛んではくれませんからね。

夏の終わり・・・

 八月最後の日曜日。渡りのシーズンが始まってます。そんな訳で取り合えず葛西臨海公園に暑い最中またまた出張ることにしました。本日はドックから退院してきた456で久しぶりの撮影です。ビデオは暑いし移動が大変になるので本日は割愛。実はそれが少々裏目に出るのですが・・・

いつものようにチャリンコを借りて取り合えずセンターに向かっていると、「オオタカの若が上の池の杭に止まっているよ」と教えてくれる人がいました。そのままセンターに向かうと結構な数のウォッチャーや撮影者達の懲りない面々がいました。見るとあら珍しや、いつもはカワウやサギ達のお決まりの場所にオオタカの若が鎮座ましましているではありませんか。

2011-08-28_082738_img_8485.JPG

管理人も随分とここに来ましたがこれは初めて見ました。恐らく成鳥ならまずこんなところにとまることはないと思いますが。それにしてもいくら若とは言えオオタカです。まさかこんなところでこんなツーショットを撮れるとは思いませんでした。

2011-08-28_085949_img_8514.JPG

どうなんでしょうか。オオタカもオオタカならアオサギもアオサギです。アオサギが若のオオタカを完全に舐めているのか、オオタカがまるで無関心なのか。いずれにしてもあまり見かけることのない光景ではないでしょうか。そして程なくオオタカは飛び去ります。まるでアオサギなんかには無関心のように。

2011-08-28_090041_img_8517.JPG

飛び立つ前にオオタカの目の前をセイタカシギが四羽ほどの群れで通り過ぎ行きました。その時も無反応でしたね。

2011-08-28_083734_img_8505.JPG

後で常連さんに聞いたのですが、この杭に止まる前にあまり大きくはないけど何かを捕食したようです。スズメかヒヨドリか何かは分かりませんが。まあ、ある程度腹は満たしていたと思われますが、それでもこんなことってあるんですね。それでもこのオオタカが成鳥になればこんなシーンは見ることは出来なくなるんでしょうけど。まあ、そうしたらいくら阿呆なアオサギでも近寄らないんでしょうけど。

2011-08-28_090044_img_8533.JPG

そんなひと悶着の後、今度はセンターの上で少し人だかりが出来ています。スロープを上がっていくとオグロシギが遠くに見えます。

2011-08-28_090613_img_8572.JPG

夏羽のようです。オグロシギは秋の渡りでないと見れないと誰かが言っていた記憶があります。春と秋では渡りのルートが違うからといっていました。秋は若が渡ってくるので確率的にも出会える機会が増えるようです。確かに管理人も春にはここいらで見たことはないですね。三番瀬はオオソリハシシギが大挙して渡って来ますがオグロシギはあまり見かけません。葛西では逆にオオソリハシシギは殆ど見かけることはないのですが秋はオグロシギに運が良ければ出会えます。

擬岩にはコチドリの若もいました。 現場で見た感じでは黄色いアイリングが白く見えたのですが、写真で見るとちゃんと黄色になっていました。

2011-08-28_094012_img_8586.JPG

ソリハシシギもいました。いつぞやは谷津干潟で遥か彼方でみたのですが、ここに居てくれればあっさりと近くで撮れます。

2011-08-28_103620_img_8603.JPG

ムクドリの若もいます。そういえばコムクドリが水浴びをしていたのですが撮りはぐれてしまいました。

2011-08-28_112513_img_8630.JPG

ついでにカマキリがセミを仕留めたシーンを皆さん結構撮っていしまた。連れ合いはカマキリやセミの類は大嫌いなのでシカトしていましたが(笑

2011-08-28_111901_img_8627.JPG

風がいくらかあって最盛期の暑さほどではありませんがそれでも汗は滴り落ちます。そろそろ撤収しようかと思い最後の一回りの後、カマキリを嫌って違う場所にいる連れ合いに「カエルぞ」と電話をしたら、「アカガシラが出ているよ」とのこと。とりあえずすぐに現場に急行しました。

2011-08-28_131318_img_8658.JPG

長い首を伸ばして、久しぶりにその姿を見ることが出来ました。どうやら冬羽にかなり換羽している模様です。六月頃から確認情報がありましたが、確認したのは初めてです。と言っても震災以来先々週に来ただけですけど。

2011-08-28_131620_img_8680.JPG

連れ合いは上手い具合に飛び出しを撮れたようですが、まあそれにしても相変わらず動きが無いです。近くにアオサギとホシゴイがいました。

2011-08-28_133206_img_8718.JPG

実はこの三羽を眼下に見下ろしている奴がいたのです。

2011-08-28_133241_img_8721.JPG

どうやら先ほど杭に止まっていたオオタカの若です。あれから大分時間が経っていますので腹も減って来たのかもしれません。これをウォッチしているギャラリーにも幾ばくかの緊張が走ります。

