戸隠森林植物園 2019

管理人達が戸隠へこの時期に行くようになったのは2016年からです。

今年で4シーズン目と言うことになります。

5月の後半から6月の上旬にかけて1回ないし2回の出張りとなっています。

思えば2015年以前はアカショウビンが出ていてかなり賑やかだったと人づてに聞いています。

それがあったからと言う訳でもないのですが、次の年から行くようになったのですが、残念ながら戸隠ではアカショウビンの声すら一度も聞いていません。

渡って来た時に県庁の(裾花川)ハヤブサに襲われたとか話は聞きますが、現状いないモノはいないと言うことですね。

人づての情報によれば信濃町の辺りにいるとか言う話も聞きますが、範囲が広いし仮に鳴き声が聞こえたとしても容易に姿を見られるはずもないでしょう。

戸隠森林植物園の人気があるのは鳥と人間の境界があり、繁殖の時期でも観察が比較的容易だからだと思います。

本来の自然の中にあってはアカショウビンに限らず繁殖している姿を見られる場所はそうそうないと思います。

なんて、能書きはさておき、今年の戸隠森林植物園ですが・・・先にネタばらししておきますが、どうも季節が遅い感じがしました。

ともかく鳥の姿が見えない。

水芭蕉は咲いていますが、ツツジが咲いていない。

そして何より繁殖の気配が殆ど無い。

キバシリとゴジュウカラの繁殖くらいは見られましたがその他が殆どない。

アカゲラの姿も飛んでいるのをチラ見しただけですね。

そして何より残念なのが「もりのまなびや」付近にあったフクロウの巣箱が無くなっていたことです。たしかみどりが池の方にももう一つあったと思うのですが、それも無くなっていました。

そしてフクロウの声も聞こえませんでした。

何の理由によるものかは分かりませんが、昨年までは見られたフクロウが今年は全く見ることが出来ませんでした。

まあ、それでも植物園を回っているとそれなりに野鳥を見ることは出来ます。

昨年は「もりのまなびや」近くのトイレに巣を作っていたキセキレイですが、今年はまだ繁殖には至っていないようです。

ミソサザイは相変わらず良い声を聞かせてくれますが、これも出現頻度は少ないように思います。

シジュウカラによく似たヒガラ。胸のネクタイがありません。これも繁殖している気配がありません。

みどりが池の脇で見かけたアカハラ。これもよく見る鳥ですが、今回はここだけでした。

囀っているアオジ。夏鳥としては横浜では見ることがありませんが、ここなら囀りを聞くことが出来ます。

それでこれが不思議なんですが、縄張り争いをしているキビタキ。

普通この時期に縄張り争いをしているのか・・・と疑問に思いました。

縄張り争いでもしていないと飛んでいる所は中々撮れませんからね。いいんだか、悪いんだか、よく分かりません。

コサメビタキ。これは繁殖している感じでしたが、巣は分かりません。1つ位はコサメビタキの巣も見られると思ったのですが、それもありませんでしたね。

と、まあ、管理人の観察力が足りないのか努力が足りないのか分かりませんが、写真的にはボチボチと言った感じでした。サンショウクイやコルリの声は聞こえるのですが近くには来てくれません。

まあ、管理人の勝手な推測ですが、今年は繁殖の時期が遅れているような気がします。

他のウォッチャーさんがオオアカゲラのディスプレイを見たとか、先のキビタキの縄張り争いとか、ツツジが咲いていないとか・・・取るに足らないことの羅列で恐縮ですが、そんなことを繋ぎあわせていくとそんな気がしてなりません。

今年に限った一過性のことならいいのですが、不安もあります。

不安と言えば、植物園の木道がかなり毀損していて歩くにも相当の注意を払わないと行けない状況です。

注意喚起のために動画を上げておきます。

毎年雪に埋もれる木道ですから痛みも早いのかもしれませんが、誰か怪我でもしたら即使用中止になるのではないかと気がかりです。

使い道を指定したふるさと納税も出来るとのことですから、この件に適用出来るか調べて可能なら些少でも納税したいと思います。

今年の戸隠森林植物園は野鳥に関しては不調でしたが、戸隠キャンプ場でのキャンプライフは最高でした。これはこれで別件で投稿したいと思います。

なんだかんだ言ってもやはり年に一度くらいは行きたくなる場所ですね。今年は初のキャンプ場での滞在になりました。まあ、テントは設営が大変だし時間もとられるのでロッジでのキャンプでしたが、これはこれでいいものでした。

