タカのワタリ 2018 Part9・・・白樺峠

今季2回目の白樺峠。2日目(9月23日)

今日は混むだろうねと連れ合いと話しながら宿から4時30分頃出立。

5時少し前に峠下に到着。

枠線の駐車場はすでに満杯。道路にかなりの車が駐車されていました。

早朝に到着したと言うよりは夜行で来て朝まで仮眠する人がかなりいるので早起き競争では敵いません。

まあ、混雑が予想される時は早めに出ることにこしたことはありませんが、夜行するほど管理人達は元気はありません。

それでも暗いですが5時位に来ればなんとか広場ではひな壇に場所を確保出来るでしょう。

追伸:
言いがかりと言えば言いがかりなんですが・・・車を止めたとき後ろに十分にスペースをあけて止めたのです。でなければ荷物が下ろせないからです。

荷物の一部を先に広場に上げて場所取りをして下に帰って来たら・・・

なんでも管理人と同じ県外ナンバーだったらしいのですが、ピタリとくっつけて止めただろうと言いがかりをつけられてしまいました。

まあ、暗いところでの話で管理人が止める前にピタリと付けて止まっていた車は移動したのだと思うのですが、明らかに勘違いなんですけどね。

朝っぱらから気分のいい話ではないのですが、混雑が酷くなると確かにとんでもない車の止め方をする人もいるのでトラブルになることもあるようです。

ただ、台数が多くなるので場所を無駄にせず効率良く止めないと色々と不都合も出てきます。

お互い常識の範囲内と言うことになるのでしょうが、思わぬところでトラブルになることもあるので車の止め方には注意が必要でしょう。

まあ、管理人のように勘違いで濡れ衣を着せられてしまうこともあるかもしれませんが(苦笑

天気は上々です。

ウォッチャーの出足も早いです。6時頃にはひな壇はほぼ埋まってしまいました。

まずノビタキのお出迎えです。

さて、意気込んで出てきた割には出足が・・・良くないと言うよりは無いですね。

ツミがようやく飛んできました。

タカは飛んできませんがアサギマダラが広場に飛んできます。撮るモノがないカメラマンは・・・撮りますよね(笑

午前中はともかく静かです。

管理人を始め多くのウォッチャーの当てが外れた感は結構高くなっていると思われます。

ハチクマは相変わらずマイペースで飛んできます。

暇を持て余していた広場の観察者に朗報が・・・

広場でおなじみの女性のウォッチャーの方が

「(浅川)大池で600から800のサシバの群れが11時頃通過したとの連絡がありました。後2時間位でこちらに来ると思われますので、ゆっくりお昼ご飯を食べてお待ち下さい」

なんて広場にいる観察者の皆さんにアナウンスしてくれました。

追伸:
タカのワタリ 2018 Part3 & Part4・・・山本山展望台で書きましたが、山本山から見て白樺峠との中間地点である浅川大池でも観察がなされているようです。そして白樺峠の有志と連絡を取り合っているようです。ただ、こんなに親切にアナウンスしてくれたのは管理人達も初めての経験でした。

広場にはおよそ500人位はいると思われます。近年の混雑の中でも最高ランクの混雑ぶりです。

天候不順でよい機会に巡り会えなかったウォッチャーのために思わず有志がアナウンスしてくれたんだと思います。

管理人達も情報を信じて腹ごしらえです。

さて・・・

アナウンスでは13時頃と言っていましたが第1便は12時48分でした。

ハチクマの後からようやくメスの成鳥が姿を見せ始めました。

動きが段々活発になってきます。ハチクマ、ツミ、ノスリあたりも動き出して来ました。

浅川大池からの飛来と言うことになると広場からみて左側、通称お高さんとか第2ピークの方から姿を現すことになるはずです。

12時58分。

ようやく少しまとまったタカ柱が上がりました。遠目で正確に数の把握は出来ませんが、管理人達としてはようやくと言った感じです。

若です。今年生まれたばかりでしょうに、生まれて3ヶ月程度で初めてのワタリに挑戦です。ともかく帰って来て欲しいですね。

こちらは成鳥のオス。やはりなんとなく気のせいかも知れませんが余裕が感じられます。

こちらは成鳥メス。尾羽を広げてくれました。

サシバとハチクマのツーショット。これも白樺峠ならではの光景ですね。

・・・続く

タカのワタリ 2018 Part8・・・白樺峠

今季2回目の白樺峠。1日目(9月22日)

