今日も朝も早くから・・・浮島湿原

懲りないヤツとか言われることがありますが、人間一度や二度の失敗にめげていたらやってやれません。懲りない管理人達は先週に引き続き、浮島湿原に向かって深夜3時半に起床。しかも今回は宿までとっています。先週より若干早めになったのは日の出の時刻が早くなったからです。と言うことはこれで塒入りまで付き合えば、さらに長い一日ということになります。まだ懲りていない証拠ですね(笑

今回は夜明けのシーンを動画でも撮ろうと思い立ち、若干機材が多くなりました。あの朝の感じは動画の方がより伝わるのではないかと思ったからです。ただ、こういったシーンはあまり動きがありませんので、面白味に欠けると言えば欠けます。どう編集するかは考え中です。

さて、朝一の飛翔は午前5時47分。先週の日曜日よりも4分ほど早くなっていました。三週連続して通った感触からすると天候の差により未明時の明るさは若干差があるかと思いますが、日の出が早くなればおおよそ塒立ちも早くなるようです。当たり前ですが真っ暗では餌が見えませんから、日の出の時刻に応じてということになるのでしょう。

写真としてはご覧のとおりです。管理人カメラはEOS 7DMark2 なので高感度にはあまり強くありません。それでISO6400ですからこんなもんでしょう。シャッタースピードは1/320ですから、いくら三脚を使ってもかなり厳しいと言わざる得ません。まあ、この時間帯は撮るより観察ですね。

ハイイロチュウヒも確認できた一羽目が5時57分に飛翔。暗くてよく見えず正面からは合わせられませんでした。これも証拠写真ですが、背景の茜色が綺麗です。なんかこれをうまく取り入れて綺麗に撮れればいいのでしょうが、今後の課題です。

三々五々といった感じで朝の塒立ちは粛々と進んでいきます。約20分ほどでしょうか。塒立ちが終わると静寂な葦原が妙に広々と感じます。

あとは忘れたころにここを狩り場にしているチュウヒ達が飛び回ります。これはハイイロチュウヒの幼鳥なのでしょうか。虹彩が黄色ではないですから、成鳥ではないと思われます。雌雄はちょっとこの段階では管理人では分かりかねます。

幼鳥の雄なら次のシーズンは綺麗な灰色になって戻ってくれるのでしょうか。それが気がかりですね。今季は二羽のオスを確認していますから、それがもう一羽増えたらと期待します。

さて、なんやかんやしているうちに塒入りの時間になりました。太陽がまだこれだけ出ていても17時31分です。

日が長くなりました。春本番までもう一息と言ったところでしょうか。が、夕焼けの空は綺麗なのですが、どうも本日の塒入りは不調のようです。チュウヒが不調と言うわけで無く、管理人達の運が不調ということなんでしょうね。今日は入りのルートと時間帯が合いません。要するに撮影可能な時間に帰還してくれなかったということですね。まあ、こればっかりはどうにもなりません。

思うのですが、猛禽の塒立ち、塒入りを観察するならもっと冬至に近い時期がいいと思います。3月になると日が延びるのは結構ですが、塒入り、塒立ちを見る方としては一日が長くてかないませんね。まああくまでも管理人の個人的な思いですが。次のシーズンは11月から2月位にもっと集中して観察・撮影に来たいですね。おそらくこれで今シーズンの浮島湿原のチュウヒは最後の観察になると思いながら、宿へと撤収となりました。

浮島湿原で一番長い日・・・Part3

湿原の周りを一回りして13時30分頃湿原の駐車場に戻ってきました。塒入り目当ての人はまだあまり来ていないようです。この時間でもたまに思い出したようにチュウヒが葦原の上を舞います。運が良ければ結構近くに来てくれますが、あまり期待は出来ません。特にハイイロチュウヒこの時間帯は見かけることがないようです。