アカガシラサギは結構キョロキョロしています。

2011-08-28_132125_img_8702.JPG

それとは対照的にアオサギとホシゴイはあまり反応がありません。ホシゴイに至ってはオオタカに背を向けた状態です。二年ほど前に後ろから襲われたホシゴイの写真がセンターに展示されていましたが、これは稀有のシャッターチャンスを物に出来るのかなとほんの少しだけホシゴイの不幸を(多分ギャラリーの殆どが)願ってしまいました。そしてついに・・・

アカガシラサギはオオタカに向かってあきらかに警戒のポーズをとりました。

2011-08-28_133710_img_8727.JPG

そしてその瞬間オオタカは・・・・

2011-08-28_134128_img_8732.JPG

眼下に三羽も獲物がいたにも関わらずあっと言う間に飛び去ってしまいしまた。経験の少ない若だからなんでしょうか、ひびってしまったのでしょうか。それともまだ腹が満たされた状態だったのでしょうか。先ほどの杭から何もせずに飛び去った様子からして成鳥のようには未だ狩が出来ないのでしょうか。ただ、いずれかは成鳥になって獲物を狙うときがくるのでしょう。その時にアカガシラサギたちが無事で居られるかは保証の限りではありません。

秋のシーズンは三番瀬がいまだ立ち入り禁止なので海浜回りは葛西臨海公園が主になるでしょう。そんな人は結構多いのかもしれません。また冬羽になったアカガシラサギがこのまま越冬してくれれば、二年半前にハイビジョンで撮れなかったビデオに収めることが出来るかもしれません。カモ類やシギ類と猛禽達のスリリングなやり取りもここでは結構ありますので出来ればそんなシーンも収めてみたいですね。そうそう、出来ればミサゴの捕獲のシーンももう一度もう少し近くで撮りたいですね。あれはあれで結構凄いものがあります。

暑かったですが、それなりに色々なことがあった夏の終わりの葛西臨海公園でした。

暑い子育て・・・2011 夏 コアジサシ雛かえる 

葛西臨海公園でコアジサシの雛が孵っているとスタッフブログで知りました。

2月27日に三番瀬から葛西臨海公園を回って以来、つまり震災後初めて葛西臨海公園に来ました。未だに三番瀬は立ち入り禁止です。三番瀬が中心の海浜回りがこれで随分と減ってしまいました。谷津干潟、三番瀬、葛西臨海公園と千葉、東京をまたぐ海浜回りは、みなと横浜の市民としては中々そう簡単には行けません。本来は(海鳥の)海浜回りならみなと横浜あたりにあって欲しいところなんですが、この三つの総合力を越える場所は残念ながら知りません。

まあ、そんなちょっとした愚痴は置いといて、今年はサンコウチョウの雛を見ることは出来ませんでした。それで営巣場所と言うのはやたら近づくものではないし、これと言った場所も近場に見当たらないので、今年は繁殖を見ることは出来ないかなと半ば諦めていました。ましてやこの暑さ。出歩いて熱中症になっても仕方がないし、456もフードの不具合でドック入り。(追記:この撮影の帰りに目出度く退院しました)

まあ、おとなしくしていようと思っていました。そんな中連れ合いが先のブログで観察会を知り、管理人を差し置いて単独でそれに参加して来ました。寝た子を起こすような連れ合いの挑発的な行為に乗せられて、この暑いさなか久しぶりの葛西臨海公園行きとなった次第です。

それにしても暑いの一言。スポーツ飲料を凍らせて準備万端のつもりでしたが、吹き出る汗は止まりません。日陰のまったく無い渚ですからいたし方ありませんが、それでも懲りない面々が何人かいました。どうやら最盛期は過ぎたようですが、まだまだ雛達は走り回っています。そんな元気な雛達の姿をビデオに収められたので暑さもどうにか我慢できたようです。

現場はスタッフブログの観察会の案内がある位ですから、来る人は拒まずの状態ではあります。パイロンで囲った場所が一応立ち入り禁止にはなっていますが、その外でも雛がいます。また近くでカイトで遊ぶ人、海で遊ぶ人達がいます。繁殖の場所としてはかなり騒がしいと思います。野鳥の繁殖なんかには無関心な人も回りに沢山いるので意味がないかもしれませんが、極力雛にはある一定上は近づかないように撮影する人は配慮するべきでしょう。