やっとコミミズク・・・浮島湿原(付近) Part7

忘れていました。コミミズクのことを。先週得た情報ですがこの葦原にコミミズクがいると言う話。

追記:コミミズクがいるらしいと言う話は以前から聞いていました。ただし、居るらしいという話を聞いたという伝聞でしたが今回はもう少し信憑性が高い話ということです。観察場所によっては全然姿を見ることが出来ませんので、ここに出張って来ている人でも見ていない人は結構多いかもしれません。管理人達もその組でした。

実は朝の観察位置はそのことをすっかり忘れていたのです。と言っても、とんでもなく的外れな場所では無かったのですが。

翌日の朝、そのことを思い出して最終ポイントに接岸しました。(別に船ではないのですが、そんな感じの車の止め方なんですよね)

それは一番人だかりのする場所なのです。今シーズンは割と早くからこの葦原にハイイロチュウヒのオスがいることは了解していたので人だかりが出来る前から通ってはいました。

ある時期を境に人が多くなりその場所は当初は限定されていました。その状況は知っていましたがタバコの煙が苦手な管理人達は人混みを避ける場所選びをしてきました。

そして最後に残された場所がその「苦手な場所」なのです。人が集ると言うことはそれなりの理由があることは察知していました。ただ、そこに行かずとも何とかなるなら何とかしたい、そんな思いがありました。

連れ合いもそうですが、タバコの煙は苦手です。それが嫌で良さげな場所に近づかない時も間々あります。近頃のタバコを吸う人は気を遣って呉れる人も多く、離れた場所で吸う人もいますが、人数が多くなれば辛いときもあります。そして足下に吸い殻を捨てる人が多く集まるような場合は管理人達の観察は無理です。吸うなとは言えませんから黙って離れるしかありません。

管理人もタバコを二十年以上吸っていました。だからタバコを吸う人の気持ちも分かります。年若い頃はそれこそ回りのことなぞ気にせず吸っていましたが・・・

ですが、短い時間なら我慢できるだろうといよいよ覚悟を決めて最後のポイントへと言うことになりました。

やはりと言いましょうか、当然いいましょうか、飛んでいました。写真的にはかなり厳しい状況ですが、これとてチャンスはここにありでした。偶然を待つにしてもやはりその飛ぶ範囲の中でないとそれは無理な話です。

自画自賛ですがこれいいよなぁと自分は思いました。コミミズクとチョウゲンボウが並んでいるだけでなく、相手を気にしているコミミズクの表情が遠目にもなんとなく分かる絵になっています。

いくら広い葦原と言え、多くの猛禽が共存共栄できるかは分かりません。しかしこれだけ近い距離で佇んでいるのですから諍いはないのでしょう。それを絵として切り取れたことは僥倖かもしれません。

写真だけなら渡良瀬遊水地で撮ったものがピカイチでした。

最短撮影距離(16mに設定)ギリギリに飛んでいったコミミズクをまぐれ当たりとは言えここまで撮れることも僥倖だと思います。

比較して優劣を付ける話ではないかもしれませんが、それでもノイズだらけで印刷して額に飾るような写真ではないですが、生き物としてどう自然と向き合っているかの一面を切り取れた写真に心が揺さぶられます。

2つの種類の違う猛禽がこんな形で互いに佇んでいる・・・これはある意味驚きでした。野鳥写真の経験が管理人なぞよりもっと深い人なら驚くほどのことはないのかもしれません。しかしサンデーバーダーでもこんな瞬間に立ち会えることが妙に嬉しいと思ったのです。

ええ、ハイイロチュウヒのオスも飛びました。写りはイマイチですが。

そしてこんなシーンも・・・

コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろをハイイロチュウヒのオスが餌を探して飛んでいました。これはもう神様の呉れた贈り物としか言いようがありません。そして管理人は少しばかり欲が出てきました。困難な状況でももう少しちゃんと写るカメラが欲しいかなと。

