戸隠森林植物園 2017 Part3

遠路はるばる戸隠森林植物園に到着したのは7時30分位でした。日曜日なので駐車場は混んでいるかなと思いきや、ガラガラでした。まあ、ゴールデンウィークとか夏休みでもなければこんなもんなのかもしれません。

天気は晴れ。ともかくいい天気です。

さて前回来たときに見付けたキビタキの巣ですが・・・残念ながら放棄してしまったようです。その代わりと言っては何ですが違う営巣を見付けました。これが随分と低いところにあります。

地面にかなり近い場所です。人の背よりもかなり低い位置です。小動物などに襲われないかと不安に思いますが、今のところ大丈夫みたいです。

オスはあまり来ませんね。やはりメスの方が頑張っているようです。

雛はこんな感じで親を待っています。

親が来ると嘴を開いて催促するかのようです。

このキビタキの巣の近くにアカゲラの巣もあります。雛は孵っていないようなのでそれじゃ飛び出しでも撮りますかと言うことになりました。

日の加減で陰が出てしまいますが、何回か飛び出してくれました。

口に餌を咥えています。エゾハルゼミなんでしょうか。

翌日も違う場所でアカゲラの巣で飛び出しを撮ってみました。こちらも同じような餌を咥えて巣に入って行きました。

巣から飛び出る瞬間は当たり前ですが羽をすぼめています。

飛び出しは一瞬のことなので置きピン撮ることにしました。この手の小さい鳥はまともに飛んでいるところは中々撮れませんから、管理人の腕ならその方が無難です。少し絞り気味して撮ってますが、それでもピンがズレます。まあ、動き出しなのでピタッと止まっている感じより動いてる雰囲気は出るかもしれません。あくまでも自己満足ですが(笑

置きピンですから正面から近づいてくると合焦しません。こんな時はもっと感度を上げて絞るのも手だなと思いました。次に機会があれば試してみたいですね。

さて、戸隠森林植物園で常連さんからの話でハヤブサが長野市内で営巣していたとか。新聞にも載ったとのこと。雛は巣立ったようですが、巣近くにまだいるとのこと。そんな話を聞いてしまえばこれは見に行かねばなるまいと朝の観察・撮影が終わるとホテルで朝食を摂った後、現地に出張ることになりました。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part9

雛の成長は早いです。一週間も経つと驚くほど大きくなっているものです。当たり前ですが人間とはその辺りはまるで違います。

さてどれほど成長したか楽しみな一方無事に育っているかの不安もあります。そんな思いを抱きながら一週間ぶりのご対面です。

朝方、靄が掛かっていて視界が悪いですが、かなり成長した雛の姿を確認することが出来ました。

もう少し拡大してみると・・・

頭一つ、かろうじて巣から見えていたのが、あきらかに大きくなっている様子が窺えます。それに三羽とも元気そうですね。おそらくは一番子だと思うのですが、これが結構危ない動きをします。

よくよく見ると真っ白から少し茶色い模様が見え始めています。だんだんタカらしくなっていくんでしょうね。

朝方は逆光ですし靄もかかりやすいので視界がいまいちなんですね。そして日中気温があがると空気の揺らぎがひどくなってこれまた望遠泣かせの状態になります。薄雲の風がない状態がいいようですが、中々そうはなりません。それでも日中もう少し視界が良くなってから撮り直してみました。

いくらかましでしょうか。

そしてこの頃になると餌を殆ど一口で食べているようです。餌の摂取量が格段に多くなっている感じです。それだけ成長も早いのでしょうね。

毎度毎度同じことを書きますが、親は餌取りに奔走している感じです。

回りを見渡すにも忙しそうです。

この日は風が強く珍しく低い位置からの餌取りもありました。

何か餌を見付けたのでしょう。低い滑空です。

そして餌めがけて着陸・・・

しかし残念。餌は捕れなかったようです。


追記:
餌を足で捕まえてるのではないかと思う方もいるかもしれませんが、このあとすぐに次の獲物を求めて飛び立ちました。そして次の成否は分かりません。


こうしてみていると餌取りは楽ではないなと感じます。自分たちが食べる分だけなら訳もないかもしれませんがプラス育ち盛り三羽分となると容易ではないでしょう。今回のような餌取りに失敗することかなりあるようなのでいつもいつも満腹ということにはならないのかもしれません。

さて、そんな親の苦労も知らず三羽は巣の上で元気で過ごしているようです。名残惜しさは一入ですが次回逢うのを楽しみに撤収となりました。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part8

