タカのワタリ

 タカのワタリのシーズンがやってきました。恒例行事となりつつあるワタリの観察は曇天模様の空の下、秋風がひと際肌寒く感じます。

思い起こせば県内初観察とされた「アカアシチョウゲンボウ」を観察したのも丁度一年前の10月2日でした。いくらなんでも同じようなことが起こるとは思いませんが、それでも開いては野鳥ですから期待をこめての観察開始です。

本日はビデオの方はテレコンを持参しませんでした。昨年の撮影では、テレコン装着のためケラレが発生し後の編集が大変だったためです。また、テレコン装着によるオートフォーカスの劣化を心配してのことです。飛んでいる猛禽を撮影するのに超どアップは無理だったという経験によるものです。ですが、これが少し裏目に出る結果にもなりました。

さて、管理人達は6時15分くらいに到着しました。すでに狭い駐車場は一杯のようです。観察場所にはすでに幾つかの三脚が立っていました。昨年同日は撮影組では一番乗りだったことを考えると随分と皆さんの出足は早いようです。

さて観察自体は去年に比べると随分と静かです。それでも本日はサシバが30羽程度観察できましたのでここ数日では良い成績のようです。

ビデオの方はハチクマ幼鳥がカラスにモビングされているところが撮れました。タカ柱の方はこれが問題でした。考えてみればいくらハイエンド用のビデオでも撮像素子はたかだか200万画素程度です。これで広角に撮ると空の上のタカは点にもなりません。ましてや背景が雲ですから、白なのでよけい解像しないようです。タカ柱の全景を撮ろうとすると背景に融けてしまっている、そんな感じでした。

それとテレコンを装着しなくてもあまりオートフォーカスの追随性能は変わらない感じです。明るさを落とさない前付けのテレコンなので影響はあまり考えなくても良いようです。拡大フォーカスの画像を外付けのレコーダーに録画出来るので、テレコン無しでもなんとかなると思っていましたが、拡大フォーカスにすると露出などがいじれなくなるのでこれはこれで困ったことになりました。当然、飛翔しているところを撮るのですから、露出オートは使えません。そこで露出はマニュアルで操作するのですが、拡大フォーカスの状態だとこれが出来ない。つまり飛翔シーンは拡大フォーカスは使えないと言うことです。

去年の経験も踏まえると、この場所でタカを撮るなら、テレコンを装着して拡大フォーカスを使わない、それがベストなような気がします。サンデーバーダーなので次回は9日を予定していますが、その時はテレコン装着をするつもりです。それで飛んでいるとろことを撮れて何ぼでなので、一眼レフは諦めます。両刀遣いできるほどのんびりと飛んではくれませんからね。

夏の終わり・・・

 八月最後の日曜日。渡りのシーズンが始まってます。そんな訳で取り合えず葛西臨海公園に暑い最中またまた出張ることにしました。本日はドックから退院してきた456で久しぶりの撮影です。ビデオは暑いし移動が大変になるので本日は割愛。実はそれが少々裏目に出るのですが・・・

いつものようにチャリンコを借りて取り合えずセンターに向かっていると、「オオタカの若が上の池の杭に止まっているよ」と教えてくれる人がいました。そのままセンターに向かうと結構な数のウォッチャーや撮影者達の懲りない面々がいました。見るとあら珍しや、いつもはカワウやサギ達のお決まりの場所にオオタカの若が鎮座ましましているではありませんか。

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管理人も随分とここに来ましたがこれは初めて見ました。恐らく成鳥ならまずこんなところにとまることはないと思いますが。それにしてもいくら若とは言えオオタカです。まさかこんなところでこんなツーショットを撮れるとは思いませんでした。

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どうなんでしょうか。オオタカもオオタカならアオサギもアオサギです。アオサギが若のオオタカを完全に舐めているのか、オオタカがまるで無関心なのか。いずれにしてもあまり見かけることのない光景ではないでしょうか。そして程なくオオタカは飛び去ります。まるでアオサギなんかには無関心のように。

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飛び立つ前にオオタカの目の前をセイタカシギが四羽ほどの群れで通り過ぎ行きました。その時も無反応でしたね。

