管理人は正月に欠かさず観るテレビ番組があります。それは日本テレビの「箱根駅伝」。古い話になりますが、箱根駅伝は最初はテレビ東京(1983~1986)で放映されていたらしいのです。管理人はそれを観た記憶はありません。やはり「箱根駅伝」が全国区になったのは日本テレビに放映が移ったためと考えていいのかもしれません。ちなみに完全中継をするようになったのは1989年からとのこと。
まあ、そんなことはさておき何で「箱根駅伝」がこれほど人気があるのか。まず、正月にはこれと言ったスポーツイベントが無い。高校サッカーはありますが、高校野球に比べたら昨今のサッカー人気をもってしても今ひとつインパクトが足りない。何故か。それはサッカーに対する認知度と言うよりもメディアの報じ方でしょう。放映に関して二日で終わる箱根駅伝より長くなり、継続的に観る人が見込めない。
箱根駅伝は元旦ではなく二日三日の主に昼過ぎまでの放映であることが正月の暇時間を持てあましている(管理人を含めた)暇人には何かと好都合なのです。午後は初詣、年賀、来客と予定があってもこなせるからですね。
まあ、このあたりは正月休み中ならではの要因ですね。でもね、本当の人気の理由はもう少し違った所にもあるような気がします。
それは何よりも、「残酷」だからではないでしょうか。選手交代も当日の朝にあり(病気、けが以外でも)なのは箱根駅伝のみだとか。所謂「戦術的選手交代」が認められているということらしいのです。これは選手にとってはたまりません。勿論勝つためと大義名分があるのですから、選手の心情云々は埒の外というスタンスは有りなのでしょう。
まあ、所謂実情が全く無いと言ったら嘘になるとは思いますが、走る側にもかなり「非情」なスタンスが必要になるわけです。
さらにそれの上を行く、運営上のルールがまたきつい。いや、スポーツというヤツはルールを厳格に守らねば成り立ちません。まあ、先にサッカーの話が出ましたが、審判により判定の差があり、管理人なぞは結構イライラすることがあります。まあ、審判による主観の違いと言うヤツかもしれません。管理人はサッカーが決して嫌いな訳ではないのですが、この辺りのことに関しては観ていて結構気分がモヤモヤします。
さて、箱根駅伝ですが、このルールを守るということに関して、観ていて気持ちが良いくらい、もしくは気持ちが落ち込むくらい厳格です。
例を出すなら、今回の駅伝の復路、鶴見中継所。神奈川大学の4秒おくれで襷がつながらなかったことなぞはその典型でしょう。なにも繋げなかった選手だけが悪いわけではない。今まで繋いで来た結果ですから致し方ないのですが情としては少し位いいじゃ無いかと思いたくもなります。
でも、駄目なんです。
これを認めたら箱根駅伝は成り立ちません。勿論、箱根駅伝だけではない話ですが、一般の人達がこのスポーツの持つ「残酷」さに触れる新年のイベントが箱根駅伝ではないでしょうか。最近は元旦にはニューイヤー駅伝とかも全国ネットで放映されていますが、まだまだ歴史、知名度、認知度においては比較になりません。
まさにスポーツは筋書きの無いドラマです。そしてその源泉はこの「残酷」さです。つまりルールを厳格に守りその結果を全て背負うということです。現実社会ではややもすると実情に流されることもありますが、スポーツの世界では少なくてもルールの運用に関してはそれは許されるべきではないはずです。だから、予定調和ではない人間の想像を超えたドラマが生まれるのでしょう。
あまり小難しいことを考えても栓の無い話ですが、そんなドラマの成り立ちまで考えてしまうようになってきたのは年のせいかもしれないと考えると苦笑してしまいます。