ようやく雛が孵りましたが、まだ一羽しか確認出来ていません。今週はどうなっているか。楽しみでもありますが不安もあります。

さて、到着して確認したところ、どうやら三羽の雛が確認出来ました。

先週よりかなり大きくなっているようです。巣から頭が出ています。小さく白い雛が元気に動き回っています。

暫く観察を続けていると親が帰ってきて獲った餌を食べさせます。

食べ盛りの子供が3人いるのと同じようなもので、この時期の親は人も鳥も大変ですね(笑

親鳥は餌取りに余念がありません。ひっきりなしに餌を獲りに行っているような感じです。オスメスと両方がいない時もかなりあります。もっともいずれも巣が見えるような位置にいる場合が多く、全くの留守と言うのは案外少ないようです。

このように電柱に止まって餌を探しているようです。田んぼにいる餌を探すのにこの高さの電柱は格好の観察台になるようです。勢いを付けて飛び出すのに好都合なんでしょう。見渡しの良さと初動の動きの良さが餌取りの確立を上げるのかもしれません。

さて、いつものことですが長居は無用。雛の成長を確認出来たら撤収です。

戸隠森林植物園 2017 Part2

さて、二日目は天気が怪しくなりそうです。早朝は良いのですが昼頃まで雨模様と天気予報で伝えてました。言うまでもないですが昨今の天気予報の精度はかなり高いですから、覚悟しておくべきです。

朝方は少し日がさしています。とは言え信州戸隠の早朝はかなり冷えます。どうやら10度は下回っているようです。そんな中6時少し過ぎに森林植物園到着。

まずお出迎えは・・・

ミソサザイの囀りです。

お次はアカゲラ。

6月に入ると囀りはかなり減ったようです。来訪者も昨日などは平日とあってあまり多くありません。そうなると情報収集があまり出来ず適当に歩き回ることになりますが、ここは野鳥を見付けるのには苦労は少なくて済みます。ただ、営巣を見付けるのは容易ではなく昨日のキビタキの巣くらいしかまだ知りません。まあ、これからですね。

アカゲラが結構うろうろしています。緑にこの色は映えますね。

森の深さと木道の仕切りのおかげで巣を人の目に付くところにでも平気で作るのがここの特徴です。ただ、あまり近いと人が通る際それを避けるので写真的には逆に撮りづらくなります。が、本日は平日ですから人通りも少なく撮影をするには情報が少ないのがたまにキズですがやりやすいですね。

アカはアカでもアカショウビンは今年も戸隠森林植物園には繁殖には来ていないようです。もし来ていれば今日辺りでも結構な人出になるでしょうが、至って平穏。強がりで無くここはこんな風に静かな方がいいと思います。勿論、来たら来たでうれしいと思いますが。

ニュウナイスズメのオスはキレイな色をしています。メスに比べると別の種類に見えますが、嘴の形状などは同じですね。ここではニュウナイスズメは珍しくありませんが、横浜辺りではまず見かけません。

エナガの巣がありました。よく言われるエナガダンゴはこれからのようです。親は頻繁に出入りしていました。

エナガの巣を撮影していたらやたらアカゲラが餌を咥えて飛んできます。この辺りに巣があるのは間違い無いと思いますが、それが分かりません。しばらく観察していたのですが巣に入るところは確認出来ませんでした。うーん、こんなに近いのにどうしてだろうと少々疑問です。


追記:
次の日地元の人に教えてもらって分かったのですが、原因は管理人がアカゲラの巣の下でエナガの巣を撮っていたからでした。木道のすぐ脇の木に巣があり、その木の近いところで撮影していたのでアカゲラが巣に入るのを躊躇っていたようです。ここは巣と距離が近いのが特徴ですが近すぎてこんなこともあるのだと少々驚きました。分かってしまえば簡単で少し距離をおいて観察していたらすぐに巣が見つかりました。ここの野鳥は比較的観察圧力には強いようですが、さすがに巣の直下に人がいるのは煩わしかったのでしょう。

周回しているうちに顔見知りになった人からみどりが池で巣立ったフクロウを撮ったよと教えられました。午前中の話だとか。それならばとみどりが池に向かって教えてもらった場所に来てみたのですが・・・いません。フクロウは知っての通り夜行性ですから昼間はあまり動かないはずなんですが、どうやら移動してしまったようです。連れ合いは諦めてノジコを撮りに行くといってどこかに行ってしまい、しょうが無いので管理人一人でフクロウ探しを始めました。

一人で探すこと約1時間くらい。いい加減諦めかけていたら、ふと妙な羽の塊のようなモノの発見。

少し分かりづらいですが二羽います。巣立って二三日らしいです。昨年と同じ巣箱で孵ったと聞きましたが、親の声が聞こえたので少し粘ることにしました。

粘ってみたのですが、音沙汰無し。ご覧のとおり子供達は寝ています。

たまに物珍しげにこちらを見ていることもあります。

背の高い木に高止まりしてますから、少し角度が違うと枝と葉が邪魔して見えません。少し動いただけですが、発見は容易でなかったことを考えるとフクロウ達にとってこの森は安全な場所であることは間違いないようです。

