試し撮り・・・浮島湿原(付近) Part8

先週は渡良瀬遊水地で試し撮りでした。

だったら今週は浮島湿原(辺り)に行かねばバランスがとれないだろうと勝手な思い込み(笑

場所が違えば条件も違う。

当たり前ですが、色々なシチュエーションで試してこそ試し撮り。

肝心なのは、今まで撮れなかったモノがどれほど撮れる可能性が上がったのか・・・それが知りたい。

それだけの話なのです。

一番気になるのは高感度耐性とオートフォーカス。

ネットでは(この場合、巷間と言い換えるべきかもしれませんが)色々な意見があります。

何にしても使ってみなければ分からないと言うのが管理人を含め大多数の思いではないでしょうか。参考にはなるがやはり最後は自分で判断。

写真としては後ろ姿しか写してませんからスポイルされますが、画質のチェックなりそれなりに出来ます。

感度(iso)は3200。シャッタースピードは1/250。フルサイズで焦点距離は600ミリ。それなりの三脚と雲台を使っています。

撮影時刻は、6時41分。夜明け前です。露出補正を+1。

うん、いけると思いました。

陽が上がってエクステンダーを装着。換算は840ミリ。

かなり遠いです。トリミングもしてます。絞りはF5.4、ios800、シャッター速度は、1/8000。

これもいけそうな感じです。

要は写真になるかならないか。

写真にならない遠いショットは今更不要と言う目論見です。

観察はしますが、敢えて写真にするなら近くに寄ってきたときに確実にモノにする。その上で高感度耐性はそれなりに活用する。

点にしか見えない被写体を無理無理撮っても今更どうになるものか。そんな思いがあってこそ所謂「プロ機」を調達した次第と相成りました。

画質の点でAPS-Cがフルサイズ機に劣るとは思いません。渡良瀬遊水地で撮ったコミミズクがそれを管理人に教えてくれました。

あれやこれや考えますが、これも野鳥観察、撮影の楽しみなんでしょうね。

所謂「プロ機」を使ったからと言っていい写真が撮れるかどうかは分かりませんがその可能性が少しは上がればいいなと言った程度の気持ちでしたが、結果は・・・

基本は観察です。通ってなんぼ、見てなんぼです。そしてそのついでに撮れればラッキー。

先に書いた可能性(今まで撮れなかったモノが撮れる可能性は僅かかもしれないが)は少し上がったかなと言う思いは抱けたようです。

そんな思いを抱いて早々に試し撮りは終了。撤収と相成りました。

やっとコミミズク・・・浮島湿原(付近) Part7

忘れていました。コミミズクのことを。先週得た情報ですがこの葦原にコミミズクがいると言う話。

追記:コミミズクがいるらしいと言う話は以前から聞いていました。ただし、居るらしいという話を聞いたという伝聞でしたが今回はもう少し信憑性が高い話ということです。観察場所によっては全然姿を見ることが出来ませんので、ここに出張って来ている人でも見ていない人は結構多いかもしれません。管理人達もその組でした。

実は朝の観察位置はそのことをすっかり忘れていたのです。と言っても、とんでもなく的外れな場所では無かったのですが。

翌日の朝、そのことを思い出して最終ポイントに接岸しました。(別に船ではないのですが、そんな感じの車の止め方なんですよね)

それは一番人だかりのする場所なのです。今シーズンは割と早くからこの葦原にハイイロチュウヒのオスがいることは了解していたので人だかりが出来る前から通ってはいました。

ある時期を境に人が多くなりその場所は当初は限定されていました。その状況は知っていましたがタバコの煙が苦手な管理人達は人混みを避ける場所選びをしてきました。

そして最後に残された場所がその「苦手な場所」なのです。人が集ると言うことはそれなりの理由があることは察知していました。ただ、そこに行かずとも何とかなるなら何とかしたい、そんな思いがありました。

連れ合いもそうですが、タバコの煙は苦手です。それが嫌で良さげな場所に近づかない時も間々あります。近頃のタバコを吸う人は気を遣って呉れる人も多く、離れた場所で吸う人もいますが、人数が多くなれば辛いときもあります。そして足下に吸い殻を捨てる人が多く集まるような場合は管理人達の観察は無理です。吸うなとは言えませんから黙って離れるしかありません。

