タカのワタリ 2018 Part3 & Part4・・・山本山展望台

今年は9月の最初から天気が悪いですね。先週の水戸も雨に祟られました。今週は新潟の山本山高原に出張りますが、やはり天気は芳しくありません。

朝の5時36分頃の駒寄PAです。晴れています。天気予報はかなり微妙で新潟に向かうほどに悪くなる感じです。

新潟に入り大和PA。時刻は6時49分。完全に地面が濡れています。雨も大げさには降っていませんがそれなりです。

そして山本山展望台到着。7時25分です。

ご覧のとおりの靄と霧雨です。ともかく視界が悪い。

視界が良いとこんな感じです。(一昨年)

そして展望台から天気が良ければ・・・(昨年)

こんな感じです。ここは360度の展望、眺望が売りですね。

続いて翌日も・・・

結局三脚を出すこと無く宿に泊まって帰って来ただけ・・・みたいなことになってしまいました。

しかしこれでは話にならないので、一昨年、昨年の観察、色々な人から聞いた話、などを思い起こしてこの時期の山本山とタカのワタリについて考えてみることにしました。

まず山本山展望台の位置ですが、関越の越後川口ICから車で10分位でしょうか。山本山高原にある展望台ですが、タカのワタリの観察場所として知られています。

前のブログにも書きましたが、ここでサシバとハチクマのルートが重なると言われています。

そしてここから大雑把に言えば国道117号線沿いに松本方面に向かって行きます。途中、浅川大池で観察している人達もいるようで、浅川大池から白樺峠まで約2時間程度で到着するようです。

山本山から白樺峠まで大雑把にみて約200キロ。浅川大池はこれも大雑把にみて中間点にあると言えるでしょう。

これも単純な計算ですが、山本山から朝飛び立ち休まずに飛べば浅川大池まで2時間、白樺峠まで約4時間。

あくまで机上の計算です。

ここで種明かしをすると実は9月23日に管理人達は白樺峠にいました。その時、11時頃浅川大池を600から800位のサシバの集団が通過したという情報が入りました。

その集団が白樺峠に現れたのがおよそ13時。勿論かなりの集団ですから通過するまでにそれなりの時間が掛かりました。

察すれば朝の8時から9時ころに山本山を飛び立ち、浅川大池を10時から11時位に通過し、白樺峠に13時から14時位に到着したと見ています。そしてその集団は滑翔して渡って行きました。

翌日の出現を見ると白樺峠付近での滞在組の残りが午前中に渡っていったようですが、数はあまり多くありませんでした。

23日の午後から24日の朝にかけて合計で約1500羽程度のサシバが渡っていったことになります。浅川大池の連絡のあった数字より大分上積みされているのは、途中集団がだんだんと大きくなっていったからでしょうか。

このあたりのサシバの集団性がよく分からないところですね。

管理人も山本山で観察は出来ませんでしたが、雨の中電柱に佇んでいるサシバや、低いところを飛んでいるサシバを見ています。つまりサシバ自体は山本山付近で天候待しているかのようでした。

新潟はサシバの一大繁殖地です。田植えの時期も北関東ほどではありませんが東北地方に比べればいくらか早い感じもします。また、田んぼの面積が北関東などに比べると多く、密度はともかく全体ではかなりの数が繁殖していると思われます。新潟以北の山形、秋田の日本海側のサシバもこのルートに乗ってくるようです。

白樺峠での観測数はこれも大雑把に言って例年約1万くらい。勿論誤差はあるにしても白樺峠の観測体制からすると信憑性の高い数字だと思われます。

ここでこれもかなり大雑把にみますが、九州の金御岳はバラツキはあるにしても約2万として、白樺ルートと関東通過ルートとで2分しているようにも見えます。

まあ、観測場所の観測体制や年ごとの違いなどもあり一概に断定は出来るモノではありませんが、大雑把な目安として管理人はそんな風に見ています。

これはサシバのワタリのがいまどの辺りに来ているかの目安にしているのです。

白樺ルートは約一万が目安でこの付近にくれば次は東海道ルートの始まり。そして金御岳の数字の積み上がりが(サシバの)ワタリの日本国内でのバロメーターみたいな感じですね。

