浮島湿原で一番長い日・・・Part2

近くの蓮田を回っているといきなりセイタカシギとコブハクチョウに出会いました。

ここらあたりで留鳥として生息しているのかどうかは管理人には判別出来ませんが、蓮田があることが影響しているのだろうと思いました。

セイタカシギは葛西臨海公園などで良く見かけるのであまり有り難みは感じませんが、やたらと観察できる鳥ではないはずですよね。コブハクチョウは飼育されたものや、その子孫が野生化したものが大半らしいですから、本来的な意味で野鳥と言っていいかどうか分かりませんが、確か手賀沼で見かけた以来だったような気がします。この近辺は野鳥の生息環境としては恵まれているのかもしれませんね。

田んぼでおなじみのタゲリもいました。

そういえば、このあたりでツクシガモが出ているという話をウォッチャーの人から聞きました。今日は見ることが出来ませんでしたが、水が豊富なこのあたりにいても不思議はないですね。

浮島湿原以外にもちょっとした葦原があります。西ノ洲なんかもそうですが、もう少し内陸にもあったりします。耕作地が周りを囲んでいますから、餌場としては十分な環境にあるように思います。(普通の)チュウヒが飛んでいるのを見かけることが出来ます。ただし、よほど運良く遭遇しないと写真は難しいのかなと思いました。何せ広いですからね。

さて、適当に回って時間つぶしをして食料を買い込んで浮島湿原に戻ってきたのは丁度昼。朝が早いので一日が長いですね。思い出したようにチュウヒが葦原の上を飛び回っていますが、まあ、夕方に備えてまったりタイムです。おそらくは塒入りは夕刻、日の入りくらいまでかかると思われますので、ここを出るのは17時30分過ぎにはなると思います。

・・・続く

浮島湿原で一番長い日・・・Part1

朝3時40分起床。4時出発。春が近づくにつれ日の出が早くなります。そうすると出立の時間も少しづつ早くなる。今年の冬は猛禽を探しに出張ることが多いのですが、出張りの時間が早くなるにつれ、それは春に近づいているのだという実感・・・があまり沸かない朝でした。結構寒い。でも、先週は雪が降ったくらいですからそれよりはいくらかまし。しかも風も無い模様。今日はいいところを飛んでくれるかチュウヒ達よ、なんて思いながら浮島湿原に到着したのは5時42分。

調べてみたら日の出は6時15分位。日の出前に塒立ちをするとすればあまり余裕はありません。朝のセットは迅速に。そしてスタンバイ完了は5時45分。そして一番立ちは5時51分。滑り込みセーフ。間に合いはしましたが、やはりと言いましょうか、写真としては非常に厳しいモノになります。

RAWで撮って補正してもまあ無駄でしょう。一応はRAWで撮ってますが。ただ、先週もそうでしたが、この朝の塒立ちはそれはそれでいいものです。本日は管理人達だけだったので、独占貸し切り状態でした。まあ、人それぞれですから強くはお勧めは出来ませんが、朝のこの湿原の風景は早起きして見る価値があると思います。

未明の湿原の上を、茜に染まった空をバックに十羽くらいのチュウヒ達が次々と塒立ちをしていきます。次から次へと言った様子で、越冬中、天候がよほど悪くなければ毎朝繰り返される光景なんでしょう。そしてこの中に少なくてもハイイロチュウヒのオスを二羽程確認出来るでしょう。

朝は証拠写真程度が管理人の限界でしょう。でも、この光景を残したいので次回は動画を撮ってみようかと考えています。

さて、5時51分に始まった塒立ちは日の出の時刻には殆ど終わってしまいました。せいぜい二十分程度の朝の光景ですが、これが終わると一段落。軽く食事でもとなります。その後はポツリポツリと思い出したようにチュウヒが飛んでいきます。まあ、このあたりに屯している組なんでしょうか。

太陽の向きからして逆光になりがちですが、それでも朝日の中を飛んでいくチュウヒはなかなか綺麗です。写真でそれを伝えられない腕の未熟さは残念ですが、まあそんな時は無理に写真に撮らず、目に焼き付けることにしています。

