戸隠森林植物園 2017 Part1

今年も戸隠森林植物園へ行こうと決めたのは去年でした。やはりこちらではみられない光景があると言うことが一番ですが、信州の一番良い季節だと言うのもあります。梅雨入り前の今の時期は本当に爽やかですね。北海道へ行くほどのお金も暇もないと言えば栓の無い話ですが、車で4時間でいける(函館や千歳あたりに行く方が実は時間が掛からないのですが)戸隠は野鳥も豊富だしいいところだと思います。

本日は平日出立ですが、4時10分位には家を出ました。道々休憩を少し取りながら松代に着いたのが7時45分。ご覧のとおりの雨模様。

ここで給油をして戸隠森林植物園に到着したのは8時50分位でした。森林公園に着いた頃は雨は上がって大分乾いてきました。平日とあって駐車場は空いています。

そしてみどりが池で最初に出迎えてくれたのが・・・

これをぱっと見て分かる人は少なくても管理人なんかよりは鳥力がある人だと思います。写真図鑑で調べた限りでは分かりませんでした。2008年版のフィールドガイド日本の野鳥P293に載っているニュウナイスズメのメスを連れ合いが見て「これだ」と気が付きました。色合いが少し違いますが、まず間違いないと思います。写真図鑑ではニュウナイスズメの成鳥のメスの写真があるにはあったのですが、確信を持てませんでした。こんな時はやっぱりと言いますか、特徴を捕まえたイラストの方がいいと思いました。

こう言っては何ですが、これほど鮮明にニュウナイスズメのメスを写した写真は図鑑には無かったように思います。ここは営巣地ですからいることはいるのですが、管理人も実はまともに見たのは初めてでした。特徴がはっきりしているので後で図鑑を引けばすぐに分かるだろうとタカをくくっていたのですが、案外苦戦しました。

そして園内に入ると・・・これが静か。雨上がりで気温もあまり上がらず活性が低いのかと思いましたが、水芭蕉園に向かっていくとやたら囀り大きいいつものアレが出迎えてくれました。

ミソサザイは活性の低いこんな日でも元気です。普通中々姿を見せないですが、ここだと安心しているのか人の眼につくところで盛大に啼いています。ここでは撮るのに苦労の少ない鳥ですね。

水芭蕉園の辺りで少しばかり佇みながら双眼鏡をのぞいていたら背中のやたら黒い鳥が枝に止まっているのを発見。とりあえずシャッターを切ってみました。顔がこちらに向いてないので撮った瞬間は分かりませんでしたが・・・

これがクロツグミ。鳴き声は聞くのですがこれは姿を見せない鳥ですね。残念ながら顔が写りませんでしたが、いることはいるという正に証拠写真になりました。

ここで撮りづらいと言えばキビタキです。まあ、センダイムシクイとかサンショウクイも同様ですが、あれだけ囀りが聞こえるのに中々撮れません。ゴールデンウィークのキビタキの森もこの時期になると厳しいですが、まあ、似たような状況になるのでしょう。そんな中、声が近くで聞こえたので暫く佇んでいると、後から夫婦連れの方も一緒に立ち止まり囀りを聞いていると、旦那さんがあそこだと言って発見。やはり眼が多い方が発見率は上がります。

珍しくそこそこキレイに撮れました。ただ、角度的に良かったのはほんの僅かの間。囀りながら森の中へ入ってしまうともう分かりません。たまたまでしたね。そんなことがあってかどうか分かりませんが、帰り際に少しばかりの人だかり。なんとこれがキビタキの巣でした。

巣材を咥えたキビタキのメスが・・・

巣に出入りしていました。

いやぁ、キビタキの巣は何年も福島に通っていても見たことがありませんでした。もっともゴールデンウィークですから森に入ったばかりから福島で巣を見ることは無理な話なんですが。

