雷鳥の里・・・乗鞍高原 Part2

そう言えば「雷鳥の里」と言う名前の銘菓がありますね。たまにお土産で求めることはあります。今回は買いませんでしたが(笑

夏羽のオスと雛も見たいなと思いましたが、どうも見当たりません。

ただ、このメスは物怖じしないといいましょうか人を気にしないといいましょうか。雷鳥は人を怖がることはしないと言われていますが、それにしても大胆ですね。

個人的には好ましくないと思っている足環ですが個体の識別に役立つこともあります。先ほど見かけたメスはご丁寧に両足に2個つづ、青と黄色の足環でしたが、こちらは違っています。

啄んでいる植物の種類は分かりませんがたまにこんな感じで嘴を動かしています。人間がこんなことをするとパトロールの人から怒られますが雷鳥なら当然OKです。当たり前か。

それでどれくらい人に近いかと言うと・・・

青いロープが仕切りですから本当に目の前です。スマホで撮っている人もいます。

30分位でしょうか。カメラマンや観光客にサービスしてくれた後、人が沢山いるにも関わらず仕切りを横切って姿が見えなくなりました。

いなくなるととことん見えない。まわりはハイマツなどが沢山植わっていますので隠れられたら見えないですね。まさにタイミングです。この後来た人達はまるでその姿を見ることは出来なくなりました。

一旦山を下り食事をしてから再び登りました。これはくたびれました。さすがに足に来ました。まあ、下界に比べれば涼しいとは言っても今年の夏の暑さは尋常ではありません。その影響は当然あるわけで普段よりはここもそれなりに暑いようです。

雷鳥目当てのカメラマンも結構いてそれなりに皆でウォッチしているのですがやはり出てこない。しばらくして下の方でウォッチしていたカメラマンの方からこちらに出ているよと連絡を聞きつけて、汗だくになって沢を下っていったのが14時45分ころ。

どうやらこちらでは雛が先ほどまでは出ていたようなのですが管理人は撮りそびれました。なんでも雛を連れて通路を渡って反対側に行きたいのではということなのでそれ待ちになりました。

帰りのバスの時間も気になります。遅くとも16時05分のバスには乗りたいので時間との勝負です。

が、残念・・・時間切れです。

まあ、次もあるしと思い直して畳平を後にしました。

常宿の女将が言っていましたが、一般車両の通行を規制してから雷鳥の出現頻度が高くなったとか。人をあまり恐れない雷鳥も大量の車が押しかけるとやはりなんらかの影響を受けていたのかもしれません。地元バス会社の優遇政策だと見方によっては出来るかもしれませんが、管理人もやはり一般の車は規制した方が好ましいと思います。この畳平に大渋滞が発生したらと思うと・・・まあ管理人なぞは絶対に来ませんね。

さて、普段は真逆な動きをしている台風も近づいて来ています。どんな影響があるか未知数だとか。こちらの天気も明日からは悪くなるようです。明日の朝は宿で朝食を摂って早々に帰ることにします。

一夜あけて・・・

そんな訳でちょっと慌ただしかったですが来年も来たくなるのでないかと思いつつ、乗鞍高原から撤収と相成りました。

雷鳥の里・・・乗鞍高原 Part1

暑い日が続きます。この時期は鳥見や鳥撮りはあまりネタがありません。鳥だって暑いとあまり動きませんし、人間だって同じです。特に高齢者は(笑

子供が小さい頃は夏休みなので何処かに出かけるなんてこともありましたが、管理人たちの年齢になると夏休みとか言っても出かける気にはなりません。

そうは言っても先々週の野辺山高原ではありませんが、涼しい所はやはりいいなぁと思い、1泊ですが又々この暑いのに出張ることにしました。実は一昨年秋のワタリの時に白樺峠に来たのですが雨にたたられてワタリの観察は無理となり、その代替えに畳平に来たことがありました。

まあ、その時は雨も降っていましたが今とは陽気がまったく違ってかなり寒かった記憶があります。そしてカヤクグリやイワヒバリは見ることが出来たのですが、雷鳥は声だけしか聞こえませんでした。

