いくぜ、新潟、山本山展望台・・・ハチクマが渡る

朝目覚めたのは3時45分。

天気は上々。

しかもまだ4時前。

うーん、白樺峠でも行って見るかとも思いましたが、白樺峠は来週行くし、そうだ去年9月の最初の土曜日に新潟の山本山展望台に行ったことを思い出しました。

本当は来週は遠出をするから近場でお茶を濁すかとも思ったのですが、南関東でのワタリはこれからといった感じであまり数は出ません。勿論、今の時期ですからどこでも似たような事情かと思いますが、山本山展望台ならば来週の白樺峠の前哨戦としては位置的には丁度いいと思ったのです。

方向から言ってここから白樺峠を目指すと思われますから、ここでの出現数、飛去数は白樺峠のワタリに直接影響を与えると思います。

さて、到着は8時10分ころ。快晴。風向きまあまあ、といった感じです。天気予報では10時頃から南風の成分が入る予定です。多分そこまでが期待できる時間帯でしょう。

それにしても眺めのいいところです。撮影が目的の人達は展望台に来る途中にある沢山ポケットパークで待機している人が多かったです。観察が目的ならやはり展望台の方が良いので、こちらで待機することにしました。

1時間くらい待ったら北西の空にハチクマが数羽のタカ柱を作りました。距離はありましたが、なんとか目で確認できます。

それからは単発だったり、数羽だったりと主にハチクマがよく出現しました。大概は渡っていったようです。

天気もよく、それに応じて高度もありどうしても遠いですね。展望台に人が大勢いるので警戒もあるのでしょうか。今日は観察に訪れるひとも多かったです。管理人達もその中に混じってますから、こればっかりは・・・何とも言えません。全員が迷彩のシートでも頭から被ればいいのかもしれませんが、それはそれで非現実的です。秋の晴れ渡った空をのんびりと見上げて渡っていくタカを見送る。まあ、それでいいじゃないですか、って感じですね。

光の加減や距離などもありまして、パシッと目が入るまでは至りません。それでも比較的近くを通るのはやはり若鳥が多いように思います。

ハチクマのバラエティに富んだ色合いを見ることは双眼鏡を使えば十分に出来ます。

真下からのショットもありです。

10時頃に風が変わりました。南風が入って気温も上がり出します。やはり飛ばなくなりました。空に上がっても渡らずみたいな個体もあります。天気は上々、しかし風悪しといった状態です。

ハチクマは約30、サシバは10~15といった感じでした。あくまでも感じです。サシバは遠くに数羽のタカ柱ができたりしたので、観測の実感より数は出ていると思います。

9月9日ですから、まだまだ前哨戦の感は否めませんが、先週の水戸に続いて中々手応えのある前哨戦でした。

山本山展望台は午前中がメインというのはその通りのようです。もう少し数がでれば下のポケットパークで撮影に臨んでみたいなと思いつつ、昼に撤収と相成りました。

追伸:
白樺峠は9月9日がサシバ 411、ハチクマ 70とこの時期にしては数が出てました。翌日の10日もサシバ 209、ハチクマ 41。滞在数もありますから一概には言えませんが山本山は土曜日より金曜日の方が飛んだのかもしれません。勿論、観察したデータがないので何とも言えませんが、要するにこの時期にしては出足が良いということになります。去年の悪天候でかなりルートの迂回などがあったように見えますが、今年はこのまま順調に推移してくれればと思います。

秋のワタリはここから・・・水戸市森林公園 Part1 ~ Part3

8月の半ばを過ぎますと、そわそわしてきます。それは秋のタカのワタリが近づいてきたからです。まだまだ暑いといいながら、タカの渡り全国ネットワークの中で先陣を切って水戸市森林公園タカ渡り調査グループの調査が始まります。

そうなると管理人達はいても立ってもいられなくなるのです。少し早いかなと思いながら、日々上がる速報の数字が気になるのです。開始当初から段々数字が上がっていくと暑いのもなんのそのと、ついつい出張ってしまいます。そして今回は8月26日~27日で泊まりと、9月3日と3回ほどお邪魔することになりました。