追記:誤解が生じる書き方をしたので訂正しました。

コミミズクと一緒に佇んでいるチョウゲンボウの後ろを
     ↓
コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろを

ハイイロチュウヒが後ろを飛んでいるときは、コミミズクはポールには留まっていませんでした。コミミズクが留まっていたらそれを外すようなトリミングはしませんよね。ブログを書く時にそのことを失念していたようです。

レンズはそこそこいいものを使ってはいますがカメラはAPS-C機です。高感度はこれが限界だと思います。勿論、この粒子の荒れた感じはそれはそれで味があると思いますが、もう少しでいいから表情を鮮明に切り取りたいと思いました。うーん、いろいろ言い訳をして、所謂「プロ機」と言われるマシンは避けて来たのですが・・・

いつもこの場所に陣取っている常連さんは酷い「煙害」も無く不快な思いはありませんでしたが、短い時間の割にはいいものを見られたので長居は無用と思い早々に撤収することに相成りました。

機動観察・・・浮島湿原(付近) Part5

今秋のタカの渡りの時に、2日連続して滝沢展望台に通ったことがありました。管理人はそれを「機動観察こと始め」と言う記事にしました。

昔子供の頃「特別機動捜査隊」という刑事ドラマがありました。この機動捜査と言う言葉が子供心に妙に残っていました。そして学生運動華やかりし頃、「機動隊×全学連」みたいな言葉が世間の耳目を集めたように思います。

ちょっとググってみると・・・

【機動】
交戦の前後や交戦中に、戦略・戦術上おこなう、軍隊の移動・運動。転じて、状況に応じてすばやく活動できること。

ただ単に移動すると言うだけではなく、「状況に応じてすばやく活動できること」が要件になるようです。

野鳥の観察や撮影をしていると意識はしなくても(機動的)観察をしている場合があると思います。ルーティンになっている観察もあれば、情報を得て、素早く移動する観察もあるからです。

もっと言えば、夜に「ああ、ハイイロチュウヒが見たいな」と思い、翌日の早朝出立すれば、それはそれで立派な「機動観察」だと思うのです。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな感じの観察となりました。何故ならほぼほぼ観察のみで証拠写真すら撮らない(撮れなかった)からです。まあ、一応三脚は立てましたが(苦笑

今回は早朝のみの観察で、朝6時過ぎに到着、9時30分には撤収というかなり慌ただしい観察になりました。それには訳がありまして、管理人達が前回観察したのは、11月の最終週でした。その時はそこそこいい思いをしたのですが、それから渡良瀬遊水地行ったり三番瀬に行ったりで浮島湿原はご無沙汰になっていたのです。そして12月23日~24日は泊まりでこちらに来る予定でいたので、状況の変化を事前に知りたかったからです。

結論からいいますと、ハイイロチュウヒ(のオス)の個体を2つ確認出来ました。写真は前述の通り無理でしたが、当初の目的は果たせたようです。実は朝方、車の集まりが芳しくないので、ひょっとしたら抜けてしまったかと思ったのですが、騒ぎが一段落したということです。稲敷では別場所にコミミズクが出ているのでそちらに回っているという情報もありました。更に渡良瀬遊水地にも2個体(コミミズクが)入ったと言う話もありますので、ここだけ騒ぎになると言うことも無いようです。

こちらの葦原もコミミズクが入っているという情報もありますが管理人は確認未了です。ですが事前調査も兼ねての今回の慌ただしい観察でしたが場所の当たりはつきました。広い葦原なので観察場所を次回は移動してアプローチしてみることにします。

コミミズクが飛んだ・・・渡良瀬遊水地 Part 1

昨日は節分、ならば今日は立春です。暦の上では春。でも、まだ寒い。先週はかなり外れた感じがあったので、そうだ、まだ渡良瀬遊水地でコミミズクを見ていない。と、そう思い、立春とは言え、寒い朝に渡良瀬遊水地に向けて出立しました。