一段落ついて周りを見渡すと、他の冬鳥たちも来ています。まずは冬鳥の定番のモズ。

こちらも定番のツグミ。

葦原ではおなじみ。オオジュリン。

さて、朝の塒立ちの後はまったりしていてもつまらないので、餌場でも探しに行こうと言うことになりました。このあたりは、田んぼや蓮田があり餌場として恵まれているからチュウヒ達も越冬しに来ているのでしょう。ただし、これがなかなか会えない。特にハイイロチュウヒは日中はまず見ることがないですね。

・・・続く

朝が勝負???・・・浮島湿原 チュウヒ達の塒立ち

「猛禽(の撮影)ですか?」と聞かれることがあります。大概は返事として「ええ、まあ」とか少々お茶を濁す場合が多いです。はっきりと断言できない気の弱さか、撮影に関しての自信の無さか、それはよく分かりません。まあ、猛禽狙いの達人みたいな人もいますから、そんな人達と同程度の鳥力を持っていると誤解されるのを恐れているのからかもしれません。

そんな自信不足ではありますが、朝早くにと言うよりは深夜に起きて、今日はどうだろうか、見れるだろうか、撮れるだろうかと、猛禽を探しに出かけるのです。まあ、好きと言えばこれが好きなんでしょうね(笑

前置きが長くなりましが、今日のターゲットは浮島湿原のチュウヒの塒立ち。そうです。塒入りがあるなら、塒立ちが当然あるはずです。夜明けと同時くらいに塒を立つチュウヒを見に行こうということになりました。

朝は3時45分起床。前日に準備をしていたので、4時少し過ぎに出立。途中少し買い物をしていつもの場所に到着したのが、6時少し前。夜明け前です。昨晩はすごい風だったのですが、風は収まっています。

前回の教訓から到着後すぐにカメラをセット。防寒対策を施して6時にはスタンバイ完了。朝はともかく迅速さが大事ですね。

そして6時10分頃、夜明け前の空にチュウヒが飛び出しました。白い尾羽が確認出来ます。ハイイロチュウヒのメスでしょうか。この明るさですから写真にはなりませんが、目でしっかりとみることが出来ます。

そして次々に飛び出します。シルエット写真ですが、朝焼けの色がなかなか美しいです。

かなり無理して明るさを補正しました。国内型、若鳥と言ったところでしょうか。

全般的に遠いですが、次々に飛び出していきます。その中で本当に本当の証拠写真ですが・・・

恐ろしく遠い上に、感度もかなり上げて且つ相当なトリミングをしていますが、ハイイロチュウヒのオスであることが確認出来ます。浮島湿原でとりあえず初めてとれたハイイロチュウヒは朝の塒立ちでした。実際何回か目撃してたのですが、カメラマン泣かせの典型みたいな猛禽ですね(苦笑

その後も何羽かチュウヒが飛び立ちました。正確ではないですが、ハイイロチュウヒのオスは二羽、それ以外は7羽から8羽。おそらくは10羽程度がこの湿原から塒立ちをしていったのではないでしょうか。一時は葦原の上が結構賑やかでした。いやぁ、早起きは三文の得と昔の人はいいましたが、いいものを見られた気がしました。

朝の塒立ちも三十分もすると落ち着いて葦原は静かに。その後はここを餌場にしていると思われる数個体が飛んでいるのをポツポツと確認出来ました。

そんな中餌をゲットしたミサゴが・・・成長のオスでしょうか。

7時を過ぎると本当に動きがなくなりましたが、そんな中、比較的近くを飛び回っている個体がいました。体下面は淡褐色で暗褐色の縦班、腰は白く、風切りの下面には明瞭な黒褐色の横班。虹彩は黄色ですからハイイロチュウヒのメスの成鳥でしょう。

後ろから見ると見事に腰が白いですね。

先週は渡良瀬遊水地で塒入りでしたが、今週は一転して浮島湿原で塒立ち。朝早かったり、夕方遅かったりと我ながらよくやるもんだと思います。実は渡良瀬遊水地も夜明け前の塒立ちを何度か観察しています。本当に日の出前の薄ら明かりの中を飛んでいくのです。ですから、写真にはなりませんし、何せ遊水地は広いので観察もとりとめがありません。その点、浮島湿原は比較的範囲が狭いので、ならばこちらはどうだろうと言うことで、今朝出張ってみたのです。

いやぁ、こりゃ、来週もだなぁと連れ合いと意見が一致。ただし、今朝は日が昇ってきたら風が強くなり観察や撮影にはかなり支障をきたす状態になってきました。まあ、来週の出張りは天候次第ということで、撤収と相成りました。

