春の海浜回り・・・三番瀬から葛西臨海公園

桜もぼちぼちと咲き始めました。春本番ですね。そうなるとワタリもいよいよ賑やかになってきます。ここは無難に海浜回り、「三番瀬辺りから葛西臨海公園だな」となりました。

三番瀬に到着したのは6時15分頃。潮の加減もありますし、遅くなるとディズニーランド渋滞もあるので、そこそこ早い時間です。鳥の方もあまりおそくなると「まったりタイム」になってしまうのもあります。さて、到着して沖眺めるともの凄い数のスズガモの群れです。

これは越冬組ではなくワタリ組でしょう。それにしても凄い数。昔は行徳あたりを含めるととんでもない数のスズガモが越冬していたそうですから、それから比べると今は随分と減ったそうです。そうなるとワタリも相当減っていると考えていいのでしょうか。

ハマシギが餌を啄んでいます。少しだけ夏羽模様が出ているものいます。

ウミアイサが比較的近くに出ていました。

これは求愛のディスプレイでしょうか。いつか見たのとは少し違うようですが。

ほどなく飛び立って行きました。ワタリの途中だったのでしょうか。

さて、さきほどのスズガモが7時過ぎくらいに一斉に飛び立ちました。こんな数のスズガモが一斉に飛び立つ風景は初めて見たと思います。いつからいたのかは分かりませんが、これから繁殖地を目指して長い旅になるのでしょう。

それにしても凄い数です。日本各地からここに集まってきたのでしょうか。羽を休めて餌を得るには好適な場所なんでしょう。ワタリの水鳥にとってここはなくてはならない場所なんでしょう。

ワタリでなくてもいつものミヤコドリもいました。

さて、遅くなると帰りが混むので早々に葛西臨海公園に移動です。西なぎさに「ヘラサギとクロツラヘラサギ」がいるとの情報がありましたので出張ってみました。

西なぎさに行ってみるとあっさりと確認出来ました。それも結構近いですね。普通のサギに混じって捕食をしていましたが、そのうち二羽で並んで捕食していました。いくら種が近くても別物だと思うのですが、ここでは少数派同士ということで、つるんでいるのでしょうか。カメラマンが結構います。

逆光です。沖に出て回り込んで撮るわけにはいきませんので、致し方ないですね。

眼の先から顔の黒い方がクロツラヘラサギなんでしょう。似ていると言えば似ています。さて、道路が混まないうちに早めに昼飯を摂って撤収ということに相成りました。


追記:
昼飯を葛西臨海公園で摂って昼には出たのですが、湾岸線は渋滞していました。年度末、春休みのの大移動なんでしょうね。ここのところ昼頃の帰りでも混まれています。

 

春近し・・・野焼きごとの暖かさ Part2

野を焼く、野焼きですよね。普通はこんなことしたら犯罪です。付け火の罪は昔から重いのです。ですから火の取り扱いには十分な注意が必要な訳です。さて、こちら側も火の手が上がりました。

公示された開始時刻は8時半ですが、細かいことはこの際抜きなんでしょう。状況が宜しければそれなりにと言うことなんだと思います。それにしても葦は良く燃えますね。着火の具材として良く使われるようですが、成る程と思います。しかし不埒な奴がいて火付けをしたら一溜まりもありません。つまり、定例どおり野焼きが行われるということは、そのような不心得者が一年間居なかった証にもなるのでしょう。

目の前を火柱が走ります。熱風が頬を撫でます。比較的風が穏やかなので「撫でる」程度なのかもしれませんが、一瞬この火が暴れたらと不安に思うこともあります。勿論、見てのとおり手前は葦が綺麗に刈ってありますから、燃料がないわけでこちら側には物理的に火が回る心配はないのです。

余談ですが、このような火の動きを見ていると、防火帯がいかに必要かと言うことが分かります。当たり前ですが、火は燃料が無ければ燃えません。つまり、燃える具材の無いところに火は移りようが無い訳です。つまり普段なにげに通っている道路が実は火の回りを止める防火帯の役目も担っている・・・こんなことは大人の常識なんでしょうが、改めて感じます。

実際に焼け野原を見ることは管理人達も含めてまずないと思いますが、まさに焼け野原。ある意味清々しいくらい綺麗にものが無くなっています。無くなったものが葦原ですから見通しが良くなります。そしてこれがこの土地の再生に不可欠なんでしょう。