追記:
滞在初日の夜、突然、ヨタカの鳴き声が一度きりでしたが聞こえました。キャンプ場に滞在してこその邂逅だったようです。

滞在3日目の早朝、回りの森からものすごい数の鳥の声が聞こえました。思えば滞在初日、2日目と鳥の声は比較的静かでしたが、気温の上昇と共に活性が高くなってきたのでしょうか。

何せ2日目の朝の最低気温は1.3度まで下がりました。相当に寒かったですね(苦笑

まあ、来年も懲りずに行くだろうなと思いつつ、3日目の朝は賑やかな鳥の声に未練はありましたが、朝食後早々の撤収と相成りました。

戸隠森林植物園 2018 Part3

3日目の朝。起床は4時30分。

まなびやに到着したのは5時ちょっと過ぎ。

ともかく寒いです。一昨年、同じく戸隠で6月の始めに6度というのは体験しましたが、それより寒いですね。

もっとも昨日の朝は8度くらいあったのですが、風が強かったせいで体感温度がかなり低くなり、それで寒さ対策をちゃんとしようと言う気になったので本日はそれなりの準備をしてきました。

信州はやはり首都圏と比較にならないくらい寒くなるときは寒くなると覚悟しておいた方がいいんですね。

それでも湿度が高いせいか冬の寒さとはちょっと違う感じではあります。

さて、植物園に入るとフクロウの巣の前にすでにカメラマンがファインダーをのぞき込んでいました。巣からは雛は見えません。

「いつもの場所に居ますよ」

と声を掛けてくれたので、森の奥をのぞき込んでみると・・・

場所は大体のところは予め教えて貰っていたのですが、初めてなので探すのに少し手間取りました。

先着のカメラマンのアドバイスもあり、発見。

分かって慣れれば、双眼鏡が無くても個体が結構大きいので枝止まりしているのは分かります。ただし、分かるとは言っても相当遠いです。

フクロウと言うヤツはともかく動きが少ないですよね。今はまったりタイムになっている感じです。活動時間はもっと早いか深夜なんでしょう。中々動いているとこはお目にかかれません。

それでもたまに移動したりします。うっすらと目を開けることもあります。この程度の動きでも変化があれば少しは退屈しないで済みます(笑

まなびやの入り口付近で観察していると、次から次へとバーダーの方達が切れ目無く訪れます。皆さん早起きですね。

管理人達もスコープを立てて見ていたら、いつの間にかフクロウのご案内役みたいになっていました。

戸隠森林植物園に朝一に到着して開始早々フクロウを観察出来たと言うことで、大概の皆さんは幸先の良いスタートに盛り上がっていました。

そしてこの寒さにも驚かれていたのが印象的ですね。

いつの間にか個体は二つになっていました。雛ではないようでオスメスの親なのでしょう。給餌しているのか何か咥えたものを与えているような仕草です。

暗い森の中に日差しが少しだけ差し込みそこに佇むフクロウの姿。

森の賢者(哲学者)なんて呼ばれ方もするようですが、こんな姿を見ていると何となくですがそんな気もしないではありません。

管理人達がいる間はその姿を結構長い時間見せてくれました。但し、雛の姿は巣箱からも見えませんでしたし、近くに見当たりませんでした。巣立ったのでしょうか。親も巣箱に近づきませんでした。

まあ、やっと3シーズン目で何とか親の姿を見ることが出来たので良かったです。

そう言えばフクロウカフェみたいなものもあるようで、フクロウの姿は可愛く人気があるのもなんとなくは理解出来ます。でも、こうやって森の中にいるフクロウを見ていると(人に飼われる)ペットにするような存在ではないように思います。

まあ動物園みたいに知見を広めるための最低限必要な部分だけなら致し方ない場合もあるのでしょうが。

さて、さて、戸隠森林植物園の遠征は今季はこれ限りになります。信州に限らず日本にはまだまだ管理人達が知らない場所がありますから、それも知りたいと思いますので次はどこにするか少し迷っています。

