白樺峠 2015 Part1

今年も19日から21日の三日間、白樺峠に行ってきました。昨年は予定を変更して好機を逃しましたが、今年はどうでしょうか。

渡り調査の数字は転用を遠慮下さいとあるので、こちらのサイトを参照して下さい。

管理人が行ってきた三日間は最初のピークと比べても遜色ないくらいには飛んだようです。平均からすると今年はかなり出足が早いし、加えて数も去年よりは飛んでいるようです。特にハチクマが好調のようで、実際、現場で観察していると、近くではサシバよりハチクマの方が多かった印象です。サシバは数は出ていますが、どうも峠からはあまり見えないところを飛んでいったようです。21日は特に数ほど飛んだ実感はありませんでした。

それは写真にも出ています。ハチクマの写真は結構撮れたのですが、サシバさっぱりと言った感じでした。今年は春サシバを堪能したので、写真の方はそちらではそこそこ撮れたのですが、秋の渡りは残念と言った感じです。

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天気には三日間恵まれたのは何よりでした。人出もかなり多く、撮影の場所取りと駐車場を近くに確保するために早朝からかなり多くの人達が出ました。六時を過ぎると前のベンチはだいたい埋まっていたようです。

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少し珍しい白色型。サシバと違ってハチクマの色はバラエティに富んでいてこれはこれで飽きないですね。

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現場でも今日はハチクマデーの声が上がるくらい、ハチクマが良く飛んでいました。

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こちらは一転して不人気なノスリ。ノリちゃんだと言って向けていたレンズをしまう人も結構多いですね(苦笑
どうも、猛禽らしくないのが不人気の原因なのでしょうか。

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尾翼のないハチクマです。どうしてこうなったかは定かではありませんが、結構器用に飛んでいました。次が生えてくるかどうか分かりませんが、なんとか渡っていけるのでしょうかちょっと心配ですね。

・・・続く

タカのワタリ 矢倉岳

昨年のシーズン終わりに足柄峠に初遠征して以来、ようやく矢倉岳に登りました。

高圧線が被っていますが、山頂が見えます。

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足柄万葉公園から約一時間半。健脚の人なら一時間程度の行程ですが、管理人は機材を担いでいるので、かなりペースを緩くして登りました。

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標高はご覧の通り870メートル。空気が薄くなるほどではありませんが、タカに少しでも近づければと思い登りました。

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山頂に登った当初は靄がかかっていました。曇った空は晴れることがありませんでしたが、それでもタカは飛んでくれました。

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これはツミのメス成長と幼鳥、おそらくは親子ではないかと思われます。渡って行った訳ではありませんが、中々珍しいツーショットだと思います。

メスの単独。

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結構近くを飛んでいました。背景が雲なので色が出るか心配でしたが、かなり強烈な露出補正(当然プラス側)を施して、ようやく撮れた感じです。

幼鳥の単独。

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それにしても随分と遊んでくれました。

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次は左下に傾いたノスリ。

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その次は右下に傾いたサシバ。

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二枚を横に並べるとなんか睨み合っているみたいです(笑

一応はサシバのワタリがメインなので・・・

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この頃になると山頂にかなりの登山者が押し寄せ、昼食を取ったりしていました。まあ、こうなると近くには寄ってこないのでしょうね。まあ、致し方の無いことです。

致し方無いと言えば、空が真っ白なのはやはり辛いですね。もっとも曇っていた方が高度は低くなると言われていますが、どうなんでしょうか。人が集まった山頂、曇った空。なんとも条件としては複雑な気もします。

とは言ってもそれなり堪能出来たと思います。シーズンも終わりに近づいているので、これが見納めになるでしょうから、まあ、良かったですね。

今年は天候の関係で、あまり地元は回れませんでした。それでようやく最後になって矢倉岳に来たのですが、普段から鍛えておかないと機材を担いで登るのは辛くなりそうです。なんと言ってもタカに少しは近づけるのがいいですね。それと天気が良ければ富士山が綺麗に見えるのです。富士山を背景にタカを撮り茄子を昼飯に食べる、一富士二鷹三茄子なんてね、来年は洒落でいいからやってみたいですね(笑

白樺峠 Part5 ワタリあれこれ

管理人がタカのワタリに、嵌まったのは2010年10月2日からです。このときのブログを読み返してみると、本人曰く、「ビギナーズラック」とちゃんと弁えているところが、奥ゆかしくていいですね(笑

