しばらく動きを見ていると色々と面白いことが分かって来ました。
クマタカが動く時にサシバの鳴き声が聞こえてくるのです。サシバはこの時期繁殖しています。松之山は北関東などに比べると田植えも遅く、その為か繁殖もつられてか遅いようです。この時期に雛が孵っていたとしても生まれたばかりでしょう。
クマタカの巣の場所は見当が付きませんが、サシバはこの近くにあることは間違いないでしょう。クマタカがサシバの雛を餌として狙っている・・・とも思えませんが、縄張りがバッティングしていることが影響しているかもしれません。
凄いですよ。サシバがクマタカにモビングをしかけるのです。体の大きさから考えるとサシバは二回りくらい小さいですが、それをもろともせずにクマタカに挑んで行きます。
管理人も随分とサシバを見てきましたが、モビングされることはあってもするのは見たことがあまりありません。たまにトビやカラスに対して行うことはあるでしょうが、基本的には大人しい性格なのではないかと思っていました。但し、どんな動物でも雛が孵った直後は警戒心が高くなり雛たちを守ろうとして強い行動にでる場合がありますが、それなのかもしれません。
こう言ってはなんですが森の王者とか呼ばれているクマタカが二回りも小さいサシバにモビングされている図は松之山ならではの光景なのかもしれません。
そして帰ろうかと思っていたら本日最後のシメとしてシメに似ているイカルが近くに来てくれました(笑
初日は午後からの限られた時間でしたが二度ほど現れたクマタカでした。明日も同じ場所で観察を続けることにして撤収。宿までは数分ですから、随分と移動は楽でした。
明けて土曜日。
朝飯前に一回り松之山周辺を回ってみました。6時近くなってからようやくアカショウビンの声が聞こえました。しかし姿はやはり見えません。
思えば以前アカショウビンを撮った時はもっと厳重な用意と作法が必要でした。出会い頭で逢うことは希で、餌場かソングポストを見つけてブラインドを仕掛けねばりづよく待つ・・・まあ、一筋縄ではいかない相手であることは承知しているのですが、やはり姿も見られないとなると少々気落ちしますね(苦笑
さて、朝飯後に昨日と同じ場所にスタンバイするとサシバが体を捻ったりしながら急降下を繰り返していました。
これは何の意味があるのか、管理人には分かりかねますが餌を獲っているようには見えません。
暫くそんな動きを繰り返していると、そのうちに空高く上がって何処ともなく姿が見えなくなりました。
管理人は首を傾げながらスコープで森の中を見ていると・・・
いやいや、これにはドキリとしました。これはサシバが見えなくなってから数分後に撮ったのですが、クマタカが枝止まりしていたのです。
このクマタカもこれから直ぐに飛び出して行きました。
しばらくは森の中を悠々と周回しています。
うーん、こんなところで餌獲りはないだろうし、サシバの巣もこんなところにはないと思うし・・・
なんて思いながら、目の前を悠々と飛んでいるクマタカを眺めていました。
ちょっと目を離したら姿が見えなくなってしまいましたが、何気なく見上げるとかなり大きな猛禽の影が近づいてくるではありませんか。
こりゃ大変だとばかりにすぐにレンズを向けました・・・
「あれれ???」
一瞬頭の上をクマタカがかすめたかと思ったのですが・・・
クマはクマでもハチクマでした。いやぁ、ハチクマが出てほんの僅かですが残念に思ったなんてここでしかない話ですね(笑
管理人の当て推量、「この辺りはサシバ、クマタカ、(ハチクマも含めて実はトビも)の縄張りがバッティングしているのではないか」と言うのもあながち的外れでないようにも思います。
白樺峠でワタリを観察している訳ではないのです。松之山はサシバ、ハチクマは明らかに繁殖の為にいる訳で、もしそれらの繁殖の影響でクマタカなどの動きも刺激されているとしたらこれはこれで見逃せない状況だと思います。
すこし間が空いてうつらうつらしているとサシバの声が聞こえてきました。そして目を向けると・・・
クマタカのお出ましです。実は朝もサシバは啼いていたのですが、まさにこの時はサシバの声に起こされたと言う感じでした。
・・・続く