たまには機材の話も・・・浮島湿原(付近) 番外編

2週間ぶりに浮島湿原付近へと出張りました。今回も泊まり予定です。

今回は新たに購入した雲台の試しも兼ねてます。

購入した雲台はこれ。

フルードジンバル雲台 GHFG1

かなり以前からヨドバシカメラで注文していたのですが在庫がなく入荷待ちでした。GITZOの雲台はフィールドスコープ用に一つ持っていましたが、今回は連れ合いも必要なので2個購入するつもりでヨドバシに注文を入れておいたのです。

何気に価格.comを見ていたら在庫がある店が出ていたので、ヨドバシカメラの方に確認してみたら在庫はあっても発送はされていませんでした。2個注文したのが仇となったようでそれで止まっていたみたいです。

すかさずキャンセルして楽天で在庫のある店をピックアップして別々に違う店で一つずつ注文。
おそらくは2個同時に注文すると同じことが起きるのではないかとの配慮です。

よほどの品薄のところにたまたま少しだけ入荷したようなので2個の在庫を持つ店は殆ど無いと踏んだわけです。

オーダーが完了して発送のメールが来る頃には二つの店も在庫無し、入荷待ちの表示になっていました。

まあ、いますぐ無くても困るモノではないのですが、どうせ使うなら早いほうが良いと思った次第です。

実はジンバル雲台を購入するのは初めてでした。

定番のウィンバリーもあるし、中華製の極安のモノもあり、中々選択に迷うところです。が、脚はGITZOなので上にのっける雲台も同じメーカーなら見栄えが良かろうと思いました。

こんな感じですね。レンズフットはマーキンスのリングプレートです。

軽さを求めてマーキンスのBV24SETも愛用していますが、猛禽撮りにはやはりジンバル雲台が向いていると思います。

実はGITZOのジンバルの前はマンフロットの望遠レンズ用一脚ブラケットを使っていました。

こはれこれで中々使いやすかったです。値段も手頃だったし。何年か前に秋葉原のヨドバシカメラに展示品としてあったのでその感触を試したところ、案外良かったので購入して担いでの移動がない場合は使っていました。

追記:
先日ヨドバシの新宿のカメラ館に行ってみたら同じように展示品としてありました。興味のある方は一度行ってその感触を確かめてみることをお薦めします。高価なジンバル雲台でもなくてもそれなりに使えると思います。
難点を言えば重くて嵩張ることです。三脚に装着して持ち歩くには不向きです。(本来は一脚用です。不向きかどうかは個人差があると思います。)
あとシュープレートは357PLVなのでアルカスイス仕様のレンズフットなどは直接は装着出来ません。

ジンバルにしろブラケットにしろ空飛ぶ猛禽を捕るにはレンズをかなり上まで振れるのが利点です。

追記:
ビデオ雲台も向きを反対にすると仰角が稼げることはよく知られています。ただし、管理人はビデオの通常の撮影もするのでパンバーなどの取り付けの問題もあり、やはりジンバル雲台があった方が便利です。

そして今回のジンバル雲台はブラケットに比べると約1キロほど軽いです。嵩張り具合もかなり軽減されます。車などの移動でいちいち雲台をはずのは面倒です。そして2セットで移動する管理人達はこの嵩張り具合がかなり重要なポイントになります。

野鳥の撮影をしているとビデオ雲台を使っている人をよく見かけます。管理人は元々野鳥の動画を撮る方がメインだったのでビデオ雲台は使っていましたが、写真を撮るのにはあまり積極的には使いませんでした。何故かと言えばまず重いからです。そしてモノによっては値段もかなりお高い。

例えば人気のザハトラーですが、本体の価格もそれなりに高いですが、伸縮パンパーなんか正規で購入すると4万円くらいします。ビデオ撮影に伸縮パンパーは必須ですから買わざる得ません。

管理人はザハトラーやビンテンと言った海外の有名メーカーは(特に付属品や修理の)値段が高いので購入を見送り、国産のLibec RS-350RMを購入しました。現在はRS-350はディスコンになっていますが、とても使いやすく値段も手頃でコストパフォーマンスはかなり良いと思います。難点はやはり重いのとシューがリーベック独自で使い回しての機材の取り付けにはいくらか工夫が必要な点でした。

このビデオ雲台を使ってスチールの撮影も何回かはしたことがあります。難点はくどいですが重さ。ザハトラーは機械式なのでいくらか軽いのですが、これは油圧式なのでより重いです。ただし、メンテナンスの点では油圧式の方が楽だとは言われます。一長一短ありますが、撮影にはどちらも問題ないと思います。