実はこの年の5月には三番瀬でソリハシセイタカシギにも遭遇しているのです。この年で一生分の探鳥の運を使い果たしてしまったのではないかと本気で心配しましたが、そんなこともないと思っています。

さて、タカのワタリですが、今でも撮影することがメインなのですが、いつの頃から最後に南に飛んでいくときに、「さうよなら、又来いよ」と心の中で念じるようになりました。時には声に出して、手を振りながら「さようなら」とやることもありますが、どうも中年親父ではあまり様にならないようです。

旋回を重ね高度を上げ、最後にすーっと流れていくように去って行く。一体いつ頃から繰り返されているのか分かりませんが、とかく別れというモノは感傷的になりがちです。毎年秋になるともぞもぞするのはこの感傷的な別れを忘れられないからなのかなと自己分析していますが、どうでしょうか。

それと雲海の中を編隊を組むようにサシバが渡っていくシーンも良かったですね。これは撮影は不可能でしたが、フィールドスコープでじっくりとワタリを観察することが出来た時はかなりの感動モノでした。

まあ、年齢を重ねると感動したり感激したりということが少なくなっていくように感じます。それを何とか増やそうとせっせとこの時期になるとタカのワタリを追いかけているのでしょうか。まあ、生きとし生けるものが愛しく感じる年齢になってきたこともあるのでしょうが、生命のダイナミズムに触れることは、理屈抜きに惹かれるモノがあるような気がします。時に生命のダイナミズムは残酷な場合もあります。でもそれは生命の連鎖の中で必要な訳で、それを否定することできないでしょう。

本来、自然というのはあまり生き物に優しくない場合があります。だけど、自然を破壊すると生き物は生きていけない。まあ、厄介な相手ではあります。考えてみれば、サシバやハチクマだって渡らずに生きて行けたら実はその方が楽でしょう。でもそれを自然が許さないと見ることもできるのではないでしょうか。

渡らない鳥たちもいますからその存在を考えると、ワタリを必要とする鳥たちは随分と自然から不公平な扱いを受けていることになります。でも、人間と違って不満を口にすることなく、そのリスクを淡々と受け入れて、生命をつないでいる訳です。

思えば、大抵の観察者や撮影者が好きな夏鳥のオオルリ、キビタキ、サンコウチョウなんてのも渡り鳥です。ワタルが故の希少性も人気の一因でしょうが、管理人的にはこれらの鳥たちに惹かれるのは、ワタリのリスクを背負っていて、それがなんとも言えない、切なさを醸し出しているからではないかと勝手に考えています。

危険を背にして渡って行く。考えてみればなんとも不合理な気もしますが、鳥のワタリも無くなってしまうような世界になったら、人間もまともには生きていけないような気もします。

まあ、理屈は抜きにして来年も、再来年も、可能な限り、ワタリを見たいですね。

白樺峠 Part4 ワタリも色々

白樺峠でタカのワタリを観察・撮影となると、どうしてもサシバやハチクマがお目当てになってしまいます。それは普段見ることが出来ないからなんだと思うのですが、でも普段よく目にしてるタカも渡って行く場合があります。例えばノスリ。

とノスリの写真を探したのですが、これがなんと無い。確かビデオは回した記憶があるのですが、写真が一枚もない。結構飛んでいた記憶があるのですが。まあ、「又ノリちゃんかぁ」なんてため息付いている人達も結構いたりして、管理人もノスリだからまあいいかぁなんて思ってしまったのでしょうか。自問自答すると・・・分かりません(苦笑

ビデオの方では撮っているのでそれをそのうち見てもらうということにして、タカではないですが、エゾビタキもいたんです。遠いですけど。

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そして何とサメビタキもいました。

正面からみると

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横からみると

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これでコサメビタキがいれば良かったんですが、さすがにそうは問屋が卸しませんでした。

そして結構驚いたのがアサギマダラがいたこと。ここは標高約1700メートル。鳥たちがワタルなら分かりますが、なんせ蝶々ですから。こんな高いところまでワタリにくるんですね。サシバやハチクマもびっくりと言ったところでしょうか。

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実際目の前をひらひらと渡って行きました。結構唖然としましたね。今冷静に振り返ると、これが今回のワタリで一番驚いたことだったような気がします。

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そうそうツバメも結構渡っていきました。なんとか針が見えないハリオアマツバメのシルエットを撮った言う感じです。それにしてもこの手の小さいヤツを撮るのは本当に難しいですね。