そんなこんなで朝の観察を終えホテルに戻り朝食を摂ってから戸隠から撤収と相成りました。

戸隠森林植物園 2018 Part2

昨年、一昨年とフクロウの雛は見ることが出来ましたが、親はまだ見ていません。夜行性なので昼間は観察は難しいですが、それでも巣の近くにはいるだろうと思いのんびりと構えて待つことにしました。

まなびやに戻ると数人の観察者・カメラマンがいました。まあ、ぼちぼち雑談などをしながら待っていると・・・

頭上に猛禽の影が。それも二つです。

こりゃ、こりゃ、なんだよと思わず皆で上を仰ぎ見ると・・・

りっぱなハチクマの成鳥ではありませんか。一見したときはクマタカにも見えたのですが・・・期待外れと言ったらハチクマに失礼ですね(笑

実際ワタリの時期に遠くに見えるクマタカをハチクマと思い込んで見逃す場合もありました。後で撮った写真を見て驚いたことも2、3回あったように記憶します。

こうやって後で補正していますからなんとか同定出来ますが、現場ではほぼシルエット状態でした。ただ、比較的低い飛翔だったのでそこそこには写っているようです。飛翔の低いのは曇り空の所為でしょうか。二羽いましたからディスプレイフライトなのかとも思いますがどうでしょうか。案外ワタってきたばかりかもしれません。2、3分ほど飛んでどこかに行ってしまいましたが、この近くで繁殖するのでしょうか。そちらの方が気がかりですね。

それにしてもフクロウは動きが少ないですね。まあ、昼間は仕方ないですが・・・

何人かいた人達もあまりにも動きが無いので次の場所へ移動しました。管理人だけが寂しく1人で残ることになりました。

半分居眠りをしながら観察になってしまいました。まあ、朝早かったと言うより殆ど夜中に出てきたから当然でしょうか。

うつらうつらしながらたまに目を覚まして巣箱を見てみるそんな状態が暫く続いたのですが・・・

親の「ほー、ほー」という鳴き声が聞こえました。眠気が飛んで巣を見てみると・・・

ありゃゃ、結構雛は大きくなっているではありませんか。巣立ちが近いような感じです。

バタバタと親の姿を探しに出ると、とりあえず発見。しかしすぐに見えない所に止まり、その直後に地面向かって餌を獲りに飛び出しました。藪の中に飛び込むようにしてその後姿が見えません。

「こりゃ、巣箱に親が来るぞ」

と期待しながら待ったのですが・・・

当てが外れたのは管理人だけではなく雛も同様だったようです。顔を出していたのはせいぜい1分か2分程度。親が餌を持ってこないとなると顔を引っ込めてしまいました。

どうやら巣立ちを促しているのではないかと思います。それにしても雛は一羽だけなのでしょうか。それも気に掛かります。

結局は親の姿を捉えることは出来ませんでした。

うーん、今年も駄目なのかと諦めモードになりましたが、まあ翌日に期待してと言うことになり初日は撤収してホテルへ。

明けて翌日は結構気温が下がりました。暑かった昨日がウソのようです。

まなびやの朝の温度計は・・・

昨日の日中に比べると20度以上下がったことになります。風もあり体感温度はかなり低いです。

昨日と同じくオオアカゲラの巣からは雛の顔は見えませんでした。

気温が急に下がった所為か鳥たちの活性も低いように思います。

昨日はミソサザイも元気に啼いていたのですが・・・

今日は声が聞こえません。

そんな中ノジコが啼いていました。

あとまやびやの入り口のトイレの屋根下にキセキレイの巣がありました。

人が集って巣を観察していると餌を咥えた親は近くの木に止まって巣に入るのを逡巡していました。

観察圧力なのでしょうか。遠くから見ていると人がいなくなると巣に戻って餌を雛に与えていました。視界に人が入ると警戒するようです。やはり巣の近くに必要以上に屯するのは避けるべきだと感じます。