特に雷鳥に思い入れはないですが、なんの理由もなく出張るのは如何なモノかと思い、「雷鳥を見に行こう」と言うことになりました。

出来れば雛なんかも見られたらいいなと思いますが、どんなもんでしょうか。

かなり急な予定だったので土日は宿が取れません。それなら金曜日に休んでしまえとばかりに平日の出立となりました。

朝は3時20分出立。これだと横浜インターに4時前に乗れ且つ、乗鞍高原行きの8時のバスに間に合うはずです。

畳平に向かう乗鞍エコーライン・スカイラインは平成15年から一般車両の通行を禁止しています。管理人も若い頃一度は車で行ってみたいと思っていたのですが、聞くところによるととんでもない渋滞になると言うことで逡巡していたらその機会を逃してしまいました。

さて、7時半前に乗鞍高原観光センターに到着。天気もよく本日はAダイヤの模様です。

軽く朝食を済ませてバスを待ちます。平日ですがそこそこには車が停まっています。

朝の8時の便は2台のバスに分乗となりました。

畳平まではおよそ50分の行程です。ユルユルと登っていくバスですが確かにこれで自家用車が大挙して押しかけたらこんないいペースでは登っていけないと思います。

さて、畳平に到着して取り合えず畳平のバスターミナルの中で掲示されている雷鳥目撃情報を確認します。どうやら大黒岳付近で目撃情報が多いようなのでそちらに向かうことにしました。一昨年も登ってみたのですが雨の中雷鳥と出会うことはありませんでした。

大黒岳に登る途中に槍ヶ岳が見えました。管理人などは山男にはほど遠いですが、「ヤリ」と呼ばれるこの山容を見るとなんだか山に来たなという気分になります。

高山植物のコマクサもピークは過ぎてしまったようですが、その可憐な花を咲かせていしまた。

それにしてもよくこんな何もない高い場所で生息するもんだと感心します。

さて、するすると登っていく途中に・・・

岩の上に雷鳥(メス)が止まっていました。これは雛もいるのかなと期待したのですが・・・いません。しかもよく見ると両足に足環が。色々な理由があるのは分かりますがどうもこれを見てしまうと鳥が可哀想で仕方ありません。なんかほかにもっといい方法はないのかと思いますがどうなんでしょうか。

程なく姿を消してしまったのですが、更に上に上がっていくとかなり近いところに又メスが現れました。

このメスも残念ながら雛を連れていませんので先ほどと同じ個体かもしれません。雛たちを遺棄したと言うよりは生育しなかったとみるべきのようです。残念なことではありますが、自然界では淘汰されていくので仕方ないことなんでしょう。

・・・続く

避暑して鳥見、星見も出来ます・・・野辺山高原 Part2

どうもここにいるノビタキのオスはこの支柱がホームポジションのようです。よく止まります。ここから畑に向かって餌を獲りに行きます。サシバが電柱に止まるのによく似ている感じがします。

ノビタキのメスが支柱ではないところに止まっていました。やはりこちらの方がそれらしいのですが線と線の間から抜いてます(苦笑

人工物の上ですが車からだとかなり近いところにも出ます。

あまりにも暑いのと農作業の邪魔になるといけないのでこの場は2時間くらいで撤収しましたが、もっと丹念に探せば写真的には面白いモノが撮れるかもしれません。

当たっているかどうかは分かりませんがツバメが大量に巣立って飛んでいるところよりそうではない場所の方がノビタキはいるような気がします。

それと気になったのは当日この後農薬を大型のトラクターで散布したのですが、翌日覗いてみるとあれだけいたツバメたちが全然居なくなりました。

出荷前の農薬散布らしいのですが、やはり生き物たちには影響があるのかもしれません。本当は野菜は虫が少しついているくらいが新鮮で綺麗なはずなんですが、我々消費者はそうは見ないのでしょうね。

それと深刻な虫害が発生すると農家は大変なことになるので予防的措置としては致し方ないのかもしれません。

簡単に有機無農薬野菜と言っても相当のコストと手間がかかるわけですから、それに見合った値段を払う必要がある訳で、おいそれと簡単には生産・流通出は来ませんよね。

まあ、それでもこの高原の清涼な空気と過ごしやすい温度が高原野菜を成立させている訳で、夏の高原に避暑に来る人が多くなる訳です。

さて、夜は夜で高原のホテルで星空鑑賞会です。この野辺山には国立天文台野辺山があるくらいで星を見るには適した場所のようです。

さすがに天文写真までは手が回りませんでしたが、土星とその環、木星と3つの惑星、そして火星などを見ることが出来ました。管理人の持っている天体望遠鏡でも当然見えますが、フィールドスコープでも土星の環を確認することが出来ます。