ひとそれぞれですが、やはり自分で確かめることが大事だと思います。そしてどのスタイルが自分に合っているかを色々と考えてみるのも楽しいでしょう。

管理人がひとつの結論として行き着いたのは、猛禽類の撮影はジンバル雲台もしくはブラケットのような仰角の大きくとれる機材、そしてできるだけ嵩張らず軽いモノ。スチール撮影ならパンバーは必要ない人もいるので付属品などの高さは無視できますからビデオ雲台もありかと思いますが、機材の安定性をより図りたいならレンズフットはやはり交換した方がいいと思います。そうなるとアルカスイスの規格が雲台側に必要になります。

追記:
ザハトラーならば、(知る人ぞ知るショップですが)このようなインストールサービスを行ってくれるところがあります。
そうなるとビデオ雲台をスチールで使うならインストールサービスや専用のポールアダプターなどを考慮するとやはりザハトラーになりそうですね。もっとも人気があるからインストールサービスや専用ポールアダプターが出てきたんでしょう。又この手の高性能ビデオ雲台の中で最軽量でもあることも見逃せません。

このあたりが悩ましいところですが、アルカスイス規格が大多数を占めるジンバル雲台が猛禽類の撮影では使いやすいと言うことになるでしょうか。レンズフットは交換すると2万円から6万円くらいかかります。好みと予算に応じてと言うことになるでしょう。

そしてGITZOが指を咥えて脚だけを売っている訳がないということで、満を持してジンバル雲台を出してきた・・・そんな感じです。脚は圧倒的にGITZOが多いでしょうから、マンフロットブランドではなくGITZOブランドでジンバル雲台を出してきたのはマンフロット社としては当然の戦略だと思います。

使い勝手に関しては他と比べて過不足無くと言ったところです。現状では値段や性能などを考慮するとあらゆる局面で突出して優れているものは無く、それぞれ一長一短だということになりました。そして撮影目的によって使い分ける、これがベターなのではないのかなということです。

管理人は動画撮影ならビデオ雲台、猛禽類の撮影ならジンバル雲台(もしくはブラケット)、担いで歩き回るならマーキンス雲台ということになりました。

今日は珍しく機材の話をしました。それも足回りについてばかりになりましたが、車は足回りを固めないと安定した走行が出来ないのと同じで撮影も足回りを固めることにそれなりに腐心しないと中々うまくいかないなとここ2,3年は特に感じています。

 浮島湿原で10時半頃ですが、ハイイロチュウヒのオスが屯していました。

ちなみにこれは手持ちで撮影しました(笑

・・・続く

久しぶりの湿原・・・浮島湿原 Part14

2月も終わりに近づいて来ました。残りの期間を考えると一月はないでしょう。来週は少し知見を広げるために別の場所に出張るつもりでいますので、ことによると浮島湿原付近への出張りは今回が今シーズン最後になるかもしれません。

土曜日の朝方は今シーズン通ったいつもの葦原ですが、遠いし暗いですがハイイロチュウヒのオスは少しばかり姿を見せてくれました。

コミミズクはさっぱりでした。出が悪いので湿原の方を回ってみました。そしたらハイイロチュウヒのオスを含めてチュウヒ達が数羽屯していました。

駐車場につくなり頭の上を回っているのです。数人のウォッチャーがいましたが、皆さん手持ちのカメラでしたが興奮気味にシャッターを切っていました。管理人達も慌ただしく三脚を立てる間もなく手持ちで撮影を開始です。まあ、写真的には如何なモノかと思いますが、空高くでも頭の上を飛んでいたらこれはもう条件反射ですね(笑

珍しく啼いて飛んでいたんですね。声は聞こえませんでしたが、やや若い個体の感じがします。

普段は葦原ギリギリの高さで飛ぶことが多いハイイロチュウヒですが、この時は思いっきり高く空に上がっていきました。そしてパーッと移動していきました。狩り場を移動するときはかなり高く飛翔するんでしょうね。このようなシーンは何回か見たことがあります。

こちらはハイイロチュウヒのメスです。湿原の方にはメスがいます。付近のオスがいる別の葦原にはメスは見ません。まあ、繁殖ではなく越冬ですからこんなこともあるんでしょうね。

こんなこともありまして、土曜日は湿原で塒入りを待つことにしました。久しぶりです。

比較的明るい時間帯でのご帰還です。

ここでは餌取りはあまりしないようなのですぐに塒に入ってしまうこともあるのですが、今回は少しですが周回してくれました。

それと湿原の方はギャラリーが少ないですね。カメラマンも数名しかいません。それが良かったのかとんでもなく遠いと言うことはありませんでした。

ただ、まあ、いくら明るい時間帯と言っても日の入り間近ですから結構撮影的には厳しいものがありますね。

わずか1分半くらいでしたが、今回のハイイロチュウヒのオスの塒入りは撮影もそこそこでしたが、観察としては中々良かったように思います。

太陽はかなり傾いています。もうすぐ日の入りです。

そしてハイイロチュウヒのメス。これはかなり厳しい条件でした。ISOは6400、SSは1/320。無理だと思いつつテスト的に撮ってみましたが、この時間帯の明るさでも何とかなりそうな感じです。これはいささか驚きました。

