タカの渡り・・・白樺峠 2016 Part8 番外編 畳平のイワヒバリ

昨日の大量のワタリの余韻が残る翌日、雨です。最近の天気予報は当たりますから、覚悟はしていたのですが、不順な天気の連続です。ワタリは白樺峠だけが晴れていればいいと言うわけにもいかず、ここに来る以前の場所も晴れていないと結局はワタリの数は出ません。勿論新潟あたりも雨です。まあ、無駄な抵抗は止めですね。

そんなわけで管理人達は畳平に行ったことがなかったのでついでと言ってはなんですが行ってみることにしました。こんな経験をされたワタリのウォッチャーも結構いるのではないかと思いましたら、現地で相当数のワタリ目当ての人達と遭遇しました。

狙いはライチョウ、カヤクグリ、イワヒバリ、ホシガラスなどです。そういえば白樺峠でもイヌワシやクマタカが出ることがあるそうですが、どうやら乗鞍に生息しているようですね。まあ、逢えるとは思っていませんが、宝くじも買わなければ当たりませんので、その位の気持ちで行きました。

乗鞍観光センターを7時に出発。約50分ほどで畳平に到着。とりあえずお花畑周回コースへ。

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ご覧の通り靄が係っています。ついでに雨も降ったり降らなかったり。雨具着用です。案内所のおねえさんによるとこんな天気の方がライチョウの出現率は高いとか。まあ、ライチョウの名前の由来からしてそうですから、少しは期待します。

周回しているとカヤクグリ発見。遠いです。がとりあえず一枚。

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さらに進むとイワヒバリが。文字通り岩にいるイワヒバリ。靄がかなりかかっていてはっきりとはしませんが、なんとかこれも一枚。

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実はこの前に木道に止まっていたのを一枚撮っていました。これが後から見たら一番鮮明でした。これはノートリですから、かなり近かったですね。

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周回コースを回っているとライチョウの声は微かですが聞こえました。しかし視界も悪く、どうにも遭遇できません。諦めて教えてもらったコースを回って見ました。鶴ヶ池から大黒岳にかけて歩いてみました。

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大黒岳の山頂では先ほど書いた、白樺峠組と出逢いました。何人かお顔を見た人もいたりで、まあ、人間、似たようなことを考えるものだと思いました。(笑

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さて、大黒岳を下りて下の道路を歩いて畳平まで戻りましたが、残念ながらライチョウには逢えませんでした。ちなみに先に大黒岳にいた白樺峠組はライチョウと遭遇したそうでしっかり写真も撮っていました。山頂では少し粘ってはみたのですがまあ次回ということです。

山頂で出逢った人達はイワヒバリを撮っていないということで、それならこちらは朝お花畑で撮りましたよと伝えて撮った写真も見せたら、今度はそちらに行くとのことでした。そして管理人達は再びお花畑に戻ってみたら先ほどの人達と再度遭遇。どうでしたかと聞いたら「撮れませんでした」とのこと。

うーん。中々乗鞍は厳しい。こちらはライチョウ撮れず、あちらはイワヒバリ撮れず。まあ、もう一度来いよとの謎かけみたいなもんですねとお互い笑い飛ばしましたが、自然相手は思い通りにいかないとここでも思い知らされました。

追記:
白樺峠を越えたタカは乗鞍の方に向かいます。白樺峠でとんでもなく高いところを飛んで行ったタカもここではかなり地表に近いところを飛ぶのかもしれません。白樺峠と大黒岳あたりの標高差は約1000メートル程ありますから、そんな気がします。まあ、ここまで来るのは結構手間とコストがかかりますから、連日と言うわけにはいきませんが、天気のよいワタリのシーズン中に一度くらいはこちらに来て観察・撮影を試みても面白いかなと思いました。

そのついでと言ってなんですが、今年逢えなかったライチョウや宝くじ並みかもしれませんが、クマタカやイヌワシに遭遇できるかもしれないので、ぜひ一度はチャレンジしてみたいですね。

タカの渡り・・・白樺峠 2016 Part7

昼を過ぎてもあまり勢いは衰えません。しかし考えてみればこれはこれでリスクの大きなことだと思いました。特にサシバです。ハチクマは前回の時もそれなりに飛んで行きました。前にも書きましたが、集団性とか色々な理由があると思いますが、あまり大きな集団になると滞留するための捕食が困難になるのは明白です。要するに餌が無い。特に一日に何千なんと数が飛ぶと言うことは、どこかに大きな塊が存在したということだと思います。悪天候により足止めを余儀なくされていたということでしょうか。

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ハチクマは幼鳥と思える個体をかなり見ます。このタカ見の広場で観察しているとサシバとハチクマのカウント数が実際のワタリ数より近接しているように思います。それだけサシバの方が広範囲にまとまって渡っているということなのかもしれません。つまりタカ見の広場にいる観察者・撮影者の目に触れた実感との違いはその集団を見ているか見ていないかの違いではないかと思うのですが。

