小春日和の三番瀬

 ヒメハマシギ騒動(?)も一段落したので、ならばここでちゃんとハマシギを見に行こうということになり、小春日和の秋の日、三番瀬へとつれあいと共に何度目かの遠征をしました。

 管理人達は電車とバスを利用しますので、乗り継ぎが結構大事です。土曜日の朝は二俣新町から船橋海浜公園行きの朝一番は6時58分です。歩いて2キロ位ですから、歩けない距離ではないですが、機材を持ってデッキブーツですから、ここは無理をしません。

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 7時5分頃に到着。

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 9時12分頃が干潮ですから、かなり潮が引いていました。上の写真は8時42分頃です。

 さて、潮が引いていると結構歩かないといけません。本日もデッキブーツを履いたまま東京駅を闊歩してきましたが、三番瀬では必需品です。

 まずは、ハマシギ。

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 色々と調べたのでずか、ヒメハマシギにはヒレ(水カキ)があります。前回の時、つれあいの撮った他の写真を調べてみたら、水カキがないことがはっきりと分りました。つまり、ハマシギということになります。それが分っていれば、それを確認するのもひとつの手なのですが、ヒメハマシギとハマシギが並んでいれば大きさがかなり違うから、分るのではないでしょうか。大きさの順は

 トウネン <  ヒメハマシギ < キリアイ < ハマシギ

になると思います。あと嘴の長さや湾曲具合がそれぞに特徴があり、また、キリアイは目立つ頭側線があるなど、細かな点をつめていけば分るのはずなんでが(苦笑

 まあ、現場に出るとそれがおいそれとは分らなくなりますし、写真を自宅で調べても迷うことが多々あります。まあ、このあたりは経験と場数をもっと積んでいかないといけないんだと思います。

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大きさを比較するものが無いとトウネンに見えるかもしれません。ところが、

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 手前にいるハマシギと比べるとかなり大きいのです。ですから、トウネンではありません。色々と調べると、どうやらダイゼンの冬羽ということに同定出来そうです。夏羽なら一発で見分けがつくダイゼンですが、地味な冬羽になると中々難しいなと思いました。まあ、こんな細かなところをチビチビと見つけて同定していくのも、結構やっていると楽しいです。まあ、分らずにイライラも頻繁にしますが(笑

 それで、そんなシギ達を撮っている最中、ウミネコが頭の上を飛んでいくので、何気に連写したところ、

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自宅で、よくみるとどうも単純にウミネコと同定していいものかどうか、またまた悩んでしまいました。まず、嘴が灰色でその先が黄色です。そして足はやや赤味がかっています。もう、何が何だか分りませんね。ウミネコの亜種なのか、単に年をとって人間の白髪のように色素が抜けただけなのか。はたまた光線の加減にるイタズラなのか。図鑑やネットで調べても分らないのでそのうち詳しい人に聞いてみよう思います。初心者泣かせの水鳥と言うそうですが、まあ、調べるのに時間が結構かかります。ちなみに、これを撮ったすぐ後に撮ったウミネコです。

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 そんな中色々な水鳥が飛び交います。

 腋羽が黒いです。ダイゼンだと思われます。

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おなじみコサギです。

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 ハマシギの飛翔を正面から。

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 浜辺にあるシギ達の足跡。

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 ハマシギの群れが一斉に飛び立ちました。この中のヒメハマシギはいるのか???まあ、そんな想像も楽しいですね。

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 群れから外れたハマシギ。かなり素早い飛翔です。

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 猛禽がいました。後姿だけなんですが、おそらくハヤブサだと思うのですが、どうでしょうか。

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 つづいては、ミサゴ。これはえらく遠いので相当トリミングしていますが・・・

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 山へ行くと声はすれど姿は見えずで苦労しますが、海浜に来ると姿は沢山見えるけど識別で苦労するといった感じになります。同じ野鳥でも随分と違うなと思いますが、それぞれに面白さがあります。それで山と海とバランス良く行ったら当分飽きることはないと思いますね(笑

  この後葛西臨海公園に回りましたが、多分ミサゴだと思うのですが、思いっきり遠くに飛んでいる姿を撮った以外は、特にこれと言っためぼしいものは撮れませんでした。まあ、何処に何がいるか予め分らないのが探鳥の面白いところです。ですから手間を惜しんでいると後悔することもありますので、空振り覚悟で出来るだけマメに回ることにしたいですね。