さて、16時少し前。塒入りかどうか微妙な時間ですが、ちらほらと思わぬ方向からチュウヒが現れてきます。

どうやらご帰還のようですが、まっすぐには塒には入らないようです。しばらくはカラスと睨めっこ。

その少し後にこれもご帰還らしいのが一羽。結構時間帯にばらつきがあるのかなと感じました。

ハイイロチュウヒもこれくらいの時間帯に出てくれればいいのになぁと思いましたが、大概、真打ちは最後というのが相場ですから、どうなるでしょうか。さらに待っていると二羽同時に現れました。

手前はハイイロチュウヒのメスのようです。メスは日中でも見かけることがあります。越冬中ですから、番とかそういうことはないのでしょうが、よく飛び回ってくれるメスがいるようです。

なんやかんやで結構帰還してくるのですが、肝心のハイイロチュウヒのオスが見えません。朝は二羽確認していますから、二の姿が拝めると期待しているのですが。そして最初の塒入りから一時間以上、日の入りにかなり近づいてきた17時10分過ぎに、後ろの葦原から一羽目が突然に現れました。管理人達も背後を気をつけていたのですが、連れ合いが最初に発見したようです。「来てるよ~」の声で皆が一斉に振り向きます。

管理人もある程度予期はしていたのですが、やはりかなり唐突な印象でした。ファインダーに突然現れた飛翔を収めるのは結構やっかいです。先日のコミミズクもそうですが、こんな時は望遠レンズの焦点距離が仇になることもあります。やや、フォーカスインさせるのに手間取ってしまい、正面からは撮りはぐれてしまいました。

それでもさんざん待ったハイイロチュウヒです。ともかくここではシャッターを切りまくる。

ハイイロチュウヒの葦原での飛翔高度は普通のチュウヒより低いと言われます。このまま、塒に入ってしまったらとちょっと心配がよぎります。

それでもなんとか観察できる明るさでしょうか。その美しい後ろ姿を追っかけながら、戻って来いよと心の中では絶叫状態。

あ、行ってしまう、入ってしまう、悲鳴に近いモノがあります。なんとか、なんとか、高度をあげて一回り、いや、半周でもいいからして顔をこちらに向けてくれ~・・・

しかし、その願いもむなしく、塒に真一文字に入ってしまいました。

出現から一分程度でしょうか。そしてファーストショットから僅か33秒の出来事でした。そう言えば渡良瀬遊水地でも最初に塒入りをしたハイイロチュウヒはこんな感じですぐに塒に入ってしまいしまた。あのときは背の高い葦原がどうしようもなかったのですが、それに比べれば今回は初めての試みとしては「まあまあ」だったのかと思いました。

さて、この後メスのハイイロチュウヒが帰還。そしてようやく最後の最後にもう一羽のハイイロチュウヒのオスが他の観察者の方によれば帰還の模様。真打ちは最後と言っても、本当に最後とは。しかも、かなりの人が撤収の最中でした。管理人も最後の帰還は暗くて写真どころか姿を見ることが出来ませんでした。時刻は17時35分位だったのでしょうか。

もう真っ暗ですね。これから横浜に帰ると思うと少々気が重いですが、それでもなんとかハイイロチュウヒを今日も見ることが出来たので良しとして、撤収と相成りました。

・・・終わり

浮島湿原で一番長い日・・・Part2

近くの蓮田を回っているといきなりセイタカシギとコブハクチョウに出会いました。

ここらあたりで留鳥として生息しているのかどうかは管理人には判別出来ませんが、蓮田があることが影響しているのだろうと思いました。

セイタカシギは葛西臨海公園などで良く見かけるのであまり有り難みは感じませんが、やたらと観察できる鳥ではないはずですよね。コブハクチョウは飼育されたものや、その子孫が野生化したものが大半らしいですから、本来的な意味で野鳥と言っていいかどうか分かりませんが、確か手賀沼で見かけた以来だったような気がします。この近辺は野鳥の生息環境としては恵まれているのかもしれませんね。