簡単に流れをまとめると、

山本山     9月10~ 
浅川大池
白樺峠     ~9月25日
滋賀
瀬戸内海付近
大隅半島
金御岳    10月上旬
沖縄

関東エリア  9月25~
伊良湖岬   ~10月上旬
瀬戸内海付近
大隅半島
金御岳    10月中旬
沖縄

管理人などは機動観察をするならこんなスケジュールになるように考えています。

つまり流れとして途中で突然サシバが現れるの訳も無く、その前触れが必ずあると言うことです。例えば関東エリアが大きく動いていないのに伊良湖岬でピークを迎えることは無い、みたいな感じですね。そして九州に行くにはまず白樺のピークが過ぎてからというのがなんとなくこれで見えてきます。

年ごとの天候によりルートがどのように変化するのかも分かりませんし、各場所の観測体制もバラツキがあるので数字のまとめも大雑把ですが、天候に左右されやすく季節性の高いタカのワタリを効率よく観察するならそんなことを頭に入れておくのもいいのかもしれません。


平成29年(2017)9月9日 山本山展望台

タカのワタリ 2018 Part2・・・水戸市森林公園

これで話が終わってはつまらないので過去を振り返りながらタカのワタリの観測地点と言う目線で少し書き残しておきます。

まず、タカのワタリの時期ですが、水戸市森林公園の観察は全国のトップを切って8月半ばから始まります。他の場所は9月に入ってから。のんびりしたところは9月中旬から下旬あたりに始まります。

確かに8月中は数も出ないので観察に値しない時期かもしれませんが、それでも水戸での観察は8月半ば頃からサシバの移動が数は少ないが始まっていることの証左になります。

よく言われるサシバのルートですが、比較的早い時期は白樺ルートでその後関東から東海道へのルートに変わります。しかしこの時期の水戸あたりのワタリですからどう考えても白樺ルートへは繋がりません。

他場所で8月中の観察が行われていないので確定的なことは言えませんが、水戸でのワタリを考えると実際この時期に移動を始めているのはもう少し多いのではないかと思います。


平成29年(2017)9月3日

昨年の今頃撮ったハチクマですが、実はこの付近はハチクマが繁殖しているので一概には言えませんが、ハチクマも移動を開始しています。


平成29年(2017)9月3日

これも昨年撮ったサシバ。成鳥のメスですね。

この辺りを渡って行くのですから、かなり繁殖が早い時期に完了していると思われます。すると近くのサシバの里あたりは管理人達の観察でも6月の終わりから7月の始めにかけて巣立ちを確認していますから、おそらくはこの辺りのサシバではないかと思っています。

サシバの里辺りではゴールデンウィーク辺りに田植えが始まります。これは東北地方や上信越地方より早いと思われます。そして春のワタリは3月末頃から4月に掛けてですから、他場所に比べれば繁殖の開始時期も早いと思われます。やはり田植えが始まり田んぼに水が張られないとカエルなどの繁殖も始まらないでしょうから、そのあたりの食物連鎖も関係してくるのでしょう。要するに全てのことが他の地方に比べて早く始まり早く終わる。

そしてこの時期が終わると上信越地方をメインとして繁殖したサシバ達の白樺ルートが始まり、次に東北地方をメインとして繁殖した個体の東海道ルートのワタリが始まる。

まあ、管理人の当て推量です。ただまあ、東日本の田植えの時期とサシバなどの繁殖の時期はかなりリンクしている可能性があるとの見方はそれほど的外れではないような気もしています。

ハチクマはハチクマでこれはまたサシバとはひと味違うワタリをしているようです。

サシバに比べると集団性があまりなく単独でも悪天候でも結構渡っていきます。そのうを膨らまして飛んで行く姿をよく見ますが、飛翔能力(速度や距離も含めて)はサシバより一段上であろうことは推測出来ます。

ちなにみこの後に出てきますが、新潟の山本山辺りでサシバとハチクマが合流するみたいな話を聞いたことがあります。

話を戻しますが、この水戸市森林公園で観察された個体達は次はどこに飛んで行くのか・・・実はこれが分かっていないのです。先に書きもしたが、8月中に観察しているところがないので過去のデータがありません。

