今年の冬は・・・浮島湿原 Part3

今週は泊まりで出張りました。

塒入りくらいまで粘り翌日塒立ちからとなると移動の負担が大きくなります。旅好きの同年代の夫婦からみればこの程度の泊まりはかわいいものだと思います。

さて、この辺りの日の出の時刻はさらに遅くなり6時24分、日の入りは早くなり16時26分です。塒立ちは6時過ぎくらいになるので、出立は先週と同じ4時で十分間に合うところです。

少し早く着きましたが、やはり塒立ちは先週より気持ち遅めです。約10~11羽程度の個体が確認出来ましたが、相変わらずハイイロチュウヒのオスは確認未了と言った感じになりました。

浮島湿原のまわりには、広い葦原がいくつかあります。どの葦原も何かいそうな感じがするのですが、とりあえず良く行く先週とは違う葦原へ移動。

行ってみると結構な人だかり。先々週あたりからポツリポツリと人が増えてきたようですが、今朝は随分と多いなと感じました。

そう言えば先週は日帰りの午前中のみだったのでこちらには回りませんでした。うーん、どうも人の動きを見ているとこちらが本命か。

観察を始めるとチュウヒが餌取りをはじめました。まだ光量が足りないので写真はあまりピリッとしませんが・・・

しばらくするとタゲリが飛んできました。

次はオオハクチョウ。

茨城県には何カ所かオオハクチョウが越冬する場所があります。

ポツリポツリといろいろなものが飛ぶのですが、肝心のハイイロチュウヒのオスは見当たらない。いいかげんダレてきた昼過ぎ頃、「飛んでるぞ」みたいな声がしました。

ああ、いました。ようやくご対面です。しかしとんでもなく遠いです。

距離がありすぎるので空気の靄もかなりなものですが、それでもハイイロチュウヒのオスと確認は出来ました。いろいろな情報が交錯していましたが、現状はこちらの葦原で越冬しているようです。先週の金曜日あたりまでは浮島湿原での塒入りが確認されていたのですが。

ひとしきり回ったら姿が見えなくなりました。

その合間にチョウゲンボウのホバリング。

チョウゲンボウというのは器用な猛禽ですね。カワセミみたいに上手にホバリングするのですが、垂直離着陸するハリアーみたいな猛禽です。

さて、気になるのはちょっと姿をみせたハイイロチュウヒのオス。

いることは分かりました。ここで越冬しているのかどうか分かりませんが、目の前の葦原に潜んでいることは間違いありません。ここは待つしかありません。写真がどうのこうのより、観察です。動きが分からなければ次の行動はとれません。

待つことしばし。

ようやく現れました。しかも遠い。なんでと思うほど遠い。

しかし待てば海路の日和あり。段々と近づいてきます。

いままで経験のないことです。ハイイロチュウヒのオスの餌取りです。時刻からすると塒入り前の餌取りなんでしょう。これが結構延々と飛ぶのです。遠くても獲物を追っかけていれば、いくらレンズを構えていても寄ってくる可能性が高くなるようです。

うーん、いい感じになってきた。いつ頃この地に来たかは分かりませんが、ワタリ直後では無いはずですから、この程度の餌取りは日常茶飯事ということになるのかもしれません。

・・・続く

朝の観察はここから・・・浮島湿原 Part2

日の出の時刻は今の時期は少しずつ遅くなっていきます。先週よりは10分程度遅くなるので今週の出立は4時頃でした。

最近は塒立ちの時は写真は諦めて観察に徹しています。録音用のビデオを回しながら観察の模様を実況録音します。

編集して公開するような内容ではないですが、これが後で聞いてみると面白い。まあ、手前味噌なところもありますから、なんですが、これが最近の管理人の定番観察スタイルになっています。

ちなみに、最近はお安い機材ですが、ワイヤレスで音を飛ばして録音しています。マイクとかの性能も絡みますが、ホワイトノイズが結構ありますが、まあ、そこそこ使える感じです。