それにしてもさすが信州は戸隠森林植物園。これって木道から相当近いところなんです。この巣で無事に雛が孵って欲しいですね。

・・・続く。

里山の春・・・雛が孵ったサシバの里 Part7

結論からです。管理人達が観察を続けているサシバの番の雛が孵りました。とりあえずは一羽のようです。まずは目出度し。

到着時、折からの雨で当初は車からの観察になりましたが、オスが餌を持ってきて雛に与えているところでした。雨がかなり強かったのでスコープだけ出しての観察になりましたが、少しですが雛の姿が確認できました。

こうなればなんとか写真に収めたいと思うのが人情です。巣からは離れているので機材をやりくりして焦点距離を稼ぎなんとか撮ることができました。

雛が一羽のようでそれほど頻繁に餌取りをする必要が未だ無いようです。朝方から3時間ほど待機してようやく餌取りでした。餌はカエルのようです。

餌を捕まえるところはさすがに写真に収めることは出来ませんでした。なにせ行動範囲が広いので狙って撮ろうと試みても思うに任せません。それなら巣に帰るところを待っていようということになりました。餌を捕って巣の近くの電柱で待機。そして巣に戻ります。

巣ではメスが雛とともに待っています。オスが近づいてくるのが分かるみたいですね。

餌を捕ってきたオスのご帰還です。なんとか仕事を果たしてオスもほっとしているのか、それともメスに遅いわよなんてしかられているのか・・・まあ、男は辛いよみたいな感じでしょうか(笑

実は電柱に止まっているオスを撮ろうとした瞬間餌を捕るために飛び出したのですが・・・

こっから先、レンズが追いつきませんでした。田んぼで捕獲する瞬間は角度的に無理なようで、どうしても撮りたければ待ち伏せをしないと難しいでしょう。ただし人の居る方には飛んできてくれませんので、ブラインドもどきが必要かもしれません。捕獲の瞬間は写真どころか観察もしてませんので、一度くらい見てみたいものです。

さて、これから二番子、三番子が孵化するのでしょうか。生まれれば更に喧しくなると思います。子育ての邪魔はしないように気を付けながらサシバの親子達の行く末を見守りたいですね。

本日の天候は雨のち曇りでしたが、暑くなくてかえって良かったです。写真的にも暑さによる空気の揺らぎがないためかクリアな感じがします。

なごり惜しいですが、長居は無用。餌やりが見られたので撤収と相成りました。

サンコウチョウの森 Part1 & Part2

サシバもいいですが、夏鳥の代表格はサンコウチョウ。よく言われるオオルリ、キビタキ、サンコウチョウですが、ダントツ人気はやはりサンコウチョウでしょう。あの独特の鳴き声と長い尾は野鳥ファンの心を掴んで離しません。毎年毎年同じように逢いに行くのですが、待ち遠しいのは管理人だけではないはずです。

前ぶりはともかく、5月7日に今年最初の出張りでしたが、姿はチラ見、声はちょっとみたいな感じでした。森に入っているのは確認できましたが、営巣の確認は出来ません。入っている数も少ないような感じです。まあ、いることが分かればと撤収してから、約2週間経ちましたが、さてどうでしょうか。

日中はかなり気温が上がるようですが、さすがに5月ですから、朝方はそんなに暑くはありません。森の中は結構涼しくて半袖で居るとちょっと寒いみたいな感じでした。

サンコウチョウもサシバと同様、南洋系ですから、寒いのはどうかなと思っていたのですが、姿は見えませんでしたが7時前に声を聞きました。しかしその後がない。しばらくするとオオルリの良い声が頭の上から聞こえてきます。ひどい逆光なので写真は諦めて双眼鏡で観察してみるとお腹が真っ白です。この時期ですからまだ巣作りには至っていないようですね。

オオルリが鳴き出してから程なく、おそらく先ほどの周回中のサンコウチョウがやってきました。あれから1時間半近く経っていましたが、今度は姿を確認すると同時に、今シーズンの初ショットが切れました。

暗いし遠いしですが、この時期は撮れればラッキーくらいに考えていますから証拠としては十分。中々尾が長く姿見のキレイなサンコウチョウだと思います。移動してもう少し明るいところに出てくれました。

