里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part9

雛の成長は早いです。一週間も経つと驚くほど大きくなっているものです。当たり前ですが人間とはその辺りはまるで違います。

さてどれほど成長したか楽しみな一方無事に育っているかの不安もあります。そんな思いを抱きながら一週間ぶりのご対面です。

朝方、靄が掛かっていて視界が悪いですが、かなり成長した雛の姿を確認することが出来ました。

もう少し拡大してみると・・・

頭一つ、かろうじて巣から見えていたのが、あきらかに大きくなっている様子が窺えます。それに三羽とも元気そうですね。おそらくは一番子だと思うのですが、これが結構危ない動きをします。

よくよく見ると真っ白から少し茶色い模様が見え始めています。だんだんタカらしくなっていくんでしょうね。

朝方は逆光ですし靄もかかりやすいので視界がいまいちなんですね。そして日中気温があがると空気の揺らぎがひどくなってこれまた望遠泣かせの状態になります。薄雲の風がない状態がいいようですが、中々そうはなりません。それでも日中もう少し視界が良くなってから撮り直してみました。

いくらかましでしょうか。

そしてこの頃になると餌を殆ど一口で食べているようです。餌の摂取量が格段に多くなっている感じです。それだけ成長も早いのでしょうね。

毎度毎度同じことを書きますが、親は餌取りに奔走している感じです。

回りを見渡すにも忙しそうです。

この日は風が強く珍しく低い位置からの餌取りもありました。

何か餌を見付けたのでしょう。低い滑空です。

そして餌めがけて着陸・・・

しかし残念。餌は捕れなかったようです。


追記:
餌を足で捕まえてるのではないかと思う方もいるかもしれませんが、このあとすぐに次の獲物を求めて飛び立ちました。そして次の成否は分かりません。


こうしてみていると餌取りは楽ではないなと感じます。自分たちが食べる分だけなら訳もないかもしれませんがプラス育ち盛り三羽分となると容易ではないでしょう。今回のような餌取りに失敗することかなりあるようなのでいつもいつも満腹ということにはならないのかもしれません。

さて、そんな親の苦労も知らず三羽は巣の上で元気で過ごしているようです。名残惜しさは一入ですが次回逢うのを楽しみに撤収となりました。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part8

ようやく雛が孵りましたが、まだ一羽しか確認出来ていません。今週はどうなっているか。楽しみでもありますが不安もあります。

さて、到着して確認したところ、どうやら三羽の雛が確認出来ました。

先週よりかなり大きくなっているようです。巣から頭が出ています。小さく白い雛が元気に動き回っています。

暫く観察を続けていると親が帰ってきて獲った餌を食べさせます。

食べ盛りの子供が3人いるのと同じようなもので、この時期の親は人も鳥も大変ですね(笑

親鳥は餌取りに余念がありません。ひっきりなしに餌を獲りに行っているような感じです。オスメスと両方がいない時もかなりあります。もっともいずれも巣が見えるような位置にいる場合が多く、全くの留守と言うのは案外少ないようです。

このように電柱に止まって餌を探しているようです。田んぼにいる餌を探すのにこの高さの電柱は格好の観察台になるようです。勢いを付けて飛び出すのに好都合なんでしょう。見渡しの良さと初動の動きの良さが餌取りの確立を上げるのかもしれません。

さて、いつものことですが長居は無用。雛の成長を確認出来たら撤収です。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part7

結論からです。管理人達が観察を続けているサシバの番の雛が孵りました。とりあえずは一羽のようです。まずは目出度し。

到着時、折からの雨で当初は車からの観察になりましたが、オスが餌を持ってきて雛に与えているところでした。雨がかなり強かったのでスコープだけ出しての観察になりましたが、少しですが雛の姿が確認できました。

こうなればなんとか写真に収めたいと思うのが人情です。巣からは離れているので機材をやりくりして焦点距離を稼ぎなんとか撮ることができました。

雛が一羽のようでそれほど頻繁に餌取りをする必要が未だ無いようです。朝方から3時間ほど待機してようやく餌取りでした。餌はカエルのようです。

餌を捕まえるところはさすがに写真に収めることは出来ませんでした。なにせ行動範囲が広いので狙って撮ろうと試みても思うに任せません。それなら巣に帰るところを待っていようということになりました。餌を捕って巣の近くの電柱で待機。そして巣に戻ります。

