キビタキの森・・・福島にも春が来た

今年のゴールデンウィークは周知の通り、4月27日から5月6日となり、なんと10連休となりました。

もっとも管理人はここ数年は連休の間の平日は休暇を取っていたので、休みとしては変わりません。

それで休みの間、管理人はここ10年くらいは実家のある福島に帰っています。

今年の予定としては4月27日から5月4日までいることになりました。

今年は例年にない長期滞在となりました。

そんな中で恒例なのがキビタキの森へ行くことです。

例年ですと5月に入ってからの連休にいく場合が多いですね。

何故かと言えば4月中はキビタキが渡って来ていない確率が高く、仮に渡って来ていたとしても数が少ないからです。

それに4月中は気温も低く、活性が低い場合が過去に多かったからです。

それでも今年は4月の末から行くことになりましたので、どうなることやら。

それと今年はキャンプ道具を持参して福島で色々と試そうという企画もあります。

まあ、さすがにテントは持って行きませんでしたけどね(笑

さて、4月27日の午前中は前回のブログで投稿したとおり、サシバの里に寄りました。

午後は福島に向かって回送することになり、その途中で電柱サシバを確認したりしました。

さて、翌日の4月28日にさっそくキビタキの森へ行ってみました。

まず、寒い。

驚くなかれ降った雪が少し残っていました。

前日は関東では雨模様でしたが、ここらは標高も高く雪だったのですね。

キビタキの森は・・・予想通り静かでした。

そしてこちらではまだ桜が咲いていました。

東北と言っても入り口に近いのですが、寒さは関東とは違います。春の訪れも明らかに遅いですね。

春爛漫・・・とは言いがたい気温でしたが、春模様の艶やかさはあちらこちらで目に入りました。

翌日の29日もキビタキの森へ。

この日も寂として声無し。ですが、山桜が綺麗でした。

キビタキの森近くにキャンプ場があるのですが、そこを見て回っていたらキビタキが啼きもせずに飛び回っていました。初確認です。あいにくカメラは持っていなかったのですが、繁殖入りしていることは確認出来ました。

ただ、気温の低さ故か活性は低いようです。

こちらのキャンプ場にテントを張っていたら、ここに三脚を立てて1日粘っても良かったかなと思いました。

話は逸れますが、キャンプ場は当たり前ですが緑の多い場所にある場合が多いですね。野鳥に興味が無くても鳥の囀りを聞くと自然の中にいるんだなと実感するのではないでしょうか。

ほんの少し興味を持てればキャンプ場は野鳥観察にはかなり良い場所であることが多いような気がします。

そんな目論見も多少あって管理人達もキャンプを始めたところがありますが、今回のようにキャンプ場の中で観察できるというのはいい収穫になりました。

さて、翌日から雨模様とか。

雨が降るとここら辺りはこの時期ですととんでもなく寒いです。まさか雪にはならないとは思いますが、観察は暫くお休みです。

そして明けて5月2日

ようやく青空です。

森の中にも日が差し込みます。

少しは動いて呉れるかなと期待しますが結構寒い。難しいかなと思っていたら・・・

ようやくの一枚ですね。ホットしました(苦笑

ただね、やはりあまり啼きませんね。たまには囀りのシャワー状態なんてこともあるのですが、今回は未体験ですね。

それでも囀っているところに遭遇しました。

やっぱりこの声を聞かないと福島に来た気分になりませんね(笑

5月3日

この日も天気は良かったし気温も前日より高くなったのですがそれでも活性はあまり高くないようです。

昨日連れ合いが粘っていた場所に合流してみました。

あまり啼かずに飛んでくるのでシャッターチャンスがかなり厳しくなります。啼く頻度が高くなるとやはり観察・撮影は楽ですね。

枝被りも多いのですが、この時期ですとなんとか抜けます。これが2週間も経つと葉が茂ってさらに発見が困難になります。

活動の時期としては必ずしも良くないのですが、葉の茂りが少ないのでこの時期を逃すと写真はさらに難しくなります。

珍しくキビタキのメスが撮れました。保護色と相俟って啼かないので難易度はとんでもなく高くなるのですが、この時期ならではの葉の茂り具合で辛うじて捉えることが出来ました。

都合4日ありましたが、シャッターチャンスは少なかったように思います。時期が時期なので致し方ありませんが、ゴールデンウィークの期間がそうなっているので致し方ありません。