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いまつらつら撮った写真を見ているとそんな感じがします。単独で撮っている比率は実際に渡っている比率と随分違う気がします。今日はサシバのタカ柱が比較的近くにそれなりに上がりましたからそれを加味すれば実感と実数との乖離はそれでも少ない方だと思いますが。

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サシバがあまり近くに寄ってこないのもあるかもしれませんね。特に幼鳥はあまりみかけませんし。

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それとポツリポツリとノスリが混じっています。これはワタリの移り変わりを示しているのでしょうか。

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それにしてもハチクマはよく近づいてくる感じです。これはこれで飽きないですが。

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いゃ、それにしても撮り疲れて来ました。まあ、人間の勝手な都合ですが、もう少し平均化してくれた方がいつ来てもそれなりに楽しめるのにと思います。少しは他の日に取っておいてくれればなぁ・・・なんてね。

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ハチクマがよく来ると書きましたが、今日に限ってはそうでもないですね。サシバが近くなって来ました。

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いいなぁ、これは。青空が背景で。去年の里山でも正面からは中々撮れなかったですね。ここらあたりが白樺峠の醍醐味の一つかもしれませんね。

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日差しの加減で影が出でしまいますが、まあ、それは贅沢ということでしょうか。オオタカほどの勇猛さはありませんが、猛禽の眼差しはいいもんですね。

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ハチクマも負けていません。ガンガンと飛んで行きます。

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そのうを膨らました綺麗な羽のハチクマ幼鳥。これは綺麗ですね。これから大陸へ渡って行くのでしょうけど、なんか立派な成鳥になって帰って来て欲しいです。

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思わず「元気で帰ってこいよ」と声をかけてしまいました。ああ、これでワタリの季節も終わりに近づいているんだなと感じると寂しくもなりますが、来年又逢えると信じています。そんな後ろ姿を見送りながら撤収しました。

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追伸:
本日のワタリの数は、サシバ 3986 ハチクマ 648だそうです。この日これだけ飛んでも、累計は例年の半分程度の数しか渡ってません。ルートの迂回が行われた可能性もあるでしょうが、実際のところは分かりません。極端に個体数が減っているとは考えづらいですが、後は九州のワタリ数が出るの待ちでしょうか。

タカの渡り・・・白樺峠 2016 Part5

古い話で恐縮ですが、坂上二郎さんが「飛びます、飛びます」と言うフレーズを使っていたことがありました。今日はそんな古い話を思い出しました。

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それにしても今年の天候には悩まされました。もっとも人間よりタカの方が悩んだかもしれません。今日は9月25日ですが、前日までの白樺峠のワタリの出現数は平均を大きく下回っています。未だ何処かに潜んでいるのか、それとも迂回したのか分かりませんが、今日はかなり飛ぶでしょうか数が回復するかどうか分かりません。

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ハチクマはそれなりに飛んでいますが、サシバが特に少ない。それがようやく今日飛び出したのですが、これが続くかどうか分かりませんね。

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ハチクマは見てて飽きませんが、どうしてあのようにバラエティに富んだ個体の違いになるのか。勿論遺伝的な問題なのでしょうが、そこらあたりを解明した学術書なんかあるのでしょうか。今度機会があったら調べてみたいですね。

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サシバの方は圧倒的に成鳥が多いような気がします。

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幼鳥の比率が多くなるとワタリも終盤だと聞いたことがありますが、まだその時期では無いのでしょうか。ハチクマは結構幼鳥を見ます。

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これまた、面白い模様のハチクマです。

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それにしてもこれは少し珍しい気がします。

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タカの撮影に夢中になっていましたが、ふと一息入れると目の前に・・・そうワタリと言えばこれも忘れてはいけませんね。

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白樺峠の標高は約1600メートル。アサギマダラはひらひらしながらここまで上がって来たんですね。後で知ったのですが、アサギマダラの羽にマーキングをして移動調査をしているらしいですね。賛否はあるようですが、管理人にはどちらがいいのかは判断が今のところは付きません。野鳥なども似たような問題(足輪)がありますが、一概に賛成・反対出来ないところがあります。

タカの渡り・・・白樺峠 2016 Part4

前回の白樺峠行きは日曜日は雨模様なので宿で朝食を取ってそのまま直帰しました。それなりに観察も写真も撮れたのですが、白樺峠としては何か物足りない。そこでリベンジと言うほどではありませんが、懲りずに再び出張ることにしました。天気予報と睨めっこして、宿はとりあえず二泊とって日曜日の未明に出立。

色々な事情があり土曜日の夜遅くまでの仕事となり、かなりキツい行程となりました。それでもなんとか7時半には現着。前回と比べると日曜日とあって駐まっている台数が違います。前日天気が回復しての翌日の日曜日。今日飛ばなければいつ飛ぶんだみたいな気持ちのタカの渡りウォッチャーが集まってきたのでしょう。管理人達もその員数に入っている訳です。