今年もなんとかフクロウの子供の顔が見られたことは良かったです。ただ、昨年も今年もついに親の顔は見ることが出来ませんでした。来年以降の課題の一つになりました。

それとアカゲラは随分と色々な場所で色々な個体を見ることが出来ましたが、オオアカゲラはついぞいちども見ることは出来ませんでした。話によると管理人達が来る前日あたりに巣立ちをしてしまったとか。今年は一歩遅かったようです。

さて、今日をもって戸隠森林植物園第一弾は終了となります。明日はサシバの里に向けて早朝に出発するつもりです。

6時少し前にホテルに引き上げ戸隠連峰を望むとまだまだ明るいです。これから戸隠連峰の夕暮れを眺めながらの夕食となりました。たまにはこんな日があってもいいですね。まあ、命の洗濯と言う奴ですか。飲み過ぎないように注意です(笑

戸隠森林植物園 2017 Part1

今年も戸隠森林植物園へ行こうと決めたのは去年でした。やはりこちらではみられない光景があると言うことが一番ですが、信州の一番良い季節だと言うのもあります。梅雨入り前の今の時期は本当に爽やかですね。北海道へ行くほどのお金も暇もないと言えば栓の無い話ですが、車で4時間でいける(函館や千歳あたりに行く方が実は時間が掛からないのですが)戸隠は野鳥も豊富だしいいところだと思います。

本日は平日出立ですが、4時10分位には家を出ました。道々休憩を少し取りながら松代に着いたのが7時45分。ご覧のとおりの雨模様。

ここで給油をして戸隠森林植物園に到着したのは8時50分位でした。森林公園に着いた頃は雨は上がって大分乾いてきました。平日とあって駐車場は空いています。

そしてみどりが池で最初に出迎えてくれたのが・・・

これをぱっと見て分かる人は少なくても管理人なんかよりは鳥力がある人だと思います。写真図鑑で調べた限りでは分かりませんでした。2008年版のフィールドガイド日本の野鳥P293に載っているニュウナイスズメのメスを連れ合いが見て「これだ」と気が付きました。色合いが少し違いますが、まず間違いないと思います。写真図鑑ではニュウナイスズメの成鳥のメスの写真があるにはあったのですが、確信を持てませんでした。こんな時はやっぱりと言いますか、特徴を捕まえたイラストの方がいいと思いました。

こう言っては何ですが、これほど鮮明にニュウナイスズメのメスを写した写真は図鑑には無かったように思います。ここは営巣地ですからいることはいるのですが、管理人も実はまともに見たのは初めてでした。特徴がはっきりしているので後で図鑑を引けばすぐに分かるだろうとタカをくくっていたのですが、案外苦戦しました。

そして園内に入ると・・・これが静か。雨上がりで気温もあまり上がらず活性が低いのかと思いましたが、水芭蕉園に向かっていくとやたら囀り大きいいつものアレが出迎えてくれました。

ミソサザイは活性の低いこんな日でも元気です。普通中々姿を見せないですが、ここだと安心しているのか人の眼につくところで盛大に啼いています。ここでは撮るのに苦労の少ない鳥ですね。

水芭蕉園の辺りで少しばかり佇みながら双眼鏡をのぞいていたら背中のやたら黒い鳥が枝に止まっているのを発見。とりあえずシャッターを切ってみました。顔がこちらに向いてないので撮った瞬間は分かりませんでしたが・・・

これがクロツグミ。鳴き声は聞くのですがこれは姿を見せない鳥ですね。残念ながら顔が写りませんでしたが、いることはいるという正に証拠写真になりました。

ここで撮りづらいと言えばキビタキです。まあ、センダイムシクイとかサンショウクイも同様ですが、あれだけ囀りが聞こえるのに中々撮れません。ゴールデンウィークのキビタキの森もこの時期になると厳しいですが、まあ、似たような状況になるのでしょう。そんな中、声が近くで聞こえたので暫く佇んでいると、後から夫婦連れの方も一緒に立ち止まり囀りを聞いていると、旦那さんがあそこだと言って発見。やはり眼が多い方が発見率は上がります。

珍しくそこそこキレイに撮れました。ただ、角度的に良かったのはほんの僅かの間。囀りながら森の中へ入ってしまうともう分かりません。たまたまでしたね。そんなことがあってかどうか分かりませんが、帰り際に少しばかりの人だかり。なんとこれがキビタキの巣でした。

巣材を咥えたキビタキのメスが・・・

巣に出入りしていました。

いやぁ、キビタキの巣は何年も福島に通っていても見たことがありませんでした。もっともゴールデンウィークですから森に入ったばかりから福島で巣を見ることは無理な話なんですが。

それにしてもさすが信州は戸隠森林植物園。これって木道から相当近いところなんです。この巣で無事に雛が孵って欲しいですね。

・・・続く。