4日に帰る予定なのですが、4日、5日と条件はより良くなってくると思います。さらに週明け気温が上がればその時期が求愛などの時期としてはベストような気がします。

あと1週間くらい滞在出来ればもっと良い場面に遭遇出来るかもしれませんが、無い物ねだりをしてもしょうがありません。

実家の庭にはフジの花が咲いていました。来年も花を見ることが出来れば念じつつ、福島からの撤収と相成りました。

恋の季節の次は・・・サシバの里 2019 Part11

4月27日。 土曜日。

雨模様の中、朝4時30分頃出立。

現着した頃には雨は止む予定ですが、どうでしょうか。

早朝、雨ではありますが、ゴールデンウィーク初日と言うこともありまして、湾岸回りは混む可能性が高いので羽田線から箱崎回りをすることにしました。

東北道も少し混みましたが、思った程ではありませんでした。雨の所為と連休が長いので混雑は分散しているようです。

OYに7時55分頃到着。

雨は上がっています。

そこで軽くお握りを朝飯がわりに頬張りながらの観察でしたが、個体は確認出来ず。

KUに8時53分に到着。

こちらでは高く空を回って滑翔して行く個体を1つ確認。ここで生息している個体かどうかは判別がつきません。気温が低いので活性も低いようですが、ワタリの途中の可能性もあります。

UGSに向かう途中ですが、TNは車窓からみる限り個体の確認は出来ず。

UGSには9時22分到着。

写真に撮れたのはメスの枝止まりですが、ここはオスメスともに確認。40分位の観察中に営巣の場所も出入りらしきものを確認。おそらく抱卵中だと思われます。

ここでは田植えが終わった田圃もいくつか見られました。サシバの餌となるカエルの繁殖もこれから本格化するものと思われます。

UGSから移動する際の隣のエリアのUGKで番を発見。先ほどとは別個体と思われますが、ワタリ途中の可能性も高いようです。

再びKUに10時7分到着。

先ほど見た個体とは別と思われるオスの個体を発見。杉の木の天辺に止まっていたのですが、直ぐに視界から消えました。ここらに居着いている個体と思われます。

どうも、このKUは営巣場所と言うよりは狩り場になっている気がしてきました。それも2つ以上のエリアから狩り場として個体が色々と飛来しているのではないかと感じます。ワタリの途中と思える個体も見かけるし、抱卵場所が近くにある気配を感じません。出現頻度は高いので引き続き要観察場所ですが、営巣の期待は薄くなって来ました。

OYに向かう途中SD付近で電柱サシバを発見。

下をのぞき込んで餌を物色中ですね。ここはKUからそれほど離れていません。そして回りの木の生え具合からすると営巣場所としてはこちらの方が適しているような気がします。

再びOYに11時3分到着。

本日はついにここでは個体を見ることはありませんでした。この辺りで交尾も確認していますし、回りに営巣場所として良い枝振りの赤松が結構自生しているので期待は大きいのですが、活性が低いのかもしれません。

早々に切り上げ、UGSに向かう途中のTNで電線に止まる個体を発見。ここは何度も書いていますが実績のある場所なので比較的安定した観察が出来る所です。

オスのようでが、メスが抱卵中だと思われます。

程なく飛び出して行きました。

薄曇りで背景の緑もイマイチですが、低い飛翔で中々良い表情が見られた気がします。

枝止まりしてこちらを見ているサシバ。今でこそ絶滅危惧種に指定されていますが、サシバは比較的身近な猛禽なんですね。

最後にUGSに12時24分到着。

今回は個体は発見出来ず。30分程観察した後、本日の観察は終了としました。本日はこの後実家の福島まで移動するためです。

さて、午前中のみの観察となりましたが、発見個体数は6個体となりました。番は2組。

活性の低さが気になりますが、恋の季節の次の段階に入りつつあるようです。抱卵に入ると動きが悪くなるのは例年通りなのであまり気にしても致し方ありません。

今回の観察行の後は、しばらくはこちらに回る予定がありません。6月の後半くらいに又観察を開始するかと思いますが、その時は雛が孵っていることを念じつつ撤収と相成りました。

追伸:
サシバの里から福島の移動する途中、国道でサシバの個体を発見しました。電柱サシバでしたが、カラスとのモビングを始めました。営巣場所が近いのではないかと思います。