18日の午前中に撤収したらその後1日半ほどサシバの今季最大のピークが訪れました。

天候の回復からすると少しピークが遅い気もしましたがこれも致し方ありません。

速報を見ながら地団駄を踏むより次の予定を立てろとなりました。

問題は天候と宿の確保。

18日の帰宅時点では20日から22日にかけてが雨の予報です。土日祝日にかけて宿を確保しなければならない感じです。

問題は白樺峠に付近で宿が取れるか・・・です。

なんとか付近に宿を取り、土曜日を待ちます。

土曜日は4時頃に出立。あまり早く着いても雨の可能性があるので比較的遅い出です。

今回はよくよく天気に恵まれないようで、24日早々には天気が下り坂になる見込み。

そうなるとチャンスは日曜日のみみたいな感じになって来ました。

白樺峠に到着したのは8時過ぎです。

結構しっかり雨が降っています。

車の中で待つこと暫し。

ようやく雨が上がり鷹見の広場にあがったのが10時半頃でした。

雨はなんとか上がっていますが雲が広く立ちこめています。所々に青空が少し見えますが観察のコンディションとしてはあまり良くありません。

第1便はやはりハチクマです。結構遠いですね。

ポツリポツリとハチクマが飛んできます。

サシバは全くと言っていいほど見当たりません。一体いつになったらサシバの集団に会えるのか。

日中はそれでも天気が回復してきて結構暑くなって来ました。

やはり相変わらずハチクマです。

そしてハチクマが少数ですがタカ柱を作りました。

そんな中ホシガラスが突然の登場。

偶然にも飛びだしを捉えることが出来ました。此奴はいつも唐突に現れ動きが速いので案外撮るのが難しいですね。

タカはあまり飛びませんがいつの間にかの青空です。

結構粘りましたがやはりハチクマがたまに飛んでくる・・・そんな感じですね。

まあ、本日は明日のために無理無理出かけてきた感じではあります。明日は日曜日で最後のチャンスかもしれないので相当な混雑が予想されます。

白樺峠ですから車が止められないと言うことは無いでしょうが、やはり鷹見の広場相当な混雑になりますので、あまりのんびりとは出てこられません。

そうなると近くに宿を取って早出をした方が体が楽です。

前日の前乗りくらいの感じで今日は終わったとしてもそれはそれで良しとしました。

9月22日 白樺峠タカの渡り・2018速報より

サシバ   63
ハチクマ 136
ノスリ    4
ツミ    10

数字としてはかなり不調ですが、それでもハチクマは結構飛んでくれました。サシバが僅かですが飛んでいるようですが、鷹見の広場からは殆ど見えていないと思われます。

・・・続く。

タカのワタリ 2018 Part7・・・白樺峠

白樺峠3日目。(9月18日)

本日は自宅に帰るので午前中のみの観察になります。

天気は上々です。平日にも関わらず結構な数のウォッチャーが鷹見の広場に集まっています。

第1便は7時30分頃。前の山からハチクマが上がってきました。

そのうがかなり膨らんでいます。出足がいいので本日は期待値は限り無く大です(笑

このハチクマ、ゆるゆると目の前を回っていたらだんだん近づいて来て・・・

オスの成鳥ですね。成鳥がこんなにちかくに飛んでくるのは案外珍しいと思います。結構ギャラリーは湧きました。

ツミも渡って行きます。

ハチクマは相変わらずコンスタントに渡って行きます。

サシバの出番が・・・無いですね。ハチクマも勿論いいのですがやはり数出るサシバの一群も見てみたい・・・素朴なウォッチャーの願いです(笑

願いはむなしく飛んでくるのはハチクマです。

それにしてもハチクマの色彩はバラエティに富んでいますね。

これもそのうが膨らんでいます。

ノスリもポツリポツリと飛んできますが・・・人気ないですね(苦笑

10時29分。

ようやくサシバが飛んできました。

メスの成鳥ですね。

続いて・・・

若です。管理人達にとっては今年の白樺峠で初の若との対面です。白樺峠は比較的成鳥が多いのですが、頑張って山越えをしていって欲しいですね。

ぼちぼちと飛んでくるのですがまとまらない。タカ柱が上がることも無い。そんな感じで時間が過ぎて行きました。

あまり動きが無いので早くも10時30分過ぎには撤収作業に入りました。

雨上がりの2日目なので動いてもいいと思ったのですが塒立ちも無く数も期待外れと言ったら言い過ぎかもしれませんが、少々残念な感じが残りました。

帰りは昼間の移動なので時間が掛かることもあり早めの撤収となりました。

お土産を買い求めましたが、このままでは白樺峠は終われない・・・そんな思いを胸に秘めて帰路につきました。

9月18日 白樺峠のタカの渡り・2018速報より

サシバ  1178
ハチクマ  300
ノスリ    16
ツミ     26

追伸:
管理人達は午前中に早々に撤収しましたが、この数は16時以降に出た模様です。やはり集団が移動はしていたようです。
加えて翌日(9月19日)は

サシバ  3907
ハチクマ  163
ノスリ    26
ツミ     34

今季一番のサシバの大集団が来ました。

天候に左右されるタカの渡りですが、特にサシバの集団性は天候に左右されやすく大当たりか外れみたいな感じになりがちです。
その伝で言えば、今回の管理人達は外れでしたね(苦笑

