タカのワタリ 2018 Part2・・・水戸市森林公園

これで話が終わってはつまらないので過去を振り返りながらタカのワタリの観測地点と言う目線で少し書き残しておきます。

まず、タカのワタリの時期ですが、水戸市森林公園の観察は全国のトップを切って8月半ばから始まります。他の場所は9月に入ってから。のんびりしたところは9月中旬から下旬あたりに始まります。

確かに8月中は数も出ないので観察に値しない時期かもしれませんが、それでも水戸での観察は8月半ば頃からサシバの移動が数は少ないが始まっていることの証左になります。

よく言われるサシバのルートですが、比較的早い時期は白樺ルートでその後関東から東海道へのルートに変わります。しかしこの時期の水戸あたりのワタリですからどう考えても白樺ルートへは繋がりません。

他場所で8月中の観察が行われていないので確定的なことは言えませんが、水戸でのワタリを考えると実際この時期に移動を始めているのはもう少し多いのではないかと思います。


平成29年(2017)9月3日

昨年の今頃撮ったハチクマですが、実はこの付近はハチクマが繁殖しているので一概には言えませんが、ハチクマも移動を開始しています。


平成29年(2017)9月3日

これも昨年撮ったサシバ。成鳥のメスですね。

この辺りを渡って行くのですから、かなり繁殖が早い時期に完了していると思われます。すると近くのサシバの里あたりは管理人達の観察でも6月の終わりから7月の始めにかけて巣立ちを確認していますから、おそらくはこの辺りのサシバではないかと思っています。

サシバの里辺りではゴールデンウィーク辺りに田植えが始まります。これは東北地方や上信越地方より早いと思われます。そして春のワタリは3月末頃から4月に掛けてですから、他場所に比べれば繁殖の開始時期も早いと思われます。やはり田植えが始まり田んぼに水が張られないとカエルなどの繁殖も始まらないでしょうから、そのあたりの食物連鎖も関係してくるのでしょう。要するに全てのことが他の地方に比べて早く始まり早く終わる。

そしてこの時期が終わると上信越地方をメインとして繁殖したサシバ達の白樺ルートが始まり、次に東北地方をメインとして繁殖した個体の東海道ルートのワタリが始まる。

まあ、管理人の当て推量です。ただまあ、東日本の田植えの時期とサシバなどの繁殖の時期はかなりリンクしている可能性があるとの見方はそれほど的外れではないような気もしています。

ハチクマはハチクマでこれはまたサシバとはひと味違うワタリをしているようです。

サシバに比べると集団性があまりなく単独でも悪天候でも結構渡っていきます。そのうを膨らまして飛んで行く姿をよく見ますが、飛翔能力(速度や距離も含めて)はサシバより一段上であろうことは推測出来ます。

ちなにみこの後に出てきますが、新潟の山本山辺りでサシバとハチクマが合流するみたいな話を聞いたことがあります。

話を戻しますが、この水戸市森林公園で観察された個体達は次はどこに飛んで行くのか・・・実はこれが分かっていないのです。先に書きもしたが、8月中に観察しているところがないので過去のデータがありません。

残念ながら水戸市森林公園観察は前後の移動のルートが推測出来ないのです。しかし確実に数は少ないですが渡っていることは間違いありません。

最近の管理人の興味としては写真を撮ることよりこのワタリのルートを探索する方に傾いています。ルート探索と相俟ってその時期や成鳥と若の比率、またワタリの途中の生態なども興味の対象となっています。

これは実にやっかいな観察となります。昨年あたり機動観察と銘売って観察してみましたが、ともかく自由になる時間がなければ始まりません。さすがに年齢とともに休みをとることが容易にはなって来ましたが、この時期全休と言う訳にもいきません。

しかし、来年あたりは思い切って3週間くらいは全休にして機動観察に徹してみようかとも思っています。宿も事前に決めず天候と相談しながら機動観察をする・・・うーん、この時期ならではお楽しみになりそうな気もしますが、色々と大変なこともあるでしょうね。

さて、さて、そんなことを夢見つつ、雨に祟られたタカのワタリ第一弾は殆どタカを見るこは無しに終わった次第でありました。

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