さすがにこれを撮った後はまさに夜の帳が降りた状態となりました。明日の朝は湿原で塒立ちを観察した後は別の葦原の方でコミミズクを探して見たいと思いながら、宿へと撤収と相成りました。

冬の猛禽達・・・浮島湿原(付近) Part13

今日は(2月11日)は暖かいためか、空気の揺らぎが出てきました。

少し遠くなるとピントが合いません。これはこれでしょうがありません。

昼頃になるとさらに暖かくなりました。

追記:後日調べたら最高気温は同じくらいでしたが、最低気温が4~5度ほど高かったようです。日中は暖かく感じました。

モズもここにはいます。まあ、人によっては小さな猛禽と言う人もいますから、この葦原の住人に加えておきましょう。

チョウゲンボウも止まり木で(木ではないけど)一休み。

ここにくればチョウゲンボウのホバリングを撮るのは比較的容易ですね。

先ほどよりもう少し近い距離でホバリングしてくれました。曇りなので背景が色彩的にはイマイチですが写真を撮るのにはチャンスが多いですね。

ハイイロチュウヒのオスもゲリラ的に飛ぶこともあります。葦原では無く裏の田んぼに突然と現れました。いそいで機材を担いで移動するカメラマンもいますが管理人はひっくりかえしたりするのが怖いので移動せずにシャッターを切ります。

写真的にはこれもイマイチですが要するに機会が増えればチャンスも増えると思っています。こんシーズンはここが当たりだったと感じるのは、シャッターをきる機会が多かったと感じるからでしょう。
あとどれくらいいるのか分かりませんが、もう少し楽しめるのではないでしょうか。

そして今日は比較的早い時間にコミミズクが出てきました。(15時51分)

単独のようですが結構飛び回っています。まあ、それなりに遠いですけどね。

それにしてもこの葦原にこのコミミズクの色はオートフォーカス泣かせですね。もう少し研究の余地があるのかもしれませんが、結構厳しいモノがあります。

先ほどより時間が経ってISOを1600にしました。これくらいなら許容範囲でしょうか。それでもシャッタスピードは1/500ですからギリギリと言ったところでしょうか。

暗くなっても飛んでいましたが、写真にはならないので撤収となりました。観察は結構堪能しました。

翌日の朝。

昨日はあれほど活発に飛んでいたコミミズクの姿はまったくありません。チュウヒはハイイロチュウヒのオスはおろか何も飛びません。昨日に比べると随分と静かな朝です。気温は昨日より少し低いですが、随分と寒く感じます。陽気の変動にここの住人達も影響されるのでしょうか。

まあ、先にも書きましたがもう少し楽しめるのではないかと思っていますのであまり粘らずに早々に撤収となりました。次回は再来週あたりに、またまた泊まりでと考えていますが、天候次第でしょう。

冬の猛禽達・・・浮島湿原(付近) Part12

明けて翌日の朝。宿は現場から20分位のところなので朝は比較的のんびりです。と言っても5時起床、6時少し前には朝飯抜きで出立。

朝食はコンビニで仕入れます。管理人達のコンビニ優先順位は、セブン > ローソン = ファミマ > その他。

どのコンビニも大概そうですが、あるところには近くにあるが、無いところはまるで無い。まあ、当たり前と言えばそうですが、この辺りはセブンとファミマがあります。まあ、セブンが多いですね。

日の出少し前に到着。すでにコミミズクが飛び始めていました。機材をセットして最初のショットが6時28分。日の出3分前でした。

暗いし遠いしですが、昨日の続きか、とりあえず飛んでいます。

今朝は遠いですが、3羽確認出来ました。飛んでいる姿を見られるだけでもいいものです。

このなんとも言えない姿は見ている者を飽きさせません。ハイイロチュウヒもいいですが、この愛嬌のある姿は冬の寒い朝に出てきても見る価値はあると思います。

だんだん明るくなってくると映像もいくらか鮮明になってきます。ベストにはほど遠いですが、十分撮影も楽しめます。

コミミズクですからフクロウ科です。ワシ・タカ・ハヤブサとは違いますが猛禽類です。生息場所をチュウヒやチョウゲンボウ、ノスリなどと共有していますから食性もそれらに近い訳です。つまり葦原に住む小動物からすれば天敵です。でも豊富な餌場であると言うことは、その小動物にとっても住みやすい場所だということになるのでしょう。この辺りのバランスは中々厳しいものがあると思います。