毎度毎度当たりはありませんが、このままでは終われないと言う思いは速報の数字を見ながら一層強くなりました。

飛び際が生き際? サシバが里山にやって来た・・・Part10

先ほど飛び立った若が巣の付近を飛び回ります。

飛んでいる姿はぱっと見、親と区別が付きません。飛び方がそれほど違うということは無いようです。

親の鳴き声に鳴き声で応えているようです。

親は頻繁に飛び回ります。飛んでついてこいみたいな感じなんでしょうか。

夕方までに三番子が飛び出すか待っていたのですがどうも今日は無理なようです。三番子の巣立ちを期待して宿へ。

翌日は朝5時30分位から待機しました。この時期は夜明けが早いですからすでに十分な明るさ(と暑さ)になっています。

オスの親はすでに飛び回っていました。大分羽が痛んでいるようです。それともこれから換羽するのでこんなもんなんでしょうか。

巣のある森の中から三番子らしき声が聞こえてきます。巣の位置からは大分離れた場所に移動している感じです。出てくる場所が予想出来ません。ことによると地上から目で見える場所ではないかもしれません。

暫く観察していたのですが、声ばかりで姿が見えません。

一旦宿に朝食を摂りに帰ります。

朝食後、戻ってくると昨日飛び立った若かどうかは分かりませんが若が木に止まっていました。

かなり距離があるところで場所も高いので近寄ることは出来ませんが、若であることは確認出来ます。

親は昨日に続き精力的に飛び回っています。

視線を横に向けて何かを見ています。

するとオスメス番で飛翔し始めました。

空を飛んでいるモノですから1つのフレームにこれだけの大きさで入るというのはあまりあることではないと思います。子供たちに対するデモンストレーションなんでしょうか。

そう言えば、森から声が聞こえません。

昨日若が止まっていた木を見てみると・・・

若が2羽止まっていました。

ことによると三番子が巣立ったのかもしれません。

そう思っている内に、空にサシバ達が飛び出しました。

撮影はさておき、何羽飛んでいるかの確認です。

「左に3羽、右に2羽、合計5羽飛んでいる」

管理人たちは取りあえず5羽の飛翔を確認することが出来ました。個体の識別は無理ですが、まあ、状況からすると目出度く3羽の雛が巣立ったとみて良いと思います。

管理人たちが朝食を摂っている間に三番子が飛び立った・・・そんなこともあるのでしょう。

それにしても親の飛翔は随分と接近して飛んでいました。

サシバはワタリの時なども群れて飛びますがこんなに近くに寄って飛ぶことは無いように思います。この時期ならではのことなんでしょうか。

それと口を大きくあけて啼きながら飛ぶこともこの時期は多いようです。いつでしたか霧の伊良湖岬で霧の中にサシバの声が頻繁に聞こえたことがありますが、集団で移動することの多いサシバにはこのような行動がよく見られるのかもしれません。

朝は結構慌ただしかったですが、サシバ一家の無事な姿を今年も見ることが出来たようです。

他のエリアのサシバ達も気になります。

別エリアの大分くたびれた感じのメス。羽が結構痛んでいる感じです。

しかしこの時期は休んではいられません。餌に狙いを定めて身をかがめて・・・

いい飛びだしでした。

この時期はこのような光景によく出くわします。

追記:
この個体を見たときお腹の模様の感じから若ではないかと思いました。今年孵った雛ではないかもしれませんがかなり若い個体かもしれません。生育段階毎の外見の変化の様子は興味深いものがあります。

巣の位置を特定して継続して観察するとなると管理人たちは週末しか時間が取れないので複数の場所の観察は難しいのですが、それでもある程度巡回している感触からすると年々歳々個体が減ってきているように感じます。

なんとか今年ここで生まれた若たちができるだけ多く戻って来て空いているエリアを埋めて欲しいものだと思いながら、撤収と相成りました。

飛び際が生き際? サシバが里山にやって来た・・・Part9

去年の同じ頃、サシバの雛たちは巣立ました。ただし、揃ってではありません。3羽いた雛は成長の度合いがちょっとずつ違いました。

雛の孵る時間差がどれくらいあるのか分かりませんが、おそらくは一番最初に生まれたであろう雛の成長が一番早いようです。ただ、何日も差があるのかと言えばそうでもないようです。

成長の差は摂取する餌の量の違いだと思います。先に生まれた方がやや成長が早く体力的に優位になるようです。そうすると力関係から言って他を押しのけて親から与えられる餌を啄む・・・でも最終的に巣立ちの時間差を考えると思ったほど一番子の優先性は無いように思います。これは餌が豊富な状態ならと但し書きが着くような気がします。イヌワシのような事例もありますから一概には言えないのでしょう。