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後で常連さんに聞いたのですが、この杭に止まる前にあまり大きくはないけど何かを捕食したようです。スズメかヒヨドリか何かは分かりませんが。まあ、ある程度腹は満たしていたと思われますが、それでもこんなことってあるんですね。それでもこのオオタカが成鳥になればこんなシーンは見ることは出来なくなるんでしょうけど。まあ、そうしたらいくら阿呆なアオサギでも近寄らないんでしょうけど。

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そんなひと悶着の後、今度はセンターの上で少し人だかりが出来ています。スロープを上がっていくとオグロシギが遠くに見えます。

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夏羽のようです。オグロシギは秋の渡りでないと見れないと誰かが言っていた記憶があります。春と秋では渡りのルートが違うからといっていました。秋は若が渡ってくるので確率的にも出会える機会が増えるようです。確かに管理人も春にはここいらで見たことはないですね。三番瀬はオオソリハシシギが大挙して渡って来ますがオグロシギはあまり見かけません。葛西では逆にオオソリハシシギは殆ど見かけることはないのですが秋はオグロシギに運が良ければ出会えます。

擬岩にはコチドリの若もいました。 現場で見た感じでは黄色いアイリングが白く見えたのですが、写真で見るとちゃんと黄色になっていました。

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ソリハシシギもいました。いつぞやは谷津干潟で遥か彼方でみたのですが、ここに居てくれればあっさりと近くで撮れます。

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ムクドリの若もいます。そういえばコムクドリが水浴びをしていたのですが撮りはぐれてしまいました。

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ついでにカマキリがセミを仕留めたシーンを皆さん結構撮っていしまた。連れ合いはカマキリやセミの類は大嫌いなのでシカトしていましたが(笑

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風がいくらかあって最盛期の暑さほどではありませんがそれでも汗は滴り落ちます。そろそろ撤収しようかと思い最後の一回りの後、カマキリを嫌って違う場所にいる連れ合いに「カエルぞ」と電話をしたら、「アカガシラが出ているよ」とのこと。とりあえずすぐに現場に急行しました。

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長い首を伸ばして、久しぶりにその姿を見ることが出来ました。どうやら冬羽にかなり換羽している模様です。六月頃から確認情報がありましたが、確認したのは初めてです。と言っても震災以来先々週に来ただけですけど。

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連れ合いは上手い具合に飛び出しを撮れたようですが、まあそれにしても相変わらず動きが無いです。近くにアオサギとホシゴイがいました。

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実はこの三羽を眼下に見下ろしている奴がいたのです。

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どうやら先ほど杭に止まっていたオオタカの若です。あれから大分時間が経っていますので腹も減って来たのかもしれません。これをウォッチしているギャラリーにも幾ばくかの緊張が走ります。

アカガシラサギは結構キョロキョロしています。

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それとは対照的にアオサギとホシゴイはあまり反応がありません。ホシゴイに至ってはオオタカに背を向けた状態です。二年ほど前に後ろから襲われたホシゴイの写真がセンターに展示されていましたが、これは稀有のシャッターチャンスを物に出来るのかなとほんの少しだけホシゴイの不幸を(多分ギャラリーの殆どが)願ってしまいました。そしてついに・・・

アカガシラサギはオオタカに向かってあきらかに警戒のポーズをとりました。

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そしてその瞬間オオタカは・・・・

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眼下に三羽も獲物がいたにも関わらずあっと言う間に飛び去ってしまいしまた。経験の少ない若だからなんでしょうか、ひびってしまったのでしょうか。それともまだ腹が満たされた状態だったのでしょうか。先ほどの杭から何もせずに飛び去った様子からして成鳥のようには未だ狩が出来ないのでしょうか。ただ、いずれかは成鳥になって獲物を狙うときがくるのでしょう。その時にアカガシラサギたちが無事で居られるかは保証の限りではありません。

秋のシーズンは三番瀬がいまだ立ち入り禁止なので海浜回りは葛西臨海公園が主になるでしょう。そんな人は結構多いのかもしれません。また冬羽になったアカガシラサギがこのまま越冬してくれれば、二年半前にハイビジョンで撮れなかったビデオに収めることが出来るかもしれません。カモ類やシギ類と猛禽達のスリリングなやり取りもここでは結構ありますので出来ればそんなシーンも収めてみたいですね。そうそう、出来ればミサゴの捕獲のシーンももう一度もう少し近くで撮りたいですね。あれはあれで結構凄いものがあります。