Part1~Part2 は8月の末ですからかなり暑かったですね。サシバのワタリの方は遠くに見えましたが渡っていく姿は殆ど確認出来ませんでした。どうも例年、管理人達が来ると飛ばないというジンクスがなんとなくあるのかなと思いつつ、今回は泊まりでと気張ってみたのですが、やはりワタリは殆ど確認出来ませんでした。

そんな中、27日に証拠の証拠ですが、観察場所の頭上高く渡っていく姿を捉えました。

遠いし逆光でかなり補正もかけているので画像がはっきりしませんが、どうやらお腹の縦縞模様からすると若鳥のようです。

さて、ここ水戸市森林公園でのワタリの観察は平成17年(2005)から記録が残っています。この観察場所の大鍋と言われるところは、おそらく水戸市内では随一の眺望ではないかと思います。

この場所にたどり着くまで色々な場所を調査グループでは模索したらしいのですが、灯台もと暗しといいましょうか、身近な公園にこんないい場所があったということになり、ここに落ち着いたようです。管理人達も色々な場所にワタリを観察に行きますが、なんと言っても眺望の良さが観察には必要です。他の場所と比較しても遜色ない眺望の良さだと思います。しかも現場に着くまで労力をあまり使わないで済みますので、足腰に多少不安のある人でもなんとか観察に参加できると思います。ただ、トイレは健常者で7~8分歩かなければなりません。ここは少々気になるところです。

さて、9月に入って最初の週末。土曜日は雨模様。しかし日曜日は晴れ。しかも朝方は北東の風で気温も低め。これは飛ぶ条件がそろったと思い、続けての出張りとなりました。

前日の悪天候で公園主催の探鳥会は中止になったようですが、日曜日はまさに秋晴れ。管理人も久々に青く広がる空を見ました。風は弱いですが、風向きはいいようです。やはり北風成分が入って気温が下がらないとワタリは数が出ませんからね。

まつことしばし、出足はいいようです。しかもハチクマが渡っていきます。

遠いと言えば遠いですが、青空をバックにハチクマのワタリの姿を見れるとは、まさに秋のタカのワタリの醍醐味です。

羽が大分痛んでいるようですが、これもワタリの時期らしいといえばらしいですね。それでもサシバなどに比べるとハチクマの方が飛翔能力は高いように感じます。

何を思ったか、反転しながらの急降下。あまりこのような姿は見かけないですが、結構サービスをしてくれました。

そしてツバメも渡ります。イワツバメがえらいスピードで飛んで行きます。

肝心のサシバですが、かなり近いところを通ってくれた個体もありしまた。

眉班からすると成鳥のメスに見えますがどうでしょうか。

そして遠いですが、かなりまとまとったタカ柱も出現しました。

現場での確認では15羽くらいのタカ柱でした。残念ながらこちらを通過しなかったのでまとまった写真は撮れませんでしたが、これはこれで良い眺めでした。

今日は昨日開催されなかった公園主催の探鳥会も開催され他の観察の方も見えたので参加人数は22名とかなり多かったです。

観察の途中に水戸市長が顔を出して熱心にタカのワタリについて聞いていたようです。ブログをみると気になるのがこの場所は小鍋ではなく大鍋なんですけどね。

本格的な秋のワタリの前哨戦と言ってはなんですが、今回は十分な前哨戦となりました。数を望むのは時期や場所的なことを考えると無理ですが、それでも次から次へと飛んでくるワタリのタカ達には十分興奮させられました。本日はサシバ出現72、飛去69,ハチクマ出現6,飛去5。その他ノスリや、ツミ、ミサゴ、言わずもがなトビとかなりバラエティに富んだ観察が出来ました。サシバの出現、飛去数は新記録だそうです。

