先週の涸沼ですが、現場に居るときは目の前のことに気をとられてあまり深く感慨に耽ることはありませんでした。
が、自宅で写真の整理をしてたらとりとめも無く色々なことを考えます。
妙に胸騒ぎがして、どうしてだろうかと思うと、心の内を冷静に見てみると比較的単純な話で
「ああ、また、オオワシと逢いたいな・・・」
言ってみれば、オオワシロストみたいな感じです。
そう言えば、昨年サシバの営巣をかなり長い期間観察していて、夏に巣立ちをした時に襲われた気持ち、「サシバロスト」に近い感じです。
野鳥の観察をしているとたまにこういう時があります。1番最初に経験したのはアカガシラサギの越冬でした。
次に観察するターゲットが確固として決まり、それが区切りをつけてしまうと、まあ、こう言った「ロスト」な状態になるんでしょうね。
だとするといるか居ないか分かりませんが、今週も涸沼に行くしか無いだろうと言うことになりました。さすがに今週は涸沼に宿は取っていませんでしたので、浮島湿原に出張るときにお世話になる宿を金曜日にお願いしたという、かなり慌ただしい出張りになりました。
問題は先に書きましたが、「いるか居ないか」です。3月の上旬にはワタルようですから10日は微妙です。ただし、土曜日前の3日間は天気が悪かったですから、ワタル確率は低いだろうと勝手に思い込んで出張ることにしました。まあ、いままでタカのワタリを観察してきて天気の悪いときに好き好んで飛んで行くことはあまりなかったように思います。
網掛公園に到着したのは7時30分頃。先週よりはゆっくりめの到着です。駐車場には・・・どうやら1番乗りのようです。
まあ、出足は遅いので近場の常連さんはそんなに早くから出張らないとは言いながら、やはりちょっと不安になりました。
先週と同じく土手で観察開始。ぼちぼち出てきた常連さんによるとここ3日は姿を見ていないとのこと。天候が悪かったので渡ったかどうかまでの確認は出来ていないようです。
ぼちぼちと人は出てきましたが、やはり誰もその姿を見た人はいないようです。
観察開始から1時間くらいたったころでしょうか、スコープで対岸を観察していたら・・・
先週よりは東側に鎮座していました。まあ、これで一安心です。が、問題はここから。今日は何時間待つのだろうか・・・居たらいたで考えてしまいます。
が、1時間ほどしたら飛び出しました。おお、これで今日は行けるぞと思い、ファインダーを見ることに集中すると・・・
(はっきりと分かるように意図的にコントラストを上げています)
遠くて高いこと。どうも餌を獲るなんて感じではありません。
そして中々降りてきません。10分ほど飛んでいると
餌を狙っているのでしょうか。湖面に視線を落として飛んでいます。
そして何回も高くあがり渡っていった風に見えるのですが、これがそう思わせておいて中々滑翔しない。
この時点ですでに30分近く飛んでいます。長く飛んで呉れるのは有り難いのですが、どうにも動きが予測出来ない。そして全く餌を獲る素振りもない。まあ、ワタリが近いので越冬中の日常的な行動パターンから外れたことをするというのはあるかもしれません。まあ、これも観察と割り切れば興味深い行動の1つでもあるのでしょう。
時たま高度を下げて飛ぶこともあります。そうなると先週よりは大分近い距離で撮影が出来ました。飛んでいるところを見ていると気を抜けませんが、それはそれで楽しい時間です。
中々撮れなかった正面からの写真も撮れました。これでも結構遠いのですが、今までの絶望的な距離に比べたら本日は大サービスと言えるでしょうか。
まさかカモメの類いにモビングされているとは思えないのですが、悠々と飛んでいるオオワシの後を追いかけます。カモメの類いは羽を広げると1メートルくらいありますから、ほぼ同じ高さを飛んでいるのでその大きさが分かります。
さて、どれくらい飛んでいたのでしょうか。小一時間くらいかもしれません。何処ともなく去ってしまったかと思ったオオワシですが・・・
先ほどより更に東側に鎮座しました。うーん、これから餌取りがあるのだろうか。管理人達はそんな疑問を持ちながら、さらに観察を続けることになりました。
・・・続く