栃木県内ではありますが、福島との県境まで10キロ程度の所でした。

福島の実家からはここまでは40分程度で来るので、足を延ばして観察に来てみる予定です。

サシバは集団性が高いのでもし1つでも営巣が確認出来れば、回りのエリアには複数の営巣場所があることが期待出来ますからね。

残念ながら福島の実家付近では散々回ってみたのですが、数年来一度もサシバを見ることが無かったことを思えば、通りすがりの短い時間で個体を確認出来たことはかなり繁殖地としては有望な気がします。

又々恋の季節・・・サシバの里 2019 Part10

13時40分頃、TNを通過するときにサシバの鳴き声が聞こえました。車窓から飛んでいる姿を確認。

ここは実績のある場所なので先に進みます。

再びKOに戻ると、3個体を確認。ここは結構入り乱れる場所です。

飛んでいる時は確認出来ませんでしたが、今見るとメスも飛んでいたようです。

ここはワタリの通過点のような気がしてなりません。良く個体を見かけるのですが、高く上がって滑翔していく個体をよく見るからです。それとは別にここに居着いて繁殖している個体もいるようで、時々とてもに賑やかになります。

そうそう、サシバだけで無くツバメも同じように恋の季節ですね。

そして最後にUGに回ります。ここでも一個体を確認。番の片割れのようです。

その後は那珂川ステーションへ。

4月21日 日曜日

今週末の那珂川ステーションは満杯でした。

やはりキャンプのシーズンなんでしょうね。ゴールデンウィークは管理人達は福島の実家に行くのでキャンプ場は行きません。まあ、予約も取れないですけどね(苦笑

さて、UGからまわりましたが、ここでは個体は1つ確認。暫く巣に戻るかと張っていましたが、目星を付けていたあたりに戻って行きました。

これで鳴き声でも聞こえて、餌でも咥えて入っていけば確定なのですが、まだその時期ではないようです。

続いてはTNへ。

ここは何回も書いていますが実績のあるところなのですが、番の確認が出来ていませんでした。

丁度桜の木を背景に電柱サシバが居たのですが、ここで交尾を確認。やっと番の確認が取れました。

その後、営巣場所と思われる所へ片割のオスが帰還。

場所は昨年と変わっていないようです。今交尾している位ですから、抱卵はまだ少し先のようです。ここは散々観察もしたし、写真も撮ったので経過観察は続けますが、他場所に時間と労力をより割くようになるでしょう。

最後にOYに回ってみました。

ここでも2個体、番を確認出来ましたが、営巣場所の特定はやはり出来ませんでした。どうも管理人達の観察場所が少しピントがずれているのか、今ひとつです。

観察するも初めての場所なので情報が少ないのもありますが、焦る必要はないのでノンビリと行きます。

さて、土日2日間で10個体ほど確認しました。4場所、4番ですから、その他は通りすがりで確認した単独の個体です。

エリアを拡げればそれなりに対象となるサシバは増えますが、あまり広すぎても手が回りません。若の巣立ちまで確認出来れば一応繁殖は成功だと思っています。その後のワタリまではフォローは出来ないし、生存率がどれくらいかも分かりませんが、巣立ちが確認出来れば次に繋がる可能性があると言うことで、繁殖の成功と見ている訳です。

金御岳のワタリ数が2万を少し超えるくらいですから、国内に生息するサシバはもう少し多いと思われます。でも、考えてみると大概は一番から3羽程度の若が巣立ちますから、秋のワタリの半数以上は若と言うことになるのではないでしょうか。

春のワタリのデータが少ないので何とも言えないところですが、今年の宮崎、牧内山の観察によれば、限定的な期間ながら、6616羽がカウントされています。

管理人の推測ですが、この辺りではあまりサシバがばらけることは少ないように思いますが、秋の三分の一程度と言うことになります。期間も限定されているし秋と違って通年の観測データもないので一概には言えませんが、秋に2万羽を超えると言うことは国内に渡ってくるサシバはもう少し多いとは思われます。それでもなんとか春のデータがここ最近ようやく出て来たので、良かったなと思います。

サシバは集団性の強いタカのようで、いることにはいるが、いないとこには全くいない、みたいな感じですね。まるでコンビニみたいですけど、そうで無いとこれだけの数を維持するのは難しいのでしょう。

サシバは本来は特に珍しいタカではなかったはずなのです。日本の里山にはかなりの数がいたように記録されていますが、現在は絶滅危惧II類に指定されています。

数からみれば、直ぐに絶滅するとは思えませんが、油断しているといつの間にかいなくなったなんてことになるかもしれません。

まあ、そんな小難しいことを考えつつも、昼の撤収と相成りました。