チュウヒが・・・飛ぶには飛んだけどの話

朝四時に起床。寒いです。そして浮島湿原には六時半に到着。ここも寒いです。そして、着くなりまだ薄暗いなか、いきなりハイイロチュウヒのオスがカメラを出す間もなく飛び出して行きました。そして目の前の葦原に潜り込みました。

あわてて、カメラをだしてセット。いつでも出てこいと待ち構えたのですが・・・

メスらしき方がまず飛んできました。まだ薄暗いので写真的にはかなり厳しいですが、それでも今日は行けるのではないかと期待感が膨らみます。ですが・・・

待てど暮らせどハイイロチュウヒのオスは見えません。うーん、なにかと見間違えたかと思いましたが、連れ合いも同時に見てますので、それもないように思います。

幼鳥にも見えますが、どうでしょうか。

まあ、それでも待っているうちに普通のチュウヒが飛び出しました。

結構明るくみえますが、かなり補正しています。朝の7時直前くらいなのですが、思ったより光量が足りてません。

この色彩ですし光量も足りないし、ついでに管理人の腕も足りないので、ピントもイマイチですね(苦笑

しかも朝方7時前に飛んだだけで後は音沙汰なし。朝見たハイイロチュウヒは幻だったかと思いました。

途中西ノ洲に行ってみて、また戻ったりとなんだかんだで昼ごろまでいましたが、ついに姿はどちらでも見えず。こんな日もあるのかと思い、朝一の興奮がすっかり醒めた感じで撤収と相成りました。

チュウヒが飛んだ・・・チュウヒは難しい???

先週の浮島湿原は、チュウヒが飛んでくれましたが、滞在時間も短く慌ただしい観察・撮影でした。今週は日曜日しか時間がとれず先週と同様に慌ただしいことになると覚悟して再び茨城に遠征です。

浮島湿原に到着したものの、気配が全くありません。数人のカメラマンが観察小屋の外に三脚を立ててレンズを構えていましたがおそらくあれでは寄ってこないなと思い、場所を変えることにしました。車で少し走るとチュウヒがいそうな葦原があります。

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朝方は靄がかかっていましたが、良い天気になりしまた。風もあまりなく陽も差して吹きさらしの葦原ではありますが、結構快適な陽気です。

それでこのあたりをウロウロすること暫し。ようやく遙か彼方に発見。とりあえずシャッターを切ってみました。

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遠いのもありましすがトリミングしてもこれが限界ですね。頭が白くなっていますが、どうやらオスの成鳥のようですが、細かいことは分かりません。

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腰のあたりが白いので成鳥のオスだと思いますが、調べてみるとチュウヒというヤツは一筋縄でいかないくらい色々なバリエーションがあるのですね。ハチクマも結構大変だと思いますが、それ以上かもしれないと感じました。

そして別固体も撮りましたが・・・

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体色が随分と明るい感じです。虹彩が黄色いので幼鳥ではないと思いますが、なんとも判別出来ません。

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明らかにこちらに目線をくれています。チュウヒは観察圧力に弱いと聞いたことがあります。ここは柵があって葦原には人が立ち入れないようになっていますし、距離もかなりありますので特にブラインドなどはしていませんが、このように視線をこちらにくれていると言うことは、相当に気にしているということになります。ワタリの最中にハチクマやサシバの目線がこちらに向いていることが間々ありましたが、短い時間で通過していきますのであまり影響はないと思いますが、ここは一応越冬していますのであまり目立ったことは差し控えるべきかなとも思いました。

本日もあまり時間がとれないので短い時間で撤収となりましたが、次回はもう少し目立たない工夫をしようかと考えています。

そうそう、ここはミサゴもよく飛んでいます。霞ヶ浦が近いのでミサゴも結構いるんですね。

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チュウヒについては国内型とか大陸型とかの識別は正直言って管理人には分かりません。これからもっと沢山の観察と撮影を経ないと無理だとは思います。ただ、一つ参考になったのはチュウヒの飛翔の特徴であるV字飛行の角度か浅いとか。そういえば他で見たチュウヒはV字飛行が特徴ですぐ見分けがついたと思ったのですが、ここではちょっとそれが違うような気もしました。

塒入りも見てみたいので今度行くときはもう少し時間の余裕が欲しいですね。