タカのワタリ 2018 Part5・・・白樺峠

今年は白樺峠に2回遠征しました。それで今ワタリの速報を眺めながら思い出しています。

最初の遠征は9月16日~18日でした。

最初は14日~16日に宿を予約していたのですが、15日が雨になりそうなのでなんとか予定を2日ずらしました。

連休でもあるので常宿を半年くらい前に予約していたのですが、それを変更することが出来ずキャンセル。なんとか見つけた宿に予約を取ったのが出立3日前という慌ただしさでした。

今年は天候には泣かされました。

さて、出立は16日の3時20分頃。こちらは雨は降っていません。

中央道原PAに5時40分到着。ご覧のとおり地面が濡れています。

白樺峠に到着したのは8時10分頃。

雨は降っていません。なんとか青空も見えています。正確に気温は分かりませんが体感では14~15度くらいの感じでしょうか。半袖では寒いですね。

ギャラリーは日曜日なのでそれなりです。

10時04分頃、最初に頭の上を通過していったのはハチクマ。

遠いですけどようやくと言った感じです。

なにせここに来るまで連敗続きでしたからね(苦笑

水戸でも山本山でも雨に祟られて青空のワタリはこれが初見となりました。

そして更に近くに飛んできたハチクマ。

虹彩が赤いのと全体の感じからオスの成鳥のようですが、首をこちらに捻りながら飛翔していきました。若ではなく成鳥がこんな感じで近寄ってくるのは珍しいのかもしれません。

その後もハチクマの飛翔が続きます。

ちなみに16日のワタリは・・・(白樺峠のタカのワタリ・2018年度速報より)

サシバ  422
ハチクマ 616
ノスリ   19
ツミ    16

数字の通りハチクマデーです。サシバは422となっていますが、鷹見の広場からは殆ど見えません。

一時は青空も見えましたが、基本は曇りです。写真を見て貰えばわかると思いますが。

まあ、鷹見の広場は10時頃から14時過ぎくらいまでは数はともかくハチクマ基本で間断無くと言った感じでした。

・・・続く

管理人越後路を行く・・・松之山 Part 4

しばらく動きを見ていると色々と面白いことが分かって来ました。

クマタカが動く時にサシバの鳴き声が聞こえてくるのです。サシバはこの時期繁殖しています。松之山は北関東などに比べると田植えも遅く、その為か繁殖もつられてか遅いようです。この時期に雛が孵っていたとしても生まれたばかりでしょう。

クマタカの巣の場所は見当が付きませんが、サシバはこの近くにあることは間違いないでしょう。クマタカがサシバの雛を餌として狙っている・・・とも思えませんが、縄張りがバッティングしていることが影響しているかもしれません。

凄いですよ。サシバがクマタカにモビングをしかけるのです。体の大きさから考えるとサシバは二回りくらい小さいですが、それをもろともせずにクマタカに挑んで行きます。

管理人も随分とサシバを見てきましたが、モビングされることはあってもするのは見たことがあまりありません。たまにトビやカラスに対して行うことはあるでしょうが、基本的には大人しい性格なのではないかと思っていました。但し、どんな動物でも雛が孵った直後は警戒心が高くなり雛たちを守ろうとして強い行動にでる場合がありますが、それなのかもしれません。

こう言ってはなんですが森の王者とか呼ばれているクマタカが二回りも小さいサシバにモビングされている図は松之山ならではの光景なのかもしれません。

そして帰ろうかと思っていたら本日最後のシメとしてシメに似ているイカルが近くに来てくれました(笑

初日は午後からの限られた時間でしたが二度ほど現れたクマタカでした。明日も同じ場所で観察を続けることにして撤収。宿までは数分ですから、随分と移動は楽でした。

明けて土曜日。

朝飯前に一回り松之山周辺を回ってみました。6時近くなってからようやくアカショウビンの声が聞こえました。しかし姿はやはり見えません。

思えば以前アカショウビンを撮った時はもっと厳重な用意と作法が必要でした。出会い頭で逢うことは希で、餌場かソングポストを見つけてブラインドを仕掛けねばりづよく待つ・・・まあ、一筋縄ではいかない相手であることは承知しているのですが、やはり姿も見られないとなると少々気落ちしますね(苦笑