さて、朝の浮島湿原はいつものとおり日の出の10分くらい前から塒立ちが始まりました。カウントしていると10羽程度が確認出来ました。

お目当てのハイイロチュウヒのオスは本日も確認出来ません。逆光でシルエットになっているので色合いでは確認は難しいようです。それでも前シーズンはいくらか確認出来たのですが、今シーズンはここでの塒立ちでは未だ出来ていません。

先週は別場所でその姿をみることが出来ましたが今日はどうでしょうか。

塒立ち終了後すぐに別場所に移動しました。朝の餌取りを観察するためです。

普通のチュウヒが何羽か餌取りをしていました。かなり遠いので写真的には辛いですね。まあ、広い葦原ですから致し方ありません。チュウヒは観察圧力にあまり強くないと言われています。車からおりてデーンと三脚を構えているとまず近寄ってこない感じですね。車から降りずに車内から狙うといいと良く聞きますが、まあ、ここは杭打ちされた柵に囲まれていますのであまり代わり映えはしないかもしれません。

ハイイロチュウヒのメスがいました。

ついでと言ってはなんですが、突然遠くですが、チュウヒではない早い飛翔の個体を発見。とりあえずシャッターを切ってみたら・・・

ハヤブサの成鳥でした。ここら辺りでは案外珍しいかもしれません。チョウゲンボウなら結構いるのですが。

朝の餌取りが終わると静かになります。その後はポツリポツリと動きがありますが、その中にハイイロチュウヒのオスは見当たりませんでした。

この後動きがあるとすればそれは塒入り前の餌取り。いろいろと用事もあるのでそこまでは待っていられません。

来週は泊まりで塒入り前との餌取りと塒入りも出来れば観察したいと思います。次回こそはと願いつつ、本日は早々に午前中での撤収と相成りました。

夜明け前・・・浮島湿原 Part1

浮島湿原はすべて葦原の中である。

そして冬の猛禽観察は夜明け前から始まります。

冬の朝は寒いですが、夜明けの時刻は遅くなります。
それでも、本日は3時30分起床。3時50分の出立でした。

到着は5時40分。日の出の時刻は6時12分。
東の空は幾分茜の明るさを含んでいます。もうすぐ夜明けです。

気温は8度。

厳寒とは言いがたいですが、そこそこには寒いです。しかし風がないせいか堪えられないと言った感じではありません。

まず現場について驚いたのは・・・

観察小屋がきれいさっぱり無くなっていました。老朽化のせいかどうか分かりませんが、見通しは良くなっています。
しかしこれが本当にいいのか悪いのか、実際のところ疑問なところもあります。

現実には小屋の前にせせり出て三脚を置いて撮影する人が圧倒的に多かったので、小屋をなくして柵を設けた方が安全ではあると思います。
ことによると老朽化のせいではなくて、小屋の前から転げ落ちて怪我でもしたカメラマンが輩出したのが撤去の理由かもと案じましたが、まあ、栓の無いことです。

それで今回からは駐車場の方から観察するよりはこちらで観察することにしてみました。

だいたいの感じですと日の出の10分位前から塒立ちが始まるようでが、この日は気持ち早く始まった感じです。
葦原から次々と飛び立って行きます。もう塒立ちの写真は諦めて観察に徹することに決めました。とりあえずビデオは録音用に回しながらの観察です。

7、8羽飛びたったありでポツリ、ポツリと他のカメラマンが3人ほど来ました。皆さん早起きですね(笑
飛んで行くシルエットからチュウヒであることはなんとか確認出来ますが、色の識別などはかなり困難です。

それでも総計10羽程度の確認が出来たようです。前シーズンの実績から言ってこれだけいればハイイロチュウヒのオスも3羽くらいは混じっていると期待しても良さそうです。

写真はここでは撮りませんでしたが、明るくなってから場所を変えて三脚を出してみました。

少し遠かったですが今シーズン初のハイイロチュウヒのオスです。しかも青空バック。大概は光量の足りない時間帯で苦労しますが、たまにはこんなこともあります。だから、止められないんでしょうけど。

