里山の春 Part3 & Part4 & Part5

ゴールデンウィークは休みが取れるのもうれしいですが、繁殖のシーズンが本格化する時期でもあります。実は渡良瀬遊水地の野焼き跡を見に行ったの(4月29日)は里山にサシバの営巣を見に行った帰りでした。4月28日に営巣は確認出来たのですが、動きが殆ど無く、写真的には証拠もないような状態でした。

そして5月の連休は福島に3泊4日予定でしたので、行きと帰りにそれぞれ里山のサシバの営巣を確認しに行きました。これが、Part4とPart5。ネタ的に特に無くても備忘録的な意味もありナンバリングしているのでブログ的には見えないところで結構動いていたりします。管理人としては、このブログが公式な野鳥観察の台帳でもあるのでこんな形式になっています。

とりあえず営巣は5月6日の時点では確認出来ました。ただ朝方靄がひどく写真では姿ははっきり分かりませんが、フィールドスコープで確認は出来ました。

今回はテスト的にミラーレス一眼にマウントコンバーターを使って普段使っている望遠レンズで撮影してみました。靄でよく見えませんが、現場では親鳥の姿が少しですが確認できます。雛はまだのようですね。

それにしてもここのところ続けて写真的には不調です。まあ、抱卵の時期なので動きが少ないの致し方ありません。それと管理人達は午前中の観察が多いので午後の状態がよく分かりません。サシバはどちらかと言えば南方系でしょう。東北地方が北限と言われているくらいですから、気温の低い時間帯は活性が低いのかもしれません。まあ、雛がかえる頃は気温も上がり餌取りが活発になるでしょうから、自然と動きが激しくなってくるでしょう。

芝桜が咲く頃・・・里山の春 Part2

芝桜を鑑賞した後にサシバを探して走ります。電柱、電線によく留まっているので脇見運転にならないようにゆっくりと走りながら探します。交通量は非常に少ないので迷惑になることありません。

大分通っているので大体コースは決まっています。なんとなくいそうな場所が分かってくるのでその辺りを特に気を付けます。勿論、油断はなりません。少しでもあれっと思えばすぐに車を止めて確認します。

長閑な里山ですから、のんびりと回っていてもなんともないのですが、希に車が後ろに来たりします。すぐに左に止めてやり過ごします。田んぼと田んぼを繋ぐ狭い道もありますから、ともかくのんびり運転が鉄則です。

さて、そんなこんなしているうちにチラッと視界に入った電柱サシバ。今日は活性が低いのか殆ど見かけなかったのですが、ようやくと言った感じでお目見えです。車を脇に寄せしばし観察。すると電柱から飛び出して稲が植わってない田んぼに餌を求めて滑翔して行きました。

そんなのをしばらく観察。この辺りを縄張りにしているようなのでカメラとレンズをセット。車を陰にして距離を置いて待ちます。遠くの桜の木の前の建造物に留まりました。後から見て分かったのですが口に餌を咥えていました。

どうもこの辺りに巣がありそうな感じがしました。さらにしばらく観察していると今度ははっきりと口に餌を咥えて飛んできました。

今度は反対から桜の木に向かって飛んで来ました。桜の木から姿が出て来るのを待っていると姿が見えません。少し角度が悪いようで、遠くから回り込んで後ろにある赤松を観察してみると・・・

はじめは巣だけかと思っていたのですが、動きがあったのでレンズを向けてみました。これも後で分かったのですが、この時は番でいたようです。暫く遠くからスコープで観察していると先ほど捕ったと思われるカエルをメスが食していたようです。カエルには災難ですが、これも食物連鎖です。

あまり巣に近づかないで遠くからの観察ですから、なんとも言えませんが抱卵していそうな感じです。

春から夏は繁殖のシーズン。繁殖する生き物はこれからが本番です。サシバだけではありません。

生きとし生けるものが戦い(やり)合う季節です。食物連鎖は一見残酷ですが生き物たちのぶつかり合いがあって自然が成り立つのです。優しさと厳しさに満ちている季節をまた過ごせるのだと思いながら撤収と相成りました。

芝桜が咲く頃・・・里山の春 Part1

横浜では桜が終わりました。しかしまだ北の方はこれからという場所もあります。今日は桜は桜でも地面に咲く桜、芝桜を見に行こうということになりました。

渋滞を避けるためにいつものように早出です。午前4時7分に自宅をでました。到着は公園の手前のいつもの観察場所に6時58分。途中買い物をしたりしたので三時間近くかかりました。結構遠いです。

ここはサシバの里でもあります。先週はサシバの春のワタリを観測出来たので今週は繁殖地に来たサシバ達を見るために出張りました。芝桜はついでかもしれません(笑

スコープでかろうじて見える程度ですが電柱サシバを確認。ここに来るまでに二回ほど飛んでいる個体を確認しましたが、電柱サシバは今春初めてです。営巣が始まっていると思われます。

さて、一段落したところで芝桜公園へ。到着したのは7時40分頃ですが、すでにかなりの車が停まっていました。普段はガラガラですがこの時期、特にゴールデンウィーク辺りは相当に混むようです。見頃としては今日は良いと思いました。昨年は5月の連休に来たのですが、天候も不順で芝桜もあまり咲いていませんでした。それに比べると今年は見事です。

この町は鯉のぼりがよく上がっています。鯉のぼりを作って販売している店もあります。

今年来て眼についたのはドローンを飛ばして撮影してる人達がいたことでしょうか。

流行り物といえば流行り物です。昨年までは見られなかった光景です。管理人も映像撮影には興味はあるので関心を持ちますが、ただ、人が大勢いるところでは遠慮して欲しいと思います。それなりに気を付けているのは分かるのですが、やはり自分の頭の上を過ぎっていくと不安な感じもします。子供やお年寄りもいますので、事故でも起こせば使用禁止になってしまいます。撮影をするならそれなりの環境で行わないと優れた機材でも世間の理解を得られなければ意味がありません。