 それにしても、ポカポカと暖かく(暑く?)気持ちの良い三番瀬でした。そうそう、ここはやはりビデオがいいですね。大分撮りましたので編集が大変ですが、そのうちアップ出来ると思います。

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袋田の滝

 秋の大演習として今年は、日光から谷川岳に行こうということになりまして、そのついでに茨城県にある袋田の滝にも行って来ました。よくNHKなんかで「今の袋田の滝は・・・」なんてよさげにやっているので、それにつられてと言う事になりました。

 実は、管理人の親がはるか数十年前に行っていて、その時のセピア色した写真がどこかにあったと記憶するのですが、ちょっと見当たりません。と言うことは、実は管理人も相当に幼い時に行っているはずなのですが、まるで記憶がありません。それに、つれあいがともかく一度は行ってみたいというのもありまして、まあ、そんな訳で生きているうちに一度くらいということで寄り道をしました。

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 日本三大名瀑というと、「日光華厳の滝」「那智勝浦の那智の滝」そしてこの「袋田の滝」なんですね。管理人は先の二つは何回か行っています。厳密には「袋田の滝」も来ているのですが、記憶がない以上今回が初めてと見做しても差し支えないと思いますので、これでようやく「日本三大名瀑制覇」ということになります。まあ、だから何なのさ、と突っ込まれても返答のしようのないことではありますが(笑

 実はこの滝は観瀑料なるものをとられるのですが、朝の8時前は料金徴収人が不在のため「タダ」です。当然、管理人は朝早起きなのが幸いして「タダ」でした。

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 正直言って滝を撮って何が面白いのかと思うのですが、まあ、中々横浜あたりでは見れる景色ではないのでとりあえずシャッターを切ります。岩肌が水に濡れていますので、かなり露出をマイナスしないと雰囲気が出ません。それに白い空を入れるとこれがまた露出をおかしくするので中々やっかいです。

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 滝の音が中々風情があったのでビデオを回せば良かったと今は思います。実は、駐車場と言うのが特になく、土産物屋さんの駐車場を利用するのがここの作法のようなのですが、八時前は店が開いていません。しかたなく、空いてるその辺の敷地にちょっと停めさせてもらって、地元風のおばさんに「何処か停める場所はありませんか」と聞いたら「そこで大丈夫じゃない」とのご返答。まあ、確かに店も開いていないので、少しの間なら良かろうということで、機材を急いで車から持ち出した次第で、あまりのんびりとは撮影する時間が無かったのです。

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 そんな訳でビデオを回すことも無く、20分ほどで撤収ということになりました。まあ、あわただしいのなんのって。まあ、それでもつれあいは一度くれば気が済んだようです。

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谷津干潟から三番瀬 その2

 そうそう、ちなみに谷津干潟は干潟はどうやら立ち入り禁止のようなので、デッキブーツや長靴は要らないようですね。かえって歩くのに邪魔ですね。

 さて、南船橋から京葉線で一駅、東京方面に戻りますと、二俣新町です。駅から三番瀬まで約二キロほどあります。歩けない距離ではありませんが、バスを利用。駅から四、五分のところにバス停がありますが、大体30分に一本位しかないので、タイミングが悪いと結構待ちます。10分程でバスがやってきましたのでそれに乗り込みます。五分ほどで三番瀬に到着。

 かなりの人だかりです。どうやらクリーンアップ三番瀬とか言ってボランティアの人たちが瀬のゴミ拾いをしていたようです。潮はかなり引いているし、鳥達は大分遠い感じです。

 そんな中、オオソリハシシギを発見。潮干狩りをしている人の群れの間に二羽いました。初めはオグロシギかと思ったのですが、嘴が反っているのが確認できましたので、オオソリハシシギと同定しました。

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 最後のはデジスコで撮りました。そうそう、谷津干潟は初めてだったので機材が重たくなるのを避けたので、今回はビデオはお留守番でした。三番瀬はどちらかというとビデオ向きですね。シギやチドリはチョコマカと動き回るので追っかけるのが結構大変です。あまり近づくと逃げてしまいますが、ウミネコの群れの中にいた時は結構近くまで寄れました。

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 ツガイなんでしょうかね。オスメスはちょっと分りません。

 あと、シロチドリもいました。

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 その他、ハジロカイツブリがいたのですが、相当に遠いのでデジスコで撮ろうとしたのですが、レリーズが壊れてしまい撮りそこねました。困ったもんですね(笑