小さな体で弱々しい印象を持つハイイロチュウヒのオスですが、さすが猛禽。カラスにモビングをしかけられましたが・・・

それを威嚇して追い払い、逃げるカラスを追っかけて行きました。

ただし、残念なことにこのハイイロチュウヒこの後、とんでもなく高度を上げてまるで渡って行くが如く去って行きました。ことによるとここで越冬している個体ではなくまだワタリの途中だったのかもしれません。

その他普通のチュウヒも飛んでいました。

いろいろな野暮用もあるので本日は早めの上がりです。初のハイイロチュウヒのオスも拝めたことですから、気持ちよく撤収することが出来ました。

今日も朝も早くから・・・浮島湿原

懲りないヤツとか言われることがありますが、人間一度や二度の失敗にめげていたらやってやれません。懲りない管理人達は先週に引き続き、浮島湿原に向かって深夜3時半に起床。しかも今回は宿までとっています。先週より若干早めになったのは日の出の時刻が早くなったからです。と言うことはこれで塒入りまで付き合えば、さらに長い一日ということになります。まだ懲りていない証拠ですね(笑

今回は夜明けのシーンを動画でも撮ろうと思い立ち、若干機材が多くなりました。あの朝の感じは動画の方がより伝わるのではないかと思ったからです。ただ、こういったシーンはあまり動きがありませんので、面白味に欠けると言えば欠けます。どう編集するかは考え中です。

さて、朝一の飛翔は午前5時47分。先週の日曜日よりも4分ほど早くなっていました。三週連続して通った感触からすると天候の差により未明時の明るさは若干差があるかと思いますが、日の出が早くなればおおよそ塒立ちも早くなるようです。当たり前ですが真っ暗では餌が見えませんから、日の出の時刻に応じてということになるのでしょう。

写真としてはご覧のとおりです。管理人カメラはEOS 7DMark2 なので高感度にはあまり強くありません。それでISO6400ですからこんなもんでしょう。シャッタースピードは1/320ですから、いくら三脚を使ってもかなり厳しいと言わざる得ません。まあ、この時間帯は撮るより観察ですね。

ハイイロチュウヒも確認できた一羽目が5時57分に飛翔。暗くてよく見えず正面からは合わせられませんでした。これも証拠写真ですが、背景の茜色が綺麗です。なんかこれをうまく取り入れて綺麗に撮れればいいのでしょうが、今後の課題です。

三々五々といった感じで朝の塒立ちは粛々と進んでいきます。約20分ほどでしょうか。塒立ちが終わると静寂な葦原が妙に広々と感じます。

あとは忘れたころにここを狩り場にしているチュウヒ達が飛び回ります。これはハイイロチュウヒの幼鳥なのでしょうか。虹彩が黄色ではないですから、成鳥ではないと思われます。雌雄はちょっとこの段階では管理人では分かりかねます。

幼鳥の雄なら次のシーズンは綺麗な灰色になって戻ってくれるのでしょうか。それが気がかりですね。今季は二羽のオスを確認していますから、それがもう一羽増えたらと期待します。

さて、なんやかんやしているうちに塒入りの時間になりました。太陽がまだこれだけ出ていても17時31分です。

日が長くなりました。春本番までもう一息と言ったところでしょうか。が、夕焼けの空は綺麗なのですが、どうも本日の塒入りは不調のようです。チュウヒが不調と言うわけで無く、管理人達の運が不調ということなんでしょうね。今日は入りのルートと時間帯が合いません。要するに撮影可能な時間に帰還してくれなかったということですね。まあ、こればっかりはどうにもなりません。