ちなみに、白い模様が斜面にありますが、あれは「サシバ」です。今年は載っていませんでしたが、26年度版のチラシには「サシバ飛び交う『芝さくら公園』にようこそ」とありました。ですが公園でサシバが飛び交うのを管理人は一度も見たことがありません。今年のチラシはその文言は見当たりませんでしたね。まあ、芝桜公園に観光に来ている人達はサシバに興味がある人は殆どいないと言っても過言ではないので、大した問題ではないとは思いますが(苦笑

綺麗な花を維持するのはそれなりに大変なようです。地元の人の話によると芝桜も耐用年数があり何年に一度くらいは張り替えないと駄目だそうです。張り替えて養生している場所も見られます。

さて、そろそろサシバの方も気になります。ここは1時間位いれば十分なので撤収してサシバを探しに出ることにしました。

・・・続く

春サシバに逢いに行こう・・・Part1

今年の春は野暮用が多くてとうとう四月中はサシバに逢いに行けませんでした。ようやくゴールデンウィークの五月三日に今年初めてのサシバに逢いに行くことが出来ました。

さていつもの里山に朝の七時頃到着。軽く朝飯を済ませてまずは一番近くのポイントへ。

期待通りいました。よく見ると眉斑が白いのでどうやらメスのようです。

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いるにはいたのですが、遠いですね。まあ、それでもさい先良く出会うことが出来ました。何回か餌を捕ろうと挑戦していましたが、どうもうまく行かなかったようです。お腹の模様もあまりはっきりしないので比較的若いメスなのかもしれません。まあ、経験不足といったところでしょうか。

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さて、さい先良くスタートを切ったつもりでしたが、ディスプレイフライトはおろかあまり飛び回っていないようでした。例のピィーックイという鳴き声は今回の遠征では一度も聞くことが出来ませんでした。出会う機会が去年より少ないような気がしましたが、まあ、去年はかなり頻繁に通ったので今年とは一概に比較は出来ません。

それでも、ウロウロとしていると思いがけないところにいたりします。まあ、それも電柱の上ですが。そんな電柱からの飛び出しをなんとか収めることが出来ました。

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周囲と言いますか、この里山でカメラしかも望遠レンズを付けて撮影をしている人には殆ど出会いません。つまり、近づいて電柱の上のサシバを飛ばしてしまってもまあ、文句は出ないわけで。営巣しているところに近づくのは遠慮していますが、道端の電柱の上の止まっているサシバにソロッと近づいて、サシバが人の気配に気づいて飛んでしまっても、人慣れしているサシバですから、許される範囲と思っています。

本日はこの二回くらいしかシャッターチャンスはありませんでした。それでもなんとか出会うことが出来たので、良しとします。

本当は明日の天気が良ければここで一泊する予定でしたが、天気が荒れるようなので、福島に移動し明日は実家の掃除でもしようと思います。

里山に行こう Part9 いろいろありました

里山はシンプルな場所です。景色は似たり寄ったりで、生き物が豊富で、空気が綺麗で、緑が多いです。

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サシバは里山の生態系の頂点に立ちます。潤沢な自然の恵みがなければサシバは生きていけません。それを支えているのが里山の環境です。

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今回、観察・撮影したサシバは里山で暮らしてます。実に人と近い距離です。近い距離と言っても自ずと限界はありますが、カラスやトビよりも身近に感じました。なにせサシバと目と目が合うんですから、思わず笑ってしまいます。

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思いがけない体験でした。秋のワタリの時期だけ観察していたサシバがこれほど人と近しい関係にあるとは新鮮な驚きでした。通常の農作業をしている人を警戒する様子は見えません。

今回はゴールデンウィークにかかり、農繁期であることがサシバの動きに多少は影響したかもしれません。管理人が子供の頃は田植えは六月、刈り取りは十月と教わった記憶がありますが、現在は兼業農家が多いため、ゴールデンウィークに田植え、シルバーウィークに刈り取りといったスケジュールが多いそうです。そうすると、この時期は農作業とあまり縁のない人達も手伝いに大挙して田んぼに出たりします。それに対していくらかの警戒心が働くのかもしれないと感じました。特に三日の日曜日は人出が多かったせいか、サシバの出現も少なかったように思います。

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稲が生育すると蛙が発見しずらくなります。ある時期に田んぼ以外の餌場が確保出来る環境が必要なようです。そうは言っても蛙が主たる餌らしいのでカエルの声の多い少ないが気になります。土地改良を大規模にした農地は声が少ないということは、カエルが少ないのでしょう。谷戸田で冬も完全に干上がらない田んぼはカエルの声が多いように思います。

実祭、冬場に田んぼがどんな状態か見に行くことも必要かなと思います。実は昨年の秋に一度見て回ったのですが、完全に干上がっていない棚田があったように記憶します。

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人とサシバが共存する里山があることを嬉しく思います。年々歳々、サシバの数は減少の一途をたどっています。秋のワタリの観察によるカウントがそれを物語っています。ちなみに、管理人の住む神奈川県の繁殖はゼロだそうです。なんとも残念な話です。ただ、小田原でボランティアの人達(サシバプロジェクトチーム)が休耕している田んぼを復活させて繁殖も復活させる活動を何年か行っているようですが、未だサシバは通過していくだけのようです。なんとか営巣が復活することを望みます。

さて、次回の里山行きですが、営巣の邪魔にならないように細心の注意を払いつつ、雛が孵る頃に観察に行ってみたいですね。

(終わり)