冬の猛禽達・・・浮島湿原(付近) Part11

冬もたけなわ。寒い日が続きます。しかし日差しは確実に強くなっています。春が静かに近寄って来ているのでしょう。

春のワタリまでもう少し。残り少ない冬の猛禽達をもう少し見てみたい。そんなこんなで今回は泊まりでの出張りとなりました。

天候が良ければ連泊にする予定です。

さて、朝は4時起床。相変わらずの時間ですが、現着する頃は結構明るくなってきました。これも春が近い証拠なんでしょうね。

到着後、音沙汰無しでしたが、7時21分頃、ハイイロチュウヒのオスの第一弾。

突然、目の前を通っていきました。土曜日の朝の割にはカメラマンも少なかったのですが、人が少ないと少しだけですが距離が近くなる感じです。

朝日を浴びて影が出てしまいます。

この時は狩りもせずにただ目の前を通ったキリでした。

しばらくするとメスの若だと思いますが、半身上が白いチュウヒです。管理人達は「シロチュウ」と呼んでいます。この個体もおなじみになりしまた。

最初見た頃より随分と半身上の色が濃くなってきた感じです。ここに来てすでに3ヶ月程は経つでしょうから成長の証なんでしょうか。

朝はコミミズクは出ません。と言うよりはこのあとめっきり静かになってしまいました。ただ気のせいか先週よりは僅かですが暖かい感じがします。
午前中は車の中で仮眠したりして時間を潰していました。

昼過ぎにようやくチョウゲンボウのお出ましです。

このチョウゲンボウは気が向くとよくホバリングをしています。ただし、餌を獲った瞬間は残念ながら見たこともないし撮ったこともありません。案外捕獲の成功率はかなり低いようです。

15時40分位になってからハイイロチュウヒのオスが塒入り前の狩りを始めました。ただし、これが又遠い。朝の飛翔に比べるとどうにもなりませんって感じの距離ですね。

この時間になるとカメラマンの数も随分と増えています。寒いからでしょうか、朝の出足は皆さん少々悪くなっているのかもしれません。

さらに時間が過ぎると先ほどのチョウゲンボウが再びホバリングです。今度は先ほどより大部近いですね。

チョウゲンボウはハヤブサ目、ハヤブサ科ですから、ハヤブサに似ているのは当然です。飛翔はやはり速いですね。写真を撮るのは中々苦労します。

図鑑で調べると亜種チョウゲンボウ、幼鳥みたいな感じでしょうか。

夕暮れも近づいて撤収時刻に近くなってからです。

とんでもなく遠いところにポツンとコミミズクが単独で現れました。ここのところの観察で3羽は確認しているのですが、出てきたのは1羽だけのようです。それにしても遠い。

そして程なくして何処かへ飛び去りました。

どこかに狩りに行ったのか定かではありませんが、時間的にもこれ以上粘っても観察や撮影は無理な状態になってきました。日が落ちると寒さも一入です。

そんな訳で真っ暗になる前に宿へと撤収と相成りました。

ハイイロチュウヒが飛んだ・・・浮島湿原(付近) Part 10

先週は東京競馬場でしたが、今週は相も変わらずと言った感じで浮島湿原(付近)に出張りました。

朝だけの短い観察・撮影の予定です。

到着は日の出前。

最初の飛び出しは6時36分。

普通のチュウヒです。管理人達は「タダチュウ」と呼んでいます。

ハイイロチュウヒのオスの最初の飛び出しは7時51分。明るくなってから出てきました。

この個体の灰色は少し濃い感じがします。若い個体でないかと回りから話が聞こえてきます。まあ、正直言って分かりません。

ほどほどの距離感でしょうか。明るくなっているので撮影は普通に出来ます。

なんだかんだ言ってもハイイロチュウヒのオスは目立ちますね。カメラマンの人気が最近はコミミズクに寄っているような感じがしますが、飛べば衆目を集めます。

そう言えば、今朝はコミミズクが出てきません。不思議なもんでいないとなると全く気配がありません。それでいて、出るときは何気にいるのです。

ハイイロチュウヒのオスの方が比較的コンスタントに出てくれるので、被写体としては扱い易いかもしれません。

羽の動きが同期しています。

1羽だけひょいとコミミズクが現れました。短い間ポールに留まってすぐに居なくなりました。まあ、夜行性ですから明るくなってからは動きませんからね。大体8時30分頃が目安で、それ以上待ってもコミミズクを見ることはないようです。