管理人もタバコを二十年以上吸っていました。だからタバコを吸う人の気持ちも分かります。年若い頃はそれこそ回りのことなぞ気にせず吸っていましたが・・・

ですが、短い時間なら我慢できるだろうといよいよ覚悟を決めて最後のポイントへと言うことになりました。

やはりと言いましょうか、当然いいましょうか、飛んでいました。写真的にはかなり厳しい状況ですが、これとてチャンスはここにありでした。偶然を待つにしてもやはりその飛ぶ範囲の中でないとそれは無理な話です。

自画自賛ですがこれいいよなぁと自分は思いました。コミミズクとチョウゲンボウが並んでいるだけでなく、相手を気にしているコミミズクの表情が遠目にもなんとなく分かる絵になっています。

いくら広い葦原と言え、多くの猛禽が共存共栄できるかは分かりません。しかしこれだけ近い距離で佇んでいるのですから諍いはないのでしょう。それを絵として切り取れたことは僥倖かもしれません。

写真だけなら渡良瀬遊水地で撮ったものがピカイチでした。

最短撮影距離(16mに設定)ギリギリに飛んでいったコミミズクをまぐれ当たりとは言えここまで撮れることも僥倖だと思います。

比較して優劣を付ける話ではないかもしれませんが、それでもノイズだらけで印刷して額に飾るような写真ではないですが、生き物としてどう自然と向き合っているかの一面を切り取れた写真に心が揺さぶられます。

2つの種類の違う猛禽がこんな形で互いに佇んでいる・・・これはある意味驚きでした。野鳥写真の経験が管理人なぞよりもっと深い人なら驚くほどのことはないのかもしれません。しかしサンデーバーダーでもこんな瞬間に立ち会えることが妙に嬉しいと思ったのです。

ええ、ハイイロチュウヒのオスも飛びました。写りはイマイチですが。

そしてこんなシーンも・・・

コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろをハイイロチュウヒのオスが餌を探して飛んでいました。これはもう神様の呉れた贈り物としか言いようがありません。そして管理人は少しばかり欲が出てきました。困難な状況でももう少しちゃんと写るカメラが欲しいかなと。

追記:誤解が生じる書き方をしたので訂正しました。

コミミズクと一緒に佇んでいるチョウゲンボウの後ろを
     ↓
コミミズクと一緒に佇んでいたチョウゲンボウの後ろを

ハイイロチュウヒが後ろを飛んでいるときは、コミミズクはポールには留まっていませんでした。コミミズクが留まっていたらそれを外すようなトリミングはしませんよね。ブログを書く時にそのことを失念していたようです。

レンズはそこそこいいものを使ってはいますがカメラはAPS-C機です。高感度はこれが限界だと思います。勿論、この粒子の荒れた感じはそれはそれで味があると思いますが、もう少しでいいから表情を鮮明に切り取りたいと思いました。うーん、いろいろ言い訳をして、所謂「プロ機」と言われるマシンは避けて来たのですが・・・

いつもこの場所に陣取っている常連さんは酷い「煙害」も無く不快な思いはありませんでしたが、短い時間の割にはいいものを見られたので長居は無用と思い早々に撤収することに相成りました。

年の瀬です・・・浮島湿原(あたり) Part6

先週の日曜日は朝だけの「機動観察」でしたが、今週は土日滞在する「滞在観察」になります。横浜からですと夕方遅くなるといろいろと大変なので管理人達はお泊まりで出張ることが間々あります。

メリット、デメリットありますが、体力的、時間的なことを優先するので泊まることにしています。デメリットは勿論費用が掛かることです。それでも往復の燃料、高速代、移動にかかる時間、手間を考えると泊まった方が楽ですね。特に年末は道路も混みますので尚更です。

滞在観察となると1日が長いです。朝は夜明け前から、夕方は日の入りまで。ですからこの時期は寒いですが、日中の時間が短いので観察時間も短くなります。

さて、起床はこの時期ですと4時。出発は4時30分。途中少々買い物をして到着は6時20分頃。夜明けまで30分近くあります。

まずもって寒い。ご存じの方も多いでしょうが、気温が一番下がるのは夜明け直前です。今日は先週と違って風は弱いですが、気温そのものは低いようです。

追記:後日調べたらこのあたりの最低気温は氷点下4度くらいでした。

霜が降りると言うよりは凍っています。

連れ合いがサンドイッチを作り、現地でお湯を沸かしてコーンスープで朝食となるのですが、その時外に出しておいたおしぼりが15分位の間に凍るのです。勿論、厳寒の地方からみれば大したことないと思われるでしょうが、野鳥を見るために夜明け前からわざわざこの寒い中に出張ってくるのだから、管理人達も相当な物好きだと思った次第です。