観察するならするで適当にカモフラージュするなど配慮が必要だと思います。

さて、本日はあまり動きがありませんでした。明日は更に寒くなるとか。

フクロウに出会えたら明日の朝は県庁のハヤブサでも見て帰ろうかと思っていたのですが、明日もこちらに来ることにしました。それと話によると今年のハヤブサの巣は見えないところにあるらしく雛たちの姿は見えないそうです。まあ、ハヤブサはご近所でも見ることがありますからね。

さて明日は寒さ対策を更に施さねば思いつつ撤収と相成りました。

・・・続く

戸隠森林植物園 2018 Part1

今年も戸隠に行きます。一昨年2回、昨年2回遠征しました。今年は諸般の事情により今回限りとなりますが、どうなるでしょうか。

一昨年初めて遠征した時は、アカショウビンが見られたらと思い遠征しました。が、植物園には現れませんでした。

現地の噂では2016年に県庁のハヤブサに襲われたとか聞くこともあります。2015年までは確認されているのですからあながち与太話でもないかもしれませんが、真偽は分かりません。

しかしアカショウビンがいなくても戸隠はやはり野鳥達を見るのに訪れたい場所の一つではあります。

今年は特に後ろ姿しか撮れなかったクロツグミとフクロウの親を見てみたいと思っています。

2時30分起床、3時出立。午後から雨の予想が出ていますので午前中だけでもと思い少し早めの出立となりました。平日なので現地での混雑は大丈夫だと思います。

夜明けが大分早くなってきました。甘楽に着いたときは(5:18)すでに陽が上がっていました。

植物園には7時40分頃到着。まなびやの森の駐車場は疎らでした。平日ですからね。

さて、まずフクロウの巣箱ですが・・・

おそらくは雛がいるのではないかと思われますがご覧のとおり顔は出してくれません。昨年はすでに巣立っており隣の林で巣立ちの雛を探すのにエライ苦労しました。今年はどうでしょうか。

まずは園内を一回りします。相変わらず熊の目撃情報もあります。人が出歩く時間帯になっていますので大丈夫だとは思いますが一応熊鈴も持参。

みどりが池を回ってとりあえず水ばしょう園に向かいます。途中木道が痛んでいるのか通行できない通路もありました。木製ですから痛みが激しいと歩くのに結構危ないですね。建造した時期が同じだと同じ頃にいたんで来るようで中々補修の手が(おそらく予算が)回らないようです。バリアフリーであることをアピールしていますが現状ではなかり難しい状況かもしれません。とりあえず些少ですが寄付はしました。

いつもならミソサザイのけたたましい鳴き声がするのですが今朝は静かです。道々カメラマンも見かけません。

水ばしょう園の少し手前のT字路に来ると数名のカメラマンが。レンズの先を見ると・・・

オオアカゲラのオスが餌を持ってきたところでした。オオアカゲラは昨年来たときはすでに巣立っており観察出来ませんでしたが、今年は間に合いました。一昨年の場所から比較的近いので同じ個体かもしれませんが、地元の人に聞いてもそれは分からないとのこと。さもありなんですね。

オスの後はメスが。

ちょいと飛び出しを狙ってみましたが・・・

イマイチピンが来ていないですね。

オスの飛び出しも狙ってはみました。

これもイマイチですね(苦笑

まあ、これにこだわると撮影枚数がやたら増えて後が大変なのでほどほどにしておきました。

オオアカゲラの営巣もここでは簡単に見ることができますのでやはりここは有り難い場所ですね。

オオアカゲラを撮っていたら近くでコルリの声がします。「何処だ、何処だ」と数名が集まり探していると・・・

三脚を持って移動できる場所ではなかったので手持ちでとりあえず撮影。ロケーション的にはかなり厳しい場所でシルエットしか見えません。写真を見るとあまり綺麗に色が出でいません。オオルリもそうですが、この手の鳥の色合いを綺麗に出すのはかなり難しいですね。

どんな鳥が啼いているんだみたいな話が連れ合いと出たとき、

「オオルリが小さくなったみたいな鳥・・・」

「それって素直に、コルリでいいんじゃない」

みたいな笑い話を連れ合いとしていました(笑

クロツグミの声もします。しかし相変わらず姿は見えません。しばらくはクロツグミも期待していたのですが声もしなくなりました。

さて、午後からはフクロウ番でもしようかと思いまなびやに戻ることにしました。

・・・続く