この森林公園は水戸市民の憩いの場所としてあるのでしょうが、ワタリの時期に限らず野鳥などの観察もかなり良い場所のように思います。管理人達の住まいからも空いていれば2時間程度の行程ですし、泊まりも水戸駅まで車で20分程度なので飲食や宿泊の施設もかなりあります。地方に行くと十分な飲食・宿泊施設がなく苦労することもありますが、ここは都市と自然が微妙な近さで共存しているので活動の拠点としては恵まれた立地だと思います。

さて、さて、ここの公式観察は12時で修了です。来年もワタリの観察はここからスタートかなと思いつつ、管理人達も昼に撤収と相成りました。

追記:
水戸市森林公園をカーナビで検索するときは、「みとし しんりんこうえん」としないといけません。「みと しんりんこうえん」では検索出来ません。水戸市の施設なので名称としては致し方ないですが、その旨を公園のホームページにでも載せておいてくれると少し親切かなと思いました。最近はカーナビでの案内が圧倒的に多いでしょうから、公共・公営の施設はカーナビで間違い無く来れるのかの確認が施設側でした方が良いような気もします。何故かと言えば管理人も公共・公営の施設がカーナビで正確に案内されず困ったことが何度かあり、行くのを諦めたこともありました。とんでもない案内をされると行く気が失せることもありますから、来てもらう側からすれば勿体ない話だと思います。

里山の夏・・・サシバの親子達のその後 Part15 & Part16

今週末は田舎に帰るのでその行きと帰りに里山に寄ったのでナンバリングはPart15、Part16となりました。そしてさすがに「里山の春」とは言いがたい季節になり、雛も巣立ったので「里山の夏」としました。どうでもいいことですが、ケジメといいましょうか、区切りですね。

さて稲穂の伸び具合はかなりのもので梅雨明けはしていませんが、夏真っ盛りと言った陽気になってきました。

そんな中、巣立ちを果たしたサシバ親子達のその後が気になり、短い時間ではありますが、両日に渡って訪れることになりました。土曜日の朝、到着後すぐに目に付いたのは・・・

逆光で距離もありますが、黒い虹彩、お腹の縦縞模様などから幼鳥であるのが一目で分かります。身構えもだんだんタカらしくたように感じます。身も詰まってきたのでしょう。しかし、暫く観察していても自ら餌を獲る素振りはありません。

親の方は管理人達には目もくれず飛んで行きます。しかし幼鳥はそのようなことはありません。中々幼鳥の飛翔シーンは撮れないですね。

換羽前なんでしょうか。かなり羽がスカスカです。

それでもたまにおぼつかない足取り(羽取り?)で幼鳥が姿を見せます。電線に載ろうとしてコケそうになります。

羽をひろげたところを見ると羽の痛み具合が親に比べて殆どありません。これから換羽するような感じではないですね。幼鳥の方が渡る時期は早いと言われていますが、親鳥の換羽の時期と関係があるのでしょうか。

この両日はよくオスを見かけました。メスもいるにはいましたがあまり飛びません。

暑いせいか口をあけて飛んでいます。南洋系のタカとは言えこの暑さはやはり堪えるのでしょうか(笑

先ほどの幼鳥と比べると羽が随分と痛んでいるように見えます。痛んでいると言うよりは換羽の途中といった方がいいのかもしれませんが、やはりワタリの時期がずれるのはこの羽の所為のような気がします。

すでに巣立ちをしていますから巣は空っぽです。ですが巣の近くで親子達は暮らしているようです。気がついたのが遅くて写真には撮れませんでしたが、土曜日は朝方上昇気流にのって滑翔の練習を親と一緒にやっているかのようでした。

日曜日、子供達の啼く声はよく聞こえたのですが、飛び立つことはありませんでした。時間が少し遅かったかもしれません。いずれにしても親は子供達を誘導するかのように時折飛び回ります。親が餌を咥えて飛んでいるとこを見ませんので餌自体は森の中で捕獲しているのかもしれません。

