キビタキの森 2017

5月の連休は福島行きが恒例となっています。そして何よりキビタキ達に逢いに行くのも恒例になっています。このブログでも過去何回も取り上げていますが、この時期の福島は葉の茂りがあまりないので観察・撮影には好適だと思います。今回は5月4日~5日にかけて2回にわたりキビタキの森を訪れることになりました。

初日ですが、朝方はあまり動きが無かったのですが8時付近から動きが出てきました。しかも今回は森に入ったばかりらしく激しい縄張り争いがキビタキの森で勃発しました。まあ、勃発とは穏やかではないですが、ヒタキの類いの気性の荒さを間近で見ることになりました。

色が綺麗ですね。

逆毛だってます。こちらは少し冬羽が残っている感じです。

これが森の中で組んず解れつの争い、今風に言えばバトルを繰り返しています。体当たりしたかと思うとそのまま絡みながら真下に落っこちて行ったり、激しい追いかけっこをしたりと、休む暇も無く縄張り争いに没頭しているのです。

写真でみると目つきが怖い感じがします。同種だからこその激しい争いなんでしょう。相手が天敵なら勝負になりませんが、力が近接している同種だからこそ簡単に決着が着きません。写真を撮っているこちらも睨みを効かせているつもりなのでしょうか。

頭の毛の色の感じが少し灰色かがってみえます。第1回夏羽なのかもしれませんね。なんとなく若い感じがしました。

動きも激しく一つの場所にじっとしてくれません。写真を撮るには素早さが要求されますが、変化があって面白いですね。

飛び出しも何度か狙ってみました。小鳥の類いの飛び出しは難しいですが、動きの激しさもあり、シャッターチャンスには恵まれますのでまぐれ当たりがあるかもしれないと期待します。

それにしもキビタキ百態とは言いませんが、いろいろな表情、動きがあって飽きません。その代わり囀りは少ないですね。まあ、囀っている場合ではないのでしょう(笑

おっと飛び出した・・・

うーん、残念。こちらに向かってくる飛翔ではピントが焦いませんでした。

さすがに疲れたのでしょうか。枝にとまらず地面で休息していました。

あ、又飛び出した。今度は・・・

これも残念。もう一息なんですけどね。

と気を抜いていたら、すぐにまた飛び出しました・・・

今度は上に向かっての飛翔。うん、まずまずの合焦具合ですか。管理人の腕でも数打ちゃたまにはこんなまぐれも出ます。

少し引いた写真を見ると葉の付き方が少ないのが分かります。この時期のキビタキの森ならでは光景です。キビタキがこれだけスカスカの森の中で観察できる場所はそうは多くないような気もします。

去年は天候に恵まれず散々な思いをしましたが、今回はかなり楽しめました。メスが撮れなかった少し残念ですが(ちなみに連れ合いは撮ったようです)こればっかりはしょうがありません。

また来年寄せてもらうよと惜しみつつ、二日間にわたるキビタキの森の観察は終わりました。いつまでもこの森がキビタキの森と呼び続けられることを念じながら横浜へ撤収と相成りました。

そうそう、バトルの相手はこの個体のようです。

野焼きの後は・・・緑の絨毯 渡良瀬遊水地

今年の春、初めて渡良瀬遊水地の野焼きを見ました。野焼きだけを見て今シーズン終わってしまってはと思いました。その後どうなっているのか。管理人達が再び渡良瀬遊水地を訪れるのは次の冬のシーズン。今シーズン最初に見たような葦原になっているはずです。それでは変化が分かりません。

サシバの里でサシバの営巣を観察した帰りに寄ってみることにしました。

こんな感じで焼けた葦原が、

こんな風に緑の絨毯のようになっていました。野焼きから約40日後になります。これから夏に向けてさらに葦は伸びていくのでしょう。コヨシキリやオオヨシキリ、ノビタキなどの声が聞こえますが、姿は殆ど見えません。その他の夏鳥も姿は見えませんでした。

浮島湿原は昔は野焼きをしたそうですが今はしないとか。率直に言ってこの緑の絨毯を見たら野焼きはやった方がいいような気がします。新芽が芽吹くというのはいいものです。何より生命の律動を感じます。若い季節、そんな言葉がぴったりときます。

サシバの里の営巣はなんとか順調に進んでいるようでした。放棄すること無く、親鳥が巣にいましたので、とりあえず安心しています。撮りモノ的には、抱卵中なので動きがあまりなく、シャッターを切るチャンスはありませんでした。遠くから眺めているだけなのでそれも致し方ありません。あまり近寄ると色々と差し障りもあるのでもう少しの辛抱かと思います。