 つれあいはキリアイも確認したようです。

2009.10.25追記:
21日に分ったのですが、つれあいの撮ったのはキリアイでなくヒメハマシギではないかと思われます。斬り合いの傷の無いキリアイ、つまりヒメハマシギらしいのですが。当人はその時は頭側線の無いキリアイと思い撮ったとか。おいおい、なんで管理人にそのことを言わなかったんだとかなり揉めました(笑

2009.10.27追記:
よくよく見るとどうもハマシギの冬羽のようですね。大きさがキリアイ程度だということだったのでそうかとも勘違いしましたが、羽の感じも違うし、嘴も少し長い感じがします。トウネンと並んでいれば多分一回り以上大きいのですぐにハマシギだと分ったと思うのですが。まあ、管理人もこれが100パーセントヒメハマシギではないと断言は出来ませんが、今回は幻のヒメハマシギだったなぁという気持ちになっています(笑

あとおなじみのミヤコドリなんですが、瀬の清掃のためか、とんでもなく遠いところにいました。清掃が終わり潮が満ちてみたらかなり近くの瀬まで戻ってきました。昼をとってからミヤコドリを撮ろう思い売店で簡単に食事を済ませると、風が相当に出てきました。機材が砂まみれになるのはかなわないので撮影は見合わせ、撤収となりました。

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 三番瀬ではデッキブーツが大活躍でした。普通の長靴だと少し短いので場所によっては通れません。まあ、今日位の陽気なら素足で潮干狩りをしている人が沢山いるくらいなので、裸足でも構わないでしょうが、やはりあれば便利だと思います。

 

谷津干潟から三番瀬 その1

 デッキブーツを履いて谷津干潟を目指しました。どちらかと言えば歩くのには不向きなものなのですが、荷物が増えるのが嫌なので止むを得ず家から履いていきました。

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 東京駅で京葉線に乗り換えて約30分、南船橋で降ります。

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 駅から歩いて数分で干潟に出るのですが、これがまた結構大きな干潟で一回りすると三キロ強はあるようで、自転車がないと結構厳しいなぁという印象を受けました。

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 ご覧のとおり、周りはマンション群が立ち並んでいますし民家も回りに沢山ありますが、これだけの自然の干潟というのは少なくても首都圏では他にはないと思います。ただ、気になるのは、いくらか朝が早いとはいえ、カメラやフィールドスコープを携えた人を殆ど見ないことです。

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 オナガガモ ♀

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 ハシビロガモ
 
 カモ類は目立つのですが他があまり目に付くものがいません。アオサギが飛んでいたので取り合えず・・・と言った感じです。

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 それで、はっきり言って観察するにはまあフィールドスコープでもあれば何とかなると思うのですが、撮影となるとチトきついかなぁと思います。いくらデジスコでもちょっとキツイですね。よほどの希少種の証拠写写真ならともかくそれ以外はあまり撮ってもなぁといった感じです。

 干潟の外周はそれなりに舗装されていて、各所に観察する場所が設けられています。まあ、広いので自転車でもあればいいのかなと思いましたが、重たい機材を持ってうろつき回るのは結構シンドイと思います。

 管理人は動き回らずに、二時間ほど観察していてウミネコ、アオサギ、セイタカシギ、コサギ、カワウ、遠くて同定できなかったカモ類やシギ類少々、などは観察することが出来ました。写真も一応撮りましたが、証拠写真を載せるほどのこともないので割愛します。つれあいは少し動いてカワセミ二羽も観察しようです。写真は遠くてやはり無理だったようです。

 それで、この時間になると少しばかり観察する人も出てきました。それでもほんの数人といったところですね。

 谷津干潟自然観察センターが午前9時に開館したので、三百円支払って入ってみました。ちなみにセンターの敷地内は自転車乗り入れ禁止だったように記憶しています。

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 屋内から観察出来るようになっていますので天候に左右されないのはいいかもしれませんが、これまた撮影には不向きですね。それで、管理人たちはほんの三十分程度しかいなかったので何とも言えませんが、じっくり腰をすえていればかなり色々な鳥が観察出来るようです。

 地元の人で「野鳥には殆ど興味が無いけれど」と前置きして話してくれたのですが、ここのところ撮影に来る人が少なくなったとか。干潟の野鳥の減少を意味するのかもしれません。とは言っても、これだけの干潟で何が来てもおかしくないですから、知っておいて損はないと思います。まあ、一度や二度来たくらいではよく分らないのは当たり前で、次回を期待しつつ、三番瀬に向かいました。

 ・・・続く。