少し気になったのは野辺山高原の木に囲まれたグランドでも完全に漆黒の闇にはならないですね。東の方に街の灯りがあるのが分かります。これを光害と天体観測では呼ぶそうです。昔子供の頃田舎で見た満天の星空とは言えない感じでもあります。夏休みに帰郷すると本当に天の川が川のように見えましたね。

追記:
観察会は21時頃終わりました。これが深夜になればもっと暗くなると思います。管理人も何年か前に自宅で星空を望遠鏡で観察したことがありました。生活時間帯は明るくてもそれを過ぎると都会でもそれなりに暗くなります。

それでも双眼鏡でもいいですからあるとかなりよく見えます。おそらく目で見える星の数に比べると驚くと思います。

昼は鳥見に鳥撮り、夜は星見。鉄道が好きなら小海線もあります。何よりこの時期涼しいのが有り難いです。まあ、下界のとんでもない暑さに比べればと言うことですが・・・。

追記:
暑さから逃れるために野辺山に来ましたが、ここもそれなりに相当暑かったです。但し、日陰で風が吹けば下界に比べれば天国のようです。やはり夏は好き好んでより暑い所へはあまり行きたくはありませんね。

土曜日の朝に帰路につきましたが、それでも圏央道から東名に入るまではかなり渋滞しました。まあ、夏休み前の三連休で天気も良く気温も高くなるとなればこちら方面は混むことは必定です。特にお子さん連れの方たちは安全運転に徹して楽しんできて欲しいと願いながら、撤収と相成りました。

避暑して鳥見、星見も出来ます・・・野辺山高原 Part1

実は今年野辺山高原に行ってみようと宿を予約していたのですが、ある事情により(松之山に行ってみたいと言う)キャンセルしてしまいました。

心残りと言うほどでは無いのですが、この暑い中何処か行くなら少しでも涼しいところと思うのは人情でしょう。そんな訳で野辺山高原へ出張ってみました。

夜は夜で星も見られるとか。そう言えば何年も前に買った天体望遠鏡が埃を被っているのでそれもたまには使ってみようという目論見もあります。

突然の予定だったので宿が平日でないと取れなかったので、ええいとばかりに仕事はお休みにしてしまいました。

そんな訳で出立は金曜日の朝4時となりました。

東名から中央道へ。平日の朝なので貨物の車は多いですが、行楽の車の渋滞とは無縁です。

これが1日ズレるととんでもないことになるのは必定です。たまにはこうやって平日に出るのもいいもんですね。

さて、長坂で降りて清里高原を経由して野辺山に向かいます。

野辺山と言えば小海線。鉄道に詳しい人ならよく知っていることですが、鉄道最高地点がある路線です。

長閑なローカル線の雰囲気が一杯です。架線はないので2両の気動車で運行していました。

まあ、今回は鉄撮りはしないので、到着したら取りあえずノビタキ探しから始まりました。

夏のノビタキは都会では見ることが出来ません。ワタリの途中なら何度か遭遇したことがありますが、冬羽になっているので夏羽の(オスですね)ノビタキを見てみたいと思いました。