さて、5月も近く春から初夏へと季節は移ってきたようです。繁殖のシーズンもこれからが本番です。例年ですとこれから、キビタキ、サンコウチョウとの出会いが待っています。週明け3日からの連休はいつもの通り、キビタキの森へ行ってきます。

そんな夏鳥達との出会いを想像しながら、撤収と相成りました。

 

芝桜が咲く頃・・・里山の春 Part2

芝桜を鑑賞した後にサシバを探して走ります。電柱、電線によく留まっているので脇見運転にならないようにゆっくりと走りながら探します。交通量は非常に少ないので迷惑になることありません。

大分通っているので大体コースは決まっています。なんとなくいそうな場所が分かってくるのでその辺りを特に気を付けます。勿論、油断はなりません。少しでもあれっと思えばすぐに車を止めて確認します。

長閑な里山ですから、のんびりと回っていてもなんともないのですが、希に車が後ろに来たりします。すぐに左に止めてやり過ごします。田んぼと田んぼを繋ぐ狭い道もありますから、ともかくのんびり運転が鉄則です。

さて、そんなこんなしているうちにチラッと視界に入った電柱サシバ。今日は活性が低いのか殆ど見かけなかったのですが、ようやくと言った感じでお目見えです。車を脇に寄せしばし観察。すると電柱から飛び出して稲が植わってない田んぼに餌を求めて滑翔して行きました。

そんなのをしばらく観察。この辺りを縄張りにしているようなのでカメラとレンズをセット。車を陰にして距離を置いて待ちます。遠くの桜の木の前の建造物に留まりました。後から見て分かったのですが口に餌を咥えていました。

どうもこの辺りに巣がありそうな感じがしました。さらにしばらく観察していると今度ははっきりと口に餌を咥えて飛んできました。

今度は反対から桜の木に向かって飛んで来ました。桜の木から姿が出て来るのを待っていると姿が見えません。少し角度が悪いようで、遠くから回り込んで後ろにある赤松を観察してみると・・・

はじめは巣だけかと思っていたのですが、動きがあったのでレンズを向けてみました。これも後で分かったのですが、この時は番でいたようです。暫く遠くからスコープで観察していると先ほど捕ったと思われるカエルをメスが食していたようです。カエルには災難ですが、これも食物連鎖です。

あまり巣に近づかないで遠くからの観察ですから、なんとも言えませんが抱卵していそうな感じです。

春から夏は繁殖のシーズン。繁殖する生き物はこれからが本番です。サシバだけではありません。

生きとし生けるものが戦い(やり)合う季節です。食物連鎖は一見残酷ですが生き物たちのぶつかり合いがあって自然が成り立つのです。優しさと厳しさに満ちている季節をまた過ごせるのだと思いながら撤収と相成りました。

芝桜が咲く頃・・・里山の春 Part1

横浜では桜が終わりました。しかしまだ北の方はこれからという場所もあります。今日は桜は桜でも地面に咲く桜、芝桜を見に行こうということになりました。

渋滞を避けるためにいつものように早出です。午前4時7分に自宅をでました。到着は公園の手前のいつもの観察場所に6時58分。途中買い物をしたりしたので三時間近くかかりました。結構遠いです。

ここはサシバの里でもあります。先週はサシバの春のワタリを観測出来たので今週は繁殖地に来たサシバ達を見るために出張りました。芝桜はついでかもしれません(笑

スコープでかろうじて見える程度ですが電柱サシバを確認。ここに来るまでに二回ほど飛んでいる個体を確認しましたが、電柱サシバは今春初めてです。営巣が始まっていると思われます。

さて、一段落したところで芝桜公園へ。到着したのは7時40分頃ですが、すでにかなりの車が停まっていました。普段はガラガラですがこの時期、特にゴールデンウィーク辺りは相当に混むようです。見頃としては今日は良いと思いました。昨年は5月の連休に来たのですが、天候も不順で芝桜もあまり咲いていませんでした。それに比べると今年は見事です。

この町は鯉のぼりがよく上がっています。鯉のぼりを作って販売している店もあります。

今年来て眼についたのはドローンを飛ばして撮影してる人達がいたことでしょうか。

流行り物といえば流行り物です。昨年までは見られなかった光景です。管理人も映像撮影には興味はあるので関心を持ちますが、ただ、人が大勢いるところでは遠慮して欲しいと思います。それなりに気を付けているのは分かるのですが、やはり自分の頭の上を過ぎっていくと不安な感じもします。子供やお年寄りもいますので、事故でも起こせば使用禁止になってしまいます。撮影をするならそれなりの環境で行わないと優れた機材でも世間の理解を得られなければ意味がありません。