つまり巣立ちも多少時間差はあるようなのです。

さて、6時45分くらい到着。巡回コースを回ります。

巡回の途中ですが・・・

いい感じで構えています。飛び出す気配満々ですね。

直ぐに飛び出しました。メスの成鳥のようですが、餌を見つけたのでしょう。

電柱からの飛び出しは明らかに初速が違うように思います。そりゃそうです。なんせ飛び出し台はコンクリートみたいなもんですからね。この飛び出しの安定が狩りの安定に繋がるのかなとも思いました。木に止まっていると風がなければいいですが、そうでないと結構揺れますからね。管理人たちが見た巣は大きな木の高さ7分どころくらいに架かっているものが多かったですが、雛の最初の難関はこの木からの巣立ちでしょう。

ともかく飛び出す時は枝先に移動しなければ外の世界が見えません。親のように巣に直接出入りできる飛翔能力は巣立ちの頃には無いように見えます。

さて、先週と同じエリアで雛たちの巣立ちを待つことにしました。

追記:
管理人たちの巡回コースは大雑把に5つのエリアを回るようになっています。これはサシバの縄張りと思われるエリアを5つつなげて回ると言うことです。最初はもっと広く回っていたのですが、出現の頻度とか巣の位置の把握だとかしているうちに今の5つのエリアに定着していきました。ただし、そのうち3つは古巣になっています。後釜が来て別場所に営巣しているらしいエリアや後釜が居なくなってしまったエリアもあります。取りあえず巣のあった場所は繁殖に好適な条件が揃っているようなので今はいなくても巡回は続けてみようかと思っています。

暫く観察を続けていると頻繁に親の姿を見ます。声も聞こえます。雛はまだ巣にいるようです。

そして・・・

3羽の飛翔を確認。おそらく一番子が巣立って親と一緒に飛んでいるものと思われます。うーん。良かった(笑

親が頻繁に啼いて雛たちを呼んでいるようです。巣には餌を咥えて入ることはありません。間違いなく巣立ちを促しています。

一番子の姿を遠くにしか確認出来ませんが、うまくいけば次は二番子の巣立ちです。親の啼きようから言ってかなり近い感じがします。

ここは一か八か、巣のある森の少し離れた大きな木を日陰兼ブラインドとしてレンズを構えてみました。もし出てくる位置が違えば徒労に終わるかもしれませんが日中の陽は強く気温もかなり高いです。日陰で無いと干上がってしまいそうです。

まつこと暫し。

するするっとサシバの雛らしきモノが杉の木を登っています。

黒い虹彩からしてサシバの雛です。いやもう若と言った方がいいかもしれません。危なげなくなんてことはなく、落ちても死んでしまうことはないかもしれませんが見ていてハラハラします。

なんか足を踏み外して本当に落ちそうなシーンも一度や二度ではありません。

追記:
巣の位置は把握していました。しかしだからと言って巣の直近付近から出てくるとは限りません。それは去年の観察で分かったのですが雛は巣立ち前に枝渡りをして巣のまわりを移動します。巣には戻ると言うよりは近くに留まると言った感じで、巣立つ(飛び出す)場所はかなり巣から遠かったのです。先にも書きましたが巣から直接飛び出るのは雛は無理なようで良い条件の場所に移動して巣立ちをするような感じです。
雛の動きが分かるような見通しの良い所ならその動きでなんとか見当が付きますが、今回は賭けでした。

しかしようやく頂上に辿り着くと・・・

あまり逡巡もせずにいきなり飛び出しました。おお、巣立ち、初飛びじゃぁ・・・

なんて感動するもほんの一瞬のこと。数メートル先の隣の木の枝先に着陸です。

厳密に考えればこれは巣立ちではないのかと思案を巡らしていると、当該の若もなにやら逡巡模様。

しかしこの逡巡は割と短かったです。ほんと10秒あるか無いかの間。

いい面構えです。まさに飛び際、そしてこれがサシバの若にとって生き際となる瞬間なんでしょう。ここで飛ばなければ先はないのです。後戻りは出来ません。

初夏の青空めがけてサシバの若が巣立ちました。

雛から若へ。今飛び立った若はこれから自分がどんなことに遭遇するかは全く知りません。数千キロも往復して戻ってくる・・・戻って来て欲しいと願っている・・・なんてことは今は知る由もありません。そしてこれから待ち受ける色々な事を思うと管理人なぞはなんの役にも立ちませんが何かしら胸にこみ上げて来るものがあります。

さて、一番子の飛翔は確認、二番子もなんとか巣立ち。

そして残る最後の三番子の声が巣のある森の中から聞こえてきます。

・・・続く