太陽の出る方向(東)を背にする位置に今日はシフトしてみました。ここらあたりは殆ど観察者がいませんが、先週はここで待機していて東の方に飛んで行きましたので再度確認の意味をこめて観察となりました。

当たりはなく今回はこちらは外れのようでした。

完全に陽が上がってから今度は真向かいの西側に移動。こちらは点在しながら観察者・撮影者が散らばっています。朝方は逆光なので少し陽が上がるのを待ちました。

広い葦原です。どこに何が出るか、当たり外れもあるようです。人が多く集まっている場所もあるし、そうでない場所もあります。写真がメインだと背中を南側に向けていた方が終日順光になりますので、やはりそのような場所は人が多いです。ですが、人が多いことのメリット、デメリットもやはりありでしょう。眼が多い方が見逃しは少ないけど、多くの人と機材は猛禽などの警戒心を高めるかもしれません。

管理人達は状況に応じて場所を変えてみることにしたのです。以前は決まった場所に終日陣取っていたのですが、猛禽達の動きを見ているといろいろな角度から観察してみたくなったからです。

最初に写真に収めたのが、カラスにモビングされているハイイロチュウヒのオスでした。バックショットになりましたが、姿を見ることは出来たようです。

とは言え、後は遠い写真ばかりでしたね。

この辺りはタゲリもいます。陽の向き加減が少々悪いですが、比較的近くに寄ってくるので写真を撮るにはあまり苦労はないでしょう。

肝心のハイイロチュウヒのオスですが、時折姿を見せてくれるのですが、やはり遠い。今日はここの場所も外れのような感じがしてきました。

ここでよく見かけるツートンのチュウヒと普通のチュウヒ。

タゲリ飛翔シーン。

そしてようやくハイイロチュウヒのオス。

突然近くに出てきたのです。神出鬼没とはこのことです。どこに居たのか、さっぱり分かりませんでした。

比較的近いので焦点距離の長さが逆に仇になります。ともかくファインダーに被写体を捉えるのが難しいです。

こちらを睨んでいる表情を捉えているのですが、ピントは後ろの葦に持って行かれてしまいます。このあたりの捌きが管理人にとっては非常に難しいですね。

こちらの気配を察したのか、短い時間しか狩りをしないで飛び去ってしまいました。狩りを始めた時は近くてこれは絶好の機会だとほくそ笑んだのですが、やはり警戒心の強い猛禽なのでしょう。観察圧力に弱いと定評のあるはハイイロチュウヒのオスですから、近ければ近いで逆にチャンスを逃すか可能性も高くなるといことなんでしょうか。なんとも気難しい猛禽であります。

後は、時折みせる姿は相変わらず遠いです。

ツグミくらいサービスしてくれたら嬉しいのですが、それは無理な話なんでしょうね(笑

さて、日の入りまで頑張りましたがこれと言った写真は撮れなかったようです。明日に期待して暗い葦原から撤収と相成りました。

・・・続く

機動観察・・・浮島湿原(付近) Part5

今秋のタカの渡りの時に、2日連続して滝沢展望台に通ったことがありました。管理人はそれを「機動観察こと始め」と言う記事にしました。

昔子供の頃「特別機動捜査隊」という刑事ドラマがありました。この機動捜査と言う言葉が子供心に妙に残っていました。そして学生運動華やかりし頃、「機動隊×全学連」みたいな言葉が世間の耳目を集めたように思います。

ちょっとググってみると・・・

【機動】
交戦の前後や交戦中に、戦略・戦術上おこなう、軍隊の移動・運動。転じて、状況に応じてすばやく活動できること。

ただ単に移動すると言うだけではなく、「状況に応じてすばやく活動できること」が要件になるようです。

野鳥の観察や撮影をしていると意識はしなくても(機動的)観察をしている場合があると思います。ルーティンになっている観察もあれば、情報を得て、素早く移動する観察もあるからです。

もっと言えば、夜に「ああ、ハイイロチュウヒが見たいな」と思い、翌日の早朝出立すれば、それはそれで立派な「機動観察」だと思うのです。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな感じの観察となりました。何故ならほぼほぼ観察のみで証拠写真すら撮らない(撮れなかった)からです。まあ、一応三脚は立てましたが(苦笑