思うのですが、猛禽の塒立ち、塒入りを観察するならもっと冬至に近い時期がいいと思います。3月になると日が延びるのは結構ですが、塒入り、塒立ちを見る方としては一日が長くてかないませんね。まああくまでも管理人の個人的な思いですが。次のシーズンは11月から2月位にもっと集中して観察・撮影に来たいですね。おそらくこれで今シーズンの浮島湿原のチュウヒは最後の観察になると思いながら、宿へと撤収となりました。

浮島湿原で一番長い日・・・Part3

湿原の周りを一回りして13時30分頃湿原の駐車場に戻ってきました。塒入り目当ての人はまだあまり来ていないようです。この時間でもたまに思い出したようにチュウヒが葦原の上を舞います。運が良ければ結構近くに来てくれますが、あまり期待は出来ません。特にハイイロチュウヒこの時間帯は見かけることがないようです。

さて、16時少し前。塒入りかどうか微妙な時間ですが、ちらほらと思わぬ方向からチュウヒが現れてきます。

どうやらご帰還のようですが、まっすぐには塒には入らないようです。しばらくはカラスと睨めっこ。

その少し後にこれもご帰還らしいのが一羽。結構時間帯にばらつきがあるのかなと感じました。

ハイイロチュウヒもこれくらいの時間帯に出てくれればいいのになぁと思いましたが、大概、真打ちは最後というのが相場ですから、どうなるでしょうか。さらに待っていると二羽同時に現れました。

手前はハイイロチュウヒのメスのようです。メスは日中でも見かけることがあります。越冬中ですから、番とかそういうことはないのでしょうが、よく飛び回ってくれるメスがいるようです。

なんやかんやで結構帰還してくるのですが、肝心のハイイロチュウヒのオスが見えません。朝は二羽確認していますから、二の姿が拝めると期待しているのですが。そして最初の塒入りから一時間以上、日の入りにかなり近づいてきた17時10分過ぎに、後ろの葦原から一羽目が突然に現れました。管理人達も背後を気をつけていたのですが、連れ合いが最初に発見したようです。「来てるよ~」の声で皆が一斉に振り向きます。

管理人もある程度予期はしていたのですが、やはりかなり唐突な印象でした。ファインダーに突然現れた飛翔を収めるのは結構やっかいです。先日のコミミズクもそうですが、こんな時は望遠レンズの焦点距離が仇になることもあります。やや、フォーカスインさせるのに手間取ってしまい、正面からは撮りはぐれてしまいました。

それでもさんざん待ったハイイロチュウヒです。ともかくここではシャッターを切りまくる。

ハイイロチュウヒの葦原での飛翔高度は普通のチュウヒより低いと言われます。このまま、塒に入ってしまったらとちょっと心配がよぎります。

それでもなんとか観察できる明るさでしょうか。その美しい後ろ姿を追っかけながら、戻って来いよと心の中では絶叫状態。

あ、行ってしまう、入ってしまう、悲鳴に近いモノがあります。なんとか、なんとか、高度をあげて一回り、いや、半周でもいいからして顔をこちらに向けてくれ~・・・

しかし、その願いもむなしく、塒に真一文字に入ってしまいました。

出現から一分程度でしょうか。そしてファーストショットから僅か33秒の出来事でした。そう言えば渡良瀬遊水地でも最初に塒入りをしたハイイロチュウヒはこんな感じですぐに塒に入ってしまいしまた。あのときは背の高い葦原がどうしようもなかったのですが、それに比べれば今回は初めての試みとしては「まあまあ」だったのかと思いました。

さて、この後メスのハイイロチュウヒが帰還。そしてようやく最後の最後にもう一羽のハイイロチュウヒのオスが他の観察者の方によれば帰還の模様。真打ちは最後と言っても、本当に最後とは。しかも、かなりの人が撤収の最中でした。管理人も最後の帰還は暗くて写真どころか姿を見ることが出来ませんでした。時刻は17時35分位だったのでしょうか。

もう真っ暗ですね。これから横浜に帰ると思うと少々気が重いですが、それでもなんとかハイイロチュウヒを今日も見ることが出来たので良しとして、撤収と相成りました。

・・・終わり