さて、朝飯後に昨日と同じ場所にスタンバイするとサシバが体を捻ったりしながら急降下を繰り返していました。

これは何の意味があるのか、管理人には分かりかねますが餌を獲っているようには見えません。

暫くそんな動きを繰り返していると、そのうちに空高く上がって何処ともなく姿が見えなくなりました。

管理人は首を傾げながらスコープで森の中を見ていると・・・

いやいや、これにはドキリとしました。これはサシバが見えなくなってから数分後に撮ったのですが、クマタカが枝止まりしていたのです。

このクマタカもこれから直ぐに飛び出して行きました。

しばらくは森の中を悠々と周回しています。

うーん、こんなところで餌獲りはないだろうし、サシバの巣もこんなところにはないと思うし・・・

なんて思いながら、目の前を悠々と飛んでいるクマタカを眺めていました。

ちょっと目を離したら姿が見えなくなってしまいましたが、何気なく見上げるとかなり大きな猛禽の影が近づいてくるではありませんか。

こりゃ大変だとばかりにすぐにレンズを向けました・・・

「あれれ???」

一瞬頭の上をクマタカがかすめたかと思ったのですが・・・

クマはクマでもハチクマでした。いやぁ、ハチクマが出てほんの僅かですが残念に思ったなんてここでしかない話ですね(笑

管理人の当て推量、「この辺りはサシバ、クマタカ、(ハチクマも含めて実はトビも)の縄張りがバッティングしているのではないか」と言うのもあながち的外れでないようにも思います。

白樺峠でワタリを観察している訳ではないのです。松之山はサシバ、ハチクマは明らかに繁殖の為にいる訳で、もしそれらの繁殖の影響でクマタカなどの動きも刺激されているとしたらこれはこれで見逃せない状況だと思います。

すこし間が空いてうつらうつらしているとサシバの声が聞こえてきました。そして目を向けると・・・

クマタカのお出ましです。実は朝もサシバは啼いていたのですが、まさにこの時はサシバの声に起こされたと言う感じでした。

・・・続く

戸隠森林植物園 2018 Part2

昨年、一昨年とフクロウの雛は見ることが出来ましたが、親はまだ見ていません。夜行性なので昼間は観察は難しいですが、それでも巣の近くにはいるだろうと思いのんびりと構えて待つことにしました。

まなびやに戻ると数人の観察者・カメラマンがいました。まあ、ぼちぼち雑談などをしながら待っていると・・・

頭上に猛禽の影が。それも二つです。

こりゃ、こりゃ、なんだよと思わず皆で上を仰ぎ見ると・・・

りっぱなハチクマの成鳥ではありませんか。一見したときはクマタカにも見えたのですが・・・期待外れと言ったらハチクマに失礼ですね(笑

実際ワタリの時期に遠くに見えるクマタカをハチクマと思い込んで見逃す場合もありました。後で撮った写真を見て驚いたことも2、3回あったように記憶します。

こうやって後で補正していますからなんとか同定出来ますが、現場ではほぼシルエット状態でした。ただ、比較的低い飛翔だったのでそこそこには写っているようです。飛翔の低いのは曇り空の所為でしょうか。二羽いましたからディスプレイフライトなのかとも思いますがどうでしょうか。案外ワタってきたばかりかもしれません。2、3分ほど飛んでどこかに行ってしまいましたが、この近くで繁殖するのでしょうか。そちらの方が気がかりですね。

それにしてもフクロウは動きが少ないですね。まあ、昼間は仕方ないですが・・・

何人かいた人達もあまりにも動きが無いので次の場所へ移動しました。管理人だけが寂しく1人で残ることになりました。

半分居眠りをしながら観察になってしまいました。まあ、朝早かったと言うより殆ど夜中に出てきたから当然でしょうか。

うつらうつらしながらたまに目を覚まして巣箱を見てみるそんな状態が暫く続いたのですが・・・

親の「ほー、ほー」という鳴き声が聞こえました。眠気が飛んで巣を見てみると・・・

ありゃゃ、結構雛は大きくなっているではありませんか。巣立ちが近いような感じです。

バタバタと親の姿を探しに出ると、とりあえず発見。しかしすぐに見えない所に止まり、その直後に地面向かって餌を獲りに飛び出しました。藪の中に飛び込むようにしてその後姿が見えません。