暑かったですが、それなりに色々なことがあった夏の終わりの葛西臨海公園でした。

暑い子育て・・・2011 夏 コアジサシ雛かえる 

葛西臨海公園でコアジサシの雛が孵っているとスタッフブログで知りました。

2月27日に三番瀬から葛西臨海公園を回って以来、つまり震災後初めて葛西臨海公園に来ました。未だに三番瀬は立ち入り禁止です。三番瀬が中心の海浜回りがこれで随分と減ってしまいました。谷津干潟、三番瀬、葛西臨海公園と千葉、東京をまたぐ海浜回りは、みなと横浜の市民としては中々そう簡単には行けません。本来は(海鳥の)海浜回りならみなと横浜あたりにあって欲しいところなんですが、この三つの総合力を越える場所は残念ながら知りません。

まあ、そんなちょっとした愚痴は置いといて、今年はサンコウチョウの雛を見ることは出来ませんでした。それで営巣場所と言うのはやたら近づくものではないし、これと言った場所も近場に見当たらないので、今年は繁殖を見ることは出来ないかなと半ば諦めていました。ましてやこの暑さ。出歩いて熱中症になっても仕方がないし、456もフードの不具合でドック入り。(追記:この撮影の帰りに目出度く退院しました)

まあ、おとなしくしていようと思っていました。そんな中連れ合いが先のブログで観察会を知り、管理人を差し置いて単独でそれに参加して来ました。寝た子を起こすような連れ合いの挑発的な行為に乗せられて、この暑いさなか久しぶりの葛西臨海公園行きとなった次第です。

それにしても暑いの一言。スポーツ飲料を凍らせて準備万端のつもりでしたが、吹き出る汗は止まりません。日陰のまったく無い渚ですからいたし方ありませんが、それでも懲りない面々が何人かいました。どうやら最盛期は過ぎたようですが、まだまだ雛達は走り回っています。そんな元気な雛達の姿をビデオに収められたので暑さもどうにか我慢できたようです。

現場はスタッフブログの観察会の案内がある位ですから、来る人は拒まずの状態ではあります。パイロンで囲った場所が一応立ち入り禁止にはなっていますが、その外でも雛がいます。また近くでカイトで遊ぶ人、海で遊ぶ人達がいます。繁殖の場所としてはかなり騒がしいと思います。野鳥の繁殖なんかには無関心な人も回りに沢山いるので意味がないかもしれませんが、極力雛にはある一定上は近づかないように撮影する人は配慮するべきでしょう。

信じられない対応・・・技術軽視、人命軽視が国を滅ぼす???


事故車両、穴に埋める 「事故原因隠蔽では」「生存者いるかも」…ネットで反発渦巻2011.7.25 10:50

24日午前、中国浙江省温州市で破壊される高速鉄道の先頭部分(共同)

【温州(中国浙江省)=河崎真澄】中国の浙江省温州で23日夜に起きた高速鉄道の追突事故で、消防隊や軍など救援隊が24日夕までに大破した車両の一部を重機で現場に掘った穴に埋めてしまった問題で、インターネット上では「車内には生存者がおり、遺体、遺留品もあるかもしれないのに、どうして急いで埋めたのか。最後まで探したのか」と反発する声が渦巻いている。

破損車両は事故原因の究明にも欠かせないが、24日深夜に温州で記者会見した中国鉄道省の王勇平報道官は、運転席など車両の先頭部分を地中に埋めたことを認めた上で、「危険回避の緊急措置だった」と反論した。車両落下地点の農地は激しい雷雨でぬかるみになっており、救援隊や車両を現場に入れるために必要な措置だったと釈明した。

しかし、こうした説明に対し、ネット上では「技術的な問題が引き起こした人災としての事故原因を隠蔽するためではないか」「安全性の向上のためにも事故車両は保存して徹底研究すべきだ」などとする声であふれている。ネットユーザーは当局の事故処理への疑念を深めているようだ。

事故車両は24日夕までにすべて撤去された。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110725/chn11072510520005-n1.htm