今回は早朝のみの観察で、朝6時過ぎに到着、9時30分には撤収というかなり慌ただしい観察になりました。それには訳がありまして、管理人達が前回観察したのは、11月の最終週でした。その時はそこそこいい思いをしたのですが、それから渡良瀬遊水地行ったり三番瀬に行ったりで浮島湿原はご無沙汰になっていたのです。そして12月23日~24日は泊まりでこちらに来る予定でいたので、状況の変化を事前に知りたかったからです。

結論からいいますと、ハイイロチュウヒ(のオス)の個体を2つ確認出来ました。写真は前述の通り無理でしたが、当初の目的は果たせたようです。実は朝方、車の集まりが芳しくないので、ひょっとしたら抜けてしまったかと思ったのですが、騒ぎが一段落したということです。稲敷では別場所にコミミズクが出ているのでそちらに回っているという情報もありました。更に渡良瀬遊水地にも2個体(コミミズクが)入ったと言う話もありますので、ここだけ騒ぎになると言うことも無いようです。

こちらの葦原もコミミズクが入っているという情報もありますが管理人は確認未了です。ですが事前調査も兼ねての今回の慌ただしい観察でしたが場所の当たりはつきました。広い葦原なので観察場所を次回は移動してアプローチしてみることにします。

ハイイロチュウヒが・・・浮島湿原 Part4

ハイイロチュウヒが餌取りを始めてかなり時間が経ちました。

遠いことは遠いですが、時折接近してくる。この繰り返しが続きました。

管理人に所謂「ガン(眼)」を飛ばしている状態です。餌を探すなら下を向くはずですから。

飛んでいる時、写真を撮っている時は気がつきませんでした。こんな怖い顔して睨んでいたんですね。管理人はハイイロチュウヒのオスが大好きなのに向こうはこちらのことを嫌っているみたいに感じます(苦笑

でも餌取りに熱心なのか、管理人の前を何事もなく通り過ぎることもしばしば。これはこれで全く「眼中にない」状態です。最近では「ガン無視」と言うらしいですが。

今改めて撮影情報をみると、ISOは800、シャッタースピードは、1/500。レンズは撮像素子のサイズがAPSCですから、換算960ミリ。外した写真も結構ありますが、管理人としてはよく健闘した方です。

ハイイロチュウヒは普通のチュウヒより葦原を飛ぶときは低いと言われています。確かにその通りで、いつぞや渡良瀬遊水地の時は背の高い葦原とハイイロチュウヒの低空飛行で撃沈状態だったことが記憶によみがります。

バックショットもこれはこれで貴重でしょう。

後ろ姿を撮った写真は図鑑などではお目に掛かることはありません。しかし観察などで後ろ姿しか見えない場合もあります。そんな時の参考になるなと思いました。

さらに餌を発見してひねりながら急降下するシーン。

いままで撮れなかったシーンに随分遭遇しました。そしてひとしきり餌取りが終わり、いずこともなく塒に入ったようです。

そして翌日の朝、元気よく塒立ちして餌取りに飛び出したおそらく同じ個体のハイイロチュウヒ。

この葦原には二羽のハイイロチュウヒのオスがいるのを管理人は確認しています。もう一つの個体はここを塒にはしているようですが狩り場は違うところのようで、この個体より早々に飛び出して行きました。

もう一羽は遠くにいかずこのあたりを活動範囲にしているようです。これがハイイロチュウヒのオスが大好きなカメラマンのアイドルになっているようです(笑

ちなみにアイドルの後ろ姿。

朝、塒から飛び立つなり道路を飛び越え向かいの田んぼに餌取りに飛んで行ったのです。まさに目の前での話です。たまたま管理人達の近くで動きがあったのですが、この個体は随分と(カメラマンにとって)サービス精神が旺盛だなと感じる次第です。人間にも色々な性格の人がいるようにハイイロチュウヒも人間ほどではないかもしれませんが、行動パターンに個体差があるのでしょう。生き物ですから金太郎飴みたいに皆同じと言うことはないでしょうね。

チョウゲンボウもいいですね。ここは。

(管理人は)猛禽ではないので分からないですが、この葦原は餌取りに適しているのかもしれません。ただし、もし餌が獲りやすいなら餌となる対象物が早々に枯渇するでしょう。そうなると次の行動はどうなるか、それを考えなければいけないような気もします。餌取りが楽なのはいいのですが、いつまでそんな状態が続く訳はありません。ただし、これはあくまでも管理人の想像です。

さて、さて、来週は渡良瀬遊水地にやはり泊まりで出張ります。今週は結構いい思いをしたのでその付けが怖いですが、いろいろと野暮用もあるので朝の観察が終了したので撤収と相成りました。