残念ながら水戸市森林公園観察は前後の移動のルートが推測出来ないのです。しかし確実に数は少ないですが渡っていることは間違いありません。

最近の管理人の興味としては写真を撮ることよりこのワタリのルートを探索する方に傾いています。ルート探索と相俟ってその時期や成鳥と若の比率、またワタリの途中の生態なども興味の対象となっています。

これは実にやっかいな観察となります。昨年あたり機動観察と銘売って観察してみましたが、ともかく自由になる時間がなければ始まりません。さすがに年齢とともに休みをとることが容易にはなって来ましたが、この時期全休と言う訳にもいきません。

しかし、来年あたりは思い切って3週間くらいは全休にして機動観察に徹してみようかとも思っています。宿も事前に決めず天候と相談しながら機動観察をする・・・うーん、この時期ならではお楽しみになりそうな気もしますが、色々と大変なこともあるでしょうね。

さて、さて、そんなことを夢見つつ、雨に祟られたタカのワタリ第一弾は殆どタカを見るこは無しに終わった次第でありました。

タカのワタリ 2018 Part1・・・水戸市森林公園

基本、ブログは起こった事を書きます。つまり結論が分かって書いている場合が殆どです。「続く」とか書いてあっても続きの結論は分かっている場合が大半です。

なんでいきなりこんなことを書き出したかと言うと、今は既に9月が終わってしまっているからです。

当然これには訳があります。

まず、月の上旬(正確に日付は覚えていない)あたりにメインのPCの電源が入らなくなりました。正確に言うと電源のオンに度々失敗するようになりました。

電源スイッチを入れると「カチン」と音がして電源が入りません。ちなみに管理人のメインPCは自作のデスクトップです。

何らかの理由で保護回路が働いているような気配です。何時間か間隔を開けると起動する時もあります。

接続されているUSBやモニターケーブル類を外して起動すると起動する場合もあります。

色々と試してみたのですが、完全な再現性はないのです。まあ、順当に考えれば電源の不具合ですが、電源を入れ替えるのはかなりの大作業です。下手をすると新規で作るより面倒な場合もあります。

管理人のPCのケースはフロントパネルUSBハブを外しマザーボードを取り出さないと電源の交換は出来ません。正直言って面倒です。

サブのノートがあるので日常の作業は問題ないのですが、写真の保存と現像はメインPCのみで行っていたので撮ってきた写真の処理が滞りました。

つまりブログが上げられない状態にここ3週間以上なっていたのです。

まあ、ブログは仕事では無く趣味なので優先順位はあまり高くないのと、タカのワタリも始まりそちらに時間がとられるのと相俟ってメインPCは放置状態になりました。

くだくだと言い訳を書いていますが、まあ、それでも月末になりさすがに業を煮やして(実は悪天候が続いたためタカのワタリに行かなかったので)ようやく電源を交換してみしまた。

なんと言うことはない、以前にまして快適に動き出しました。電源もさほど高いモノでなく、BRONZE仕様のモノでしたが、Amazonのレビューが良かったので購入。

一応管理人もAmazonのアソシエイト(アフィリエイト)のIDを持っていますのでたまにはリンクを貼っておきます。買ったときは、7860円だったのに急に値上がっていますね。最近はPCのパーツ類が値上がり傾向にありますが、その影響でしょうか。

さて、前置きが随分と長くなりましたが、本題です。

大概管理人達のタカのワタリは水戸市森林公園から始まります。今回は9月1から9月2日にかけてです。ちなみに最初に行ったは平成25年(2013)9月7日となっていました。

結論から言いますと雨に祟られた・・・です。

遠くに枝止まりしているサシバのメスを見たのと、3羽ほどどんよりした空に上がって行ったサシバを確認したに留まりました。記録ではワタリとなっているようですが、まあ、管理人的には何とも言えない状況だったように思います。ちなみに、写真は撮れるような状況では無かったですね。