小動物にとって生きやすい場所は、コミミズクなどの猛禽類にとっては餌場としては好適になる。これはどちらにとっても厳しいことだと思います。豊富な餌場は同じ食性の猛禽類達も増えてくる。餌をとりすぎれば餌が絶滅して自分たちの生存も脅かされる。餌の小動物も適当な間引きがないと爆発的に増えてやはり絶滅してしまうかもしれない。この辺りは自然界の絶妙なバランスが働かないと共存は出来ないということでしょう。

そんな柄にもないことを考えながらコミミズクの朝の狩りを観察していました。餌を獲った瞬間は葦原の中に隠れてしまうので見ることは出来ませんが、一度だけ獲物を掴んで飛び立つところを見ることは出来ました。

そんなこんなしているうちにハイイロチュウヒのオスも朝の狩りに出てきました。

コミミズク達が一休みしている所を過(よ)ぎっていきます。

ハイイロチュウヒのオスはどうやら1羽のようです。他の個体は別の場所に行っているようです。

それにしても今朝のコミミズクはよく飛びます。なんとかハイイロチュウヒのオスとクロスしないかとシャッターチャンスを狙ってみましたが、これはさすがに難しいですね。コミミズク同士なら近寄ることも間々あります。

よく見るとコミミズクが左に2羽、右に1羽留まっています。後はノスリやカラスです。チュウヒの類いはこのような場所に留まることはまず無いようです。

・・・続く

冬の猛禽達・・・浮島湿原(付近) Part11

冬もたけなわ。寒い日が続きます。しかし日差しは確実に強くなっています。春が静かに近寄って来ているのでしょう。

春のワタリまでもう少し。残り少ない冬の猛禽達をもう少し見てみたい。そんなこんなで今回は泊まりでの出張りとなりました。

天候が良ければ連泊にする予定です。

さて、朝は4時起床。相変わらずの時間ですが、現着する頃は結構明るくなってきました。これも春が近い証拠なんでしょうね。

到着後、音沙汰無しでしたが、7時21分頃、ハイイロチュウヒのオスの第一弾。

突然、目の前を通っていきました。土曜日の朝の割にはカメラマンも少なかったのですが、人が少ないと少しだけですが距離が近くなる感じです。

朝日を浴びて影が出てしまいます。

この時は狩りもせずにただ目の前を通ったキリでした。

しばらくするとメスの若だと思いますが、半身上が白いチュウヒです。管理人達は「シロチュウ」と呼んでいます。この個体もおなじみになりしまた。

最初見た頃より随分と半身上の色が濃くなってきた感じです。ここに来てすでに3ヶ月程は経つでしょうから成長の証なんでしょうか。

朝はコミミズクは出ません。と言うよりはこのあとめっきり静かになってしまいました。ただ気のせいか先週よりは僅かですが暖かい感じがします。
午前中は車の中で仮眠したりして時間を潰していました。

昼過ぎにようやくチョウゲンボウのお出ましです。

このチョウゲンボウは気が向くとよくホバリングをしています。ただし、餌を獲った瞬間は残念ながら見たこともないし撮ったこともありません。案外捕獲の成功率はかなり低いようです。

15時40分位になってからハイイロチュウヒのオスが塒入り前の狩りを始めました。ただし、これが又遠い。朝の飛翔に比べるとどうにもなりませんって感じの距離ですね。

この時間になるとカメラマンの数も随分と増えています。寒いからでしょうか、朝の出足は皆さん少々悪くなっているのかもしれません。

さらに時間が過ぎると先ほどのチョウゲンボウが再びホバリングです。今度は先ほどより大部近いですね。

チョウゲンボウはハヤブサ目、ハヤブサ科ですから、ハヤブサに似ているのは当然です。飛翔はやはり速いですね。写真を撮るのは中々苦労します。

図鑑で調べると亜種チョウゲンボウ、幼鳥みたいな感じでしょうか。

夕暮れも近づいて撤収時刻に近くなってからです。

とんでもなく遠いところにポツンとコミミズクが単独で現れました。ここのところの観察で3羽は確認しているのですが、出てきたのは1羽だけのようです。それにしても遠い。

そして程なくして何処かへ飛び去りました。

どこかに狩りに行ったのか定かではありませんが、時間的にもこれ以上粘っても観察や撮影は無理な状態になってきました。日が落ちると寒さも一入です。

そんな訳で真っ暗になる前に宿へと撤収と相成りました。