緑の背景にこの色合いはマッチングするんですね。今のところ距離はどうしてもあるので苦労しますが、愚直に通えばチャンスはあるものです。

ついでと言っては何ですが、先ほど諦めていたオオルリも場所を移動してくれました。

距離的に遠いですが、これくらいならなんとか写真になるかなと言った感じです。オオルリも写真で色をキレイに出すのが難しい鳥ですが、大概は下から撮る機会が多いので気にしても仕方ないかなと言った感じですね。

さて、周回のサイクルが短くなってきたのか、動きが活発になってきたのか鳴き声を聴く頻度が多くなってきました。巣作りが近い予感もします。

そんな中先ほどの個体でしょうか。しばしの休息をしているのを発見。

見事に長い尾ですが、休息して気が緩んだのか・・・

尾の先割れですね(笑

営巣前の時期ですから高い場所にとまることが圧倒的に多いですね。それでも少ないチャンスを呉れますから気長に待つのが吉でしょう。

さて、帰り際、人だかりが出来ていました。巣が出来ていることは聞いていたのですが、それを聞きつけて人が集まってきたようです。こう言っては何ですが巣を見張っていても写真的にはどうかなと思いますが、とりあえず営巣している姿をサッと撮ってきました。

サンコウチョウにしては珍しい巣の形態だと思います。コサメビタキの巣に形状は似ている感じです。あまり高さもなく枝も太いところにあるので人の多さも気になりますがタイワンリスなどの外敵も気になるところです。

巣の近くの斜面を登って目線で写真が撮れるようです。撮りたい気持ちは管理人も痛いほどわかりますけど、そんな場所に長居はしない方がいいと思うのですがどうでしょうか。

さて、例年より営巣が遅いななんて思っていましたが、サンコウチョウの森も段々と喧しくなってきたようです。ああ、夏も近いな、なんて感じながら撤収と相成りました。

里山の春・・・サシバの里 Part6

なんだかんだ言いながら今年もサシバの里に行くこと本日で6回目5回目。ここのところサシバの動きが静かで写真的には撮れていませんが営巣の確認は出来ています。雛が孵るのが待ち遠しいです。

訂正:ブログ的にはPart6ですが、出張り的には5回目(5日目)でした。2017.05.27

本日は夜中に目が覚めてその勢いで出かけました。里山に到着したのは6時前。気温も13度とかなり冷えています。ただ、このあたりはよく靄が出るのですがそれは無い様子。ならば視界は良好ですから、少しは飛んでくれないかなと期待します。

朝は静かなもので、チュウヒの塒立ちのような朝の儀式はサシバには無いようです。チュウヒと違って越冬は東南アジアの方ですから、寒さには弱いのかもしれません。

とりあえず巣を確認。なんとか居ることは確認出来ましたが、雛はまだ孵っていない模様。

それでも7時過ぎにようやくお出ましです。メスの成鳥ですが、これがまた遠いですね。

そして8時半頃、ようやくオスが出てきました。

管理人達が初めて営巣を確認したのが4月23日。あのときは桜がまだ咲いていました。サシバの抱卵期間は約1ヶ月と言われているのでそろそろだとは思うのですが。来週あたり来れば雛が孵っているかもしれませんね。

それにしてもここの名物はなんと言っても電柱サシバです。まあ、サシバにしてみればこんなに都合のよい建造物はないのでしょうね。

あまり近くに寄るとさすがに飛んでいってしまいますが、適当な距離で静かに観察している分にはあまり気遣いはいらないようです。無理に近寄るより向こうから飛んできてくれるのを待っていた方がベターのような気がします。

今日は巣を撮ろうと思ったのでエクステンダーを装着したままでした。これが失敗の元。近くを飛んでくれるのは結構ですが、案の定ファインダーに入れるのに手間取りシャッターチャンスを逃すこともしばしば。この辺りで飛翔を撮るならエクステンダーは不要ですね。