関連ニュース
早くも運転再開! 別の車両の解体作業も開始 2011.7.25 12:51

信じられない事故だと思ったらその対応も信じられないものですね。

>23日夜に起きた高速鉄道の追突事故で、消防隊や軍など救援隊が24日夕までに大破した車両の一部を重機で現場に掘った穴に埋めてしまった

一日も経たないうちに事故車両を埋めるって一体どういうことなんでしょうか。関連ニュースでは別の車両の解体作業も開始だとか。現場は危険な状況というけど、高架から事故車両を無理無理降ろす方がよっぽど危険な気がします。百歩譲って危険な現場から事故車両を除去するのは良いとしても穴に埋めたり解体したりする必要は無いと言うより、してはいけないはずです。

言うまでもないことですが、完全に生存者がいないかどうか、たった一日に満たない捜索でいいのでしょうか。日本といわずまともな国ならこれだけで大問題でしょうね。ましてや事故原因の究明に欠かせない事故車両を処分してしまうのですから、開いた口が塞がないと言いましょうか、呆れ果てて物も言えないと言いましょうか。劣化コピーも信じられない話ですが、この事故の対応はそれに勝るとも劣らぬ信じられないものです。

昨日のブログで技術に対する謙虚さが無いという話をしましたが、まさにこの対応はそれを裏付けるものでしょう。日本も数多の鉄道事故を経て現在の新幹線があるのです。事故を謙虚に受け止め反省し、同じような事故が起きないように努力してこなければ、日本だって中国の高速鉄道と同じような事故を起こしていたかもしれません。

中国の高速鉄道は車両はともかく信号などの運行システムは本当に独自のようです。これは信号システムがかなり高価だったのもあるでしょうが、多寡が信号システム如きと軽く考えていたのではないでしょうか。ソフトの海賊版が当たり前の中国では、運行システム(つまり運行ソフト)に対価を払うという発想がそもそもないのかもしれません。

確かに、中国にも優秀なIT技術者は沢山いるでしょうから、独自の開発を行うというのは結構な話ですが、今回に関してはハードさえなんとかすれば後はなんとか高速鉄道を動かせると思い切り勘違いしているような気がしてなりません。実際はハード以上に運行のシステム(ソフト)が安全を担保するためには重要であることは言うまでもないことなのですが。

それにしても事故原因がはっきりとしないうちに鉄道局長らの幹部が即日に更迭されたり、鉄道報道官が「技術は先進的」「なお自信を持っている」と強調したりと、まだまだ今後も信じられない対応が続々と出てくる気がします。

改めて事故で命を亡くされた方々のご冥福を祈ります。

信じられない事故・・・劣化コピーが国を滅ぼす???


死者32人、190人超負傷 制御装置に重大な問題か2011.7.24 09:01

中国浙江省の高速鉄道事故で高架橋から転落した車両=24日(ロイター)

中国浙江省温州市で23日夜、高速鉄道の列車が別の高速列車に追突して双方の車両が脱線、一部車両が高架橋から転落した事故で、中国国営通信の新華社は24日早朝(日本時間同)、死者は32人、負傷者は191人と伝えた。現場では、地元の救助隊のほか中国軍兵士も出動し徹夜態勢で乗客の救出活動を続けた。

高速鉄道の列車が追突する異例の事故により、列車衝突回避に欠かせない制御装置に重大な問題があった可能性が浮上。救援と原因調査のため専門チームを現場に派遣した鉄道省当局は、事故原因の徹底究明に乗り出す構えだ。

上海の日本総領事館によると、24日未明時点で死傷者に日本人がいるとの情報はないが、同総領事館が引き続き情報収集を進めている。

中国中央テレビは24日未明、懸命の救出活動が続く現場の様子などを伝えた。献血の呼び掛けに多数の地元住民が応じているとし、負傷者の治療で病院が血液不足に陥っている実態を伝えた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110724/chn11072409050007-n1.htm

中国の高速鉄道で大変な事故が起きました。まずは亡くなられた方にご冥福を祈りたいと思います。そして速やかな救助と原因究明がなされれることを望んで止みません。

さて、そうは言ってもパクリの中国。過去にこんな記事がありました。


中国新幹線の特許申請に不快感 JR東海社長「日本の汗と涙の結晶」2011.6.29 18:17

北京南駅を発車する中国版新幹線の試運転列車=27日、中国・北京(AP)