ちなみに、白い模様が斜面にありますが、あれは「サシバ」です。今年は載っていませんでしたが、26年度版のチラシには「サシバ飛び交う『芝さくら公園』にようこそ」とありました。ですが公園でサシバが飛び交うのを管理人は一度も見たことがありません。今年のチラシはその文言は見当たりませんでしたね。まあ、芝桜公園に観光に来ている人達はサシバに興味がある人は殆どいないと言っても過言ではないので、大した問題ではないとは思いますが(苦笑

綺麗な花を維持するのはそれなりに大変なようです。地元の人の話によると芝桜も耐用年数があり何年に一度くらいは張り替えないと駄目だそうです。張り替えて養生している場所も見られます。

さて、そろそろサシバの方も気になります。ここは1時間位いれば十分なので撤収してサシバを探しに出ることにしました。

・・・続く

サシバが渡る・・・春の菜の花台

春です。ワタリ鳥が渡ってきます。良い季節です。冬の猛禽も良かったけど、野鳥達が生き生きと見えるのは夏の繁殖シーズンです。その前哨戦が春のワタリ。いろいろと用事があり中々出かけられませんでしたが、県内でサシバの春のワタリの観察記録をネットに公開している菜の花台にお邪魔してみました。

菜の花台は東名高速秦野インターから11.5キロ、25分程度で着きます。菜の花台に向かう県道は自転車が多いので注意が必要です。また、途中から幅員が狭くなりますので対向車にも注意が必要です。

春は菜の花台、秋は権現山でワタリの観察をふれあい自然探鳥会の方がされていて、タカのワタリ全国ネットワークでも速報が見れます。現地では色々と参考になる情報を教えて頂きました。

今年はすでに600超える個体が渡っていったようです。昨年の秋は天候不順により例年と様相が違いましたが、今年の春も少し違うのかもしれません。いずれにしても無事に戻ってくれるのが何よりです。

到着は6時25分頃。すでに陽が昇り良い天気です。

桜も見頃。ただ、観察されている会員の方によると、この辺りの木はてんぐ巣病らしく花が咲かない枝がかなり増えているようです。言われてみれば花が咲いていない枝がかなりあります。放っておくと桜が台無しになります。なんとか(秦野市に)予算をつけて対策をして欲しいと思います。

展望台からの眺めもなかなか良いです。天気も良く、富士山も綺麗に見えます。この時期だとまだまだ雪が残っています。

展望台に登って最初に見付けたのはウグイス。いい声で啼いていました。

なかなか明るいところに出てきてくれませんが、何気に出てきました。この時期だと枯れ木も多いですから、こんなこともあるのでしょう。ウグイスの次はホオジロ。

陽が昇り気温も段々と高くなってきましたが、サシバは飛びません(笑

かなり数が出ているし昨日は2個体だったそうですから、数的にはかなり厳しいかもしれません。そんな中突然にオオタカが飛び出してきました。この辺りに巣を構える個体だろうとのことですが、オオタカはいつ見てもいい姿ですね。

オオタカは何回か飛んでくれました。オオタカの次はコサメビタキ。春のワタリだなって感じになってきました。

サシバですが、11時過ぎにようやく二羽がお目見え。上昇気流にのり、東へサーッと流れていました。今年初めて見たサシバのワタリ。感動ものです。数はともかくこれが見られることの嬉しさは格別です。ただ距離は遠く、証拠写真にもなりませんが、一応載せておきます。

その30分後くらい後に別個体が一羽で渡っていきました。これも同じように遠くでピントが来てない証拠写真ですがなんとかサシバと分かると思います。これで都合3羽渡りました。

管理人達は午前中で撤収しましたが、その後速報を見ると合計で6羽渡ったようです。数は少ないかもしれませんが、まだまだ油断できる状態ではないようです。

タカのワタリは解明されてないことが多く、興味深いものです。渡っていく姿をみるのもいいですが、ワタリの理由をあれこれ考えるのも一興です。さて、出来れば近々に「サシバの里」にも行ってみたいのですが、野暮用が多く来週は無理のようです。ゴールデンウィーク辺りはなんとか出張りたいと思いながら撤収と相成りました。