翌日2日は天気予報では晴れ間がでるはずでした。しかし・・・
群れていてもこの有様。距離はとんでもなく遠い訳ではないのですが、どうにもなりません。かなりの湿気模様でこの後殆ど晴れることはありませんでした。
そんな中サシバのメスの幼鳥がかなり近くまで来ました。
少し距離が離れると霞んでしまいます。
少し時間が経って別個体だと思いますが、やはり幼鳥が近くまで来たのですが、この時間になるともうどうにもならないと言った感じでした。
これくらいの距離ならもう少しキリッと写るはずなんですが、ご覧の通りの有様。そしてこんな天気でも渡って行くのかと言う感じなんですが、どうもこの付近だけかなり靄がかかっているようなんですね。山なら陽が上がって気温が上がれば靄は大概晴れますが、どうもここは海が直近にありますので、それが靄の供給源となっていつまで経っても晴れない、そんな感じがしました。そして南西の暖かい風がその供給の役割をしているのかなとも思いました。
何せ、ホテルの端の方が霞んでい見える始末です。太陽が照っているのが分かると思いますが、殆ど遮光してしまっています。
少しましな時間帯もあるにはありましたが、三日間殆どこんな状態でした。そんな中この悪天を物ともせず、凄い勢いで飛んで行くチゴハヤブサが少しサービスをしてくれました。
この頃になると少し気がついたことがありました。この時点では確認出来なかったのですが、去年との風向きの違いを知る手がかりがあることをです。伊良湖ビューホテルに行って撮影をした方はご存じだと思いますが、風力発電の発電機が見えます。その羽の方向をみれば風向きが分かります。
今回の遠征では向かって右側に羽が向いていました。そしてこれは去年撮ったものですが、向かって左を向いています。
地図でみれば分かりますが、右向けば南西、左向けば北東くらいの風の向きのようです。つまり右を向いていれば暖かい南風がたっぷりと湿気を含んで吹いてくる、こんな構図になるわけです。そうすると、どちらかと言えば恋路ヶ浜の方に飛んで行くような感じになるのでしょうか。ですから、恋路ヶ浜で観測して920も飛んでいるのにホテルの崖側からはその十分の一も見えなかったのかもしれません。いや、飛んではいても靄に邪魔され見えなかった個体も沢山あったのかもしれません。どうもこのような天候の時は浜側から観察した方が良いような気がしました。
もっともこのような天候で観察が主体なら数が出れば救いがあるかもしれませんが、撮影はどちらで撮っても厳しかったでしょう。自然相手のことですから、思い通りにならないのは慣れていますが、それでもここまで来て三日間この天候だったのは辛かったですね(苦笑
まあ、救いの一つだったのは、エゾビタキが撮れたことでしょうか。
伊良湖岬のような地理的な条件はワタリにとって都合の良い部分も多々あると思いますが、海が近いが故の厳しいコンディションもあるのかと思いました。いずれにしてもワタリは山を越え海を渡るものです。人間の都合よりも渡って行く鳥たちの方が自然に対して厳しい対応を迫られているはずです。このような視界の悪いときでも渡っていく個体も多々あると言うことは、かなり切羽詰まった状態であるようにも思います。
そういえば、ワタリではまず聞くことの無かったサシバの鳴き声を二度ほど聞きました。当然視界の悪い状態の中です。集団性の強いと思われるサシバはこのような時に鳴き声を頼りに飛んで行くのでしょうか。勿論、理由は管理人には分かりませんが、妙に切なく聞こえました。
そして天候が今年のように不順だど、ワタリはかなり厳しいものになるとは思いますが、ともかく無事に渡ってくれることを願います。