JR東海の山田佳臣社長は29日の会見で、中国の政府系鉄道車両メーカーが、日本やドイツの技術を活用した中国版新幹線の技術特許を米国で申請する方針を打ち出していることについて、「新幹線技術は国内のメーカーと旧国鉄(現JR)の技術陣の長い期間にわたる汗と涙の結晶だと思っている」と述べ、不快感を示した。

中国の鉄道車両メーカー、南車集団は、中国版新幹線の車両「CRH380A」の技術特許を米国で申請する方針で、将来の車両輸出を狙った戦略とみられている。南車集団は独自開発を主張しているが、実際は川崎重工業など日本企業が開発した新幹線「はやて」などの技術供与を受けて改造した。

山田社長は、技術を供与した川崎重工に対しても「技術立国に恥じない対応をしてもらいたい」と語り、供与技術の範囲などを明確にし、特許侵害には断固対処するよう求めた。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110629/biz11062918180037-n1.htm

関連記事

中国版パクリ新幹線を米国で特許申請へ 「安全性置き去り」7月1日に見切り発車の北京-上海線にも採用 2011.6.24 09:46

中国のパクリは言ってみれば確信犯みたいなもので、なんら悪びれるところがないのが特徴でしょう。開き直りもここまでくると呆れてしまいますが、安全などに大きく関わらないのならいくらか救われます。が、今回のような大事故の原因になっている可能性が高いと思える劣化コピーを臆面もなく今後も続ければ、そのうち世界中から相手にされなくなるのではと心配します。

また、その劣化コピーを言うに事欠いて「特許申請」するというのですから開いた口が塞がらないというのはこのこと。中国の傲岸さや傲慢にはかなり慣れてきた日本人でもこの新幹線の技術の劣化コピー、つまりパクリに関して相当腹を据えかねた人たちが多かったと思います。

そしてあくまでも独自技術と言い張り特許の申請する方針まで固めたのですから、今回の事故の原因を技術供与した国に求めることは出来ないでしょう。まさに自分で自分の首を絞めてしまったことになります。

日本の新幹線の運用開始は昭和39年10月1日、西暦なら1964年になります。運用開始から47年経つ訳です。確か脱線事故は中越地震のときに初めてあったのではなかったかと記憶します。そしてその時も死傷者は無かったはずです。更に今回の東日本大震災では脱線も起きなかったはずです。少なくても今回の中国で起きたような事故は日本国内では過去に例がないのです。

鉄道と言うのは、車両などを作る技術だけで成り立つ訳で無くなく、もっと沢山の要素が絡み合っていると聞きます。当然の話です。ましてやその基幹技術が劣化コピーなんですから、何をか況や。管理人も中国に旅行をしたいと思いますが、今の時点では高速鉄道に乗る気は起きません。

こうしてみると中国の人たちは(中国共産党の指導者もしくは幹部と言った方が正しいのかもしれませんが)、技術に対しての謙虚さが欠けているとしか思えないのです。これは非常に怖いことで、命と信用を同時に無くす危険があると思うのです。これは中国何千年の歴史の負の部分なのかどうか分かりませんが、一朝一夕に変わるものではないような気がします。つまり民族性ということになるかもしれませんが。

日本では原発の事故は深刻で、よその国の心配をしている場合ではないのかもしれません。しかしながら、技術を供与した国の技術者達が不快感を示すようなことはしていないはずです。確かに日本の原子力技術も独自と言うよりは、劣化コピーに近いのかもしれません。それは炉や建造物を作る技術はともかく、危険な原子力を扱っているという危機感が欠如していると思えるからです。余談ですがどうしても原子力で発電事業をしたいのなら、このような事態に陥った場合でも企業年金の心配をする東電では無理なのではないかと思います。まあ、この話は後日改めて考えてみたいと思います。

いずれにしても、単に技術のコピーだけでは足りない、その技術やシステムの運用を成り立たせるためのマインドみたいなものもちゃんと継承しないと単なる劣化コピーになってしまうのではないか、そんなことを考えさせられた中国の高速鉄道の事故です。