ちなみに唯一望遠で撮った写真は・・・

何ですかねぇ(苦笑

初日はこんな感じで終わり、泊まって2日目は・・・朝から雨。観察は中止。つまり何もせずに朝から帰ることになりました。機材を何も出さずに駐車場から直接帰ったのですから、撤収と言うよりは単なる帰宅ですね。

ある意味間抜けな話ではあります。

・・・続く

サシバは遠かった・・・菜の花台 Part2

翌日は抜けるような空になりました。気温は昨日より大分低いですが、風がないせいか寒さは昨日より感じません。

今日は富士山がよく見えます。

秦野の町も一望出来ます。冬ならもっと見通しが良いのでしょうね。

昨日はウソやオオルリなども見かけましたが、今日はどうでしょうか。

さて、肝心のサシバの方ですが第1便は9時頃飛んできました。相変わらず高いところを飛んでいます。天気も良いので今日は尚更高いのでしょうか。

大量にと言う訳には行きませんが、ポツリポツリと飛んで行きました。昨日のように横飛びではなくスーッと綺麗に渡って行く姿が見られます。

写真だと遠すぎてどうにもなりませんが、観察していると青い空に溶け込んでいくように飛んで行く姿は秋とは違った風情を感じます。そうですよね。この時期は「お帰りなさい」だからでしょうか。

ツバメも渡って行きました。

さて、サシバの方は間隔はあっても間断無く渡っていきます。

数の上では秋に及ぶべくもありません。当然です。秋は生まれた子供達も一緒にワタって行くからです。ですがここで冷静になってみれば昨年の秋は最低でも2万羽程度が渡った記録があるにも関わらず、春はドーンと数が少なくなっています。勿論観測が不十分なのはありますが、秋の帰りは例年似たような数字あることを踏まえれば、生まれた雛の半数以上は戻ってこなかったことになるのではないでしょうか。

これも厳しい現実と言えば言えなくもありませんが、それでも戻って来た若鳥たちはこの国の何処かで繁殖して次に世代を繋いで行くのでしょう。

本日は最終的には37羽のサシバのワタリが確認されたそうです。1日の数から言えば菜の花台としては比較的多かったようです。

来週は里山に出張ります。そろそろ繁殖が始まっているのではないかと期待しています。そして今週とは違って近いサシバを観察できるのではないかと期待を込めて昼頃の撤収と相成りました。

サシバは遠かった・・・菜の花台 Part1

一昨年、昨年も春のワタリを観察するために菜の花台に行きましたが、先週すでに里山でサシバの到着を確認しているので今更という気持ちも無い訳ではありませんが、ワタリはワタリです。

特に春のワタリは管理人的にはここ最近の話で馴染みがありませんでした。秋と違って大量移動は望めませんしコースも今ひとつ解明されていないので観察することが難しい現実もあります。

ですが一昨年・昨年と菜の花台で数は少ないですが春のワタリを見ることが出来ました。そんな訳で今年もやはり行かねばと言うことになり出張ることになりました。

一昨年は4月10日、昨年は4月16日と大分日が経ってからでしたが、今年はいくらか早めの出張りとなりました。

到着は6時30分頃。天気は上々です。

そして何と今年はすでに桜が散っていました。一昨年、昨年に比べると随分と早い開花ですね。もっともここだけではなく全国的に今年は桜の開花が早かったので致し方ないところです。

さて、肝心のサシバですが状況からすると今日飛ばなくていつ飛ぶんだみたいな状況なんですが、まず8時17分に2羽のワタリを確認。

幸先の良いスタートと思ったのですが・・・後が続きません。

観察の途中にウソとオオルリが現れました。

そしてようやく昼近くになってワタリを確認。風が強くて横飛していました。

それにしても先週あれだけ近かったサシバの遠いこと。ワタリですから観察の距離は遠くて当たり前なのですが・・・それでも渡って行く姿が見られたのは良かったですね。

この日は都合4羽のワタリを確認して昼頃撤収しました。昨日は雨が降って天候が回復していい日和だと思ったのですが・・・

最終的に4羽のワタリで終結したようです。風がいけなかったのかなと感じますが在庫が払底したのかどうか分かりませんので明日も引き続き観察に訪れる予定です。