そうは言っても遠いところではまあまあ有効な場合もあります。

電柱サシバならぬアンテナサシバ。結構遠いですが、画質うんぬんよりもファインダーで素早くマニュアルで合焦させたい場合は有効かもしれません。じっくり撮るならライブビューがいいですが、そうも言ってられない場合もあります。それに最近のレンズとエクステンダーの組み合わせは思ったより画質の劣化が無いようです。アナログなレンズの世界もそれなりに進歩しているのでしょうか。

ただ、ご覧のとおり画角の狭さからファインダーに入れるのに手間取ると後ろ姿ばかり撮る羽目になりかねません。この辺りは機材の構成をよくよく考えた方がいいでしょうね。

そうはいっても遠いと焦点距離が欲しくなるのは人情でしょうか。これなんかは相当遠いしピンも甘いのですが、こんな姿を見られるのもサシバの里ならですね。

日が高くなり気温が上がってからの方が動きが大分活発になってきたような感じです。やはり南洋系の猛禽は気温が上がらないと動かないのかななんて思いながら本日は撤収と相成りました。

キビタキの森 2017

5月の連休は福島行きが恒例となっています。そして何よりキビタキ達に逢いに行くのも恒例になっています。このブログでも過去何回も取り上げていますが、この時期の福島は葉の茂りがあまりないので観察・撮影には好適だと思います。今回は5月4日~5日にかけて2回にわたりキビタキの森を訪れることになりました。

初日ですが、朝方はあまり動きが無かったのですが8時付近から動きが出てきました。しかも今回は森に入ったばかりらしく激しい縄張り争いがキビタキの森で勃発しました。まあ、勃発とは穏やかではないですが、ヒタキの類いの気性の荒さを間近で見ることになりました。

色が綺麗ですね。

逆毛だってます。こちらは少し冬羽が残っている感じです。

これが森の中で組んず解れつの争い、今風に言えばバトルを繰り返しています。体当たりしたかと思うとそのまま絡みながら真下に落っこちて行ったり、激しい追いかけっこをしたりと、休む暇も無く縄張り争いに没頭しているのです。

写真でみると目つきが怖い感じがします。同種だからこその激しい争いなんでしょう。相手が天敵なら勝負になりませんが、力が近接している同種だからこそ簡単に決着が着きません。写真を撮っているこちらも睨みを効かせているつもりなのでしょうか。

頭の毛の色の感じが少し灰色かがってみえます。第1回夏羽なのかもしれませんね。なんとなく若い感じがしました。

動きも激しく一つの場所にじっとしてくれません。写真を撮るには素早さが要求されますが、変化があって面白いですね。

飛び出しも何度か狙ってみました。小鳥の類いの飛び出しは難しいですが、動きの激しさもあり、シャッターチャンスには恵まれますのでまぐれ当たりがあるかもしれないと期待します。

それにしもキビタキ百態とは言いませんが、いろいろな表情、動きがあって飽きません。その代わり囀りは少ないですね。まあ、囀っている場合ではないのでしょう(笑

おっと飛び出した・・・

うーん、残念。こちらに向かってくる飛翔ではピントが焦いませんでした。

さすがに疲れたのでしょうか。枝にとまらず地面で休息していました。

あ、又飛び出した。今度は・・・

これも残念。もう一息なんですけどね。

と気を抜いていたら、すぐにまた飛び出しました・・・

今度は上に向かっての飛翔。うん、まずまずの合焦具合ですか。管理人の腕でも数打ちゃたまにはこんなまぐれも出ます。

少し引いた写真を見ると葉の付き方が少ないのが分かります。この時期のキビタキの森ならでは光景です。キビタキがこれだけスカスカの森の中で観察できる場所はそうは多くないような気もします。

去年は天候に恵まれず散々な思いをしましたが、今回はかなり楽しめました。メスが撮れなかった少し残念ですが(ちなみに連れ合いは撮ったようです)こればっかりはしょうがありません。

また来年寄せてもらうよと惜しみつつ、二日間にわたるキビタキの森の観察は終わりました。いつまでもこの森がキビタキの森と呼び続けられることを念じながら横浜へ撤収と相成りました。

そうそう、バトルの相手はこの個体のようです。