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そういえばツミも結構渡っていったのですが、これも写真が無い。うーん、ビデオもあるかちょっと確認しないと分からないですね。小さくと早くて、なんか突然出てきたような記憶があるので、腕が付いていかなかったんでしょうね。

そうそう驚くと言えば、ワタリではないですが、クマタカも出現しました。本当に申し訳程度の証拠写真ですが。

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こうしてみると今回の白樺峠遠征はそれなりに盛りだくさんだったなぁと思います。これで結構ビデオもかなり撮っていますから。まあ、こちらの方は編集が結構大変です。飛翔シーンを細かく切ってダイジェスト版を作っているところですが、結構な量になりそうです。まあ、似たようなシーンが多いので、そのうち総集編的にまとめたいと思います。

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さて、来年の話をすると鬼が笑うなんて昔の人はいいましたが、又是非とも来年も行きたいですね。来年と言わず毎年欠かさずこの時期に行っていればそのうち好日に当たると信じて懲りずに行きたいですね。

白樺峠 Part3 ワタリのタカ編

タカのワタリのために白樺峠に行って、Part3はワタリのタカ編はなんか変だろうという突っ込みも意識しつつ、Part3 は稚拙ながら撮ったワタリ中のタカを見てみたいと思います。

先んず思うのは、タカに限りませんが野鳥の同定は当たり前ですが難しいなと言うことです。撮ってきた写真を見て、すぐに分かるものもありますが、そうでないものがかなり多いです。観察している時は分かったつもりでも時間が経つと記憶の劣化なんでしょうか、特に、撮影などをしているとメモが取れませんからより難しくなります。

実はビデオを常に回していればいいのですが、それも現実的ではありません。それに白樺峠ですと殆ど自力で同定しなければなりません。勿論、ベテランさん達が数多くいますのでその人達の力を借りることも度々ですが、やりは最後は自力解決することが出来るようになりたいと思うのです。

そんな中で頭をひねった一枚。

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管理人的にはハチクマの記憶がありました。羽の感じからしてそう見えます。ハチクマの暗色型、雄と思っていたのですが・・・

よく見ると翼指が五枚にしかみえません。これではハチクマではないことになってしまいます。だけどサシバやノスリには見えない。困ったなと思っていたところ、とある書籍によれば秋のワタリ時は翼指の換羽は五枚である場合が多いと書いてありました。そこに載っていたハチクマも一見すると翼指が五枚にしか見えないものもありました。しかしそんなこといままで随分とタカに関する本も買ったけど書いてなかったような記憶があります。それだけ難しいものだと実感させられました。

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当日の違う個体ですが羽がかなりぽろぽろですのでこれは換羽前なのでしょうか。よく見ると左右の翼指の五番目が欠けています。これは換羽中なのでしょうか。厳密に言えばこれも翼指が五枚と言えなくもありません。

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これは違う日の個体ですが、換羽が終わっているせいか綺麗な羽の状態です。翼指も六枚綺麗に見えます。そして同時間帯に飛んでいた別固体。

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似たような感じですが、羽の状態は随分と違います。

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数は少ないですが、一応タカ柱。

ハチクマは個体差がかなりありますし、関東ではサシバに比べると見られる機会が少ないですから、よけい難しく感じるのかもしれません。

さてサシバですが、どうも写真の方はあまり撮れなくて、後半戦に入ってからなんとか少し撮れた感じです。サシバは比較的高度がありますので、ハチクマより写真的には手こずる感じです。

Part1に出てたサシバと同個体のもの。腮線が確認出来ます。

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別の日の別固体。

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上と同日の別固体です。

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天気が良いためか高いところを飛翔するので中々綺麗には撮れません。腕と機材の問題もありますが、致し方ないでしょうか。まあ、他のベテランさん達はそれなりに撮っていると思いますが。空が比較的青く綺麗なので色はそこそこ綺麗に出ているかなと思います。

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何かの拍子に垂直降下したときのものです。ちなみに縦撮りしたものではありません(笑

遠くの場合はビデオ、接近戦になったら写真みたいな感じで撮り分けているつもりなのですが、やはりビデオの方が時間的には撮っていた時間は長いようでした。まあ、よく撮れたかと言われれば、まあ、60点くらいかなと思いますが、それでもかなり楽しくかつ緊張した時間が過ごせたように思います。

タカに限らずでしょうが、もう少し焦点距離の長いレンズが欲しいところです。なんとか来年はそれを叶えたいのですが、なにせ先立つものが何とやらでどうなることやら。

機材はどうあっても来年も白樺峠に行ってワタリのサシバやハチクマに会いたいものです。