ただ、ちょっと気になるのは自生してる木です。燃えて無くなるじゃないかと心配する人もいるかと思いますが、まあ、これが案外平気。生木を焼くほどの火力が葦原にはないんですね。その辺りも計算済みと言ったところでしょうか。

確かに表面は焦げますが、存在を脅かすほどのことはないようです。そしてこれで陽が地面に満遍無く行き渡るのでしょう。

さて、この黒い焼け野原とは対照的に菜の花が綺麗です。

時期なんですね。春が近い。菜の花は春の花と言う印象はありません。春近しと言った印象です。もっと細かく言えば梅と桜の間を繋ぐ花という感じですか。

美しい菜の花の向こう側に見える焼け野原。この対照的な写し絵が渡良瀬遊水地に春を告げるのでしょう。写真では伝わりませんが、実はこの辺り一帯が焦げ臭いのです。でも、それも春近しの風物詩の一つなのだと思います。

単純に見た目が綺麗なモノだけが存在してくれればいいのかもしれませんが、そうではないのが自然です。その自然を受け入れつつ、次の為の再生を行う。それを幾世代も繰り返してきた人間の知恵もあるのでしょう。自然とは本来残酷で過酷なものです。それとうまく共生して行くには人間側の知恵が必要です。それを垣間見ることができる野焼きの風景かな・・・なんて柄にもなく考えてしまいました。

春近し・・・野焼きごとの暖かさ Part1

春は野焼きのシーズンでもあるようです。ネットで調べると色々な場所で野焼きが行われていることが知れます。

実は昨年渡良瀬遊水地に行ったときに来年の三月には野焼きをやるんですよと言う話を聞きました。そしてその後も何回かチュウヒやハイイロチュウヒを見に行ったりしました。ともかく、野原を覆う背の高い葦原が広々としている遊水地ですから、冬中この風景を眺めることになるわけです。

(2016.12.03)

この広大な葦原の存在があるからチュウヒ達も越冬しに来るのでしょう。管理人達が良く行くもう一つの葦原が浮島湿原ですが面積は遙かに遊水地の方が広いと思います。

そして、いろいろな要因がありますが、毎年春、3月に遊水地は野焼きを行うそうです。野鳥云々は置いて、一度くらいは見てみたいものだと言うことになり、見に行くことにしました。

敢行日は3月18日土曜日。開始は午前8時30分。自宅を5時頃出発。板倉のセブンイレブンに到着したのが、6時55分。ここまでくれば目と鼻の先と少しばかり買い物と用足しをして、北エントランスに向かいました。当然なんでしょうか、北エントランスには警備員が配置され、中には入れません。道路側にあるエントランスの駐車場も関係車両のみのようです。少し行き過ぎると、道路下右側の田んぼ道にかなり車が停まっているのが見えたので、とりあえずそこに駐車。そこから北エントランスまでは歩けばほんの数分。

機材を持ってエントランスの築堤に来てみると、結構な人だかりです。

地元の人にとっては春の風物詩の一つになっているのでしょう。管理人達のような県外者がどれくらいいるかは定かではありませんが、県外ナンバーも結構停まっていたように思います。

野焼き前の朝の風景です。ミラーレス一眼のパノラマ撮影の機能を使うとこんな時には便利です。通常の広角レンズを使ったらとてもじゃないけどここまでは広範囲には撮れません。

さて、開始は8時30となっていましたが、8時10分ころに最初の煙が上がりました。

どうやら野焼き開始のようです。

・・・続く

春近し・・・ビロードキンクロのいる風景

まだ春のワタリには少し早いですが、海浜周りです。それに今季は猛禽ばかり追いかけて三番瀬のビロキンの姿を未だ見ていません。これを見ないと冬だと言う実感が今ひとつ。なんて、少し大げさですが、冬か春か微妙な時期ですが、久しぶりに三番瀬に出かけました。

まあ、これといった珍しいものはいませんが、いつもの風景です。

ビロキンですが、まだいてくれました。

相変わらずスズガモの群れの中でまったりしています。全く見付けにくいカモですね(笑

あの三白眼のようなトレードマークはいつみてもユーモラスです。

律儀なカモのようで、十年近くここで越冬しているとか。義理堅いのか単に惚けているのかは分かりません。ですが、冬に数多く来る他のカモたちに比べ、たった一羽の越冬ですが、存在感はあります。まあ、冬の風物詩のひとつになっています。