別場所で観察していたら四羽から五羽のタカ柱を見ることも何度かありました。この時期はミニタカ柱が立つことがしばしばあるようです。まさに秋の予行演習ですね。

さて、そうなると一旦は区切りをつけたつもりのサシバの観察ですが、「里山の夏」バージョンも考える、つまりワタリ時期の確認です。

ただ暑さが・・・まあ、田園を吹き抜ける風は都会と違って心地よいですが大概は日除けもない場所での観察ですからね。逡巡してしまいますが、このまま秋のワタリまで見届けてやりたいと言う気持ちは日に日に強くなって来ました。

さて、さてどうしたものかと思案しながらの撤収と相成りました。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part14

翌日は雨も上がって結構早くに観察に出かけました。メスの親が餌取りをしているところに遭遇。昨日は子供の姿が見えなくなったところで管理人達も撤収したのでその後が気がかりです。

とりあえず巣をのぞいてみると・・・

最初は一羽しか見えませんでしたがしばらくすると・・・

両方お腹が縦縞で虹彩も黒いですから子供達ですね。昨日は見えなかった二番子も餌を貰いに戻って来たのでしょうか。

どうもタイミングが悪いみたいで親が戻ってくるといない・・・みたいな感じですね。自力では餌は捕れなくてもかなり大きいですから動き回ることは動き回るようです。まあ、これは致し方のないことなんでしょう。

それでもなんやかんや観察していると最大で4羽が飛んでいるのを確認出来ました。まあ、遠くて写真にはなりませんでしたが。どうやら一番子以外はまだこのあたりにウロウロしていたということなんでしょう。

羽がかなりボロボロです。これから換羽するのでしょう。最後はメスの親と三番子が上昇気流に乗ってどこかに飛んで行きました。それっきり巣の回りに気配がなくなりました。その時は動画を撮っていたので写真は撮れませんでしたが、ほんの僅かですが二羽で巣を飛んで行く姿を動画に収めることは出来ました。これが見納めだろうなという思いがしました。

里山に通うこと幾十度。Partも14まで来ました。今週末は田舎に帰るので途中に寄ってみるつもりですが、おそらくはこの場所にはいないと思います。ですが、一番子以外は無事な姿を確認出来ましたからそれで十分と言えば十分です。おそらく一番子もどこかで元気に飛び回っていると思います。

整理すると、一番子とオスの親が最初に次の餌場に移動し、二番子が次に移動、そして最後は三番子がメスの親と一緒に移動、そんな感じだと思います。サシバは夏には森の中に移動し、餌もカエル類からセミなどに変わり、養生しながら換羽して秋のワタリに備える・・・こんな段取りのようです。

このあたりのサシバはワタリの時期がいくらか早く、八月の半ばくらいから始まるのではないかと思っています。足環をつけて確認するわけにもいきませんから何とも言えませんが、比較的近い場所のワタリの実績をみるとそんな気がします。

サシバに限らずタカのワタリについては不明な点が多く、解明されていないことが沢山あるようです。管理人達が少しばかり観察をしたからと言って不明な点が分かるはずもありませんが、それでも営巣を断続的ですが観察していると色々なことに気づきます。特に営巣に好適な場所はいくつかの(古)巣を比べるとなんとなく見えてきます。

不用意に近づきすぎて観察圧力を強くかけ続けると営巣の放棄という最悪の事態を招きかねませんから、そのあたりは注意が必要です。それでも雛が孵ってからは放棄するようなことはなさそうです。

気のせいかもしれませんが、通い続けていたらサシバの方の警戒心が薄らいだのか、結構近くを平気で飛んで行くこともありました。これが仇になって望遠レンズでは撮りはぐれることしばしばでしたが(苦笑

さて、名残惜しいのは山々ですが、これで観察も一段落です。まあ、無事な巣立ちを確認できたのは本当に良かったと思います。ですがサシバにしてみればこれで終わりではありません。ワタリを無事にこなし来年は子供達が成長して、ここに親鳥として戻ってきて欲しいのです。おそらくは同じ場所に巣は作らないらしいですから、来年も営巣場所がみつかるかは分かりませんが、元気な姿を見ることができるように祈りながら撤収と相成りました。