田んぼでおなじみのタゲリもいました。

そういえば、このあたりでツクシガモが出ているという話をウォッチャーの人から聞きました。今日は見ることが出来ませんでしたが、水が豊富なこのあたりにいても不思議はないですね。

浮島湿原以外にもちょっとした葦原があります。西ノ洲なんかもそうですが、もう少し内陸にもあったりします。耕作地が周りを囲んでいますから、餌場としては十分な環境にあるように思います。(普通の)チュウヒが飛んでいるのを見かけることが出来ます。ただし、よほど運良く遭遇しないと写真は難しいのかなと思いました。何せ広いですからね。

さて、適当に回って時間つぶしをして食料を買い込んで浮島湿原に戻ってきたのは丁度昼。朝が早いので一日が長いですね。思い出したようにチュウヒが葦原の上を飛び回っていますが、まあ、夕方に備えてまったりタイムです。おそらくは塒入りは夕刻、日の入りくらいまでかかると思われますので、ここを出るのは17時30分過ぎにはなると思います。

・・・続く

浮島湿原で一番長い日・・・Part1

朝3時40分起床。4時出発。春が近づくにつれ日の出が早くなります。そうすると出立の時間も少しづつ早くなる。今年の冬は猛禽を探しに出張ることが多いのですが、出張りの時間が早くなるにつれ、それは春に近づいているのだという実感・・・があまり沸かない朝でした。結構寒い。でも、先週は雪が降ったくらいですからそれよりはいくらかまし。しかも風も無い模様。今日はいいところを飛んでくれるかチュウヒ達よ、なんて思いながら浮島湿原に到着したのは5時42分。

調べてみたら日の出は6時15分位。日の出前に塒立ちをするとすればあまり余裕はありません。朝のセットは迅速に。そしてスタンバイ完了は5時45分。そして一番立ちは5時51分。滑り込みセーフ。間に合いはしましたが、やはりと言いましょうか、写真としては非常に厳しいモノになります。

RAWで撮って補正してもまあ無駄でしょう。一応はRAWで撮ってますが。ただ、先週もそうでしたが、この朝の塒立ちはそれはそれでいいものです。本日は管理人達だけだったので、独占貸し切り状態でした。まあ、人それぞれですから強くはお勧めは出来ませんが、朝のこの湿原の風景は早起きして見る価値があると思います。

未明の湿原の上を、茜に染まった空をバックに十羽くらいのチュウヒ達が次々と塒立ちをしていきます。次から次へと言った様子で、越冬中、天候がよほど悪くなければ毎朝繰り返される光景なんでしょう。そしてこの中に少なくてもハイイロチュウヒのオスを二羽程確認出来るでしょう。

朝は証拠写真程度が管理人の限界でしょう。でも、この光景を残したいので次回は動画を撮ってみようかと考えています。

さて、5時51分に始まった塒立ちは日の出の時刻には殆ど終わってしまいました。せいぜい二十分程度の朝の光景ですが、これが終わると一段落。軽く食事でもとなります。その後はポツリポツリと思い出したようにチュウヒが飛んでいきます。まあ、このあたりに屯している組なんでしょうか。

太陽の向きからして逆光になりがちですが、それでも朝日の中を飛んでいくチュウヒはなかなか綺麗です。写真でそれを伝えられない腕の未熟さは残念ですが、まあそんな時は無理に写真に撮らず、目に焼き付けることにしています。

一段落ついて周りを見渡すと、他の冬鳥たちも来ています。まずは冬鳥の定番のモズ。

こちらも定番のツグミ。

葦原ではおなじみ。オオジュリン。

さて、朝の塒立ちの後はまったりしていてもつまらないので、餌場でも探しに行こうと言うことになりました。このあたりは、田んぼや蓮田があり餌場として恵まれているからチュウヒ達も越冬しに来ているのでしょう。ただし、これがなかなか会えない。特にハイイロチュウヒは日中はまず見ることがないですね。

