機動観察こと始め・・・滝沢展望台 Part2

今回の投稿はネタ的には色々ありますが写真的には?です。

タカの渡りの時期ですが色々あるということで・・・

朝方観察の準備をして軽い朝食を済ませると、観察用のスコープを持ったウォッチャーが現れました。ここでは仮にAさんとさせてもらいますが、このAさん偶然にも前日の杉尾山展望台の観察に参加されていたとか。お話を伺うと、「そりゃ中々出来ない体験」であると思いました。

7000を超えるサシバの渡りですから、ただ事ではなかったのです。

カウントされていた方が腱鞘炎にでもなるんじゃないかと思うくらい、一日中カウントを続けられたとか。まあ、人間の観察とサシバの群れですから多少の誤差はあったにしても、大変な作業であったことは間違いないようです。

それで、本日は滝沢展望台に移動しての観察とのこと。このあたりは、普通ならそう誰でも思うところです。管理人達もそうですから。

ただ、この巨大な風力発電機。

これが出来る前は、本当にここは良い場所だったとか。以後、渡りのタカ達は寄りつかなくなり慣れれば戻ってくるのではと期待したようですが、あまり芳しくないようです。

居着きのトンビなどは風車のまわりを飛び回っていますが、年に2回くらいしか訪れない渡りのタカにとっては不気味な存在のようです。

なぜ、Part1で裏話をしたかといいますと、この風車の引いた写真をこの日は撮っていなかったのです。それで後日撮影したのがこれ。新東名浜松SAからです。

これ実は伊良湖岬に行く途中10月7日に撮ったものです。

ご覧のとおり稜線に並んだ風車の列。これをサシバ達の目線から見たらどんな風に写るのかなと想像すると、近寄りたいモノではないと感じます。遠くから分かりづらいですが、羽の突端が光っているらしいのです。

それで早い話がこの日渡ったサシバはゼロでした。アサギマダラは渡って行きましたけど。

しかし、が、しかし、ここでめげてはいけません。管理人のポリシーとして可能な限り翌日も同じ所に出張るというのがあります。要するに1日だけではその場所のあれやこれやが分からないからです。

そして土曜日は昼には撤収しましたが、日曜日再び4時に起きて滝沢展望台を目指すことになります。

2日間の走行距離約1000キロ。

千羽の鷹ならぬ、タカを観察するために千キロ走る・・・みたいなかんじですね(苦笑

さて、翌日は迷うことなく7時頃到着。

しばらくするとレンズを担いだご夫婦が。

なんでも昨日は二三月峠にいたようで、約1000羽くらいは渡って行ったとか。そしてタカ柱がこの滝沢展望台のあたりによく上がっていたので今日はこちらに来とたか。

正直に「実はここは昨日一羽も渡りませんでした。」とお伝えしたところ、驚いたご様子。

それならば「もう少し西に移動します」とすぐに撤収。

管理人もいささか心が動きました。二三月峠は大体場所も調べてあったし、逡巡しました。

が、ここは初志貫徹。

結果はどうなるか分かりませんが、管理人としては土地勘の無い場所でやたら動き回るのは危険であるし、観察の連続性も大事だと思いとどまりました。

結果は・・・

3回ほどタカ柱が出来ました。5羽、7羽、20羽と楽に数えられる程度ですが。しかも遠くかったです。遠かったですが、流れるルートみたいなものはなんとなく分かったような気がします。

しいて言えば、20羽のタカ柱は遠かったですが、正面に上がりました。証拠の証拠程度ですが・・・

いままでは定点観察している定番と言われる場所でしか観察したことが無かったのですが、初めて自分でルートファインディングをして観察したタカ柱です。これはこれで数はともかく満足感があります。

今回感じたのは言われてはいますが、タカの渡りのルートは固定的ではなくある程度は変化するということでした。

まず杉尾山を通過した個体の半分くらいが伊良湖を通過したようです。杉尾山展望台の1日の通過数は記録的でしたが、同じような数は伊良湖では通過していません。これは別のルートがあると言うことになるでしょう。また、杉尾山展望台から浜名湖あたりまではかなり山並みが深く、山ひとすじ違えばサシバの姿を見ることは中々難しいということです。先ほどのAさんも「肉眼で1キロ、双眼鏡で2キロ、スコープで3キロ」などと言ってましたが、概ねそんなもんだと思います。まあ、肉眼でも双眼鏡やスコープでも、個別の能力差がありますから人により、機材によるところもありますが、要するに観察距離の限界はあるということです。

展望台は土曜日(30日)の風向きは北西から西そして西南西、日曜日は北東から東、そして東南東でした。日曜日あたりサシバの動きとしては一端西に流れたものが、左カーブして展望台の前方の方を通過するパターンが3回ほどありました。土曜日の風向きが北東でルートが日曜日と同じなら土曜日の景色は違っていたのかもしれません。ちなみに29日は土曜日と同じような風向きだったようです。このあたりは場数をもっと踏んでみないと分からないところだと思います。

色々な要素が入り交じってルートは決まっていくのでしょうから、観察の限界距離の中で渡って行くタカ達と遭遇出来るのは運のいいことなんだと思います。それ故に日本全国で名の知れたタカの渡りの観察できる場所は限定されているのだなと思いますし、それも絶対ではないと言うことなんだと思います。

タカの渡りを追いかけるのは正に「機動観察」になります。管理人達は茨城の水戸から始まって、新潟の山本展望台、長野の白樺峠、、神奈川の武山と菜の花台、静岡の浜松と移動してきました。

そして来週は愛知県の伊良湖です。この時期にこれだけ大量に飛んでしまうとピークは過ぎてしまった感はありますが。

さて、ひしひしとタカの渡りの難しさと面白さをかみしめながら、道路が混む前と本日は11時にて撤収と相成りました。

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