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機材もあるので登るのに少々手間取りタカ見の広場には8時到着。すでにほぼ満席状態。皆さんお早いお着きというより泊組がかなりいたようです。

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そして・・・予想通りと言いましょうか、期待通りと言いましょうか、出足良くサシバの登場です。

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構えた望遠に難なく三羽くらいは入ってしまう密度です。そして構えた望遠に・・・

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サシバ幼鳥。やっぱりサシバやらハチクマが来るとなんだか嬉しいですね。

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朝なのでやや逆光気味ですが、そのうを膨らませたハチクマが渡って行きます。

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今日はガンガン飛んでいます。今年最高の予感が朝の時点でしていました。

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天気はそこそこと言った感じで、素直に青空バックとは行きませんが、それでも撮影の手が止まることは殆どありません。

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そしてなんと言っても今日はサシバの出がとても良いです。嬉しいですね。来た甲斐がありましたね。

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場合に寄っては背景に青空が混じることもあり、こんなツーショットがバシバシ撮れます。

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調子に乗って撮っていたら、思わず小さな個体が・・・

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こちらをのぞき込むように見ている感じです。ん、ツミかなと思ったのですが・・・

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ハイタカと瞬時に区別が付きませんでしたがやっばりツミでした。

・・・続く

タカの渡り・・・白樺峠 2016 Part3

一昨日、昨日と明るい曇天模様でしたが今日は青空が少しですが覗いてます。

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今日の朝一のお客さんはコサメビタキでした。今年の春に戸隠森林植物園で初めて営巣を見ましたが、方向からするとそこから来た可能性も否定できないのかな、なんて思いました。

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なんとも可愛らしいですね。

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そのあと枝被りになりましたがサンショウクイも居ました。

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昨年のようにイスカも期待したのですが、それは無理でしたね。

さて、肝心のタカの方ですが、朝一の出現は9時12分頃。遠くの山バックでハチクマらしき証拠写真程度。その後は、前方の山の枝に止まった白色型と見えるこれもハチクマらしきものを確認。これも写真としては証拠程度なので割愛します。

ようやく10時過ぎ、やや近くをハチクマ、オス、成鳥が飛んで行きました。

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何故か嘴が少し開いています。そしてその後を追うようにサシバ、オス、成鳥が通過。

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先ほど晴れ間があると書きましたが、それでも雲が多く、スキッと青空バックとはなりません。ただ、雲のお掛けで高度があまり上がらずに飛んで行ってくれているのかもしれません。

その後はポツリ、ポツリですが、飛んで来ます。

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数羽の柱もどき程度ですが、そんな光景もありました。

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相変わらずハチクマが良く出ます。サシバは今日も渋い感じですね。

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そんな中後ろ姿ですが、サシバ登場。

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遠かったですが今度は先ほどより少し数が増えた一群が来ました。

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どうやらサシバとハチクマが混じっているようです。

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遠くて写りがイマイチなのですが、サシバの幼鳥に見えます。思えばサシバの幼鳥らしきものはあまり今回は見ていないと思います。

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ハチクマが比較的近いところに飛んで来ます。

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少し羽がくたびれているような感じですが、オス、成鳥のようです。

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イワツバメも渡っていきます。タカを撮るより何倍も難しいですね(笑

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そしてようやくサシバが少し近いところを飛んでくれました。

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昨年の春はサシバを求めて里山に何回も通い、電柱サシバなどいて、近しい存在だなと思っていたのですが、白樺峠ではなんと遠い存在であることか。白樺峠の位置からいってあの里山のサシバであるはずはないのですが、そんなことを思いました。

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たぶん啼いていると思われるハチクマ。羽がボロボロですが、無事に渡っていけるでしょうか。

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少し時期は早いようですが、ノスリも渡って行きます。

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ノスリと分かると撮影を止めてしまうカメラマンが多い(管理人もその一人ですが)ですが、せめて最初くらいは撮ってあげなさいよ、ってな感じで撮りました。(笑

今回の白樺峠では比較的貴重なサシバのツーショット。

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そして最後はそのうを膨らましたハチクマ、メス。

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追記:

サシバ 136 ハチクマ 124 が渡ったようです。今回(9月15日~17日)の中ではサシバの数は一番多かったようです。タカ見の広場から観察・撮影した管理人の実感と渡り調査の研究グループの数字は少し違いますが、これは観測の精度の問題だと思います。遠くに群れて通過したものなどはタカ見の広場の一般の観察者・撮影者などは気づかない場合があると思います。管理人も昨年、鉢盛山の向こうにサシバらしき集団が居たのを辛うじてフィールドスコープを使って観察した覚えがあります。正直言って、あれの数をカウントするのは管理人のような撮影しながらの観察者は無理な話だと思います。それで実感の倍から三倍位が渡るんだなと思っています。