巣ではメスが雛とともに待っています。オスが近づいてくるのが分かるみたいですね。

餌を捕ってきたオスのご帰還です。なんとか仕事を果たしてオスもほっとしているのか、それともメスに遅いわよなんてしかられているのか・・・まあ、男は辛いよみたいな感じでしょうか(笑

実は電柱に止まっているオスを撮ろうとした瞬間餌を捕るために飛び出したのですが・・・

こっから先、レンズが追いつきませんでした。田んぼで捕獲する瞬間は角度的に無理なようで、どうしても撮りたければ待ち伏せをしないと難しいでしょう。ただし人の居る方には飛んできてくれませんので、ブラインドもどきが必要かもしれません。捕獲の瞬間は写真どころか観察もしてませんので、一度くらい見てみたいものです。

さて、これから二番子、三番子が孵化するのでしょうか。生まれれば更に喧しくなると思います。子育ての邪魔はしないように気を付けながらサシバの親子達の行く末を見守りたいですね。

本日の天候は雨のち曇りでしたが、暑くなくてかえって良かったです。写真的にも暑さによる空気の揺らぎがないためかクリアな感じがします。

なごり惜しいですが、長居は無用。餌やりが見られたので撤収と相成りました。

里山の春・・・サシバの里 Part6

なんだかんだ言いながら今年もサシバの里に行くこと本日で6回目5回目。ここのところサシバの動きが静かで写真的には撮れていませんが営巣の確認は出来ています。雛が孵るのが待ち遠しいです。

訂正:ブログ的にはPart6ですが、出張り的には5回目(5日目)でした。2017.05.27

本日は夜中に目が覚めてその勢いで出かけました。里山に到着したのは6時前。気温も13度とかなり冷えています。ただ、このあたりはよく靄が出るのですがそれは無い様子。ならば視界は良好ですから、少しは飛んでくれないかなと期待します。

朝は静かなもので、チュウヒの塒立ちのような朝の儀式はサシバには無いようです。チュウヒと違って越冬は東南アジアの方ですから、寒さには弱いのかもしれません。

とりあえず巣を確認。なんとか居ることは確認出来ましたが、雛はまだ孵っていない模様。

それでも7時過ぎにようやくお出ましです。メスの成鳥ですが、これがまた遠いですね。

そして8時半頃、ようやくオスが出てきました。

管理人達が初めて営巣を確認したのが4月23日。あのときは桜がまだ咲いていました。サシバの抱卵期間は約1ヶ月と言われているのでそろそろだとは思うのですが。来週あたり来れば雛が孵っているかもしれませんね。

それにしてもここの名物はなんと言っても電柱サシバです。まあ、サシバにしてみればこんなに都合のよい建造物はないのでしょうね。

あまり近くに寄るとさすがに飛んでいってしまいますが、適当な距離で静かに観察している分にはあまり気遣いはいらないようです。無理に近寄るより向こうから飛んできてくれるのを待っていた方がベターのような気がします。

今日は巣を撮ろうと思ったのでエクステンダーを装着したままでした。これが失敗の元。近くを飛んでくれるのは結構ですが、案の定ファインダーに入れるのに手間取りシャッターチャンスを逃すこともしばしば。この辺りで飛翔を撮るならエクステンダーは不要ですね。

そうは言っても遠いところではまあまあ有効な場合もあります。

電柱サシバならぬアンテナサシバ。結構遠いですが、画質うんぬんよりもファインダーで素早くマニュアルで合焦させたい場合は有効かもしれません。じっくり撮るならライブビューがいいですが、そうも言ってられない場合もあります。それに最近のレンズとエクステンダーの組み合わせは思ったより画質の劣化が無いようです。アナログなレンズの世界もそれなりに進歩しているのでしょうか。

ただ、ご覧のとおり画角の狭さからファインダーに入れるのに手間取ると後ろ姿ばかり撮る羽目になりかねません。この辺りは機材の構成をよくよく考えた方がいいでしょうね。

そうはいっても遠いと焦点距離が欲しくなるのは人情でしょうか。これなんかは相当遠いしピンも甘いのですが、こんな姿を見られるのもサシバの里ならですね。

日が高くなり気温が上がってからの方が動きが大分活発になってきたような感じです。やはり南洋系の猛禽は気温が上がらないと動かないのかななんて思いながら本日は撤収と相成りました。