ハイイロチュウヒのオスの朝の狩りはまだ続いています。ハイイロチュウヒも朝狩りが終わるとしばらくはまったりしますが、昼間飛ぶときもあります。このあたりはコミミズクとは違います。

キレイな個体ですね。まあ、繁殖している訳ではないのであまり体が汚れることはないのでしょうか。

冬の青い空にハイイロチュウヒ。来シーズンも見られたらいいですね。

珍しくモビングされたカラス相手に反撃を試みるハイイロチュウヒのオス。猛禽としては頼りなさげな雰囲気が漂いますが、それでも猛禽は猛禽。どこかに獰猛さが潜んでいるのかもしれません。

さて、さて、来週は泊まりの予定で来るので今回は長居は無用です。コミミズクはちょい出でしたが、ハイイロチュウヒのオスは結構飛んで呉れました。まあ、適当な距離がありましたから、写真はそこそこですが、通ってなんぼですからね。回数来てればチャンスもあるとばかりに早々の撤収と相成りました。

コミミズクが飛んだ・・・浮島湿原(付近) Part 9

試し撮りからそろそろ本番へ。そんなつもりで続けて浮島湿原(付近)に出張りました。

狙いは、コミミズク。撮れる撮れないは置いといて、その姿を又見たい、そんな思いがあります。

先週はコンディション的には悪くなかったのですが、まるで気配無し。

今週も風も無くコンディション的には悪くないのですが・・・

さて、夜明け前後に、ハイイロチュウヒを見ることは見ましたが、遠くて写真はパス。

夜明けから1時間以上たった8時頃に頭の白いチュウヒがお出まし。これはメスのようですね。

そしてその直後・・・

出ました。ようやくと。

中々明るいところには出てきてくれないコミミズクですが、今日は機嫌が良いのでしょうか。朝日を浴びながら元気に飛び回ります。

こちらを睨んでますね。

常連さんの情報によれば4羽ほどいるらしいのですが、管理人達がみかけたのは今回も含め1羽です。

まあ、タイミングの問題か、夜飛ぶのか分かりませんが、明るいところではそうそう見かけられないのは致し方ないところ。

本日はエクステンダーを装着。レンズは600ミリなのでなんちゃって856になっていますが、野鳥の撮影ならこれもありだと思います。

厳格に比べれば本物の856には敵わないと思いますが、管理人クラスの目から見ればその差は分かりません。

APS-Cを使っている時、欲をかいてエクステンダーを装着していたら、そりゃ、被写体を捉えるのに苦労しました。酷いと外しっぱなしでチャンスを逃すことも多々あり、エクステンダーを付けないでいました。

APS-Cでエクステンダー未装着、35ミリ換算、960ミリ。

フルサイズでエクステンダー装着、840ミリ。

こんなところが管理人の限界でしょう。これ以上の焦点距離は撮りはぐれる可能性が増して歩留まりが悪くなるようです。自分の腕と相談しながら焦点距離稼ぎもほどほどにした方が吉の場合もあるようです。

それにしてもこの表情はいいですね。うちの連れ合いはコミミズクを見ると「可愛い」を連発しますが、然もありなん、でしょうか。

朝のフライトはまあまあでした。特に近くに寄ってくることはありませんでしたが、適当な距離で写真もそこそこ楽しめました。

ベストショットはこのような機会に恵まれたとき、ターゲットが気まぐれを起こして更に接近して来たときに撮れるのだと思います。

今回はベスト、ベター、グッドで言えば、グッドショットが撮れた位の感じでしょうか。

そして今回の機材購入が気まぐれ時の撮影の成功率を少しでも上げてくれれば嬉しいですね。

さて、ここのところ寒波が厳しいので外での長居はあまりしないことにしました。やはり年齢を考えると無理は禁物です。

今回はハイイロチュウヒのオスには縁がありませんでしが、コミミズクとの縁が少し出来ました。そんなお土産を持って撤収と相成りました。

やっとコミミズク・・・浮島湿原(付近) Part7

忘れていました。コミミズクのことを。先週得た情報ですがこの葦原にコミミズクがいると言う話。

追記:コミミズクがいるらしいと言う話は以前から聞いていました。ただし、居るらしいという話を聞いたという伝聞でしたが今回はもう少し信憑性が高い話ということです。観察場所によっては全然姿を見ることが出来ませんので、ここに出張って来ている人でも見ていない人は結構多いかもしれません。管理人達もその組でした。