「こりゃ、巣箱に親が来るぞ」

と期待しながら待ったのですが・・・

当てが外れたのは管理人だけではなく雛も同様だったようです。顔を出していたのはせいぜい1分か2分程度。親が餌を持ってこないとなると顔を引っ込めてしまいました。

どうやら巣立ちを促しているのではないかと思います。それにしても雛は一羽だけなのでしょうか。それも気に掛かります。

結局は親の姿を捉えることは出来ませんでした。

うーん、今年も駄目なのかと諦めモードになりましたが、まあ翌日に期待してと言うことになり初日は撤収してホテルへ。

明けて翌日は結構気温が下がりました。暑かった昨日がウソのようです。

まなびやの朝の温度計は・・・

昨日の日中に比べると20度以上下がったことになります。風もあり体感温度はかなり低いです。

昨日と同じくオオアカゲラの巣からは雛の顔は見えませんでした。

気温が急に下がった所為か鳥たちの活性も低いように思います。

昨日はミソサザイも元気に啼いていたのですが・・・

今日は声が聞こえません。

そんな中ノジコが啼いていました。

あとまやびやの入り口のトイレの屋根下にキセキレイの巣がありました。

人が集って巣を観察していると餌を咥えた親は近くの木に止まって巣に入るのを逡巡していました。

観察圧力なのでしょうか。遠くから見ていると人がいなくなると巣に戻って餌を雛に与えていました。視界に人が入ると警戒するようです。やはり巣の近くに必要以上に屯するのは避けるべきだと感じます。

観察するならするで適当にカモフラージュするなど配慮が必要だと思います。

さて、本日はあまり動きがありませんでした。明日は更に寒くなるとか。

フクロウに出会えたら明日の朝は県庁のハヤブサでも見て帰ろうかと思っていたのですが、明日もこちらに来ることにしました。それと話によると今年のハヤブサの巣は見えないところにあるらしく雛たちの姿は見えないそうです。まあ、ハヤブサはご近所でも見ることがありますからね。

さて明日は寒さ対策を更に施さねば思いつつ撤収と相成りました。

・・・続く

伊良湖岬と伊良湖ビューホテル・・・渡りの最終章 Part2

ホテルの部屋から夜明け前に撮った伊良湖岬と月です。見てのとおり天気は良いようです。ならばここの名物は月よりも日の出です。昨年は天候が悪くて見そびれましたが・・・

なかなかの風景でした。これで後はタカが渡れば言うこと無しなんですが・・・

飛びません。まあ、飛びません。どうなっているんでしょうか。風向きはイマイチかもしれませんが、ここまで飛ばないとは。何度か書きましたが、ここは出足の早いところです。これだけ出足が悪いと今日一日駄目じゃないかと思ってしまいます。

ようやく昼近くになって・・・

ノスリです。私たちは「のりちゃん」と呼んでいます。これは若なんでしょうか。色合いが白いしこちらを興味深げにのぞき込んでいる様は若のような気がします。

やっとサシバが来ました。若のメスのようですが、みんなとはぐれて乗り遅れた感じがします(笑い

よくよく見るとオオタカの若でした。

しかし、まあ、まとまって飛ぶときは一日に1000羽を軽く超えることもあれば、こんな日もあり、読めないタカです。連れ合いはサシバのことを付和雷同をもじって付和ライチョウと呼んでいます。

それでもこの日の猛禽としては貴重な存在となりました。ちなみに、オオタカは留鳥ですね。

ハチクマの若、メスでしょうか。これもサシバに続いて来ました。ピークを過ぎた時期は行遅れた若が飛んで来るのでしょうか。移動の中心はかなり西になっているようで、宮崎県の金御岳の数字がかなり上がっています。