・・・続く

朝が勝負???・・・浮島湿原 チュウヒ達の塒立ち

「猛禽(の撮影)ですか?」と聞かれることがあります。大概は返事として「ええ、まあ」とか少々お茶を濁す場合が多いです。はっきりと断言できない気の弱さか、撮影に関しての自信の無さか、それはよく分かりません。まあ、猛禽狙いの達人みたいな人もいますから、そんな人達と同程度の鳥力を持っていると誤解されるのを恐れているのからかもしれません。

そんな自信不足ではありますが、朝早くにと言うよりは深夜に起きて、今日はどうだろうか、見れるだろうか、撮れるだろうかと、猛禽を探しに出かけるのです。まあ、好きと言えばこれが好きなんでしょうね(笑

前置きが長くなりましが、今日のターゲットは浮島湿原のチュウヒの塒立ち。そうです。塒入りがあるなら、塒立ちが当然あるはずです。夜明けと同時くらいに塒を立つチュウヒを見に行こうということになりました。

朝は3時45分起床。前日に準備をしていたので、4時少し過ぎに出立。途中少し買い物をしていつもの場所に到着したのが、6時少し前。夜明け前です。昨晩はすごい風だったのですが、風は収まっています。

前回の教訓から到着後すぐにカメラをセット。防寒対策を施して6時にはスタンバイ完了。朝はともかく迅速さが大事ですね。

そして6時10分頃、夜明け前の空にチュウヒが飛び出しました。白い尾羽が確認出来ます。ハイイロチュウヒのメスでしょうか。この明るさですから写真にはなりませんが、目でしっかりとみることが出来ます。

そして次々に飛び出します。シルエット写真ですが、朝焼けの色がなかなか美しいです。

かなり無理して明るさを補正しました。国内型、若鳥と言ったところでしょうか。

全般的に遠いですが、次々に飛び出していきます。その中で本当に本当の証拠写真ですが・・・

恐ろしく遠い上に、感度もかなり上げて且つ相当なトリミングをしていますが、ハイイロチュウヒのオスであることが確認出来ます。浮島湿原でとりあえず初めてとれたハイイロチュウヒは朝の塒立ちでした。実際何回か目撃してたのですが、カメラマン泣かせの典型みたいな猛禽ですね(苦笑

その後も何羽かチュウヒが飛び立ちました。正確ではないですが、ハイイロチュウヒのオスは二羽、それ以外は7羽から8羽。おそらくは10羽程度がこの湿原から塒立ちをしていったのではないでしょうか。一時は葦原の上が結構賑やかでした。いやぁ、早起きは三文の得と昔の人はいいましたが、いいものを見られた気がしました。

朝の塒立ちも三十分もすると落ち着いて葦原は静かに。その後はここを餌場にしていると思われる数個体が飛んでいるのをポツポツと確認出来ました。

そんな中餌をゲットしたミサゴが・・・成長のオスでしょうか。

7時を過ぎると本当に動きがなくなりましたが、そんな中、比較的近くを飛び回っている個体がいました。体下面は淡褐色で暗褐色の縦班、腰は白く、風切りの下面には明瞭な黒褐色の横班。虹彩は黄色ですからハイイロチュウヒのメスの成鳥でしょう。

後ろから見ると見事に腰が白いですね。

先週は渡良瀬遊水地で塒入りでしたが、今週は一転して浮島湿原で塒立ち。朝早かったり、夕方遅かったりと我ながらよくやるもんだと思います。実は渡良瀬遊水地も夜明け前の塒立ちを何度か観察しています。本当に日の出前の薄ら明かりの中を飛んでいくのです。ですから、写真にはなりませんし、何せ遊水地は広いので観察もとりとめがありません。その点、浮島湿原は比較的範囲が狭いので、ならばこちらはどうだろうと言うことで、今朝出張ってみたのです。

いやぁ、こりゃ、来週もだなぁと連れ合いと意見が一致。ただし、今朝は日が昇ってきたら風が強くなり観察や撮影にはかなり支障をきたす状態になってきました。まあ、来週の出張りは天候次第ということで、撤収と相成りました。