実は朝の観察位置はそのことをすっかり忘れていたのです。と言っても、とんでもなく的外れな場所では無かったのですが。

翌日の朝、そのことを思い出して最終ポイントに接岸しました。(別に船ではないのですが、そんな感じの車の止め方なんですよね)

それは一番人だかりのする場所なのです。今シーズンは割と早くからこの葦原にハイイロチュウヒのオスがいることは了解していたので人だかりが出来る前から通ってはいました。

ある時期を境に人が多くなりその場所は当初は限定されていました。その状況は知っていましたがタバコの煙が苦手な管理人達は人混みを避ける場所選びをしてきました。

そして最後に残された場所がその「苦手な場所」なのです。人が集ると言うことはそれなりの理由があることは察知していました。ただ、そこに行かずとも何とかなるなら何とかしたい、そんな思いがありました。

連れ合いもそうですが、タバコの煙は苦手です。それが嫌で良さげな場所に近づかない時も間々あります。近頃のタバコを吸う人は気を遣って呉れる人も多く、離れた場所で吸う人もいますが、人数が多くなれば辛いときもあります。そして足下に吸い殻を捨てる人が多く集まるような場合は管理人達の観察は無理です。吸うなとは言えませんから黙って離れるしかありません。

管理人もタバコを二十年以上吸っていました。だからタバコを吸う人の気持ちも分かります。年若い頃はそれこそ回りのことなぞ気にせず吸っていましたが・・・

ですが、短い時間なら我慢できるだろうといよいよ覚悟を決めて最後のポイントへと言うことになりました。

やはりと言いましょうか、当然いいましょうか、飛んでいました。写真的にはかなり厳しい状況ですが、これとてチャンスはここにありでした。偶然を待つにしてもやはりその飛ぶ範囲の中でないとそれは無理な話です。

自画自賛ですがこれいいよなぁと自分は思いました。コミミズクとチョウゲンボウが並んでいるだけでなく、相手を気にしているコミミズクの表情が遠目にもなんとなく分かる絵になっています。

いくら広い葦原と言え、多くの猛禽が共存共栄できるかは分かりません。しかしこれだけ近い距離で佇んでいるのですから諍いはないのでしょう。それを絵として切り取れたことは僥倖かもしれません。

写真だけなら渡良瀬遊水地で撮ったものがピカイチでした。

最短撮影距離(16mに設定)ギリギリに飛んでいったコミミズクをまぐれ当たりとは言えここまで撮れることも僥倖だと思います。

比較して優劣を付ける話ではないかもしれませんが、それでもノイズだらけで印刷して額に飾るような写真ではないですが、生き物としてどう自然と向き合っているかの一面を切り取れた写真に心が揺さぶられます。

2つの種類の違う猛禽がこんな形で互いに佇んでいる・・・これはある意味驚きでした。野鳥写真の経験が管理人なぞよりもっと深い人なら驚くほどのことはないのかもしれません。しかしサンデーバーダーでもこんな瞬間に立ち会えることが妙に嬉しいと思ったのです。

ええ、ハイイロチュウヒのオスも飛びました。写りはイマイチですが。

そしてこんなシーンも・・・

コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろをハイイロチュウヒのオスが餌を探して飛んでいました。これはもう神様の呉れた贈り物としか言いようがありません。そして管理人は少しばかり欲が出てきました。困難な状況でももう少しちゃんと写るカメラが欲しいかなと。

追記:誤解が生じる書き方をしたので訂正しました。

コミミズクと一緒に佇んでいるチョウゲンボウの後ろを
     ↓
コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろを

ハイイロチュウヒが後ろを飛んでいるときは、コミミズクはポールには留まっていませんでした。コミミズクが留まっていたらそれを外すようなトリミングはしませんよね。ブログを書く時にそのことを失念していたようです。

レンズはそこそこいいものを使ってはいますがカメラはAPS-C機です。高感度はこれが限界だと思います。勿論、この粒子の荒れた感じはそれはそれで味があると思いますが、もう少しでいいから表情を鮮明に切り取りたいと思いました。うーん、いろいろ言い訳をして、所謂「プロ機」と言われるマシンは避けて来たのですが・・・

いつもこの場所に陣取っている常連さんは酷い「煙害」も無く不快な思いはありませんでしたが、短い時間の割にはいいものを見られたので長居は無用と思い早々に撤収することに相成りました。