ようやくタカ柱があがりました。全部の種類はわかりませんが、結構ノスリが混じっていそうです。昨日からの居残り組がようやく飛び出した、そんな感じなんでしょうか。

天気は良いです。そして暑いくらいです。人も機材も日除けがいります。

オオタカや(チゴ)ハヤブサも飛びましたが、写真にはなりませんでした。飛び数としては期待ほどではありませんでしたが、ピークを過ぎていることを考えれば致し方ないところか。

カウントはサシバ118、ハチクマ18とのこと。まあ、そんなもんでしょうか。

天気は抜群によく、数は少ないですが青空をバックに渡っていく姿を見ることは出来ました。撤収後はすぐにホテルでビュースパに入浴です。これがここの一番のメリットですか。

ビュースパから伊良湖岬が見えます。そして夕方にはこんな感じでタカ柱も・・・

まあ、これはトビですけどね(笑

でも、まれに他のタカが渡っていくところも(露天風呂から)見られることもあるかもしれません。手足を伸ばしてゆっくり風呂にはいって、明日はどうなるでしょうか。

伊良湖岬と伊良湖ビューホテル・・・渡りの最終章 Part1

 どうでもいいことなんですが、伊良湖岬は「いらごみさき」と読み、伊良湖ビューホテルは「いらこびゅーほてる」と読むようです。地名としては「いらこ」ですから、岬になると何故か「いらご」になるようですが、渡るタカにしてみればそれこそどうでもいいことかもしれません。(笑

 さて、どうも管理人達が伊良湖岬に行くときは天気が悪いというジンクスが定着してしまったようです。

 伊良湖岬は今年で3年連続の遠征になるのですが、3回とも出立時は悪天候です。台風の時期ですから確率的にはやむ得ないところもあるでしょうが、日頃の行いの所為かもしれない・・・なんてことは全く思いません。要するにこんな天候が常につきまとう時期に渡りがあると言うことなんですね。考えてみればこんなリスクの高い時期に渡るというのは一体どういうことなんだと疑問が又沸いてきます。

 それでも浜松SAに着く頃は雨は上がりました。前々日、前日の予想では昼頃まで天気は回復しないようでしたが、回復は予報より少し早くなりそうな気配です。

 滝沢展望台のある風車ではありませんが、第2東名の浜松SAから見える景色です。風の通り道故に、このような構造物が作られたとして、それが原因で渡りのルートがねじ曲がったとすれば、渡りるタカにしてみれば迷惑な話です。この場所を回避するために無駄なエネルギーを使わざる得ないことになり、消耗が少しでも増えることは渡りのリスクを高めることになるような気がします。

 越冬地はここからまだ遙か先、海を渡って行くわけですから、なるべく地続きの場所は無駄な体力を使わず温存したいところでしょう。

 さて伊良湖岬の恋路ヶ浜に到着したのは8時45分頃でした。自宅を出たのが4時ですから、4時間45分の行程でした。天候も悪かったし道々休みながらだとこんなもんでしょうか。恋路ヶ浜の駐車場は満車にはほど遠い状態でした。天候の悪さが影響したのでしょう。天気は回復していました。

 本日はホテルではなくこちらで観察するつもりです。今日はホテルも見えますし視界は良好ですが、ホテルは明日からということにしました。

 さて、到着してから昼の間まではあまり飛びませんでした。雨が上がった直後ですから待機している個体も出てこないようです。なんとか写真に収めることが出来たのは13時過ぎになりました。

 ハチクマの若、オスでしょうか。こちらをのぞき込んでいます。

 もう少し飛びましたが写真的にはこんなもんでした。カウントはサシバ19、ハチクマ9とのことですからまあこんなもんでしょう。

 天気予報からすれば今日は1日駄目だと思っていたのですから、少しでも見られただけでもラッキーだと思います。そして当然、明日明後日を期待して16時頃ホテルに入りました。

 ホテルに入ると中々よさげな場所に停めることが出来ました。だったらここで2日間粘ろうかということになり、場所取りを忘れずにチェックインです。この辺りの事情はこちらをどうぞ。

・・・続く