高原野菜の出荷の時期と重なってか畑には結構人が出ていました。大型のトラクターが公道をガンガン走っているのもここならなんでしょうね。

農作業の邪魔にならないように気をつけならがそれらしいところを探してみます。

小さい鳥なので簡単に見付かるかどうか分かりませんが、いるならそれなりに数はいると思うので愚直に回ります。

3時間近くしてから遠くに止まっているオスのノビタキを発見。レタス畑の中でした。

その付近をソロリソロリと車で静かに移動。

いたいた、いました。

アニマルキラーと言われる電気柵の支柱に止まっていました。

地面を動き回るのもいます。

これ撮った時には分かりませんでしたが、よくよく見ると内側大雨覆に白斑があるので比較的若いメスの個体のように見えます。

やはり人工物より枯れ木とは言え自然のモノに止まっている方が絵になりますね。

ノビタキに目を向けていたら遠くの方でどこかで聞いたような声が・・・

ノスリです。啼きながら飛んでいるので口が開いています。どうやらこの近くに巣があるような感じです。随分と羽が痛んでいるようですが、巣立ちが近いのかもしれません。

ヒバリもいました。この時期やはり繁殖しているのかどうか分かりませんが数はあまり見ませんでした。

・・・続く

飛び際が生き際? サシバが里山にやって来た・・・Part10

先ほど飛び立った若が巣の付近を飛び回ります。

飛んでいる姿はぱっと見、親と区別が付きません。飛び方がそれほど違うということは無いようです。

親の鳴き声に鳴き声で応えているようです。

親は頻繁に飛び回ります。飛んでついてこいみたいな感じなんでしょうか。

夕方までに三番子が飛び出すか待っていたのですがどうも今日は無理なようです。三番子の巣立ちを期待して宿へ。

翌日は朝5時30分位から待機しました。この時期は夜明けが早いですからすでに十分な明るさ(と暑さ)になっています。

オスの親はすでに飛び回っていました。大分羽が痛んでいるようです。それともこれから換羽するのでこんなもんなんでしょうか。

巣のある森の中から三番子らしき声が聞こえてきます。巣の位置からは大分離れた場所に移動している感じです。出てくる場所が予想出来ません。ことによると地上から目で見える場所ではないかもしれません。

暫く観察していたのですが、声ばかりで姿が見えません。

一旦宿に朝食を摂りに帰ります。

朝食後、戻ってくると昨日飛び立った若かどうかは分かりませんが若が木に止まっていました。

かなり距離があるところで場所も高いので近寄ることは出来ませんが、若であることは確認出来ます。

親は昨日に続き精力的に飛び回っています。

視線を横に向けて何かを見ています。

するとオスメス番で飛翔し始めました。

空を飛んでいるモノですから1つのフレームにこれだけの大きさで入るというのはあまりあることではないと思います。子供たちに対するデモンストレーションなんでしょうか。

そう言えば、森から声が聞こえません。

昨日若が止まっていた木を見てみると・・・

若が2羽止まっていました。

ことによると三番子が巣立ったのかもしれません。

そう思っている内に、空にサシバ達が飛び出しました。

撮影はさておき、何羽飛んでいるかの確認です。

「左に3羽、右に2羽、合計5羽飛んでいる」

管理人たちは取りあえず5羽の飛翔を確認することが出来ました。個体の識別は無理ですが、まあ、状況からすると目出度く3羽の雛が巣立ったとみて良いと思います。

管理人たちが朝食を摂っている間に三番子が飛び立った・・・そんなこともあるのでしょう。

それにしても親の飛翔は随分と接近して飛んでいました。

サシバはワタリの時なども群れて飛びますがこんなに近くに寄って飛ぶことは無いように思います。この時期ならではのことなんでしょうか。

それと口を大きくあけて啼きながら飛ぶこともこの時期は多いようです。いつでしたか霧の伊良湖岬で霧の中にサシバの声が頻繁に聞こえたことがありますが、集団で移動することの多いサシバにはこのような行動がよく見られるのかもしれません。

朝は結構慌ただしかったですが、サシバ一家の無事な姿を今年も見ることが出来たようです。

他のエリアのサシバ達も気になります。

別エリアの大分くたびれた感じのメス。羽が結構痛んでいる感じです。

しかしこの時期は休んではいられません。餌に狙いを定めて身をかがめて・・・

いい飛びだしでした。

この時期はこのような光景によく出くわします。

追記:
この個体を見たときお腹の模様の感じから若ではないかと思いました。今年孵った雛ではないかもしれませんがかなり若い個体かもしれません。生育段階毎の外見の変化の様子は興味深いものがあります。

巣の位置を特定して継続して観察するとなると管理人たちは週末しか時間が取れないので複数の場所の観察は難しいのですが、それでもある程度巡回している感触からすると年々歳々個体が減ってきているように感じます。

なんとか今年ここで生まれた若たちができるだけ多く戻って来て空いているエリアを埋めて欲しいものだと思いながら、撤収と相成りました。