風物詩と言えば、ハマシギもでしょうか。長閑な日和は特に合います。

ユリカモメもまだいます。今季は若鳥がどれくらい来たのでしょうか。旅立ちの日もだんだん近くなってきました。

シロチドリのようです。数は少ないですが、姿を見せてくれました。

これも三番瀬ではおなじみ、ミヤコドリ。今日は遠くにいて近くに来てくれませんでした。でも数はかなりいますね。

冬の三番瀬もそろそろ終わり。これからワタリが始まるといくらか騒がしくなってくるでしょう。海浜公園の工事もありますので、少し不便なとこもありますが、もう少しで工事も終わるでしょう。

三番瀬は、いつまでも変わらずに鳥たちを受け入れて欲しいものです。

今日も朝も早くから・・・浮島湿原

懲りないヤツとか言われることがありますが、人間一度や二度の失敗にめげていたらやってやれません。懲りない管理人達は先週に引き続き、浮島湿原に向かって深夜3時半に起床。しかも今回は宿までとっています。先週より若干早めになったのは日の出の時刻が早くなったからです。と言うことはこれで塒入りまで付き合えば、さらに長い一日ということになります。まだ懲りていない証拠ですね(笑

今回は夜明けのシーンを動画でも撮ろうと思い立ち、若干機材が多くなりました。あの朝の感じは動画の方がより伝わるのではないかと思ったからです。ただ、こういったシーンはあまり動きがありませんので、面白味に欠けると言えば欠けます。どう編集するかは考え中です。

さて、朝一の飛翔は午前5時47分。先週の日曜日よりも4分ほど早くなっていました。三週連続して通った感触からすると天候の差により未明時の明るさは若干差があるかと思いますが、日の出が早くなればおおよそ塒立ちも早くなるようです。当たり前ですが真っ暗では餌が見えませんから、日の出の時刻に応じてということになるのでしょう。

写真としてはご覧のとおりです。管理人カメラはEOS 7DMark2 なので高感度にはあまり強くありません。それでISO6400ですからこんなもんでしょう。シャッタースピードは1/320ですから、いくら三脚を使ってもかなり厳しいと言わざる得ません。まあ、この時間帯は撮るより観察ですね。

ハイイロチュウヒも確認できた一羽目が5時57分に飛翔。暗くてよく見えず正面からは合わせられませんでした。これも証拠写真ですが、背景の茜色が綺麗です。なんかこれをうまく取り入れて綺麗に撮れればいいのでしょうが、今後の課題です。

三々五々といった感じで朝の塒立ちは粛々と進んでいきます。約20分ほどでしょうか。塒立ちが終わると静寂な葦原が妙に広々と感じます。

あとは忘れたころにここを狩り場にしているチュウヒ達が飛び回ります。これはハイイロチュウヒの幼鳥なのでしょうか。虹彩が黄色ではないですから、成鳥ではないと思われます。雌雄はちょっとこの段階では管理人では分かりかねます。

幼鳥の雄なら次のシーズンは綺麗な灰色になって戻ってくれるのでしょうか。それが気がかりですね。今季は二羽のオスを確認していますから、それがもう一羽増えたらと期待します。

さて、なんやかんやしているうちに塒入りの時間になりました。太陽がまだこれだけ出ていても17時31分です。

日が長くなりました。春本番までもう一息と言ったところでしょうか。が、夕焼けの空は綺麗なのですが、どうも本日の塒入りは不調のようです。チュウヒが不調と言うわけで無く、管理人達の運が不調ということなんでしょうね。今日は入りのルートと時間帯が合いません。要するに撮影可能な時間に帰還してくれなかったということですね。まあ、こればっかりはどうにもなりません。

思うのですが、猛禽の塒立ち、塒入りを観察するならもっと冬至に近い時期がいいと思います。3月になると日が延びるのは結構ですが、塒入り、塒立ちを見る方としては一日が長くてかないませんね。まああくまでも管理人の個人的な思いですが。次のシーズンは11月から2月位にもっと集中して観察・撮影に来たいですね。おそらくこれで今シーズンの浮島湿原のチュウヒは最後の観察になると思いながら、宿へと撤収となりました。