だいたい当たりはつけていたのですが、遊水地は広いのですぐに分かるかどうか少し心配でした。野鳥観察マップによると9番の湿地再生試験池のあたりなんですが、鷹見台の方から行くと未舗装の砂利道を走って行かねばならず、車が大いに汚れます。少し迂回することになりますが県道50号の方から回った方が管理人的には良いかなと思います。

さて到着すると見慣れない鳥が水辺に佇んでいました。俄かには分かりませんでしたが、「サンカノゴイ」ですよと教えてくれる人がいたので、助かりました。言われてみればああそうかと合点がいきましたが、一見すると何だろうと管理人なぞは思いました。

イメージ的にはこんな感じで頭に入っている人が多いのではないでしょうか。

さて、築堤沿いの先に数人のカメラマンが待機していました。サンカノゴイのいるあたりから直線で一キロくらいあるでしょうか。とりあえずそこまで機材を担いで歩いて行きました。すれ違った人が「いますよ。しばらくは動かないかもしれないけど」と言って教えてくれました。

到着すると何処かに飛んで行ってしまった後の模様。連れ合いが、「さっきまでいたよ」と。まあ、周りをみればまだまだこれからだという感じのカメラマンが数人いましたので、ここで待つことに・・・

そして、数分もしないうちに・・・飛んできました。

物怖じしないと言いましょうか、大胆といいましょうか。ご覧のとおり、築堤の上を車が走っているのも、背後にカメラマンが撮影しているのも、全くの無視です。車に乗っている人も当然お目当てはこれだと思いますが、まさか目の前にいきなり飛んで来るとはビックリしたのではないでしょうか。管理人もビックリしました。

さて、その後餌を求めてか、数分のフライトを演じてくれました。おそらくは昼過ぎ(だいたい14時頃らしい)までは動きがないと言われてきましたので、思いがけぬ贈り物に周りのカメラマンも管理人を含めてかなり興奮したのではないでしょうか。

いいねぇ。自画自賛してしまいます。正面からの飛翔はピントが合いづらいのですが、枚数をこなせば一枚くらいなんとかなるものです。だいたい、飛んでくれても背景や個体の色の問題でオートフォーカスが中々合焦(あい)ません。が、下手な鉄砲なんとやらです。ともかく、シャッターを切りまくる。ここを先途とはまさにこのことだと実感します。

ほぼ真横をかなり近い距離で飛んでいきました。今度はそうするとファインダーインさせるのがやたら難しくなる。いつもは望遠が足りないお嘆きの貴兄に・・・みたいなはずなんですが、最短撮影距離を16メートルに設定しているのですが、ギリギリと言った感じです。でも、数撃てば管理人でもなんとかなる。ちなみにこれはノートリです。

そしてひとしきりフライトショーが終わってとまり木に停まると・・・

動きません。首をくるくると動かしはするのですが。そのうち、とまり木からも降りてしまうと・・・

さらに動きが少なくなりました。どうやらこれでまったりタイム突入のようです。他を回って三時間後くらいしてから来てみましたが、状況は変わらず。

飛翔待ちのカメラマンも大分増えてきたようで、本来はこんなパターンなのかもしれませんね。要するに朝飛んで撮れればラッキーということなんでしょう。

先週、朝一で大当たりもどきがきてそのあとスカだったことを考えれば、今週はラッキーということで、機嫌よく撤収と相成りました。


追記:2017.02.06
この個体だけでなくどうやらこれを含めてこのあたりに4羽のコミミズクが越冬しているようです。夕方に餌取りを始めるようですが、それを狙ってチュウヒなども来るとか、来ないとか。そういえば、この日の午前中は全くチュウヒを見ませんでした。コミミズクの餌取りを狙ってそれから塒入りなんて段取りになっているのかもしれませんね。

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管理人のお勧め

♪鳥くんの比べて識別! 野鳥図鑑670 第2版