チュウヒが飛んだ・・・渡良瀬遊水地 Part1

先週は茨城県の百里基地に猛禽でありませんが、猛禽に、ちなんだ戦闘機を撮りに行きましたので、今週は本当の猛禽を見に行こうということになり、久しぶりに渡良瀬遊水地に出張りました。今回の目玉はハイイロチュウヒの塒(ねぐら)入りをなんとか見てみたい・・・でした。

塒入りですから当然夕方あたりの話です。それでも朝5時に出立。現地到着は7時10分頃となりました。いつもの鷹見台で朝の腹ごしらえです。

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ともかく良い天気です。朝方は靄が出ていたようですが、すっかり晴れ渡っています。少し風があって寒いですが、日中は気温も上がるとのこと。しかしこのときはこの晴天が後で裏目に出ることなんか微塵も知らず、暢気に腹ごしらえをしたのです(笑

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鷹見台から綺麗に富士山が見えます。朝方だけでしたが、さすがは日本一の山ですね。廻りはだだっ広いので全方位視界が開けていますから、ウォッチングタワーに登れば少しオーバーですが関東中を見渡せる感じです。

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さて、肝心のチュウヒですが・・・鷹見台からはさっぱりです。ミサゴが第二調節池にある湖沼でダイビングを披露してくれましたが、撮影は出来ませんでした。

午前中は遊水地内をあちこち物色しながら回って見たのですが、これといった出会いはありませんでした。昼になると風もおさまり、さらに気温が上がって来ました。スカイダイビングもコンディション的には最高ではないでしょうか。

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遊水地の物色といっても果てしなく広がる葦原の中をさまようみたいな感じです。余談ですが、春に野焼きをやるそうですが、その後が見渡しが良くて越冬している猛禽類の餌取りが容易になるそうです。そして、たらふく餌をゲットしてワタリに入る。そんな感じらしいのですが、中々うまくスケジュールが出来ていると思いました。野焼きの後は一見の価値がありそうですから、是非来年は行ってみたいですね。

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さて、肝心なハイイロチュウヒの塒入りですが、遊水地を物色していると午前中から車が何台か待機していました。管理人達も少し早いとは思いましたが、13時過ぎくらいには待機することにしました。そして車から降りて葦原をみたら、愕然としました・・・

そうです、葦原が恐ろしく背が高いのです。一応脚立は用意しましたが、とてもじゃないが歯が立たない。しばらく考えましたが、ここは撤収して他の場所を物色するかと思い離れかけたのですが、途中に妙に葦原の遮りがちょっとだけ少ない場所がありました。おそらくは人の手で葦原を刈るわけではないですが、手折って視界を確保したのでしょう。まあ、春に野焼きをする葦原ですから、さすがにここではあまり細かいことは気にすることはないとは思いました。

それでも十分な視界は確保出来ません。廻りを見渡すと、まあ、皆さんとんでもない仕掛けを用意して撮影に臨んでいます。屋根の上に三脚を立てる人、3メーター近い三脚に1メートルを超える作業台を持ってくる人。中には軽トラックの荷台にちょっとしたステージもどきのお立ち台を組み上げる人。

うーん、これはこれで凄い世界だと思いました。お隣の人はGITZOの1番でかい三脚と大きな作業台を持参していましたが、自嘲気味に「これ家では邪魔なんだよね~」とぼやいていましたが、確かに普通の撮影ではまずお目にかかれない光景です。

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ハイイロチュウヒ(ハイチュウと呼ばれている)は普通のチュウヒ(タダチュウとか呼ばれている)に比べるとより低く飛ぶ習性があるそうです。ですから、撮影はより一層困難になります。

さて、まつことしばし・・・15時半頃に一羽飛んで来ました。来るなりあまり旋回もせずに塒に入ってしまいました。葦が邪魔してどうにもなりません。シャッターの切りようがありませんでした。しかも、西側に向いての撮影ですから、「ど」がつくほどの逆光です。太陽をレンズで捕らえると時間にもよりますが、下手をすると自分の目とカメラのセンサーがいかれるかもしれません。

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ただ、姿は辛うじて見て取れました。目に収めることが出来たので、まあ、これはこれで良かったですが。

さて、その後が来ません。廻りの常連さんの話だと、こんな青空晴れの時は塒入りが遅くなる傾向があるそうです。確かに、餌を捕るにしても暗くなっては話になりませんから、明るい晴天時はそうなるのかもしれません。加えて雲が出れば太陽が遮られるので撮影が楽になるようです。これも確かにそうですね。

天気が良く、コンディションに恵まれたかと思っていましたが、なんとここでは一概にそうではないようです。むしろ少し悪天候の方が太陽は照らないし、塒入りが早くなるのですから、困ったものです。

そうはいっても、管理人にも多少の意地はありますから、今度来たら葦原越しにマニュアルで抜いてみようと構えていました。そしてその結果撮れたのが・・・

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証拠写真もいいところですが、これが管理人としての本日の装備での限界だと思います。感度はもう少し上げた方がシャッタースピードが上がってもう少しましになったかもしれませんが、タラレバを言ってもしかたありません。シャッタースピードが解放でも1/80です。廻りの常連さんはなんとかこの条件をクリアしてかなり鮮明な映像をゲットしていましたが、管理人としては鮮明な映像は望むべくもありません。

ただ、それでも執念の一枚を(連写はしていますが)改めて見ると、自画自賛になりますが、何とも言えない味があります。それはこの撮影の困難さを管理人なりにこの写真から思い起こすことが出来るからです。他の人に分からないかもしれない写りの悪い証拠写真ですが、管理人なりの思いが込められた一枚だなと感じることが出来る・・・これはこれで写真を撮る醍醐味の一つではないかと勝手に一人悦に入っています。(笑

さて、完全に陽も落ちたし、廻りの常連さんも帰り支度を始める人もいたので、撤収の準備を始めました。カメラをリュックに入れ、車に積み込んだ時です。

「出たぁ・・・」

みれば夕日の向こうにハイイロチュウヒが飛んでいるではありませんか。慌てて、カメラを出して、レンズフードもそのままで、手持ちで脚立の上でシャッターを切りました。この時のISOは6400。シャッタースピードはそのお掛げで1/1000でした。しかしまさにシルエットです。

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思いっきり明るさ補正をしてみると・・・

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証拠にもならない程度ですが、ハイイロチュウヒであることは辛うじて分かると思います。しかも慌てていたので、レンズの手ぶれ補正は入っていなかったのです。まあ、シャッター速度がそれなりに出ていたので、この手ぶれ補正の効果はどの程度だったか分かりませんが、それくらい管理人にとっては唐突な出来事でした。

要するに、晴天のおかげで塒入りが遅くなったと言うことなんでしょうか。この状況ではおそらく鮮明な写真は相当に困難だとは思いますが、観察も兼ねているのなら、最後の最後まで諦めないでいるべきだと思いました。これはこれで見ることが出来たので良かったと思っています。色々としんどいことが続きましたが(苦笑

さて、本日は古河に宿を取ってあります。暗い葦原の道を安全運転で宿に向かいます・・・続く

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