事故車両、穴に埋める 「事故原因隠蔽では」「生存者いるかも」…ネットで反発渦巻2011.7.25 10:50 24日午前、中国浙江省温州市で破壊される高速鉄道の先頭部分(共同) 【温州(中国浙江省)=河崎真澄】中国の浙江省温州で23日夜に起きた高速鉄道の追突事故で、消防隊や軍など救援隊が24日夕までに大破した車両の一部を重機で現場に掘った穴に埋めてしまった問題で、インターネット上では「車内には生存者がおり、遺体、遺留品もあるかもしれないのに、どうして急いで埋めたのか。最後まで探したのか」と反発する声が渦巻いている。 破損車両は事故原因の究明にも欠かせないが、24日深夜に温州で記者会見した中国鉄道省の王勇平報道官は、運転席など車両の先頭部分を地中に埋めたことを認めた上で、「危険回避の緊急措置だった」と反論した。車両落下地点の農地は激しい雷雨でぬかるみになっており、救援隊や車両を現場に入れるために必要な措置だったと釈明した。 しかし、こうした説明に対し、ネット上では「技術的な問題が引き起こした人災としての事故原因を隠蔽するためではないか」「安全性の向上のためにも事故車両は保存して徹底研究すべきだ」などとする声であふれている。ネットユーザーは当局の事故処理への疑念を深めているようだ。 事故車両は24日夕までにすべて撤去された。 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110725/chn11072510520005-n1.htm |
信じられない事故だと思ったらその対応も信じられないものですね。
>23日夜に起きた高速鉄道の追突事故で、消防隊や軍など救援隊が24日夕までに大破した車両の一部を重機で現場に掘った穴に埋めてしまった
一日も経たないうちに事故車両を埋めるって一体どういうことなんでしょうか。関連ニュースでは別の車両の解体作業も開始だとか。現場は危険な状況というけど、高架から事故車両を無理無理降ろす方がよっぽど危険な気がします。百歩譲って危険な現場から事故車両を除去するのは良いとしても穴に埋めたり解体したりする必要は無いと言うより、してはいけないはずです。
言うまでもないことですが、完全に生存者がいないかどうか、たった一日に満たない捜索でいいのでしょうか。日本といわずまともな国ならこれだけで大問題でしょうね。ましてや事故原因の究明に欠かせない事故車両を処分してしまうのですから、開いた口が塞がないと言いましょうか、呆れ果てて物も言えないと言いましょうか。劣化コピーも信じられない話ですが、この事故の対応はそれに勝るとも劣らぬ信じられないものです。
昨日のブログで技術に対する謙虚さが無いという話をしましたが、まさにこの対応はそれを裏付けるものでしょう。日本も数多の鉄道事故を経て現在の新幹線があるのです。事故を謙虚に受け止め反省し、同じような事故が起きないように努力してこなければ、日本だって中国の高速鉄道と同じような事故を起こしていたかもしれません。
中国の高速鉄道は車両はともかく信号などの運行システムは本当に独自のようです。これは信号システムがかなり高価だったのもあるでしょうが、多寡が信号システム如きと軽く考えていたのではないでしょうか。ソフトの海賊版が当たり前の中国では、運行システム(つまり運行ソフト)に対価を払うという発想がそもそもないのかもしれません。
確かに、中国にも優秀なIT技術者は沢山いるでしょうから、独自の開発を行うというのは結構な話ですが、今回に関してはハードさえなんとかすれば後はなんとか高速鉄道を動かせると思い切り勘違いしているような気がしてなりません。実際はハード以上に運行のシステム(ソフト)が安全を担保するためには重要であることは言うまでもないことなのですが。
それにしても事故原因がはっきりとしないうちに鉄道局長らの幹部が即日に更迭されたり、鉄道報道官が「技術は先進的」「なお自信を持っている」と強調したりと、まだまだ今後も信じられない対応が続々と出てくる気がします。
改めて事故で命を亡くされた方々のご冥福を祈ります。