年の瀬です・・・浮島湿原(あたり) Part6

先週の日曜日は朝だけの「機動観察」でしたが、今週は土日滞在する「滞在観察」になります。横浜からですと夕方遅くなるといろいろと大変なので管理人達はお泊まりで出張ることが間々あります。

メリット、デメリットありますが、体力的、時間的なことを優先するので泊まることにしています。デメリットは勿論費用が掛かることです。それでも往復の燃料、高速代、移動にかかる時間、手間を考えると泊まった方が楽ですね。特に年末は道路も混みますので尚更です。

滞在観察となると1日が長いです。朝は夜明け前から、夕方は日の入りまで。ですからこの時期は寒いですが、日中の時間が短いので観察時間も短くなります。

さて、起床はこの時期ですと4時。出発は4時30分。途中少々買い物をして到着は6時20分頃。夜明けまで30分近くあります。

まずもって寒い。ご存じの方も多いでしょうが、気温が一番下がるのは夜明け直前です。今日は先週と違って風は弱いですが、気温そのものは低いようです。

追記:後日調べたらこのあたりの最低気温は氷点下4度くらいでした。

霜が降りると言うよりは凍っています。

連れ合いがサンドイッチを作り、現地でお湯を沸かしてコーンスープで朝食となるのですが、その時外に出しておいたおしぼりが15分位の間に凍るのです。勿論、厳寒の地方からみれば大したことないと思われるでしょうが、野鳥を見るために夜明け前からわざわざこの寒い中に出張ってくるのだから、管理人達も相当な物好きだと思った次第です。

太陽の出る方向(東)を背にする位置に今日はシフトしてみました。ここらあたりは殆ど観察者がいませんが、先週はここで待機していて東の方に飛んで行きましたので再度確認の意味をこめて観察となりました。

当たりはなく今回はこちらは外れのようでした。

完全に陽が上がってから今度は真向かいの西側に移動。こちらは点在しながら観察者・撮影者が散らばっています。朝方は逆光なので少し陽が上がるのを待ちました。

広い葦原です。どこに何が出るか、当たり外れもあるようです。人が多く集まっている場所もあるし、そうでない場所もあります。写真がメインだと背中を南側に向けていた方が終日順光になりますので、やはりそのような場所は人が多いです。ですが、人が多いことのメリット、デメリットもやはりありでしょう。眼が多い方が見逃しは少ないけど、多くの人と機材は猛禽などの警戒心を高めるかもしれません。

管理人達は状況に応じて場所を変えてみることにしたのです。以前は決まった場所に終日陣取っていたのですが、猛禽達の動きを見ているといろいろな角度から観察してみたくなったからです。

最初に写真に収めたのが、カラスにモビングされているハイイロチュウヒのオスでした。バックショットになりましたが、姿を見ることは出来たようです。

とは言え、後は遠い写真ばかりでしたね。

この辺りはタゲリもいます。陽の向き加減が少々悪いですが、比較的近くに寄ってくるので写真を撮るにはあまり苦労はないでしょう。

肝心のハイイロチュウヒのオスですが、時折姿を見せてくれるのですが、やはり遠い。今日はここの場所も外れのような感じがしてきました。

ここでよく見かけるツートンのチュウヒと普通のチュウヒ。

タゲリ飛翔シーン。

そしてようやくハイイロチュウヒのオス。

突然近くに出てきたのです。神出鬼没とはこのことです。どこに居たのか、さっぱり分かりませんでした。

比較的近いので焦点距離の長さが逆に仇になります。ともかくファインダーに被写体を捉えるのが難しいです。

こちらを睨んでいる表情を捉えているのですが、ピントは後ろの葦に持って行かれてしまいます。このあたりの捌きが管理人にとっては非常に難しいですね。

こちらの気配を察したのか、短い時間しか狩りをしないで飛び去ってしまいました。狩りを始めた時は近くてこれは絶好の機会だとほくそ笑んだのですが、やはり警戒心の強い猛禽なのでしょう。観察圧力に弱いと定評のあるはハイイロチュウヒのオスですから、近ければ近いで逆にチャンスを逃すか可能性も高くなるといことなんでしょうか。なんとも気難しい猛禽であります。

後は、時折みせる姿は相変わらず遠いです。

ツグミくらいサービスしてくれたら嬉しいのですが、それは無理な話なんでしょうね(笑

さて、日の入りまで頑張りましたがこれと言った写真は撮れなかったようです。明日に期待して暗い葦原から撤収と相成りました。

・・・続く